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| 戦車と言えばドイツ、ドイツと言えば戦車。ドイツ戦車というのは凄まじく強力なイメージがありますね。
| しかし最初からドイツの戦車は強力だったわけではなく、長い長い下積み時代がありました。
| 今日の講義は、第一次世界大戦後第一世代の正式ドイツ戦車であるI号戦車です。
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    | パンターでもティーガーでもなく、I号戦車……?
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         | 物事は順番だ。
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| 第一次世界大戦で敗れたドイツはヴェルサイユ条約を強制的に結ばされ(ドイツ人視点)、
| 軍備に様々な制限を受けてしまいます。そんな制限事項の中に、戦車の開発・保有の禁止というのがありました。
| しかしこれからの陸戦は、戦車の存在が決め手になる――ドイツの中の人はそう考えたんですよ。
| そういうわけで、ドイツは各国の目を逃れながら極秘裏に戦車開発に乗り出すことになります。
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    | ここらへんの経過は、陸戦兵器の歴史でやったな。
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         | この当時、ドイツの兵員数は凄まじく少なかった。
         | 連合国と再び戦争になった場合、前大戦のように大規模な塹壕を構築するには明らかに不足。
         | そういうわけで、ひたすらにドイツ内を駆け回りながら侵入してくる敵を叩くしかないと考えた。
         | この窮余の一策に近かった「運動戦」の思想が、後の欧州を震撼させた「電撃戦」に発展するんだ。
         | そういうわけで、この「運動戦」というソフトを走らせるためのハードを組むこととなった。
         | まあこの戦車重視の考え方も、当時のドイツ軍全体の共通思想ってわけじゃないけどな。
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| とりあえずドイツは戦車の研究を開始し、1925年には「グローストラクター」という秘匿名称で試作車を発注します。
| このグローストラクターとは「重トラクター」の意味で、他国に戦車開発の意図を隠すためのものでした。
| この依頼を受けたのはダイムラー社、ラインメタル社、クルップ社の三社、ドイツを代表する重工業社です。
| それぞれの会社は、軍からの要求にかなった試作戦車を開発して提示しました。
| それが、以下のようなものですが……結果は、全て不採用となってしまいます。
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 ・グローストラクターI(ダイムラー社)
  1929年に一号車が完成。形状は平行四辺形に近く、第一次大戦時の戦車の面影が色濃く残る。
  塹壕を越える能力を重視しており、主任開発者は一部で有名なポルシェ博士。
  変速機のトラブルに悩まされており、この一件によってポルシェ博士が道を踏み外したのだという説も。
  なお、真偽は不明だが水に浮くという説がある。

 ・グローストラクターII(ラインメタル社)
  1928年に一号車が完成。形状はグローストラクターIに似ており、これも水陸両用を意図していたとか。
  他の二社の試作車と違い、機関銃は搭載されていない。

 ・グローストラクターIII(クルップ社)
  1928年に一号車が完成。形状は他者のものとほぼ同じだが、速度性能は最も高い。
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    | 三社とも不採用? そりゃまた、どういうわけだ?
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         | 結局のところ、全部第一次世界大戦時の発想で造られてたんだ。
         | 上で語られた、「電撃戦」というソフトを走らせるためのハードとしては明らかに不適合なんだよ。
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| ミギー君の言った通り、ドイツの陸戦戦略が固まり始めると、従来の発想の戦車は不適合だということが判明。
| そこで1928年、「リヒタートラクター」という秘匿名称で新しい戦車の試作車を各社に発注します。
| この「軽トラクター」を意味する試作戦車が発注されたのは、ラインメタル社とクルップ社の二社。
| 勝利を勝ち取ったのはラインメタル社の試作戦車で、1931年には289両の量産が命じられましたが――
| そこで、致命的な欠点が浮上。視界が狭く無線機も搭載していないということが問題視されたんです。
| これはドイツ陸軍の取るべき新戦術には合致しておらず、量産命令は白紙撤回となりました。
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 ・リヒタートラクター(軽トラクター)
  1920年代後半から開発が始まった、新しいドイツ陸軍のための試作戦車。
  いったんは量産が決まったものの、視界不良や無線機を搭載していないことが問題となり量産が中止される。
  なお、VK-31という型番が存在していたようだ。
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    | 重トラクター軽トラクター、どっちもボツになったのか……
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         | 両方とも、試作戦車以上のものにはなりえなかったんだよ。
         | しかしこれらの失敗を踏まえて、ドイツの戦車開発は着々と進む。
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| 軽トラクターの量産が中止された翌年の1932年、秘匿名称「農業用トラクター(LaS)」の開発がスタートします。
| これは今までの欠点を踏まえた新型戦車で、ラインメタル社やクルップ社の五社に試作車を発注。
| そして軍のハートを射止めたのは、クルップ社が同年に完成させた試作車両でした。
| この農業用トラクター(LaS)が、新生ドイツ初の正式な戦車となるI号戦車となるのです。
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 農業用トラクター(LaS)の要求仕様
  ・全周型(360度回転)の砲塔に、二挺の機関銃を備え付けること。
  ・機関銃の弾丸を弾き返す装甲を備えること。
  ・全重量は5トンを超えないこと。
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    | おお、ここでようやくI号戦車の前身が……
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         | 後に詳しく説明するが、この車両は実戦に耐えうるものとは思われていなかった。
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| クルップ社はLaSにさらに改良を重ね、翌年の1933年には改良型の1A LaS Kruppが完成。
| ここから他国にバレないよう部分ごとにバラして生産を始め……
| そして1935年、ヒトラーが世界に向けてドイツの再軍備を宣言します。
| こうしてコソコソ生産する必要がなくなり、おおっぴらに1A LaS Kruppの生産を開始。
| そして1938年、この戦車はI号戦車A型の名称を与えられることとなるのです。
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 ・I号戦車
  1933年、主に訓練用に開発された戦車であり、第一次大戦後のドイツ戦車第一号。
  主武器は7.92mm機銃が2丁のみで、装甲は悲しいほど薄い。

 
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    | 1938年……名前を与えられたのは、結構後の話なんだな。
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         | それまでは、MGパンツァー(機関銃戦車)などと呼ばれてたんだ。
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| このLaS(I号戦車)の性能は実戦で役に立つようなものではありませんでしたが、大量生産を敢行することに。
| 軍の中の人は、7.5cm砲を備えた中戦車と、3.7cm砲を備えた軽戦車の二種類を将来的な主力にしようと計画。
| 7.92mm機関銃二挺という貧弱な武装のLaS(I号戦車)は、あくまで訓練用のつもりでした。
| また戦車の全くない陸軍が軍備を回復するまでの繋ぎでもあり、メーカーの生産技術育成という意味合いも。
| さらにヒトラーの再軍備宣言以来、手っ取り早く作れる戦車の生産を急がせたゆえに予想以上の大増産。
| 「我が軍は、これより軍備を保有する!」と宣言したのに実は戦力が整ってなかったなんて格好つきませんから。
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 訓練用のLaS → 後のI号戦車
 7.5cm砲を備えた中戦車 → 後のIV号戦車
 3.7cm砲を備えた軽戦車 → 後のIII号戦車
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    | あれ、II号戦車は?
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         | 主力となるべきIV号戦車III号戦車の開発がはかどらないことから、急遽開発されたんだ。
         | ここらの経緯は、II号戦車の講義で。
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| しかしI号戦車A型の量産開始直後から、幾多の欠点が明らかになりました。
| エンジン出力が不足していたり、すぐにオーバーヒートしたり、不整地での走行が不安定だったり……
| そこで1935年に軍はI号戦車A型の改良を命令、こうして完成した改良型がI号戦車B型です。
| 全体をちょっと長くした新設計の車体に、A型の2倍近い出力を誇る強力なエンジンを搭載。
| I号戦車A型の生産は1936年6月に818両の時点でストップ、以後は完全にI号戦車B型の生産に切り替わりました。
| B型は武装や装甲に変化はないものの、数々の初期不良を完全に克服した完成品なんです。
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 I号戦車B型
 ・全長:4.42m  ・全幅:2.06m  ・全高:1.72m  ・重量:5.8t  ・乗員:2名
 ・最大出力:100hp  ・最大速度:40km/h  ・行動距離:170km  ・装甲厚:6〜13mm
 ・エンジン:マイバッハNL38TR(直列6気筒液冷ガソリン)
 ・武装:7.92mm機銃MG13×2
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    | 完成品っていっても、相変わらず武装は機銃が二挺のみ……
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         | I号戦車としては完成品、ってことだな。
         | この戦車自体が非力過ぎる、という点は置いておこう。
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| 1935年8月から1937年8月まで、I号戦車B型は675両が生産されます。
| そしてヒトラーの再軍備宣言の翌年である1936年、スペインにて内戦が勃発。
| ドイツとソ連がそれぞれ対抗する勢力を支援したことにより、両軍の兵器がスペインへと送られました。
| 兵器をレンタルしただけではなく、両国とも正規軍を義勇兵の名目でスペインに派遣。
| そんなドイツの送った兵器の中に、I号戦車約100両の姿もありました。
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 ・スペイン内戦(1936年7月〜1939年3月)
  スペイン内部で行われた、共和国軍(人民戦線政府)と反乱軍の内戦。
  ソ連が共和国軍を支援し、ドイツ・イタリアは反乱軍を支援。
  結果的に、反乱軍側が勝利を収める。
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    | 他国の内戦に、おもいっきり首突っ込んだのか。
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         | 両国とも実験段階の兵器をテスト目的で使ったため、この内戦は「兵器の実験場」とも呼ばれた。
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| しかし初の実戦を経験したI号戦車は、その貧弱さを露呈してしまいます。
| ソ連が投入したT-26軽戦車は45mm砲を搭載し、最大装甲厚は17mmと非常に強力。
| このT-26に対して、I号戦車はまるで歯が立たなかったんですよ。
| 戦況自体は、巧みに対戦車陣地に引き寄せたり対戦車砲を有効利用してドイツ側有利に進みますが。
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    | やるな、さすがドイツ軍。
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         | 戦車の性能は向こうが勝っていることを悟ったドイツ軍人は、正面からぶつけなかったからな。
         | 巧みな戦術を用いて、ハードで圧倒的に勝る相手を叩いたんだ。
         | ドイツ側は、そもそもI号戦車を戦車だと思っちゃいなかったし。
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| またI号戦車は、実に意外な形で戦史に姿を現しています。それが、日中戦争。
| 1934年からドイツは軍事顧問団を中国に派遣しており、I号戦車A型を17両輸出していたんです。
| そして1937年の12月、南京攻略に向かう日本軍を、中国のI号戦車4両が急襲。
| しかし中国側の攻撃が散発的なものだったため、日本軍は撃退に成功しています。
| その中の1両は日本軍によって捕獲され、戦利品として靖国神社に飾られていました。
| 日本兵達が捕らえたI号戦車の上に乗っかり、万歳している写真も載っています。
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    | なんと、中国軍のドイツ戦車が日本軍と戦火を交えるとは……
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         | 後にドイツと同盟を結ぶと、朋友国の戦車を戦利品として靖国に飾るのはいかがか?ってことに。
         | そこで「ソ連から獲得した戦車」という嘘の説明書きが加えられることになったんだ。
         | なおこの戦車は大戦末期に射撃試験の標的とされ、そのままスクラップにされたとか。
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| ここで話は変わりますが、ドイツ陸軍は無線能力を強化した車両を求めていました。
| 絶え間なく戦況が動き続ける電撃戦においては、指揮官も前線で指示を出しまくらなければいけないんです。
| それゆえアシが必要になり、なおかつ部隊全部に指示を出せるほどの通信設備も必要だったんです。
| 大出力の無線機は、それなりに大きくなってしまうもの。普通のI号戦車には搭載不可能でした。
| そこで、指揮官専用のI号戦車を開発しようという計画が持ち上がります。
| そうして完成したのがI号指揮戦車でしたが、どうもサイズの小ささがネック。性能はいまいちでした。
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 I号指揮戦車とは?(正式名称は「小型指揮戦車」)
 ・I号戦車から重機関銃一挺を撤去。
 ・砲塔そのものを撤去し、固定式の箱形乗員室を設置する。
 ・その中に、無線設備を充実させる。乗員も3名に。
   → I号指揮戦車A型の完成!!
 ・それでもまだ乗員室内が狭いので、車体自体を設計し直して全長を伸ばす。
   → I号指揮戦車B型の完成!!
 ・それでもまだ狭いが、I号指揮戦車の拡張はもう限界。
   → 他の戦車を、指揮用に改造しようか。
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    | 指揮官用っていっても、赤く塗ったりツノを付けたりしたわけじゃないんだな。
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         | なおI号指揮戦車B型の車体は、上で説明したI号戦車B型の車体としても用いられることに。
         | 時系列が前後したが、I号指揮戦車の開発はI号戦車B型より前の話だな。
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| そして1939年、ドイツがポーランドに侵攻して第二次大戦が勃発するのですが……
| 数の上での主力は、明らかにI号戦車II号戦車。最多数の戦車は、文句なくI号戦車だったんです。
| 本来なら主力にしたかったIII号戦車IV号戦車は、あまりに数が足りなかったんですね。
| ポーランドは大した戦車を配備していないから良かったものの、向こうの対戦車砲にはかなり苦戦しました。
| グデーリアンは、「まさかこの戦車を実戦で使う事になろうとは……」と嘆いたとか。
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 ・開戦時のドイツの所持品
  I号戦車:1445両(+I号指揮戦車:215両)
  II号戦車:1226両
  III号戦車:98両
  IV号戦車:211両
  35(t)戦車・38(t)戦車:276両
  グデーリアンの「電撃戦」構想:Priceless
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    | どう見ても、I号戦車が一番多いな。訓練用だったはずなのに……
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         | ドイツ陸軍にしても、戦争準備が微妙に整ってなかったからな。
         | 次に行われたノルウェー戦でも50両ほどのI号戦車が投入されたんだが、こっちは活躍できた。
         | ノルウェーは、対戦車用の火器をほとんど所持していなかったんだ。
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| そしてフランス戦でもこの状況はほとんど変わらず、やはり数の上ではI号戦車II号戦車が主力。
| さらにフランス軍は、ポーランド軍とは比較にならないほど強力な戦車を所持していました。
| ソミュアS35やシャールB1などはIII号戦車などよりも強力で、I号戦車では全く太刀打ちできず。
| 結局のところ、熟練した戦術と高い指揮で勝ち抜いています。
| ハードでは完全に負けていましたが、ソフトの優劣で勝ちをもぎ取ったんですよ。
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    | なんと。ここに至っても、まだドイツ戦車はそう強力ではなかったのか……
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         | なおフランス戦では、I号戦車を改造……というか再利用した自走砲がデビューしている。
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| とにかくなんとかフランス戦を乗り切ったI号戦車でしたが、さすがにここらで限界を露呈。
| 1941年の対ソ連戦開始時には、北アフリカ戦線など一部の例外を除いて現役から引退し始めていました。
| しかしI号戦車は、フランス戦前後の時期あたりから全く違った形で利用されていたんですよね。
| 敵歩兵をいじめるくらいにしか使えない機関銃を取っ払い、sIG33重歩兵砲を載せてみたんです。
| この走る重歩兵砲は38両が完成し、対フランス戦でデビュー。これが、予想以上に戦場で大活躍。
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 ・I号15センチ自走重歩兵砲(15cm33型重自走砲)
  I号戦車B型の車体に、sIG33重歩兵砲をほとんどそのまま載せてみた車両。
  主砲の15cm重歩兵砲に加え、7.92mm重機関銃一挺を装備している。
  最初に投入されたフランス戦から、戦争後半に至るまで使用され続けた。

 
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    | ここらへんの経過も、陸戦兵器の歴史でやったな。
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         | 明らかにヤバそうなドイツ流やっつけ仕事だったにもかかわらず、意外にも大活躍。
         | これ以後は突貫工事ではなく、本格的に搭載方を検討するようになった。
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| またチェコが開発していた47mm対戦車砲(4.7cmPaK(t))を、ドイツは国家併合の際にゲットしていました。
| これはドイツ陸軍で使用していた3.7cm対戦車砲よりも強力であり、これをI号戦車の車体と合体させてみることに。
| こうして完成したI号対戦車自走砲は1940年3月から翌年2月まで、202両が生産されています。
| I号対戦車自走砲は対戦車戦闘に投入され、フランス戦においては
III号戦車IV号戦車を上回る火力を発揮。
| 戦局に大きく貢献し、1943年の後半に至るまで大活躍を喫しました。
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 ・I号対戦車自走砲(4.7cmPak(t)搭載対戦車自走砲)
  I号戦車B型の車体に、チェコ製47mm対戦車砲を搭載した車両。
  主砲の47mm対戦車砲に加え、7.92mm重機関銃一挺を装備している。
  フランス戦で最初に投入され、それ以後も各地で活躍した。

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    | こっちは、対戦車砲か。
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         | 前線で使用できない戦車の車体の再利用、というジャンルに夢を持たせた成功作。
         | これ以後、ドイツは自走砲にハマってしまったんだ。
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| まだまだ、I号戦車は有効利用され続けます。
| I号戦車を舐めるな……ってか、ドイツ陸軍を舐めるな。
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 ・I号戦車B型爆薬設置車:I号戦車B型の車体に、爆薬の設置アームを取り付けた工兵用車両。
 ・I号戦車A型架橋車:I号戦車A型の車体を再利用した架橋車。
 ・I号火炎放射戦車:I号戦車A型の砲塔に火炎放射器を取り付けた戦車、主に北アフリカで使用。
 ・弾薬運搬車用Ia号戦車&Ib号戦車:I号戦車A・B型の車体に、弾薬運搬用の箱を載せたタイプ。
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    | うおっ、改造しすぎ!
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         | 困窮していたドイツ軍に、無駄遣いする余裕はない。
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| また、I号戦車の進化形としてC型F型があります。どちらも新設計で、厳密にはA・B型とは別物なんですがね。
| C型は、陸軍が空挺作戦(パラシュート降下作戦)で使用できる軽戦車の開発を求めたことから始まります。
| 1940年に試作車が開発されたのですが、量産が開始されたのはなんと2年後の1942年。
| その頃には状況が変化し、空挺作戦も実施の目処は立たず。生産もたった40両でストップします。
| それがI号戦車C型なんですが、実際は新設計であり血の繋がりはありません。
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 ・I号戦車C型
  空挺作戦用に開発された戦車だが、生産が遅れた挙げ句に少数の量産に終わる。
  主兵装は7.92mm対戦車機関銃EW141でI号戦車よりも強力、また装甲も30mmとIII号・IV号戦車に匹敵。
  しかし1942年時点では大したモノでもなく、僅か40両が生産されたのみ。
  僅かに実戦を経験したが、それ以後は訓練用として用いられている。
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    | I号戦車よりはかなり強力みたいだけど……1942年じゃあな。
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         | このC型も次のF型も、I号戦車という名前が付いているものの全くの別物だ。
         | I号戦車の講義で紹介すること自体が微妙なんだが、一応ここで。
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| I号戦車F型は、最大限にまで重装甲が施されたI号戦車ってことですが……結局のところ、これも別設計です。
| とにかく防御力に主点を置いた陣地突破用の車両であり、正面装甲圧はなんと80mm。
| 開発時期は、フランスの誇る大防衛ラインであるマジノ線の突破が主眼とされていたんですね。
| しかしマジノ線はあっさりと迂回され、フランスもあっさりと(激戦だが、期間は短い)陥落。
| 1943年に30両が完成しましたが、いくらなんでも遅すぎ。VI号戦車ティーガーがすでに実戦配備されています。
| こうしてI号戦車F型は後方の占領地域などに回され、警察による暴徒鎮圧用として使われました。
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 ・I号戦車F型
  マジノ線突破を主目的に開発が始まった陣地突破用車両だが、完成時には目的を喪失。
  正面装甲は80mmと優れているが、武装はI号戦車と同じく7.92mm重機関砲が二挺のみ。
  実戦に出すには余りに貧弱であり、後方の治安維持部隊に回された。
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    | 特殊な状況で使用されるはずだった戦車だな。
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         | その特殊な状況が来なかったので、どうしようもなくなってしまった。
         | このC型F型は、ドイツ側でも露骨に持て余していた様子が目にとれる。
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| さて、こんな風に……亜種や自走砲型を除いて、I号戦車は非常に貧弱な存在でした。
| しかし、開戦前にヒトラーは「無敵のドイツ陸軍」の影をちらつかせて各国を脅し、様々な譲歩を引き出す事に成功。
| その実情が、紙細工のような装甲に重機関銃二挺のみというI号戦車だったわけです。
| この戦車が隊列をなして走り回る姿をヒトラーは宣伝し、ドイツ軍の底知れない力をアピールしたんですよ。
| こういった政治的宣伝に大いに貢献したことが、I号戦車の最大の戦果だったのではないでしょうか。
| そういうわけで、I号戦車の講義を終えましょう。
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 ・I号戦車A型:初期生産型。
 ・I号戦車B型:エンジン改良型、最もスタンダードなタイプ。
 ・I号戦車C型:空挺型、正確には全くの別設計。
 ・I号戦車F型:重装甲型、正確には全くの別設計。
 ・I号指揮戦車A型:通信性能増強タイプ、生産は極めて少数。
 ・I号指揮戦車B型:A型の改良版。
 ・I号15センチ自走重歩兵砲:sIG33重歩兵砲搭載型。
 ・I号対戦車自走砲:47mm対戦車砲搭載型。
 ・I号対空戦車:20mm対空機関砲搭載型。
 ・I号戦車B型爆薬設置車:I号戦車B型の車体に、爆薬の設置アームを取り付けた工兵用車両。
 ・I号戦車A型架橋車:I号戦車A型の車体を再利用した架橋車。
 ・I号火炎放射戦車:I号戦車A型の砲塔に火炎放射器を取り付けた戦車、主に北アフリカで使用。
 ・弾薬運搬車用Ia号戦車&Ib号戦車:I号戦車A・B型の車体に、弾薬運搬用の箱を載せたタイプ。
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    | ううむ……あまり、夢の広がらない話だったな。
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         | 怪物戦車の化け物っぷりを味わうなら、V号戦車パンターVI号戦車ティーガーの講義を待て。
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