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| さて、今回はVI号戦車ティーガーティーガーIIについて講義しましょう。
| 戦争中期のドイツにて姿を現した、空前絶後の怪物。
| ドイツ戦車の強力さを骨の髄まで世界中に叩き込んだ伝説の戦車。
| そしてドイツ戦車の代名詞。第二次大戦で最も有名な戦車。世界で最も人気のある戦車。
| この戦車を飾る言葉は数知れず、まさに絶対無敵の戦車なんですよ!!
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    | なんだ、しょっぱなからハジけてるな。偏った講義にならないか……?
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         | しょっぱなぐらい、ハジけててもいいじゃない。
         | 語れば語るほど、しょっぱい戦車なんだから――みつお。
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| VI号戦車の開発期限は意外に早く、大戦が始まる前の1935年。
| 訓練用のI号戦車、主力のIII号戦車、火力支援のIV号戦車と言っていた時期の話です。
| ドイツ軍は、これらの戦車を上回る強力な重戦車の開発を計画していたんですよ。
| 30トン級という、当時としては破格の大重量戦車がVI号戦車の起源です。
| この車体の開発はヘンシェル社とポルシェ社にそれぞれ開発させることが決定。
| そして砲塔は、クルップ社が開発する――ということになりました。
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    | 30トン……戦争が激化してきた頃には、その程度じゃ重戦車と言えなくなってしまうんだよな。
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         | この戦車は突破戦車とも呼ばれ、IV号戦車の後継的な位置にあたる戦車だった。
         | やはり対戦車戦闘にはあまり向かず、敵陣地の制圧任務が想定されていたんだ。
         | とは言え、開発は非常にのんびりしたものだったがな――例の一件があるまでは。
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| この重戦車の開発依頼を受け、ヘンシェル社はDW1と呼ばれる試作車両を1937年に完成させます。
| DW1は24口径7.5cm砲に50mmの装甲を備えた30トン級の戦車だったんですが、不具合は数多し。
| さらにその発展型としてDW2も開発されましたが、これも出来は悪く、生産されないまま終わります。
| このDW1とDW2の開発経験を踏まえ、ヘンシェル社はVK30.01(H)と呼ばれる車体の開発に取りかかりました。
| VK30.01(H)はなかなかに良くできた車体で、開戦から2年が経った1941年に完成したんですが――
| しかし1940年初頭、とある事情でVK30.01(H)の採用はキャンセルされてしまったんですよ。
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    | 完成が1941年で、キャンセルが1940年初頭って……なんか前後してない?
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         | 正確に言うと、1940年初頭に軍上層部はこの戦車に興味を失っていた。
         | その後もVK30.01(H)の開発は細々と続けられ、1941年に完成ってことだな。
         | 完成した頃には、不必要な車両になっていたんだが。
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| VK30.01(H)がキャンセルされた理由、それはポーランド戦などを経験したことによる開発仕様変更にありました。
| 30トンクラスでは小さいのではないか?という意見が大勢を占め、より大きいサイズの車両が求められたんです。
| こうしてヘンシェル社には36トン級のVK36.01(H)という車両が発注され、VK30.01(H)は白紙撤回されました。
| すでに完成している4両のVK30.01(H)車体は――ドイツはお約束のように、うち2両に高威力の砲を搭載。
| 61口径12.8cmキャノン砲と合体させ、VK.3001(H) 12.8cm対戦車自走砲というのを仕立て上げてしまいました。
| しかも信じられないことに、この2両は東部戦線に実戦投入されています。
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 ・VK.3001(H) 12.8cm対戦車自走砲
  ティーガーの祖先にあたるVK.3001(H)に61口径12.8cmキャノン砲を搭載した自走砲。
  完成した4両のVK.3001(H)のうち、2両がこの車両に改良され、実戦投入されている。
  1両はソ連によって捕獲され、現在も博物館に展示されている。
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    | やっぱ、やっちゃったのか……
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         | しかもソ連に捕獲された車両、22本のキルマークが刻印されていた。
         | 22両の敵車両を殺ったってことだな。
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| さて、ティーガー開発に話を戻しましょう。
| VK30.01(H)を押しのけて発注されたVK36.01(H)は、VK30.01(H)の拡大版といった車両でした。
| この36トン級のVK36.01(H)を開発する途中で、様々な問題が発生。結局は45トン級のサイズにまで肥大化。
| そこで車体を再設計してVK45.01(H)として完成させたんですが、これも57トンにまで肥大化するという有様。
| そんな開発時期の真っ最中に独ソ戦で
T-34ショックが起き、上層部は「早く完成させろ!」とせっつきます。
| 結局のところ、VK45.01(H)は足回りに無理を残したまま完成させることになりました。
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 ・T-34ショック
  対ソ戦で遭遇したT-34のあまりの強力さに前線兵士は恐怖、ドイツ戦車開発陣も愕然とした一件。
  このT-34ショックは、後のドイツの戦車開発に大いに影響を与える。
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    | やっぱ、ここにもT-34ショックが出てくるのか。
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         | パンターと違い、ティーガーは元々T-34に対抗するために造られた戦車ではない。
         | だがT-34の存在が、それまでタラタラやっていた開発を大いに早めたのも事実。
         | さらに元々は突破戦車だった本車も、対戦車戦闘を主眼にするようになった。
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| さて、その一方で事実上の競合相手であるポルシェ社もVK45.01(P)の開発を進めていました。
| これは電動モーターで車輪を回転させるという、いわば電動戦車だったんです。
| 正直なところかなりヘンテコな発想で、しかも出来が良いとは言えませんでした。
| また電気系統の機械には稀少資源であった銅を使用し、故障も多い、燃費も悪い――
| あまりにも新機軸すぎて、問題がてんこもりな車体だったんですよ。
| ただ問題は、ヒトラーは夢が盛り沢山なこのVK45.01(P)をお気に入りだったってこと。
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    | もはや、どこにヒトラーが絡んで来ようが驚かないぞ。
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         | ポルシェ社は、フェルディナント・ポルシェ博士が設立した会社。
         | このポルシェ博士はアレなものばかりを開発する、困った科学者だった。
         | しかしヒトラーはそういう新機軸とかぶっとんだ兵器やらが好きで、ポルシェ博士を重用。
         | そんなヒトラーとポルシェ博士のコンビは、色々とろくでもない事をやらかしている。
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| そして1942年4月20日、ヒトラーの誕生日。VK45.01(H)とVK45.01(P)というティーガー候補が披露されます。
| ヒトラーはポルシェ社となかよしこよしなこともあり、VK45.01(P)をひいきしていましたがね……
| それでも、VK45.01(P)の性能がVK45.01(H)に劣っているのは明らかでした。
| しかしヒトラーは1942年5月、ほとんど独断でポルシェ社にVK45.01(P)の生産命令を出します。
| それも早急に数を揃えることとヒトラーは厳命、ポルシェ社ではただちに大量生産体制に。
| そして7月には、クンマースドルフ試験場にてVK45.01(H)とVK45.01(P)の比較試験が行われます。
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    | ちょっと待て。7月に比較試験ってことは……
    | その結果が出る2ヶ月も前に、ヒトラーは生産命令を出したってことか?
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         | だから、ほとんど独断って言ってるじゃないか。
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| そんな一連の比較試験で、VK45.01(P)は散々な醜態をさらしました。
| ドイツの中の人は、「こりゃダメだ。使い物にならん」とVK45.01(P)にダメ出し。
| こうして優秀なVK45.01(H)が勝利をもぎ取り、ティーガーの名を名乗ることが許されたんですが――
| 問題は、ヒトラーの先走りによって大量生産体制に入ってしまったVK45.01(P)。
| 早期量産を厳命されたことにより、すでに8両が完成。2両は車体のみ完成し、100両が作りかけ状態。
| そんなVK45.01(P)を、俗にポルシェ・ティーガーと呼びます。
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 ・VK.4510(P)ポルシェ・ティーガー
  ティーガー候補としてVK45.01(H)に敗れ去ったVK45.01(P)が、先走って生産されてしまったもの。
  電気駆動式という奇妙な形式を取っているものの、その性能は極めて悪かった。
  作りかけも合わせて100両近くが確保されており、その処理に頭を抱えるハメに。
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    | こんなポンコツ、100両も造っちゃってどうするんだ……
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         | 作りかけというか、正確に言えば資材の確保分ってことだけどな。
         | しかもドイツの戦車不足は深刻で、ポルシェ・ティーガーのうち最低でも2両は実戦に投入された。
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| よろしい、ならば自走砲だ――ってことで、このポルシェ・ティーガーのほとんどは自走砲として仕上げることに。
| 71口径8.8cm砲を搭載し、前面装甲厚は200mmという怪物級の厚さにまで増大。
| こうして完成したのが重駆逐戦車フェルディナント、1943年5月までに90両が完成しました。
| 2ヶ月後に控えていたツィタデレ作戦に投入され、その大火力を生かしてそれなりの戦果を上げます。
| その戦いでフェルディナントは約半分が撃破されましたが、生き残りは改良されて以後の戦線にも投入。
| その大火力と重装甲は敵にとって脅威、味方にとって頼れる存在でもあったんです。
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 ・重駆逐戦車フェルディナント/エレファント
  VK.4510(P)に71口径8.8cm砲を搭載し、駆逐戦車として仕上げた車両。
  とてつもない大火力と重装甲を誇るが、極めて鈍重で足回りにも負担が掛かっていた。
  1943年7月のツィタデレ作戦で投入されて戦果を上げた後、イタリア戦線に投入される。
  なおフェルディナントとはポルシェ博士の名前であり、後にエレファント駆逐戦車と改称された。

 
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    | もはや、再利用と言えば自走砲(駆逐戦車)だな……
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         | この車両は戦後長らくポンコツ評価がなされていたが、最近の研究では見方が変わっている。
         | 機械的故障が相次いだという話も正しいものではなく、むしろ故障は少なかったようだ。
         | 機関銃を搭載しなかったせいでソ連の肉薄攻撃に大打撃を受けたということも言われていたが、
         | 現在ではそのようなケースは極めて少なかったことが判明している。
         | そういうわけで、最近になって評価を一変させた車両なんだよ。
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| ではここで話を戻し、競作に勝利したVK45.01(H)――改めVI号戦車ティーガーについて見ていきましょう。
| 主砲は、極めて強力な8.8cm砲。この口径はドイツマニアにとって伝説と化した数字でもあります。
| 前面装甲100mmというのも化け物クラスで、出現時は文句なく世界最強の戦車でした。
| その形状は従来のドイツ戦車の発展系とも言えるもの、新機軸を導入した後のパンターよりもクラシックな感覚。
| 傾斜装甲はまだ採用しておらず、非常にゴツゴツしたガタイがファンを魅了させますね。
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 ・VI号戦車ティーガー
  8.8cm砲という強力な砲を搭載し、凄まじいまでの装甲厚を誇る怪物戦車。
  生産性や整備性、機動性は劣悪だが、それらを犠牲にして余りあるほどの性能を誇る。
  生産数は約1300両とそう多くはないが、終戦まで獅子奮迅の活躍を見せた。

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    | かっこええ……
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         | なおこの講義ではティーガーで統一しているが、この車両は時期によって名前が変わってる。
         | 最初はVI号戦車、次にティーガーE型、さらにティーガーIって感じでな。
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| 実はけっこう保守的な設計であり、重装甲と大火力以外の目立った特徴は少なかったりもします。
| この点も、新機軸を多く採用したパンターとは異なるところですね。
| 1942年7月から1944年8月まで、1354両が完成。意外に少ないのは、後に改良型が出来たのもありますが――
| まあお察しの通り、生産性が非常に悪くコストも高かったからなんですよね。
| またドでかい主砲と重装甲のせいで足腰に負担が掛かり、足回りが非常に悪いのもお約束の問題点でした。
| よって機動力は非常に低く、しょっちゅう修理が必要、整備性も実に悪く、鉄道輸送も一苦労。
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 VI号戦車ティーガーI
 ・全長:8.45m  ・全幅:3.705m  ・全高:3.00m  ・重量:57.0t  ・乗員:5名
 ・最大出力:650hp  ・最大速度:40km/h  ・行動距離:195km  ・装甲厚:25〜100mm
 ・エンジン:マイバッハHL210P45(4ストロークV型12気筒液冷ガソリン)
 ・武装:56口径8.8cm戦車砲KwK36×1、7.92mm機銃MG34×2
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    | 結局のところ、アンバランスなんだよな……
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         | 明らかに、無理させすぎではある。
         | その重量たるや、IV号戦車の倍以上だからな。
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| まあティーガーは重戦車であり、主力戦車のような使い方をするために開発された車両ではありませんでした。
| そんなティーガーの配備先は一般の戦車部隊ではなく、重戦車大隊が中心だったんです。
| 強力な敵が現れた時に、黄門様の印籠のように現れて暴れ回るという運用――つまりは火消し。
| そういう切り札部隊への配備が中心であり、全ての戦車部隊に常備されるタイプの戦車ではありませんでした。
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    | 火消しか――マドハンドに呼ばれる大魔神みたいなものだな。
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         | 連合軍にしてみれば、こんなもん呼ばれたらたまったものじゃない。
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| そんなティーガーの初陣は1942年8月29日のレニングラード。
| 4両が投入されたのはいいものの、3両が故障してしまうという悲惨な有様。
| 出だしは悪かったものの、以後のレニングラード戦線でティーガーは大活躍。
| とんでもない怪物戦車の出現に、ソ連は度肝を抜かれてしまいました。
| また1942年11月のアフリカ戦線にも投入。チュジニア戦で姿を現し、連合軍の戦車を薙ぎ倒します。
| まあ戦闘そのものはティーガー投入前に決まっていたような状況で、間もなく現地ドイツ軍は降伏しましたが。
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    | 最初の戦闘はアレだったけど、以後は順調だったみたいだな。
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         | 順調どころか、相対する敵軍はあまりの強力さに大ショックを受けた。
         | そもそも最初の戦闘は、明らかに重戦車に不向きな地形なのに無理に投入したことが原因。
         | そんな場所に、明らかに時期尚早の投入命令を下したのは――やっぱりあの人。
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| そして1943年2月のロストフ戦いおいては、とある1両のティーガーが不死身ぶりを見せ付けました。
| 76.2mm砲を11発、50mm級対戦車砲を14発、14.5mm対戦車銃弾を227発――
| これだけの攻撃を受けたティーガーが、ボロボロになりながらも自陣に帰還したんです。
| この頑丈っぷりに感動したドイツ軍の偉い人たちは、このボロボロの戦車を記念碑として飾ることを決定。
| パーダーボルンという都市に、無敵のドイツ戦車の象徴として飾られたんです。
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    | これだけ殴っても潰れないとか……こんなのに相対したら、どうすりゃいいんだよ。
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         | もう、なんとか側面や背後に回って闇討ちするしかないだろ。
         | こんなのとガチで戦ったら、命がいくつあっても足りない。
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| 有名なティーガー乗りなんて、余りにも多すぎて紹介できません。
| オットー・カリウスなどを始め、1両で敵戦車10両以上を撃破するというとんでもない戦果もちらほら。
| 中でも凄いのは、ミハエル・ヴィットマンが単騎で行ったヴィレル・ボカージュにおける激戦。
| 彼の操るたった1両のティーガーがイギリスの戦車部隊に奇襲を掛け、ほぼ壊滅にまで追い込みます。
| このたった1日の戦闘で彼は27両の車両(戦車12両を含む)を破壊。騎士十字章を受章します。
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    | その人、なんか凄すぎない……?
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         | ミハエル・ヴィットマン――その生涯で138両の戦車を撃破し、自身も激戦の中に散った戦車兵。
         | 世界で、最も有名な戦車乗りと言っても過言じゃないな。
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| そしてお決まりの自走砲化ですが、ティーガーの車体を流用した自走砲はたった一種類のみ。
| ドイツ海軍が沿岸防衛用として開発した38cmロケット砲を、なんと陸戦車両に搭載するという計画が。
| そんなビックリ計画を本当にやってしまい、1943年10月には市街戦特化型の重車両が出現します。
| それが、ティーガーの車体を流用した。シュトゥルムティーガー。38cmロケット砲をぶっ放すイかれた車両。
| しかし生産数はたった18両と極めて少なく、ほとんど戦局に影響を与えることはできませんでした。
| まあ生産数が少ないのは、「こんな珍妙なモノ造るな!」とグデーリアンが猛抗議したからなんですけど。
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 ・38cm突撃臼砲シュトゥルムティーガー
  ティーガーの車体に38cmロケット砲を搭載した突撃車両。
  規格外の火力と凄まじい装甲を持ち、ドイツ末期の戦闘に投入されている。
  グデーリアンの反対により生産数は18両と極めて少なく、ほとんど戦局に関与しなかった。

 
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    | なんだ、この変態車両……
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         | スターリングラード戦の時期に計画が始まった、市街戦特化型の車両だ。
         | 33B突撃歩兵砲ブルムベアの系列の最終進化形とも言えるな。
         | 防御戦闘に最適ではあったんだが、この数ではどうしようもなかった。
         | だからといって、こんなキワモノ造るぐらいなら戦車造る方がいいけど。
         | この一件に関しちゃ、グデーリアンの猛抗議でヒトラーもあっさり折れている。
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| 他にティーガーの派生車両といったら、戦車回収車くらいですね。
| それも現地改造品で、たった3両が造られたのみです。
| ティーガーなどというコストの高い車両をわざわざ転用するメリットは皆無といったところですか。
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 ・ティーガー戦車回収車:ティーガーを流用した戦車回収車両で、事実上の現地改造品。
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    | そりゃそうだよな。
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         | ティーガーは前述の通り足回りに問題があり、それが原因の故障が頻発。
         | その場に泣く泣く放棄しなければならない事例が相次いでしまった。
         | それに対する解答が、この戦車回収車だな。
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| さて、そんなティーガーですが……1942年10月には、早くも改良計画が固まっています。
| ヒトラーは、ティーガーでもまだまだ性能は不足していると考えていたんですね。
| こうしてスタートしたのは、ティーガーのさらなる火力・防御力追求モデル。
| それが、新型重戦車ティーガーIIなんです。
| 1943年10月に試作1号車が完成、翌年1月からは非常にゆっくりとしたペースで生産が開始されました。
| 8月にはティーガーIからティーガーIIへの生産切り替えが完了し、事実上の後継車両となります。
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    | あれだけ化け物な戦車を、さらに強化したのか……?
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         | 実際のところこの時期の戦車強化計画は乱立しすぎている状態にあった。
         | ドイツも混乱していた時期なので残存する資料も少なく、あまり研究が進んでいないと言える。
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| その主砲は、長砲身の8.8cmというどう形容してよいかも分からないシロモノ。
| 前面装甲厚は150mm、もうインフレしすぎな防御力。さらに
パンターと同じく傾斜装甲を採用していますね。
| ティーガーIIティーガーIの拡大強化版というよりも、パンターの拡大強化版といった方がふさわしいかも。
| とにかく重火力と重装甲を追求し、それ以外は全て犠牲にしたに等しい最強戦車です。
| 最強戦車という陳腐な言葉には、顔をしかめる人も多いでしょうが……
| この戦車はそういうノリで開発された、まさに最強を追求した戦車なんですよ。
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 ・VI号戦車ティーガーII
  71口径8.8cm砲を搭載した、ティーガーの拡大強化版。しかしその設計はむしろパンターの影響が大きい。
  極めて強力な火力と防御力を誇っているが、機動性や生産性の悪さにも拍車が掛かっている。
  非公式な通称としてケーニヒスティーガー、米軍側からの呼称としてキングタイガーとも呼ばれる。

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    | 主砲がゴツ過ぎだろ……いくらなんでも。
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         | ポルシェタイプの砲塔型の解説は、もはや面倒なんで省略。
         | このポルシェ社はいい具合に暴れ、生産現場を荒らしている――
         | それに一役買ったのが、やっぱりヒトラーなんだがな。
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| ティーガーIIの71口径8.8cm砲KwK43は、8.8cmというサイズにパンターと同じレベルの長砲身を両立させたもの。
| 高速徹甲弾を使えば、2000mという距離で153mmの装甲がブチ抜けます。
| これはソ連の同ポジションである重戦車IS-2を凌駕し、連合軍の戦車は相手にもならないレベル。
| その重装甲はもはや、正面からの破壊は不可能かと思えるほどの怪物ぶり。
| 「ティーガーIIの正面装甲が戦闘中に貫通されたいかなる写真や証言も、現在まで発見するに至っていない」
| という、とある研究家の言葉で十分でしょう。
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 VI号戦車ティーガーII
 ・全長:10.286m  ・全幅:3.755m  ・全高:3.075m  ・重量:69.8t  ・乗員:5名
 ・最大出力:700hp  ・最大速度:38km/h  ・行動距離:170km  ・装甲厚:40〜180mm
 ・エンジン:マイバッハHL230P30(4ストロークV型12気筒液冷ガソリン)
 ・武装:71口径8.8cm戦車砲KwK43×1、7.92mm機銃MG34×2
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    | す、凄すぎる……
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         | 逆に言うと、それ以外のところは全て度外視されたってことで……
         | 機動性も、生産性も、整備性も、燃費も、もはや悲惨なレベル。
         | 余りにも特化した重火力と重装甲のしわ寄せは、ティーガーIIの細部にまで及んでいる。
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| もう足回りが劣悪とか生産性に問題があるとか、言い飽きたので省略。
| ティーガーIよりもさらにひどくなったと思って貰えればいいです。
| 生産数は、ほぼ終戦時の1945年3月までに489両。実に少ないですね。
| そんな、たった500両程度の戦車が伝説を築き、戦車大国ドイツのイメージを揺るぎないものにしました。
| 戦う相手にしてみれば、本当にたまったものではない最強の難敵なのですから。
| 使っている側にしか分からない苦労など、相対する側には預かりしれないことです。
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    | なるほど……
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         | ティーガーIIの配備も、ティーガーIの配備と方針はほとんど変わらない。
         | 戦場では火消し部隊として用いられ、味方のピンチに駆けつけてくれる最強のヒーロー。
         | 対峙する連合軍にとっては、現れたら最後もれなく地獄を見せてくれる化け物。
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| またこのティーガーIIにも、自走砲化計画は存在します。
| それが、ティーガーの車体に12.8cm砲を搭載し、250mmもの重装甲を誇ったヤークトティーガー
| もともと怪物だったのを、さらに強化するのは効率性としてどうなのか……
| そして例によって足回りはボロボロ、生産性も悲惨で完成したのは77両。
| なんかもう、運用なんぞ度外視で火力と装甲のみを追求したって感じです。
| 故障も非常に多く、燃料も足りず……敵に殺られた車両より味方がブッ壊した車両の方が多いほど。
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 ・VI号駆逐戦車ヤークトティーガー
  ティーガーの車体に12.8cm砲を搭載した駆逐戦車。
  その火力と装甲は凄まじいが、機動性や生産性は著しく劣悪。
  生産数も非常に少なく、末期のドイツになんら貢献しなかった。

 
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    | ヒトラー……あんた、どこまでやるんだ……
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         | この一件に関しては、ヒトラーはほとんど関わってない。
         | ヤークトティーガーは、そもそも現場の要求をきっかけに開発が始まった車両だからな。
         | よくヒトラーの暴走のせいにされているが、それは少々誤解だ。
         | ……まあ、ヒトラーの日頃の行動が行動だったから、これもヒトラーの仕業にされたんだが。
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| 結局のところティーガーIティーガーIIも、グデーリアンの提唱した電撃戦には当て嵌まらない存在でした。
| なぜそんな重戦車が活躍できたかというと、連合軍の方から押し寄せてきたからです。
| 防御戦に特化したような戦車が活躍するということは、それだけ追い込まれていたということ。
| ティーガーはドイツ戦車の象徴でありますが、ドイツ敗北の象徴でもあったわけです。
| 攻撃に専念するならば、この類の車両はほとんど必要ありませんからね。
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    | ううむ……手放しで褒められないんだよな。
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         | 「勝ち戦は防御に始まり、攻撃に終わる――その逆は敗北である」と言われている。
         | 大戦時のドイツの戦車発展は、まさにこの言葉の通りに進化していったんだ。
         | 攻勢特化仕様から、防御戦特化仕様へとな。
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| 兵器という観点でティーガーを見てみると、決して優れたものでもないことはありありと示されています。
| 生産性も燃費も劣悪と、ドイツの懐事情に優しくない事は明白。
| いかに物資の問題で少数精鋭主義を取らなければいけなかったとはいえ、ティーガーはあまりにも異端的です。
| 末期ドイツに必要だったのは、こういう戦車でしょうか?
| 莫大な資源や労力を食う、一点豪華型の戦車だったのでしょうか?
| 戦争の道具という観点で見ると、ティーガーという存在自体に疑問が浮上するのも事実。
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    | ティーガーは、兵器としては優れたものじゃなかったってことか……
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         (mJ     ⌒\  ティーガーを侮辱するな!!  ━┳┛
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| 「敵に破壊されたティーガーより、故障して動かなくなったティーガーの方が多かった」というよく言われる事実。
| これ、それだけティーガーは強かったって意味に解釈してはいけません。
| 戦うべき時に存在しない兵器は駄目兵器。その意味では、もはや欠陥兵器レベル。
| 苦し紛れに登場させた無理ありまくリの高性能車両――それもまた、ティーガーの実像。
| まあこれは、末期のドイツ車両の多くに当て嵌まることなんですがね。
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| ティーガーIIの火力と装甲は凄まじく、その点においては文句なく評価できます。
| そんな悪魔的性能によって築かれた戦場での伝説は、戦車ファンを魅了し続けるでしょう。
| しかしそのしわ寄せは、かなりのところまで影響を及ぼしていたのもまた事実。
| そんな表と裏を併せ持っていたのが、最強のアンバランス戦車ティーガーIIなわけですね。
| そういうわけで、今回の講義を終わりましょう。
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 ・VI号戦車ティーガー:VK45.01(H)。サブタイプは存在しないが、生産時期ごとに多少の違いはある。
 ・VI号戦車ティーガーII:71口径8.8cm砲を搭載した、ティーガーの拡大強化版。
 ・VK.4510(P)ポルシェ・ティーガー:VK45.01(P)が生産されてしまったもの。
 ・VI号駆逐戦車ヤークトティーガー:ティーガーの車体に12.8cm砲を搭載した駆逐戦車。
 ・VK.3001(H) 12.8cm対戦車自走砲:VK.3001(H)に61口径12.8cmキャノン砲を搭載した自走砲。
 ・重駆逐戦車フェルディナント/エレファント:VK.4510(P)に71口径8.8cm砲を搭載した駆逐戦車。
 ・38cm突撃臼砲シュトゥルムティーガー:ティーガーの車体に38cmロケット砲を搭載した突撃車両。
 ・ティーガー戦車回収車:ティーガーを流用した戦車回収車両で、事実上の現地改造品。
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