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| F-14「トムキャット」…… アメリカの超人気戦闘機です。
| F-15「イーグル」、Su-27「フランカー」と並んで人気トップ3に入るのは確実。
| そのカッコ良さと高い性能から、世界中で非常にファンが多い艦載機です。
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｜ 艦載機って事は、空母に載るんだな。
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| その通り。アメリカ海軍が採用し、一時期は空母の要だった存在だ。
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| しかし、その高性能とは裏腹に幾多の欠陥を抱えた超問題児。
| そのアレっぷりはアメリカ海軍でさえ持て余すほど。
| 結局のところ、アメリカにおいて現在では全機退役しています。
| では、F-14「トムキャット」の開発経緯から見ていきましょう。
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ﾁｬﾗﾗﾗﾗﾗｰﾝ♪
ﾀﾗｯﾀﾀｰ ﾀﾀｰ ﾀﾀｰ ﾀｰﾀｰ♪
ﾀﾗｯﾀﾀｰ ﾀﾀｰ ﾀﾀｰ ﾀｰﾀｰ♪
『Danger Zone』−Kenny Loggins
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｜ こ、この音楽は……！
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| うおお！ 血が沸き肉が踊るぞォォォォォォ――ッ！！
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| 時代は1950年代後半…… アメリカ空軍とアメリカ海軍において、それぞれ全く異なる計画が動いていました。
| 空軍のTFX計画というのは、マッハ2.5以上の複座（二人乗り）戦闘攻撃機を開発しようという計画。
| マッハ2.5というとんでもないスピードでカッ飛び、対空戦闘はもちろん対地攻撃も出来る機体ですね。
| そして海軍の次期FADF計画というのは、長距離空対空ミサイルを搭載した艦隊防空戦闘機の開発計画。
| つまり、空母艦隊に近付いてくる敵航空機やミサイルを超長距離射程のミサイルで叩き落す戦闘機でした。
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TFX計画（空軍）：マッハ2.5以上の複座戦闘攻撃機開発計画
次期FADF計画（海軍）：長距離空対空ミサイルを搭載した艦隊防空戦闘機の開発計画
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｜ Revvin' up your engine, Listen to her howlin' roar♪
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| Metal under tension, Beggin' you to touch and go♪
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| 空軍と海軍それぞれで進む、全く違った戦闘機の開発計画……
| それに、「それはもったいない。もったいないおばけがでるぞ！！」と待ったをかけた男がいました。
| 彼の名は効率化と予算削減の鬼、ロバート・マクナマラ国防長官。
| マクナマラはTFX計画と次期FADF計画の統合を命令、渋る空海軍を強引に従わせプロジェクトを進めました。
| 彼は決して低能でもケチでもないのですが、この一件に関しては痛恨のミスを引き起こすことになります。
| ……こら、ちゃんと講義を聴いてますか？
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｜ Highway to the danger zone♪
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| Ride into the danger zone♪
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| そういう訳で空軍のTFX計画と海軍の次期FADF計画が統合され、改めてTFX計画となりました。
| その結果、完成したのがF-111…… 空軍型はF-111A、海軍型はF-111Bとされます。
| しかし空海軍の全く異なる要求を満たそうとした結果、F-111の機体はかなり大型化。
| 海軍は「こんなもんいらない」と言って、海軍型のF-111Bをキャンセルしてしまいます。
| 元々ヘンな横槍を入れられて空軍の計画と統合された上に、出来たものは使い物にならなかったんですね……
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・F-111「アードバーグ」
TFX計画（空海軍計画統合）によりジェネラル・ダイナミクス社によって開発された戦闘攻撃機。
一つの機体で様々な要求に応えようとした為に大型化、結局海軍は採用を見送っている。
空軍は事実上の攻撃機として運用し、その点では非常に高い性能を発揮した。
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| 万能性によるコスト・パフォーマンスを追求した結果、計画は大ゴケ……
| ロバート・マクナマラ国防長官の横槍は、結局のところ机上の空論によるものでした。
| こうして海軍は、当初の方針通り長距離空対空ミサイルを搭載した艦隊防空戦闘機を開発することに。
| せっかくだから、F-111のエンジンを転用したものをね。
| こうして1970年に初飛行したのが、F-14「トムキャット」なんです。初期型の制式名はF-14Aですね。
| 1973年には部隊配備が始まり、いよいよ本格的に現場デビューします。
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F-14「トムキャット」（スペックはF-14Dのもの）
・全長：19.1m ・全幅：19.54m ・全高：4.88m ・自重：19,051kg ・最大離陸重量：33,724kg
・最大速度：マッハ2.34 ・航続距離：2693.2km ・上昇限度：15,240m以上 ・乗員：2名
・エンジン：F110-GE-400×2
・武装：M61A1「バルカン」×1（固定）
AIM-7空対空ミサイル「スパロー」×6、もしくはAIM-9空対空ミサイル「サイドワインダー」×6、
もしくはIM-54空対空ミサイル「フェニックス」×6
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| このF-14「トムキャット」が発表されると、世界中の軍用機ファンがメロメロに。
| とにかくカッコ良い、デカい、強い、翼が可変する、レーダー凄い、ミサイル射程超長い……
| アメリカ海軍の次期主力戦闘機は、能力・人気の全ての点において花形の座に君臨しました。
| そしてF-14「トムキャット」は完全な防空特化型戦闘機であり、その能力も極めて特化。
| 特に目立つ要素は3つ。可変翼、超長射程ミサイル、強力なレーダー。
| この3つは、まさにF-14から外せない要素でもありますね。
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F-14「トムキャット」のここがスゴい！！
・可変翼
・超長射程ミサイル
・強力なレーダー
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| まずは、可変翼。これは、飛行中に最適な角度にオート（手動も可）で開閉する仕組みになっているんです。
| その可変角度は20〜68度（限定条件で75度）、極めて先進的なシステムですね。
| これにより低速でも高速でも小回りが可能となり、格闘性能も非常に高いです。
| そんな速度に応じて自在に可変する翼に、軍用機ファンはメロメロ。
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| 次に常識を超えた超長射程ミサイル、AIM-54「フェニックス」。
| これは100kmを超える射程を誇り、現代においてもこれを超える長射程空対空ミサイルは米軍に存在しません。
| そしてこのミサイルを扱える戦闘機は、世界にF-14のみ。事実上のF-14専用ミサイルなんです。
| 空母に襲い掛かってくる敵を超長距離から狙い撃ちするミサイルに、軍用機ファンはウホッ！！
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| そして、AIM-54「フェニックス」の長射程を生かす優良レーダー、AN/AWG-9。
| 探知範囲は200kmを超え、最大で24目標を同時追尾可能。
| さらに、そのうちの6目標に対してAIM-54「フェニックス」による同時攻撃を可能にするバケモノレーダー。
| そんな同時他目標処理能力を持つレーダーに、軍用機ファンはｱｯｰ!!!!
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| これらの技術により、F-14「トムキャット」は比類なき戦闘能力を誇っています。
| 長距離戦闘はお手のもので、なおかつ高い格闘能力。
| まさに、80年代のアメリカ海軍を代表する花形主力戦闘機でした。
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F-14「トムキャット」のここがスゴい！！
・可変翼
・超長射程ミサイル
・強力なレーダー
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| さて、そんなF-14のエンジンを新しいものに換装する計画は、かなり初期から持ち上がっていました。
| F-14AのエンジンはF-111と同じTF30だったのですが、推力が低めであり、他にも問題があったんです。
| コスト面等の紆余曲折があって計画は遅れたものの、1986年にエンジン換装型が初飛行。
| これはF-14プラスという名だったんですが、後にF-14Bと改名されています。
| なおF-14Cという大幅改修機の計画もあったんですが、コスト面の問題でキャンセルされていますね。
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F-14A：初期型
F-14B：エンジン換装型（TF30 → F110-GE-400）
F-14C：兵装を改めた改良機、後にキャンセル
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| さらに1990年には、レーダーを最新式のAN/APG-71に換装したF-14Dが初飛行。
| 以後は、このD型が生産される事になります。
| 従来のA型とB型もD型に順次改修予定でしたが、コスト面の問題で取り止めになってしまいました。
| なおF-14BとF-14Dは、「スーパートムキャット」とも呼ばれていますね――
| こらこら、黒板が見えませんよ。
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F-14A：初期型 ＼ ∧∧ / ＼ 《 / ／
F-14B：エンジン換装 ∩(ﾟДﾟ,,)∩110∩_ /_ヽ∩
F-14C：兵装を改めた ＼（-（(／ンセ ＼（-（(／
F-14D：レーダーを換装 ﾉﾟ ﾟ |イプ（AN/ﾉﾟ ﾟ |9 → AN/APG-71）
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| そして、F-14は大きなポテンシャルを秘めていました。
| 高い航続性能、そして余裕のある搭載能力……これらを生かした、様々な改修が行われています。
| その一つが、対地攻撃タイプ。
| 従来のアメリカ空母において対地攻撃の要となってきたのがA-6「イントルーダー」なんですが、1997年に退役。
| さらに、後継機のA-12がキャンセルされてしまうという事態が発生したんです。
| そこで、長距離攻撃機として白羽の矢が立ったのがF-14「トムキャット」でした。
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・A-6「イントルーダー」
アメリカ海軍が30年以上も使用した艦載攻撃機。
アメリカ空母の関わった幾多の戦場で姿を見せたが、湾岸戦争ではいよいよ能力不足が浮き彫りとなる。
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｜ 他に、代わりになるヤツはいなかったの？
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| F/A-18「ホーネット」は対地攻撃も可能だったんだが……
| A-6の代役を務めるには、少々航続能力が不足していたんだ。
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| そういう訳で海軍が所持していたF-14の幾つかにLANTIRNポッドが搭載され、対地攻撃が可能に。
| こうしてレーザー誘導爆弾が使用可能になったF-14の改修型は、「ボムキャット」と呼ばれるようになりました。
| 2001年のアフガン空爆において、「ボムキャット」は大活躍していますね。
| 本当に余談ですが、ゲーム「エースコンバット」での型式区分は実機とは異なるので、間違えないように。
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F-14A：初期型
F-14B：エンジン換装型（TF30 → F110-GE-400）
F-14C：兵装を改めた改良機、後にキャンセル
F-14D：レーダーを換装（AN/AWG-9 → AN/APG-71）
F-14/LANTIRN：対地攻撃能力を獲得したF-14A、F-14B、F-14D。愛称「ボムキャット」
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｜ LANTIRNポッド？
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| 対地攻撃を可能にする装置みたいなもの……そのままだけど。
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| さらに、アメリカ空母において戦術偵察を担当してきたRF-8やRA-5Cが退役。
| その代役として、白羽の矢が立ったのもF-14でした。
| TARPSポッドを搭載され、幾つかの機体が偵察機に改修されています。
| この偵察タイプのF-14は、「ピーピング・トム」とアダ名されていますね。
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F-14A：初期型
F-14B：エンジン換装型（TF30 → F110-GE-400）
F-14C：兵装を改めた改良機、後にキャンセル
F-14D：レーダーを換装（AN/AWG-9 → AN/APG-71）
F-14/LANTIRN：対地攻撃能力を獲得したF-14A、F-14B、F-14D。愛称「ボムキャット」
F-14/TARPS：偵察能力を獲得したF-14A、F-14B、F-14D。愛称「ピーピング・トム」
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｜ いろいろできるんだな。
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| 対地攻撃型も戦術偵察型も、ひとえにF-14の航続能力が高かったおかげだ。
| 他の機よりも遠くまで行けた――これ、結構重要な。
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| では、F-14「トムキャット」の戦歴を見てみましょう。
| 初陣はベトナム戦争ですが、戦争も終局だったので目立った活躍はしていません。
| 初戦果は1981年の対リビア作戦、航空母艦「ニミッツ」から飛び立ったF-14がリビア空軍のSu-22Mを撃墜。
| 1989年にはリビア空軍のMiG-23MLを2機撃墜しています。
| 湾岸戦争では、ヘリのMi-8を撃墜――しかし、このいずれもが「フェニックス」によるものではありませんでした。
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｜ なんか正直、パッとしないな……
｜ せっかくの超長距離射程ミサイルなのに、使わなかったのか？
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| …………………………………………
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| アメリカ海軍において「フェニックス」が実戦に使われたのは、なんとたったの一回――湾岸戦争での事でした。
| しかも、その時に発射された「フェニックス」は見事に外れています。
| つまり、アメリカでは「フェニックス」の撃墜記録はないんですよ。ただの一件も。
| そもそも、実戦で使われたのが一回のみというありさま。
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・1993年の事例
飛行禁止区域を飛んでいたMiG-25に対し、アメリカ海軍のF-14が攻撃。
F-14はついにフェニックスミサイル2発を放つものの、MiG-25は2発とも回避に成功。
これが実戦におけるフェニックスミサイル唯一の発射例となり、命中率は0%という不名誉な結果に。
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｜ な、なんと……！？
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| シンイチ……
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| さて…… これだけ高い性能を誇るF-14「トムキャット」、実はとんでもない問題機でもあります。
| それはすなわち、高過ぎる能力の裏表でもありました。それが高コスト、そして整備性の問題。
| つまり、余りにも高級過ぎ、維持にも手間が掛かりすぎたんです。
| 特に可変翼の部分が複雑な機構を持つ分、非常に高コスト。そして整備性も激悪。
| この一件により、以後のアメリカ戦闘機は可変翼を避けるようになりました。
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｜ 可変翼…… 優れたシステムだったんだろ？
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| 非常に優れていたからこそ高い技術が要求され、整備にも手間が掛かる。
| 結局、高い性能と表裏一体の欠点なんだ。
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| F-14の値段は理不尽に高過ぎで、とある一例を除いて他国に買い手が付きませんでした。
| そのせいで開発社のグラマンは消滅（合併）、さらに買う時だけじゃなくて維持費も莫大。
| 持っているだけで金が湯水のように消えて行くという金食い飛行機。
| あのアメリカ海軍と言えども、F-14は持て余し気味だったんです。
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・総生産機数
F-14A：初期型−636機（輸出機79機含む）
F-14B：エンジン換装型−38機（+32機がF-14Aより改修）
F-14D：レーダーを換装−37機（+20機がF-14Aより改修）
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｜ B型とD型、あんまり作られてないんだな……
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| 敬遠してた様子が伺える。
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| さらに、稼働率の低さが追い討ちをかけます。空母上の三割のF-14が非稼動というボロボロ振り。
| 持ってるだけで金食うわ、肝心な時に動かないわ、とにかくメチャクチャな問題児。
| 1980年代になるとアメリカはF-14の調達方針を改め、F/A-18「ホーネット」を優先的に調達していきます。
| つまり、もうF-14はいらない子という事に……
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・F/A-18「ホーネット」
1978年に初飛行した艦載戦闘攻撃機。
安価で性能も優良だが、騒音など幾つかの問題がある。
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｜ でも、高性能機だったんだろ？
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| どれだけ高性能だろうが、信頼性に問題があるならすなわち駄作機。
| 必要な時に動かないかもしれない超高性能機よりも、
| いかなる時にも動いてくれる準高性能機の方が数百倍は優良機なんだ。
| 何度も言ってるだろう。「強いより、便利な兵器が良い兵器」。
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| 超長距離ミサイル「フェニックス」を搭載しているのはF-14だけ……
| 逆に言えば、アメリカ軍にとって他の戦闘機に搭載する必要も意思もなかったって事なんです。
| 「フェニックス」の想定相手はソ連の爆撃機や対艦ミサイルなどのトロい相手。
| 素早く動く戦闘機は、非常に苦手な相手なんですよ。
| 現代にはもはや、小回りが効かず長距離をブッ飛ぶだけのミサイルなど求められてはいませんでした。
| 2004年をもって、AIM-54「フェニックス」は完全に退役してしまいます。
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｜ 超長距離ミサイル、お役御免……
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| このミサイル自体も非常に高価で、その割にあんま役に立たないものだった。
| 持ってるだけ損…… そんな存在に成り果てていたんだ。
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| そんな微妙なミサイル扱えるくせに、AMRAAMが扱えません。
| 色々な本やサイトで誤記されてますが、F-14にAMRAAMは搭載できませんよ。
| F-14DにAMRAAMを扱えるようにする計画はありましたが、キャンセルされてしまいました。
| わざわざ高い金掛けてF-14にAMRAAM載せるよりは、その金でF/A-18揃えた方が経済的。
| ひいては、全体の戦力アップにも繋がります。もうF-14は、手を付けるだけ損な存在になっていたんですよ。
| いっぱい持ち上がった改修計画も、費用対効果の問題でことごとくポシャっています。
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｜ AMRAAMって？
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| AIM-120中距離空対空ミサイル。
| めちゃくちゃ優良な対空ミサイルで、米軍の主力戦闘機はほとんど搭載可能。
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| 結局のところ、ハタから見る分にはF-14は凄いけど、実際に使う側はたまったもんじゃないって事ですね。
| 戦闘能力だけは高いですが、冷戦が終結した今、現在のアメリカ空母に群れをなして襲ってくる者などいません。
| 任務を喪失し、金だけが掛かる厄介者――こうして、F-14は徐々にリストラされていきました。
| F/A-18の航続距離が伸びると、F-14の対地攻撃タイプや偵察タイプもお払い箱に。
| そして2006年9月をもって、F-14「トムキャット」は全機が完全退役を済ませる予定です。
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｜ 「戦闘能力だけは高いですが」って言い回し、なんか凄く違和感あるんだけど……
｜ 兵器なんだから、最高のステータスじゃないのか？
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| そういうもんだよ、兵器の評価って。強ければいい、ってもんじゃないんだ。
| 戦争は天下一武道会じゃないし、最強兵器博覧会でもないんだから。
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| さて、本国でも散々なF-14「トムキャット」ですが……たった一国だけ、F-14を自国空軍に導入した国がありました。
| それが、なんとイラン空軍。まだアメリカと仲が良かった頃、79機のF-14Aを購入したんです。
| イラン・イラク戦争においては、イラン空軍のF-14がイラク軍の戦闘機を3機ほど撃墜したとか。
| この辺の話は異論も多く、「フェニックス」で25機以上ものイラク機を撃墜しているとの説もあります。
| さらにイラン空軍のF-14、どうも我流「ボムキャット」に改造されてるみたいですが……
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・イラン空軍のサイト、F-14のページ
・F-14「トムキャット」イラン空軍仕様
・F-14「トムキャット」イラン空軍仕様
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｜ ……なんか、イラン空軍のヤツの方が大活躍してない？
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| 異説が入り乱れ、大議論になってる状態だけどな。
| なお、現在は老朽化してることが予想されるので飛ぶかどうかすら不明……
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| とにかく…… 金食い虫のF-14は、戦う相手が喪失してしまった今ではいらない子になってしまいました。
| その後継にはF/A-18「ホーネット」が就き、アメリカ空母の主力機となっています。
| 例えるならば、F-14「トムキャット」はムチャクチャに贅沢で、家事もロクにしない超美人お嬢様。
| 周囲からは羨ましがられますが、実際に結婚するとエラい事に。
| F/A-18「ホーネット」は、人並み以上の美貌を持つ良妻賢母。
| 非常に気が効いて、家事も仕事もソツなくこなす優等生。家計の管理も完璧……そんなとこでしょうか。
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｜ なんか、悲しいなぁ。
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| 冷戦の終結……
| 大量のミサイルを空母にブチ込んでくるような敵がいた頃は、待遇も違ったんだがなぁ。
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| 結局のところ…… これ言うと顰蹙モノですが、F-14は十分に駄作機の範疇に入るでしょう。
| 余りにも高騰しすぎたコストは当初から問題で、海兵隊にも買わそうとしたものの向こうは拒絶。
| 結局は海軍でも持て余し、大した活躍もできないままに退役――
| アメリカ海軍の一時代を築いた花形、そして比類なき問題機、この二つの要素を併せ持ったのがF-14なんです。
| ソ連が健在だった時代は偉大な抑止力でしたが、ソ連亡き後は……
| 兵器としては問題がありまくり、時代の流れにも翻弄された哀しい戦闘機の話でした。
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｜ ミギー……
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| シンイチ……
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