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| さて、今回は友鶴事件と第四艦隊事件について講義しましょう。
| 両方とも1930年代の半ばに発生し、日本海軍を震撼させた海難事件でした。
| しかしこの事件は単なるアンラッキーな出来事ではなく、軍艦設計におけるミスが背景にあったんです。
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    | 欠陥設計ってこと?
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| 1934年3月12日、佐世保港外にて日本海軍の水雷戦隊が演習をしていました。
| その日はかなり波が荒れていましたが、その程度の波浪ではいっさい問題ないはず……
| しかし「千鳥」型水雷艇の「友鶴」が、設計上は耐えられるはずの荒波で転覆してしまったんです。
| 「友鶴」乗組員113人中、生存者は僅か13人。なんとも痛ましい事故が起きてしまいました。
| 日本海軍が震撼したのは、単に悲惨な事故だったからではありません。
| その事故原因に、大いに思い当たるフシがあったからなんですよ。
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 ・友鶴事件
  1934年3月12日、佐世保港外で起きた「千鳥」型水雷艇「友鶴」の転覆事故。
  その背景には、ワシントン条約・ロンドン条約の制限による無理な設計があった。
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    | 設計上は耐えられるはず、だったのに?
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         | そこが大きな問題なんだ。
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| これは単なる事故ではなく、その背景には軍縮条約下での無理な設計という要因がありました。
| ロンドン海軍軍縮条約では、巡洋艦・駆逐艦の保有量も制限されていたんです。
| そこで日本海軍は制限枠に規定されていない、排水量600トン以下の補助艦を徹底武装化。
| 600トン程度のボディに、駆逐艦と同等の武装を備えた「千鳥」型水雷艇を建造したんですよ。
| 小さなボディに限界以上の重武装を備えれば、無理が出て重心がグラつくのは当然の話。
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    | つまり「千鳥」型水雷艇ってのは、そんな無理の結晶だった訳だな。
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         | 無理をしていたのは、「千鳥」型水雷艇だけじゃなかった。
         | 日本海軍所持艦の多数が、船体以上の過剰武装で重心に問題があることが発覚。
         | なお重心が高くなって船の安定性が損なわれる事を、トップヘビーと言うぞ。
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| この「千鳥」型水雷艇の設計責任者は藤本喜久雄少将、彼は謹慎処分とされました。
| 藤本少将の手掛けた軍艦は、空母「龍驤」に「最上」型巡洋艦、「初春」型駆逐艦。
| これらの艦にも、同様にトップヘビーの傾向が見られました。
| ……と言っても、この一件を藤本少将だけの責任にするには酷なんですがね。
| 上からの無茶な要求もあった訳ですし、日本海軍全体の傾向と言っても過言ではありません。
| なお、彼はこの事故の一年後に脳溢血で死去しています。
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    | なんと。
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         | 藤本喜久雄少将は決してダメ設計士じゃなく、斬新な発案で評価も極めて高い人だ。
         | なお友鶴事件の真の原因は、艦長の操艦ミスっていう説もあるな。
         | 最近かなり有力視されているみたいだが、真偽は不明だ。
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| そういう訳で、空母「龍驤」や「吹雪」型駆逐艦、「初春」型駆逐艦に改装工事が施されています。
| こうして安定性を高め、これで波浪対策は万全だと確信した日本海軍。
| しかし翌年に起きた第四艦隊事件で、再び震え上がる事になります。
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    | なんと、また事件が起きたのか……
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         | それも、友鶴事件で対策を施したと思われていた翌年にな。
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| 1935年9月24日、函館港から第四艦隊が演習海域に向かって出港します。
| その途中、第四艦隊は巨大台風に遭遇。
| 「これも訓練のうちだぜ!」と第四艦隊は台風に突っ込み…… そして、とんでもないダメージを受けました。
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 第四艦隊(松下元中将・演習における臨時編成)
  航空母艦
「鳳翔」「龍驤」
  重巡洋艦「妙高」、「那智」、「足柄」、「羽黒」
  軽巡洋艦「最上」、「三隅」、「川内」、「天龍」、「北上」、「大井」、「木曾」、「鬼怒」、「那珂」
  駆逐艦「菊月」、「睦月」、「望月」、「卯月」、「夕月」、「如月」、「弥生」、「三日月」、「秋風」、「帆風」、「羽風」、
       「白雪」、「初雪」、「夕霧」、「天霧」、「曙」、「朧」、「潮」、「叢雲」、「薄雲」、「白雲」、「春風」、「朝風」、
       他、「神風」型2隻
  潜水母艦「大鯨」
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    | わざわざ、自分から突っ込んでいくなんて……
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         | そういう状況も考えられる以上、訓練として台風状況を味わっておくのは悪くない。
         | だが、予想を超えた艦の脆弱性が発露したんだ。
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| 主な被害は板書の通り、事件の重大性を鑑みてこの一件は極秘とされました。
| 沈没艦こそなかったものの、この事故での死者は54人に達するという悲劇。
| 余りに甚大な被害に日本海軍は騒然、その造船技術に根本的な疑念が巻き起こります。
| そして事故原因を入念に調査した結果、船体の強度不足という主因が浮上しました。
| 条約制限下でトン数を抑えるために軽量化を進めたので、強度不足という結果が生じたんですね。
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 空母「鳳翔」:前部飛行甲板損傷
 空母「龍驤」:艦橋損傷
 重巡「妙高」:船体中央部の鋲が弛緩
 軽巡「最上」:艦首部外板にシワ、亀裂が発生
 駆逐艦「夕霧」、「初雪」:船体切断、艦首喪失
 駆逐艦「睦月」:艦橋圧壊、艦首損傷
 駆逐艦「菊月」、「三日月」、「朝風」:艦橋大破
 駆逐艦「白雪」、「朧」:艦首屈曲
 駆逐艦「潮」、「曙」、「叢雲」:艦尾歪み亀裂
 駆逐艦「天霧」、「白雪」、「薄雲」:船体小破
 潜水母艦「大鯨」 船体中央水線部、艦橋前方上方外板に大型のシワ
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    | うわ、ボロボロじゃないか……
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         | しかも、事件以前に強度不足による船体異常を知らせる報告は何件も存在した。
         | それをお役所的に処理し、無視してきたツケを一気に払うハメになったんだ。
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| また強度不足という主因の他にも、溶接技術の不備という原因もありました。
| これを機に、日本海軍では全ての艦艇をチェック。問題艦にはただちに改装を施しました。
| 流石にこのチェックは入念で、以後の日本海軍において同種の海難事故は起きませんでした。
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    | 高い授業料だったな。
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         | 第四艦隊事件以後、同様の事件は避けられたという点で意義があるだろう。
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| あと…… 日本近海の荒波や台風は、常識を超えた凄まじさなんですよ。
| 太平洋戦争においても、台風対策を施してなかったアメリカ軍は多大な被害を出しています。
| 1944年のフィリピン沖では駆逐艦3隻が沈没、18隻が大破し航空機183機と兵員800名を喪失。
| 沖縄沖では戦艦4隻、空母2隻を初めとした36隻が大被害を受け、航空機142機が喪失するハメに。
| それも、両件とも指揮官はハルゼー。本人が嵐のようなキャラだけに、実際に台風を呼び込んでいたようです。
| 不謹慎ですが、第四艦隊事件を極秘にして公表しなかった成果と言えるかもしれませんね。
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    | なんと! 神風は吹いていたのか!
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         | しかし元軍と違い、アメリカ軍はものともしなかっただけ。
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| なお、一連の事件で根付いたトップヘビー恐怖症は現代の海上自衛隊にも受け継がれていますね。
| そして、お隣の海軍が揃えている新鋭軍艦がかなりトップヘビー気味……
| 自衛官の間では、「あれはヤバいんじゃないか?」という噂が囁かれているとか。
| そういう事で、日本海軍の建艦方針を揺るがした二大事件の講義を終わりましょう。
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    | 流石に、海上自衛隊は骨身に染みてるって事か。
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         | ダメコン、潜水艦対策、トップヘビー……
         | この辺は、現在の海上自衛隊のトラウマになってるな。
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