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| さて、今回は第二次世界大戦で用いられたドイツの装甲車両について見ていきましょう。
| 戦車のように派手ではないけど、そっとドイツ軍に尽くし続けた影の薄い車両達。
| そんな装甲偵察車や装甲兵員輸送車など、あまりスポットの当たらない車両について講義します。
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    | といっても、ドイツ車両はファンが多いからなぁ。
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         | ドイツのハーフトラックSd.Kfz.251などは、まだまだメジャーだよ。他国と比べれば。
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| 話は、1920年代末のドイツ――まだヒトラーの登場前、再軍備宣言を行っていない時期まで遡ります。
| 過去に何度か解説した通り、この頃からドイツ軍は再軍備に向けて極秘裏に動き出していました。
| そして陸軍は、1929年あたりから偵察用装甲自動車の研究および開発を始めます。
| アドラー社の民間乗用車をベースに改造し、5mm程度の軽装甲と7.92mm軽機関銃を搭載。
| この車両はKfz.13(機関銃車13型)と名付けられ、俗に「風呂桶」とも呼ばれます。
| こうして完成した装甲偵察車は、1932年から1934年までに147両が生産されました。
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 ・Kfz.13装甲偵察車
  ドイツが1930年代初頭に開発した4輪の装甲偵察車。
  7.92mm軽機関銃を搭載し、小銃弾程度なら防げる装甲を備えていた。
  後輪のみが駆動するため、路外での走行性能は極めて低い。
  ポーランド戦に投入されるものの、不整地における機動性の悪さは実用に値しなかった。

 
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    | 見た目はほとんど乗用車っぽいな。
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         | このKfz.13は民間乗用車をベースに開発された装甲偵察車だが――
         | 民間トラックを軍用に改造するという別計画も、同時並行して進んでいた。
         | そして完成したSd.Kfz.231(6-Rad)装甲偵察車については、後述のこと。
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| このKfz.13は民間乗用車をベースに造られた車両であり、4輪の後輪駆動。
| 路上では時速60kmの速度が出せたものの、整備されていない道は当然ながらまともに走れません。
| この欠点を踏まえたドイツ軍は、本格的な四輪駆動車の開発に乗り出していくことになります。
| このKfz.13と無線機搭載型のKfz.14ですが、1939年にはポーランド戦に投入されています。
| しかしオフロード性能の悪さは明白で、以降は前線から引き戻されてしまいました。
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 ・Kfz.14装甲無線車
  Kfz.13に無線機を搭載した車両で、40両ほどが生産されている。
  ポーランド戦に投入されるものの、不整地における機動性の悪さは実用に値しなかった。

 
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    | あれ、この写真さっきも見なかった……?
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         | 前から二台目の、ちょっと変わったアンテナを持ってるのがKfz.14
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| そしてKfz.13の後継となったのが、Sd.Kfz.221装甲偵察車
| これはドイツが1934年に完成させた4輪駆動車であり、1935年から1940年の間に339両が生産されています。
| 武装は7.92mm軽機関銃でありKfz.13と代わり映えしないものの、機動性は遙かに上昇。
| この車両は始祖であるKfz.13と、本格的な実用4輪装甲車であるSd.Kfz.222の中間に存在する車両です。
| それゆえに、Sd.Kfz.222の前実験的な印象はぬぐえないところですね。
| なおSd.Kfz.221も、後に解説するSd.Kfz.222Sd.Kfz.223と共に実戦投入されています。
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 ・Sd.Kfz.221装甲偵察車
  Kfz.13の後を継いだ四輪駆動車。
  その生産数はさほど多くなく、発展型であるSd.Kfz.222の前段階的存在。
  装甲偵察中隊に配備され、発展型のSd.Kfz.222Sd.Kfz.223と共に終戦まで戦い抜いた。

 
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    | おお、なんか軍用車っぽい!
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         | 戦争後期には、7.92mm軽機関銃を2.8cm重対戦車銃に換装した重装備タイプも登場した。
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| そして次に解説するSd.Kfz.222装甲偵察車とは、前述したSd.Kfz.221の発展改良型です。
| これまでの7.92mm機関銃に加え、
II号戦車と同レベルの2cm機関砲を主武装として搭載。
| 1936年から1943年の間に約1000両が生産された、本格的な軍用偵察車両ですね。
| ただし搭載している無線機は短距離型で、いささか頼りないもの。
| 次に解説するSd.Kfz.223と常にコンビを組むという形で運用されました。
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 ・Sd.Kfz.222装甲偵察車
  Sd.Kfz.221の改良型で、砲塔型の2cm機関砲と7.92mm機関銃を搭載した4輪装甲偵察車。
  搭載している無線機は短距離用であるため、Sd.Kfz.223装甲無線車と常に行動を共にする。
  装甲偵察中隊に配備され、Sd.Kfz.221Sd.Kfz.223と共に終戦まで戦い抜いた。

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    | ここまで来ると、完全に戦闘車両だな。
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         | 1943年には生産が打ち切られるが、それは当時存在した主力車両の方が優れていたから。
         | この偵察車両の後継を務めたのは、後で解説するSd.Kfz.250に2cm機関砲を搭載した9型。
         | そんな風に世代交代を終えた後も、既製の4輪車達は終戦まで戦い続けたんだ。
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| 上で解説したSd.Kfz.222の貧弱な無線機を、中距離型のものに換装したのがSd.Kfz.223装甲無線車
| しかし大型の無線機を備え付けた代償に、2cm機関砲は撤去されてしまいました。
| 装甲もSd.Kfz.222よりは強化され、550両が生産されていますね。
| Sd.Kfz.222と常に行動を共にし、やはり終戦まで戦い続けました。
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 ・Sd.Kfz.223装甲無線車
  Sd.Kfz.222の2cm機関砲を撤去し、無線機能と装甲を増強した装甲無線車。
  装甲偵察中隊に配備され、Sd.Kfz.221Sd.Kfz.222と共に終戦まで戦い抜いた。

 
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    | 周囲にある、四角形の針金みたいなのは何……?
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         | それがアンテナ、ベッド・フレームと呼ばれている。
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| また一連のSd.Kfz.221シリーズとは別系統の装甲無線車として、Sd.Kfz.260シリーズというのも存在します。
| これは偵察部隊向けではなく、通信部隊用に約500両が生産された装甲無線車両。
| Sd.Kfz.260は中距離無線搭載型で、Sd.Kfz.261は遠距離無線搭載型。
| Sd.Kfz.221シリーズと異なる点として、固有武装は存在しません。
| 中の人が持ち込んだ銃器だけで頑張らなくちゃいけないということですね。
| 性能や外見はSd.Kfz.221シリーズと似通っており、やはり終戦まで使用されました。
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 ・Sd.Kfz.260装甲無線車
  通信部隊用に開発された装甲無線車で、中距離無線を搭載している。

 ・Sd.Kfz.261装甲無線車
  通信部隊用に開発された装甲無線車で、遠距離無線を搭載している。

 
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    | Sd.Kfz.221シリーズとほとんど同じ性能なら、なんでわざわざ開発したんだ……?
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         | ドイツではよくあること。
         | まあ終戦まで生産され続けたわけではなく、既製車両を廃棄せず終戦まで使われたって話だ。
         | 事実上の後継は後で解説するSd.Kfz.250/3などで、壊れたSd.Kfz.260はこれに交換された。
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| さて、以上がドイツの装甲4輪駆動車の系譜です。
| ここで視点を少し戻し、民間乗用車をベースにKfz.13を開発していた1920年代末期に戻りましょう。
| このKfz.13計画と同時並行して、ドイツ陸軍は民間トラックを軍用に改造するという計画も進めていました。
| そしてKfz.13と同時期に完成し生産が始まったのが、Sd.Kfz.231(6-Rad)装甲偵察車
| 元がトラックなのでガタイがでかい分、Kfz.13よりも重装甲で武装も強力。
| しかし民間車両の改造なので、やはり道路外での走行性能は極めて悪いものでした。
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 ・Sd.Kfz.231(6-Rad)装甲偵察車
  民間向けのトラックをベースに開発された6輪装甲偵察車。
  2cm機関砲と7.92mm機関銃を搭載し、Kfz.13よりも装甲は厚い。
  路上外性能は悪いものの、同時期の他国装甲車と比べれば性能は非常に優れていた。

 
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    | (6-Rad)ってどういうこと……?
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         | 6輪の車両っていう意味。なぜわざわざそんな表記を付け足すのかは、後述。
         | なお、この車両はあくまで暫定的なもの。本命の装甲車両は後に控えていたんだ。
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| なお、このSd.Kfz.231(6-Rad)には短距離無線機しか搭載されていません。
| 中距離無線機搭載型は別タイプとされ、Sd.Kfz.232(6-Rad)装甲無線車と呼ばれていますね。
| 1932年から37年までに、Sd.Kfz.231(6-Rad)Sd.Kfz.232(6-Rad)は合わせて123両が生産されています。
| ただし高性能の無線機はデカいので、このSd.Kfz.232(6-Rad)は車内が非常に窮屈に。
| こんなの指揮官用としては使えないってことで、さらに改修が加えられることになります。
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 ・Sd.Kfz.232(6-Rad)装甲無線車
  Sd.Kfz.231(6-Rad)の中距離無線搭載バージョン。
  武装は2cm機関砲+7.92mm機関銃とSd.Kfz.231(6-Rad)と変わらないが、車内を圧迫する結果に。
  性能はほぼSd.Kfz.231(6-Rad)に準じ、路外走行性能は極めて悪かった。

 
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    | やっぱアンテナが目立つな。
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         | シンイチ……
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| 上で述べたように、Sd.Kfz.231(6-Rad)に中距離無線機を備え付けたのがSd.Kfz.232(6-Rad)
| このSd.Kfz.232(6-Rad)から2cm機関砲を撤去し、7.92mm機関を固定式砲塔に備え付けます。
| こうして車内容積に余裕を持たせたのが、より洗練された無線車タイプのSd.Kfz.263(6-Rad)
| 1937年から38年の間に、わずか28両が生産されたのみです。
| 路外走行性能の悪さは実用に耐え難く、大量生産は見送られたんですね。
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 ・Sd.Kfz.263(6-Rad)装甲無線車
  Sd.Kfz.232(6-Rad)から2cm機関砲を撤去し、車内容積に余裕を持たせたタイプ。
  性能はほぼSd.Kfz.231(6-Rad)に準じ、路外走行性能は極めて悪かった。

 
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    | なんか、6輪車両は散々な感じだな。
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         | まだまだ発展段階にあったからな。
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| ここまで、Sd.Kfz.231(6-Rad)Sd.Kfz.232(6-Rad)Sd.Kfz.263(6-Rad)という三種類の6輪車両を見てきました。
| この三種は武装や無線機の差異であり、車体そのものはほとんど同じものだったんですよね。
| これらの6輪車両は何度も路上外性能が悪いと繰り返しましたが、この車両はあくまでも暫定的なもの。
| しかしドイツ軍は1936年に、8つの車輪が独立駆動するという装甲偵察車両の開発に成功。
| この車両こそが、ドイツが本命としていた次世代の重装甲車両だったわけです。
| この新装甲偵察車は当初Sd.Kfz.233と呼ばれましたが、1939年にはSd.Kfz.231と改称されました。
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 ・Sd.Kfz.231(8-Rad)装甲偵察車
  8つの車輪が独立駆動し、極めて高い路上走行性能を実現させた装甲偵察車。
  武装は砲塔式の2cm機関砲+7.92mm機関銃と、Sd.Kfz.231(6-Rad)に準じる。
  当初Sd.Kfz.233と呼ばれていたが、1939年にはSd.Kfz.231(8-Rad)と改称。
  1942年5月から生産された後期型では、装甲を14.5mmから30mmに強化、エンジン性能も増強されている。
  全般的に優れた性能を持ち、後継車両が登場した後もあらゆる戦線で馬車馬のように働く。

 
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    | Sd.Kfz.231って……全く同じ名前の六輪車があるじゃないか。
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         | だから、この新車両はSd.Kfz.231(8-Rad)と呼ばれ、Sd.Kfz.231(6-Rad)と区別されたんだ。
         | このSd.Kfz.231(8-Rad)を、Sd.Kfz.231(6-Rad)の後継にするという意思の表れだな。
         | なお一時的に名乗ったSd.Kfz.233というナンバーは、後に別の車両に与えられている。
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| こうしてSd.Kfz.231(8-Rad)は1936年から43年までに607両が生産、Sd.Kfz.231(6-Rad)と世代交代していきます。
| またSd.Kfz.232(6-Rad)Sd.Kfz.263(6-Rad)の無線機搭載タイプも同様に、8輪型へと更新されることに。
| これらは、それぞれSd.Kfz.232(8-Rad)Sd.Kfz.263(8-Rad)と呼ばれることになります。
| なお取って代わられた6輪車両シリーズは、フランス戦あたりを最後に引退していきました。
| こうしてデビューした8輪車両は、従来の6輪車両に比べて驚くべきほどの機動性を実現した優れもの!!
| とはいえコストがめっぽう高く、その活躍振りと比較しても元が取れるかあやしいところ。
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 ・Sd.Kfz.232(8-Rad)装甲無線車
  Sd.Kfz.231(8-Rad)に無線機を搭載した8輪装甲無線車で、Sd.Kfz.232(6-Rad)の後継。
  当初Sd.Kfz.234と呼ばれていたが、1939年にはSd.Kfz.231(8-Rad)と改称されている。

 
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 ・Sd.Kfz.263(8-Rad)装甲無線車
  Sd.Kfz.232(8-Rad)の2cm機関砲を撤去した8輪装甲無線車で、Sd.Kfz.263(6-Rad)の後継。

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    | 例によって、無駄にこだわり過ぎた……?
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         | その傾向があったのは事実だな。
         | この種の装甲車両のコストとしては、明らかに割高。
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| そんなSd.Kfz.231(8-Rad)装甲偵察車に、火力支援用として24口径7.5cm砲を搭載しようという計画も。
| こうして完成したSd.Kfz.233は、偵察部隊に強力な火力を提供する優れものに。
| 109両が新規生産され、既製のSd.Kfz.231/Sd.Kfz.232からも10両が改造されています。
| この車両はあらゆる戦場に姿を見せ、終戦まで戦い続けることとなりました。
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 ・Sd.Kfz.233装甲偵察車
  Sd.Kfz.231(8-Rad)装甲偵察車に、24口径7.5cm砲を搭載した火力支援車両。
  装甲偵察部隊に配備され、終戦まで戦い続けた。

 
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    | 24口径7.5cm砲っていったら、IV号戦車初期型の主砲とサイズが同じじゃないか……
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         | ゲテモノ的な感はあるものの、非力になりがちな偵察部隊では心強い逸品だった。
         | 東部戦線において、火力の不足が問題になっていたという背景もあったしな。
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| さて、こんな風に本格的な活躍を示した8輪装甲車Sd.Kfz.231シリーズ――
| 1940年には、その後継車両の開発が検討され始めました。
| アフリカでの戦いも見越し、熱帯での使用が非常に重視されることに。
| そうして完成した最新鋭の重装甲偵察車が、Sd.Kfz.234/1重装甲偵察車
| Sd.Kfz.231をさらに洗練させたような8輪装甲車で、2cm機関砲と7.92mm機関銃を搭載。
| 1943年12月から終戦までに約230両が生産された、まさしくドイツ重装甲偵察車の決定版です。
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 ・Sd.Kfz.234/1重装甲偵察車
  Sd.Kfz.231(8-Rad)をさらに進化させた重装甲偵察車で、砂漠やステップなどでの運用も考慮されている。
  2cm機関砲と7.92mm機関銃を備え、装甲もSd.Kfz.231(8-Rad)より厚い。
  当時の技術の粋を結集して完成した高性能の車両だが、コストは高め。
  どんどん苦境に立たされている中、終戦まで戦い続ける。

 
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    | かなり強そうな外見になったなぁ。
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         | このSd.Kfz.234に様々な武装を載せ、Sd.Kfz.234/2Sd.Kfz.234/3といった風に区分している。
         | Sd.Kfz.234/1は最もスタンダードなタイプであり、「第二次大戦最良の装甲車」と呼ばれた。
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| なおミギー君の言ったように、Sd.Kfz.234シリーズの基礎はSd.Kfz.234/1なんですが……
| 要求の都合上、Sd.Kfz.234/2の方が先に完成し、1943年9月から生産が始まっていますね。
| これは主砲として60口径5cm砲を搭載し、多少の対戦車性能を持たせたバージョン。
| 
II号戦車L型ルクスの生産やその発展型であるVK16.02 レオパルトの開発が打ち来られ、
| 偵察戦車の類があまさず息の根を止められてしまいました。その代替車両的存在ですね。
| 次に解説するSd.Kfz.234/3に更新されるという形で、1944年9月に100両で生産が終わっています。
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 ・Sd.Kfz.234/2プーマ重装甲偵察車
  Sd.Kfz.234に60口径5cm砲を搭載した重装甲偵察車で、敵戦車への攻撃も視野に入っている。
  II号戦車L型ルクス系統の、事実上の後継的な存在。なお「プーマ」は愛称で、制式名称ではない。

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    | ここまで来ると、車輪バージョンの戦車にしか見えんね。
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         | 偵察部隊も戦闘に参加できるように!って意味合いが強い車両でもある。
         | それだけ、ドイツが追い詰められていたことがよく分かるな。
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| Sd.Kfz.234/3は、24口径7.5cm砲を装備した火力支援タイプ。
| Sd.Kfz.233の後継でもあり、1944年6月から12月の期間に88両が生産されています。
| そしてその生産は、次に解説するSd.Kfz.234/4に移行していくことに。
| このSd.Kfz.234/3は、装甲偵察中隊に配備されて火力支援任務にあたりました。
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 ・Sd.Kfz.234/3重装甲偵察車
  Sd.Kfz.234に24口径7.5cm砲を搭載した火力支援車両。
  Sd.Kfz.234/2プーマから本車に生産が移行し、その生産は次のタイプであるSd.Kfz.234/4に進んでいく。

 
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    | どんどん兵装が強力になっていく……
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         | そして、どんどん車体に無理が掛かっていくとも言える。
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| さて……「ぼくのかんがえた無敵偵察車」コーナー、1944年10月に視聴者からおはがきが届きました。
| ベルリン在住のヒトラーさん(55歳・総統)から、「46口径7.5cm砲をのせたら、さいきょうだとおもいます」。
| 兵器局は明らかに過大な装備で、有効性は薄いと思ってましたが……なにせ総統の発案。
| さっそく改造が行われ、Sd.Kfz.234に46口径7.5cm砲を搭載した対戦車自走砲型が完成します。
| これがSd.Kfz.234/4、終戦までに88両が完成しました。
| 車内はあまりにも狭く、砲弾の搭載量はわずか12発と無理の多かった車両です。
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 ・Sd.Kfz.234/4重装甲偵察車
  Sd.Kfz.234に46口径7.5cm砲を搭載した車両。
  戦争の末期に姿を見せたが、その数は少なすぎて大した活躍はない。

 
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    | 46口径7.5cm砲って……初期の中戦車よりも高い火力じゃないか。
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         | 登場が戦争末期、おまけに生産数が少なかったのでほとんど戦闘記録は残っていない。
         | しかし砲の部分が余りに加重で、動きが鈍重だったことは予想できるな。
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| さて、6輪〜8輪装甲偵察車の系譜はここまで。次に、ハーフトラックについて解説しましょう。
| そもそもハーフトラックとは何かと言いますと、装輪車両と装軌車両の中間の性能を持った車両。
| 装輪車両というのは車輪式の車、ここまで解説してきた車両や一般の乗用車のこと。
| 装軌車両というのは、戦車やブルドーザーなどキャタピラを持った車両のこと。
| この二種にはそれぞれ一長一短があり、ちょうど間に位置したのがハーフトラックでした。
| 要は、キャタピラと車輪の両方を持った車両なんです。
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 装輪車両:車輪を持った車両。路外での走行性能は極端に悪いが、コストが非常に安く整備も簡単。
 装軌車両:キャタピラを持った車両。高いエンジン性能が必要で整備も面倒、コストも非常に高い。
        その代わり、路外での走行性能は極めて高い。
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    | なるほど。
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         | 板書はかなり乱暴で厳密な用語の扱いもしていないが、概念を押さえるための簡易解説だ。
         | なお装軌車両のデメリットは、現在では技術の進歩によりかなり小さくなっている。
         | つまり、現代においてはハーフトラックそのもののメリットも少ないってことだな。
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| そういうわけで、エンジン性能がまだまだ低かった戦間期や大戦初期は装軌車両の開発も大変でした。
| そこでドイツは、砲などの牽引車としてハーフトラックを使用し始めます。
| そして、1トンハーフトラックのSd.Kfz.10や、3トンハーフトラックのSd.Kfz.11などを開発。
| これは使えるって事で、この2種類の車両をベースに本格的な軍用改造を施すことになりました。
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 ・
d.Kfz.10
 ・対空砲を搭載したSd.Kfz.10
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    | この車両、確かドイツ対空自走砲の講義の時にも出て来たな。
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         | なお3トンハーフトラックというのは、3トンの荷物が引けるという意味。
         | 自分の重量は6トンだったりするから、間違えないように。
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| 1トン級のSd.Kfz.10をベースにして1939年に開発を開始、1941年に生産が始まったのがSd.Kfz.250
| これは結局のところ、4名の兵士を運搬できる軽装甲兵員輸送車として用いられることになりました。
| 1941年6月から1943年9月まで4250両が生産された後、さらに大量生産に適した改良が施されます。
| このSd.Kfz.250は装甲の張り方が複雑で、生産い多くの工数が必要だったんですよね。
| こうして簡略化されたタイプはSd.Kfz.250ノイと呼ばれ、1943年10月から終戦まで2378両が生産されました。
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 ・Sd.Kfz.250装甲兵員輸送車
  Sd.Kfz.10をベースにした装甲兵員輸送車で、4名の運搬が可能。
  歩兵の友として大戦全期に渡って大活躍した優秀車両だが、機動性や防御性能には難がある。
  初期モデルの前期型と大量生産用に簡易設計された後期型が存在し、合わせて約6500両が生産された。
  対戦車砲搭載型など多くのサブタイプも存在し、ドイツ陸軍に貢献している。

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    | ほほう、そいつは素晴らしい。
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         | このSd.Kfz.250は1トン級のSd.Kfz.10をベースにした車両だが、
         | 3トン級のSd.Kfz.11をベースにしたSd.Kfz.251という拡大版の車両も存在する。
         | そっちの方がメジャーで、先に完成した車両でもあるんだが、ここでは後述。
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| このSd.Kfz.250は中々に優れものだったんですが、前輪に動力がないので機動性が頼りないのが玉に瑕。
| 特にソ連の泥沼などでは散々な目に遭わされ、パワーの不足を見せ付けました。
| また装甲もそう厚いとは言えないですが、この種の車両としては仕方がないのかもしれません。
| そしてSd.Kfz.250は様々な亜種を生み出し、武装や搭載物によって細かくタイプ分けされています。
| 板書した他にも2cm対空砲を搭載したタイプも確認されていますが、正式な書類には載っていませんね。
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 Sd.Kfz.250/1:基本形の装甲兵員輸送車で、主武器として7.92mm機関銃MG34を2挺搭載。
 Sd.Kfz.250/2:電話線敷設車。通信隊が各所に電話線を引くのに使用。
 Sd.Kfz.250/3:無線搭載型で、部隊統制や空軍連絡用など数タイプが存在する。
 Sd.Kfz.250/4:突撃砲部隊専用の観測用装甲車両。Sd.Kfz.253の代替車両として用いられた。
 Sd.Kfz.250/5:砲兵用の観測用装甲車両であり、搭載した無線機が異なる2種類が存在する。
 Sd.Kfz.250/6:突撃砲部隊専用の弾薬運搬車であり、Sd.Kfz.252の代替として用いられた。
 Sd.Kfz.250/7:8cm34式迫撃砲を搭載して火力支援を行う車両。
 Sd.Kfz.250/8:24口径7.5cm砲を搭載した自走砲型。
 Sd.Kfz.250/9:2cm機関砲を搭載した偵察部隊用の車両で、Sd.Kfz.222の後継として用いられた。
 Sd.Kfz.250/10:3.7cm対戦車砲を搭載した火力支援車だが、威力不足のためSd.Kfz.250/11に後を任せる。
 Sd.Kfz.250/11:2.8cm重対戦車銃を搭載した火力支援車だが、威力不足のためSd.Kfz.250/8に後を任せる。
 Sd.Kfz.250/12:砲兵用の観測用装甲車両。
 Sd.Kfz.252:突撃砲部隊専用の弾薬補給用車両で、標準型よりも装甲が厚い。Sd.Kfz.250/6に後を任せる。
 Sd.Kfz.253:突撃砲部隊専用の観測用装甲車両で、標準型よりも装甲が厚い。Sd.Kfz.250/4に後を任せる。
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    | やっぱ多いなぁ。
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         | Sd.Kfz.250/3は、かのロンメルが「グライフ」と名付け乗り回していた車両として有名だな。
         | Sd.Kfz.252Sd.Kfz.253は正確には別物の車両なんだが、ルーツを汲むのでここで収録。
         | どちらも生産が手間で、安易な改造で済むSd.Kfz.250/6Sd.Kfz.250/4に後を譲ったんだ。
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| そんなSd.Kfz.250の大型バージョンがSd.Kfz.251装甲兵員輸送車、ベースになったのは3トン級のSd.Kfz.11です。
| 実はこのSd.Kfz.251の方がSd.Kfz.250よりも完成が早く、その名はドイツ装甲兵員輸送車の代名詞となりました。
| 戦車に追従できる装甲兵員輸送車として開発され、兵士10名を運ぶという性能を持った逸品。
| ただしSd.Kfz.250と同じエンジンを使用しており、ガタイが大きな分、機動性で劣るという一面もあります。
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 ・Sd.Kfz.251装甲兵員輸送車
  戦車と行動を共にするという意図で開発された装甲兵員輸送車。
  1両につき8人が輸送でき、歩兵の友として大戦全期に渡って大活躍した。
  7.92mm機関銃が2挺(3挺バージョンも存在)取り付けられているので、乗車戦闘も可能。
  ロケット砲搭載型や対戦車砲搭載型、火炎放射型も存在し、歩兵に強力な火力を与えた。

 
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    | これで、戦場まで歩兵を運んでいくってわけだな。
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         | 戦場から戦場へ移動するためのタクシーってとこだな。
         | 電撃戦を形成するための大きな要因でもある。
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| 1939年6月から生産が開始されましたが、その表面装甲の形状はやはり複雑。
| 1943年9月から終戦までは、生産工数を減らすために簡略化されたタイプが生産されております。
| その生産数は、なんと総計15252両。ドイツ装甲兵員輸送車の代名詞となって当然の大量生産ですね。
| ……と言っても、決して全軍の歩兵に行き渡るほどの数ではなかったですが。
| なおアメリカのM3ハーフトラックに比べると、このSd.Kfz.251は高価で性能が劣る部分があります。
| まあ比べる相手は産業効率化の鬼アメリカですから、仕方のないのかもしれません。
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 Sd.Kfz.251/1:基本形の装甲兵員輸送車で、主武装は重機関銃、ロケットランチャーなど様々なタイプがある。
 Sd.Kfz.251/2:8cm34式迫撃砲を搭載して火力支援を行う車両。
 Sd.Kfz.251/3:無線搭載型で、搭載する無線機により数タイプが存在する。
 Sd.Kfz.251/4:7.5cm軽歩兵砲牽引&弾薬運搬車両。Sd.Kfz.251/9型に後を譲る。
 Sd.Kfz.251/5:工兵部隊用の装甲兵員輸送車。Sd.Kfz.251/7型に後を譲る。
 Sd.Kfz.251/6:無線機を搭載した指揮官専用の車両。
 Sd.Kfz.251/7:突撃橋や地雷を積んだ工兵部隊用車両。Sd.Kfz.251/5の発展型。
 Sd.Kfz.251/8:傷病兵を病院に運ぶための車両。要は戦場の救急車。
 Sd.Kfz.251/9:24口径7.5cm砲を搭載した自走砲型。
 Sd.Kfz.251/10:3.7cm対戦車砲を搭載した火力支援車。
 Sd.Kfz.251/11:電話線敷設車。通信隊が各所に電話線を引くのに使用。
 Sd.Kfz.251/12:砲兵用の観測用装甲車両で、多数の観測機材を搭載している。
 Sd.Kfz.251/13:砲兵用の聴音車両。録音用聴音機材により、敵砲兵の居所を探る。ほぼ企画倒れ。
 Sd.Kfz.251/14:砲兵用の音響測定車。音波測定により敵との距離を測定する。ほぼ企画倒れ。
 Sd.Kfz.251/15:砲兵用の観測用照明車。敵の砲火を観測し、その居所を割り出す。ほぼ企画倒れ。
 Sd.Kfz.251/16:1.4cm火炎放射器2基を搭載した車両。
 Sd.Kfz.251/17:2cm機関砲を搭載した対空自走砲型とされていたが、近年は5cm砲搭載型という説が有力。
 Sd.Kfz.251/18:砲兵部隊用の観測車両。
 Sd.Kfz.251/19:電話通信対隊の移動電話交換車。
 Sd.Kfz.251/20:60cm赤外線照射灯を搭載した照明車両。ウーフーという愛称がある。
 Sd.Kfz.251/21:戦闘機用の機関砲(15mmと2cmの2タイプが存在)3門を搭載した対空車両。
 Sd.Kfz.251/22:ヒトラーの強い要望により、46口径7.5cm対戦車砲を搭載したタイプ。
 Sd.Kfz.251/23:2cm対戦車砲を搭載した偵察型。制式記録には載っているものの、その存在には疑問符が。
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    | ひゃー!
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         | なお、Sd.Kfz.251に70口径7.5cm対戦車砲を搭載しようという、とんでもない計画も存在した。
         | 当然ながら発案者は総統閣下で、実際に試作車も造られたんだが……
         | 結局のところ実現しなかったところを見ると、やはり無理があったみたいだな。
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| これら多くの装甲車は、総じて性能はなかなかに優れていたんですが――やはりコストが高めでした。
| Sd.Kfz.234などは明らかに過剰にいじくり回し、無駄にコストを高めてしまったという印象も拭えません。
| 兵器というのは性能が優れていればいいというものでもなく、それで生産性が阻害されれば元も子もないもの。
| 資材の関係上、少数精鋭主義にならざるを得なかったという点を差し引いても、少し非効率に過ぎましたね。
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    | やっぱ、ドイツ人は凝り性ってわけか……
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         | 決してそれだけが原因じゃないんだが、なにかとその点が目立つな。
         | 結果的に数が足りず、常に供給不足という苦境に立たされていた。
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| これはドイツの(そして日本も)兵器行政全体に見える特徴であり、あらゆる点で顔を見せる問題点。
| ……そういう点を踏まえても、戦車と歩兵の共同を達成したSd.Kfz.251は高く評価されるべきもの。
| この装甲兵員輸送車というジャンルは、現代の陸戦になくてはならないものとなっています。
| それに先んじて手を付けたドイツの着眼点は、やはり並外れたものがあったのでしょう。
| そういうわけで、今回の講義を終わります。
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         | シンイチ……
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