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| 今回は、日本海軍の初期艦上攻撃機について講義していきましょう。
| 艦上攻撃機とは、すなわち空母に搭載することのできる攻撃機。
| その主力兵器は基本的に魚雷であり、対艦攻撃に特化した航空機でした。
| 魚雷というデカくて重い兵器をブラ下げる以上、その機体は大型。
| それが日本海軍において、どう発展していくかか――見ていくとしましょう。
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    | 例によって、まだまだ諸外国の背中を追い掛けていた頃から始まるんだな。
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         | なお艦上爆撃機との違いは、急降下爆撃が出来るか出来ないか(日本海軍特有の定義)。
         | なぜそういう基準ができたのかは、『日本海軍の初期艦上爆撃機』講義で。
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| 空母というものが登場する前から、各国海軍は航空機による魚雷攻撃を模索していました。
| それを初めて実戦で成功させたのが、第一次世界大戦中のイギリス。
| ショート184という水上機が、実戦において敵艦の撃沈に成功したんです。
| イギリスやアメリカといった名だたる海軍国がさらなる研究を進める中、日本も多大な興味を抱いていました。
| 1910年代後半には、日本はイギリスからいくつかの艦上雷撃機を研究用に輸入しています。
| ソッピース・クックーや、ブラックバーン・シャフトを試験運用しながら、いよいよ国産化をもくろんだんですね。
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    | 外国機を輸入して研究、その次に国産化……基本の流れだな。
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         | ほぼ同時期に、日本初の航空母艦「鳳翔」の建造も始まっていた。
         | 一流の海軍国となるべく、大きな一歩を踏み出そうとしていたんだ。
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| 日本初の航空母艦「鳳翔」が完成したのは1922年ですが、その1年前の話……
| 大正十年(1921年)、この新艦種で扱う三種類の航空機の開発が検討され始めました。
| 最初に開発が決定したのが、艦上戦闘機、艦上雷撃機、艦上偵察機の三種。
| 当然ながら艦上機など日本海軍にとっては未知の領域の上、まだ航空技術は未成熟。
| そこでイギリスから実績ある技師のハーバート・スミス他8名を招待し、この三種の機体を設計させたんです。
| ……と、これまで「日本海軍の初期艦上戦闘機」と全く同じですね。
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    | このうち艦上戦闘機は、後の一〇式艦上戦闘機になるんだったっけ。
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         | 防空用の戦闘機、対艦攻撃用の雷撃機、そして偵察機……必須の三機種だな。
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| この一〇式トリオの中で、設計に手間を掛けた分、最後に完成したのが十年式艦上雷撃機でした。
| これは日本海軍機で唯一の三葉機であり、乗員は一名という単座スタイルを採用しています。
| しかし三葉機という構造上、全高が非常に高く格納庫でかさばる困った存在。
| それゆえに空母で扱うのが厄介であり、事実上の失敗作でした。
| 1922年〜23年に20機が生産されたのみで、ただちに後継機の開発が始まるという事態になります。
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 ・十年式艦上雷撃機(1MT)
  外国人技師の手を借りつつ、日本で最初に国産された艦上攻撃機。
  しかし三葉・単座であることが災いし、わずか20機で生産は終了してしまう。

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    | うわ。確かにこりゃ、狭い空母じゃジャマそうだ。
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         | 雷撃機は魚雷を扱う以上デカくなり、そのぶんだけ鈍重になってしまう。
         | だから良好な機動性を実現するため、三葉を採用したんだが……結果的に大失敗。
         | 速度性能が落ちた上に、デカくなって空母の運用で支障をきたしたんだ。
         | しかし、何より問題だったのが単座というところ。
         | 機体の操縦と魚雷の投下を一人でこなすのは無理があったんだよ。
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| そういうわけで、十年式艦上雷撃機はとにかく扱いにくい失敗作でした。
| 後継機として、スミス技師の手によりこの機体を再設計するということになります。
| 元々の設計そのものは優れているため、改造は三葉を複葉に、単座を複座に改めるなど。
| そして1923年に完成した艦上攻撃機が、一三式艦上攻撃機でした。
| 実用性の悪さは大幅に改善され、堅実な機体設計が優れた性能をもたらしています。
| この優秀機はただちに採用が決定。初期日本海軍を支える艦上攻撃機となったんですよ。
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 ・一三式艦上攻撃機(B1M)
  事実上、日本で初めての艦上攻撃機。
  非常に優れた性能を備えた優良機で、1933年まで生産されている。
  中国での動乱にも出動している、非常に息の長い傑作機。

 
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    | 艦上攻撃機……? 艦上雷撃機じゃなかったのか?
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         | この機から「雷撃機」という名が廃され、「攻撃機」と呼ばれることになった。
         | 魚雷のみならず爆弾も運用できる、万能型敵艦攻撃機というスタンスの存在だな。
         | とはいえ対艦攻撃に最も威力のある武器は魚雷である以上、事実上の雷撃機だが。
         | なお、まだ急降下爆撃というのは存在しない頃の話であることに注意。
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| そんな一三式艦上攻撃機ですが、デビュー後すぐに座席が増やされ、複座から三座に改良されました。
| その背景にあった事情とは、一〇式トリオの一つである一〇式艦上偵察機の失敗です。
| この十式艦上偵察機は様々な問題が発生して空母には配備されず、練習機として扱われることに。
| そして誰が偵察任務をこなすかというと――任務上、航続距離に優れた一三式艦上攻撃機に白羽の矢が。
| そういうわけで一三式艦上攻撃機は偵察任務も兼任、そのために座席が一つ増やされることとなりました。
| この時に存在した一三式艦上攻撃機は三座に改造され、以後は最初から三座として生産されることに。
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 ・一三式一号艦上攻撃機 → 一三式一号艦上攻撃機二型(改造三座型)
 ・一三式二号艦上攻撃機 → 一三式二号艦上攻撃機二型(改造三座型)
 ・一三式三号艦上攻撃機(最初から三座型)
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    | なるほど。これ以降の艦上攻撃機は、三人乗りがデフォルトになったのか。
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         | さらに、日本海軍において艦上攻撃機は偵察任務を兼任することとなった。
         | 空母は搭載スペースが限られるから、できるだけ機種を統合した方が効率的なんだ。
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| 前述の通り、一三式艦上攻撃機は非常に優秀な艦上攻撃機でした。
| 細かな改修を行いつつ、なんと採用以来10年間444機も生産され続けたんですよ。
| その理由として優秀機だったことのほか、あまりにも後継に恵まれなかったということがありました。
| この機以降しばらくの艦上攻撃機は失敗の山で、一三式艦上攻撃機は引退できなくなったんですよ。
| そういう切ない事情の元、一三式艦上攻撃機は戦前の日本海軍を代表する艦上攻撃機となったんです。
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    | なんと、以降は失敗続きなのか。
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         | 真珠湾攻撃で活躍した九七式艦上攻撃機が登場するまで、艦攻事情は厳しいものだった。
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| そして1928年、海軍は航空メーカー各社に対し一三式艦上攻撃機の後継開発を命令します。
| それに対し三菱は、イギリスのブラックバーン社に外注した試作機を提出しました。
| これはエンジン不良、安定性が悪く、着陸性能に不安……など、問題のかたまりのような機体。
| 1931年には失敗作のレッテルが貼られ、生産は見送りとなってしまいます。
| それでも三菱は、この機体に大幅の改良を施して再審査に臨みます。
| こうして1932年に制式採用されたのが八九式艦上攻撃機でした……が。
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 ・八九式艦上攻撃機(B2M)
  一三式艦上攻撃機の後継として登場した機体だが、非常に問題が多かった。
  現場でも不評で、一三式艦上攻撃機が再生産されるという事態になってしまう。

 
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    | が?
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         | 正確に言えば、八九式艦上攻撃機は、
         | 一三式艦上攻撃機よりもむしろ一〇式艦上偵察機の後継として求められた。
         | 偵察機と攻撃機を兼ねた統合型の第一弾、といったところだな。
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| 八九式艦上攻撃機は200機が生産され、各空母に配備されたものの……とにかく不評。
| 飛行性能に問題があり、事実上の失敗作。生産数も204機でストップしてしまいます。
| 結果的に、先代の一三式艦上攻撃機の最新型である三号が生産されることになりました。
| とはいえ造ってしまった分の八九式艦上攻撃機も、使わなければ仕方ありません。
| こうして八九艦攻も日中戦争で用いられましたが、かなりの被害を出してしまいました。
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    | 一世代前の、一三式艦上攻撃機が主力となり続けたわけか。
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         | 1932年の満州事変では、空母「鳳翔」「赤城」が大陸に向かったんだが――
         | その際、日本海軍機で初めて実戦に出撃したのは一三式艦上攻撃機だった。
         | 最新機であるはずの八九艦攻をも押しのけて、初出撃を記録したんだ。
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| そんな八九艦攻に落胆した日本海軍は、1932年に後継機の開発を始めます。
| この新艦上攻撃機の開発は、「航空技術自立計画」のひとつにも組み込まれました。
| これまで日本は外国機のコピーに頼り切っていたのを、完全な国産中心として自立しようということですね。
| この「航空技術自立計画」の元に発動したのが、七試計画。
| 艦上戦闘機、艦上攻撃機、双発艦上攻撃機、陸上攻撃機、三座水上偵察機の五種が発注されるというもの。
| この計画に関しては、「日本海軍の初期艦上戦闘機」講義の際に解説しましたね。
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    | このうち七試艦上戦闘機は、三菱と中島の両方が落選するんだっけ。
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         | なおこの頃、急降下爆撃が可能な、新種の艦上機――艦上爆撃機の開発も始まっている。
         | 当分のところは、失敗を繰り返して満足な出来のものは掴めないんだけどな。
         | なぜそんな攻撃機の亜種が必要とされたかは、『日本海軍の初期艦上爆撃機』講義を参照。
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| こうして、海軍は三菱と中島に次期艦上攻撃機の競作を命じたんですが――
| 両者が開発した試作機は、ともに失敗作。両方とも不採用という、悪夢のような結果に終わります。
| この競争試作に加わっていなかった愛知航空機も試作機を独自開発しましたが、これも失敗。
| 後継艦上攻撃機は存在しないという、海軍涙目の事態になってしまいました。
| 
七試艦上戦闘機の方も両方落選という、両者不採用の哀しい状態だったんですが……
| 艦上攻撃機の主力は10年も前の一三式艦上攻撃機という、艦戦より悲惨な状態だったんです。
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 ・三菱 七試艦上攻撃機
  1932年に出された次期艦上攻撃機開発計画に対し、三菱が完成させた機体。
  自社製の八九式艦上攻撃機を抜本的に改良した機体だが、鈍重さまでは改善できなかった。
  そのため試作機は墜落事故を起こしてしまい、不採用となる。

 ・中島 七試艦上攻撃機
  1932年に出された次期艦上攻撃機開発計画に対し、中島が完成させた機体。
  三菱機よりも軽量であったが、速度性能が要求値に達せず不採用となる。

 ・愛知 AB-8艦上攻撃機
  1932年に出された次期艦上攻撃機開発計画に対し、愛知が自主開発した試作機。
  三菱や中島の試作機よりもさらに軽量だったが、性能は要求値に届かなかった。
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    | 艦上攻撃機は、事実上二世代前のモノが現役だったってことか……
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         | つくづく一三式艦上攻撃機は、後輩に恵まれない機体だ。
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| しかし海軍は、こういった事態を予測していました!
| 「こんなこともあろうかと」海軍自前の航空技術研究機関である空技廠に、予備機の開発を命じていたんです。
| この開発命令を受けた空技廠は、過去の傑作機であった一三式艦上攻撃機に様々な改良を施しました。
| 機体の骨組みをを金属化したり、新型エンジンを搭載するなど、事実上の再設計を施し――
| そんな一三艦攻の改良型が、落選した三菱・中島機の代理として1933年に九二式艦上攻撃機として採用。
| とは言えこの機体は、応急的な繋ぎでしかなかったわけですが。
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 ・九二式艦上攻撃機(B3Y)
  一三式艦上攻撃機の改良型であり、八九式艦上攻撃機の後継。
  新機軸はほぼ皆無で、性能にも不満が多かった。

 
写真
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    | 10年も前の機体の改良型で乗りきらなきゃいけなかったあたり、末期的だな……
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         | この当時の航空技術の発展は著しく、10年の遅れは致命的だ。
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| やはり九二式艦上攻撃機は、しょせんは十年も前に設計された機体の改良型。
| 安定性や信頼度には定評があるものの、その低性能は隠せません。
| 九二式艦上攻撃機はあくまでも繋ぎであり、しぶしぶ採用した機体なんです。
| その生産数は130機、最初はエンジン不調で苦しみましたが、改良後は高い信頼性を保っています。
| 日中戦争では陸上目標に爆撃を行い、それなりの戦果を出していますね。
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    | いつまで、一三艦攻(とその改良型)のお世話になるんだ。
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         | 悲しい話だ。
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| 1934年2月には、後継となる九試艦上攻撃機開発が三菱と中島に命じられました。
| この頃は、世界中に航空機の全金属・単葉化という近代化の波が広がりつつあった時期。
| 艦上機戦闘機部門ではそんな世界の航空事情をも踏まえ、全金属・単葉化を命じています。
| しかし艦上攻撃機の部門はというと、八九艦攻七試艦攻と失敗の連続。
| さすがにいきなり全金属・単葉は無理があるということで、艦攻に関しては木製布張り・複葉を指示。
| こうして、両社は試作機を完成させたんですが――その結果は……やはり! 涙の両試作機不採用!
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 ・三菱 九試艦上攻撃機
  1934年に出された次期艦上攻撃機開発計画に対し、三菱が完成させた機体。
  堅実に設計された機体だが性能は低く、不採用とされた。

 ・中島 九試艦上攻撃機
  1934年に出された次期艦上攻撃機開発計画に対し、中島が完成させた機体。
  非常に特異な主翼形態を持つ機体だったが、あまりの奇抜さに採用はされなかった。
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    | 予想通り!
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         | 嫌な予想通りだな……。
         | とはいえ、当時の日本海軍もこの展開を読んでいたんだ。
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| 結局のところ、「こんなこともあろうかと」空技廠に開発されていた艦上攻撃機をまたも繋ぎとすることに。
| これが九六式艦上攻撃機なんですが、その性能とて決して褒められたものではありませんでした。
| 堅実な設計で信頼度は高かったんですが、複葉機そのものの限界はもはや見えていた時期。
| 一方で仮想敵のアメリカは、全金属・単葉の艦上攻撃機TBD「デバステーター」を完成させていました。
| この九六艦攻も、あくまで暫定的な存在でしかなかったんですよ。
| とは言え、太平洋戦争初期まで哨戒任務や練習機として用いられています。
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 ・九六式艦上攻撃機(B4Y)
  海軍が独自に開発した艦上攻撃機で、極めて堅実な設計がなされている。
  その為に性能も優れたものではなかったが、三菱・中島両社の試作機が不採用になるに及んで採用決定。
  次期計画の
十試艦上攻撃機が完成するまでの繋ぎとされる。

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    | いつになったら、日本海軍は優れた艦上攻撃機を手にできるんだ……
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         | しかも生産の都合で、九六艦攻への世代交代も極めてスローペースで行われた。
         | 結局のところ、この時期に及んでも主力は一三艦攻とその改良型。
         | もう、十数年前の骨董品を使い続けなければいけなかったんだ。
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| こうしたわけで、日本海軍の艦上攻撃機は一三艦攻の成功以来、長い不遇の時代を歩みます。
| 次期計画の十試艦上攻撃機においては、近代化の波に乗って全金属・単葉のみの機体に限定。
| その結果――ようやく海軍は、艦上攻撃機の成功作を掴むことになるんですね。
| そんな九七式艦上攻撃機については、次回に講義するとしましょう。
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    | 次回、いよいよ成功作が!
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         | しかし、その栄華の期間も短かったんだがな。
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