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| さて、今回は戦後の戦闘機と爆撃機、艦上機の講義をまとめてやっていきましょう。
| 戦前はこれらの航空機が独自に発展していましたが、戦後になると密接に絡み合うように。
| さらに技術の発達によって、戦闘機と爆撃機の任務が一つの機体でこなせるなんてのも登場。
| そして、伝説へ……
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    | 前置きをいきなり投げるな。
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         | 長い前口上に飽きたのか?
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| 1950年、米ソの代理戦争である朝鮮戦争が勃発します。
| この戦争でソ連のMiG-15とアメリカのF-86というジェット戦闘機が実戦デビュー。
| しかしこの戦争で核爆弾は使われることなく、前に解説した核爆撃機B-36の出番はありませんでした。
| どちらにしろレシプロ爆撃機の頂点B-29は、最新鋭ジェット戦闘機MiG-15に落とされまくる有様。
| 鈍重なレシプロ爆撃機では、この先生きのこることは難しくなってきます。
| いよいよ、爆撃機もジェット化しなければいけないご時世になってきました。
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 ・朝鮮戦争
  1950年から始まった朝鮮半島を舞台にした戦争で、1953年に停戦が成立。
  米英を初めとした17カ国が支援する韓国側と、ソ連や中国が支援する北朝鮮側が激突した。
  実質的に西側と東側の代理戦争となり、冷戦の流れを決定付けることになる。
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    | 技術力のない中小国は、ますます置いていかれることになったんだな。
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         | 技師が設計で創意工夫していた牧歌的な時代は、もはや過ぎさったんだ。
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| さて、これらF-86やMiG-15は第1世代ジェット戦闘機と呼ばれます。
| ジェット技術が本格実用化した時代の、初の戦闘機という意味ですね。
| もはや、世界は航空新時代に突入していたんです。
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 各国の第1世代ジェット戦闘機
 ・F-86「セイバー」:アメリカの開発したジェット戦闘機。朝鮮戦争においてMiG-15と激戦を繰り広げる。
 ・MiG-15「ファゴット」:ソ連の開発したジェット戦闘機。朝鮮戦争においてF-86と激戦を繰り広げる。
 ・ハンター:イギリスが開発したジェット戦闘機で、後発ながら高速性能はF-86やMiG-15に劣る。
        しかし低速性能や兵器搭載量には優れていたため、攻撃機として転用された。
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    | アメリカ、ソ連、イギリス……そうそうたる大国だな。
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         | この第○世代ジェット戦闘機ってのも、慣習による区分に過ぎない。
         | 合間に存在するような機体もいっぱいあるし、絶対的な定義ではないんだ。
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| 結局のところ朝鮮戦争はうやむやのままに一時休憩、そのまま現在まで後を引きます。
| 実は朝鮮戦争の直前には、アメリカやイギリスはジェット爆撃機を完成させていましたが――
| これらは、朝鮮戦争にはほとんど投入されていません。
| B-47はレシプロからジェットに移行する実験的意味合いが濃いですが、キャンベラは傑作品。
| なんと、現在(2008年2月)のイギリス空軍でも偵察機型が現役であるほどです。
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 初期のジェット爆撃機
 ・B-47「ストラトジェット」:1947年に初飛行したアメリカ初のジェット爆撃機。
                戦略爆撃機とされているが、その能力は高くない。
                実戦参加したのは偵察型のみで、B-52の登場と共に退役している。
 ・キャンベラ:1949年に初飛行したイギリス初のジェット爆撃機。
         極めて性能の高い傑作戦術爆撃機で、アメリカもB-57という名で購入している。
         その偵察型キャンベラPR.9は現代のイギリス空軍でも現役。
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    | さすがイギリス、かつての三大航空大国。
    | ドイツはジェット技術が米ソの両方重宝がられてるけど、フ、フラ……
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         | フランスだって、いつまでもアレじゃない。
         | この時代はまだまだ影が薄いが、独自路線を貫き始めるぞ。
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| ジェット化の波は、艦上機にも訪れました。
| アメリカはF9F「パンサー」という艦上ジェット戦闘機を採用、朝鮮戦争にも投入しています。
| また艦上爆撃機と艦上雷撃機を統合し、爆撃と魚雷の両方が運用できる艦上機を開発。
| 日本海軍で言えば、流星と同じようなスタンスですね。
| この計画は第二次世界大戦中から始まったんですが、完成した頃には太平洋戦争は終わっていました。
| しかしA-1は朝鮮戦争やベトナム戦争に投入され、それなりの成果を見せている優秀機です。
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 アメリカ海軍の艦上ジェット戦闘機
 ・F9F「パンサー」:1947年に初飛行した艦上ジェット戦闘機で、朝鮮戦争にも投入されている。
            設計思想が古く、同時期のジェット戦闘機に苦戦させられた。

 イギリス海軍の艦上ジェット戦闘機
 ・シーホーク:1947年に初飛行した艦上ジェット戦闘機で、イギリス海軍の主力機として活躍。

 アメリカ海軍の艦上攻撃機
 ・A-1「スカイレイダー」:艦上爆撃機と艦上雷撃機の性能を併せ持った機体。
               太平洋戦争には間に合わなかったが、朝鮮戦争やベトナム戦争で活躍している。
               朝鮮戦争ではキッチン、ベトナム戦争ではトイレを投下するなど、話題には事欠かない。
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    | レシプロ機なのに、ベトナム戦争にまで顔を出すなんて……
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         | なおミサイルが登場すると魚雷が一気に廃れ、雷撃機も絶滅してしまう。
         | 以降の艦上攻撃機は、対地・対艦ミサイルの運用がメインになっていくんだ。
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| そして、時代は1950年代に突入。
| この頃にはミサイル技術の発展が著しく、これからの武装はミサイル一色になるという考えが生まれます。
| これが1950年代から1960年代まで世界中に流行した「ミサイル万能論」でした。
| 射程の劣る機銃などを戦闘機に積む必要はなく、ミサイルキャリアーとしての役割のみを追求――
| そんな考えのもと、武装がミサイルだけの戦闘機が次々に登場します。
| その結果、どうなったかは……ベトナム戦争のところで後述しますね。
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 ・ミサイル万能論
  ミサイル技術の発展をきっかけに、1950〜1960年代に流行した考え方。
  全ての兵器の武装はミサイルに置き換わるというもので、機銃などは時代遅れになるというもの。
  この理論に従って主兵装がミサイルのみの兵器が次々と登場したが、様々な欠点を見せ付けた。
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    | 「○○万能論」って、たいがい破綻するよな。
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         | またアメリカ戦闘機の場合は、ソ連の核爆撃機を撃ち落とす事が第一とされた。
         | だから高速性能を重視し、ドックファイトなどの格闘戦能力は軽視されていった――
         | そういう戦略事情とも繋がってくる問題なんだ。
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| そんな1950年代、アメリカは次々と最新鋭のジェット戦闘機を開発します。
| これらは新世代の戦闘機ということで、「センチュリーシリーズ」と呼ばれました。
| またミサイル万能論に乗っ取り、F-102あたりから機銃は搭載されていないのもあります。
| アメリカ空軍はこの時期、迎撃戦闘機に力を入れて制空戦闘機を軽視していた――そうも言えますね。
| ここらへんはベトナム戦争に投入され、色々と問題を起こした子達。
| この時期の戦闘機は、第2世代ジェット戦闘機とも呼ばれています。
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 アメリカの第2世代ジェット戦闘機
 ・F-100「スーパーセイバー」:F-86の後継機で、1953年に初飛行した世界初の実用超音速戦闘機。
                   また通常爆弾の搭載も可能で、戦闘爆撃機としても使用できる。
 ・F-101「ヴードゥー」:1954年に初飛行した長距離戦闘機で、当初は長距離爆撃機の護衛用とされた。
              しかし実戦では、長距離性能を生かして爆撃や偵察用途で用いられる。
 ・F-102「デルタダガー」:ソ連爆撃機を撃墜するための迎撃専用機で、1953年に初飛行。
                デルタ翼という特徴的な翼を持ち、技術発展における貢献は大きかった。
                戦闘機としては、ほとんど活躍を示していない。
 ・F-104「スターファイター」:1954年に初飛行した、マッハ2での飛行が可能な高性能迎撃機。
                  迎撃任務に特化しているため、制空戦闘機としての受けは悪かった。
                  航空自衛隊にも採用され、長らく日本の空を守っている。
 ・F-105「サンダーチーフ」:1955年に初飛行した戦闘爆撃機で、高い爆撃性能を誇る傑作機。
                 ベトナム戦争に投入され、爆撃任務で大活躍を示した。
 ・F-106「デルタダート」:1956年に初飛行した、この時期の迎撃機の決定版。
                核搭載空対空ミサイル「ジニー」を搭載可能で、米本土防空任務に就く。
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    |核搭載空対空ミサイル……!? な、なんだそれ……!?
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         | ソ連核爆撃機の大群が米本土に向かって飛来してきた時、その編隊に向けてボシュッと一発。
         | すると巻き起こるキノコ雲、ソ連核爆撃機は見事に壊滅……って感じ。
         | ある種キチガイ的な迎撃思想が頂点にまで達した迎撃機ってわけだな。
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| さらに同時期の1950年代、米ソは核投下を前提としたジェット爆撃機も次々と開発していきます。
| これらの性能は非常に高かったんですが……
| ミサイル技術の発達により、核攻撃もミサイルで行えないか?って考え方が出始めていました。
| それでもB-52などは使い勝手が良く、通常爆撃にも転向できたんですが……
| B-58は核専用機としてツブシが効かず、1960年代末にはそのまま退役となってしまいます。
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 アメリカの戦略爆撃機
 ・B-52「ストラトフォートレス」:1952年に初飛行した戦略爆撃機で、当時の技術の粋を集めて完成した傑作機。
                   核戦略任務のみではなく、ベトナム戦争などでは通常爆撃にも用いられる。
                   米ソの緊張緩和、ひいてはソ連崩壊に際し、通常爆撃が主任務となっていった。
 ・B-58「ハスラー」:マッハ2での飛行が可能な音速爆撃機で、初飛行は1956年。
             コストが高い上に整備性も悪く、なかなか問題が多かった機体である。
             1960年代末には航空機による核攻撃が時代遅れとなり、1969年に全機退役。
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    | 核爆撃機か……ダーティーだな。
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         | B-52などは、米本土が壊滅しても核報復を実行できるよう、常に数機が滞空している状態にあった。
         | それも、ソ連が崩壊するまでだけどな。
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| そんなにまでアメリカが恐れたソ連戦略爆撃機と、おまけでイギリスの爆撃機です。
| Tu-95「ベア」なんてのは、アメリカにとって長らく恐怖の対象でした。
| 新技術のターボプロップエンジンを使用し、非常に優良な速度性能を誇っています。
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 ソ連の戦略爆撃機
 ・Tu-16「バジャー」:1952年に初飛行した、ソ連の中距離ジェット爆撃機。
             核の搭載も可能であり、その存在は西側を威圧していた。
 ・Tu-95「ベア」:長大な航続距離を持ち、アメリカ本土への直接攻撃を想定した戦略爆撃機。
           開発は1950年代で、アメリカの戦略爆撃機B-52のライバルにあたる。
           動力はプロペラだが、特別な技術を搭載しているため旧式とは言えない。

 イギリスの戦略爆撃機
 ・バルカン:大型で頑丈な戦略爆撃機で、1952年に初飛行。
        1980年代までイギリスの核戦略を担い、通常爆弾でフォークランド紛争に臨んだことも。
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    | ほんと、物騒な連中だな……
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         | バルカンはおまけと申したか。
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| こういう風に、大国が争うように核爆撃機を開発していた1950年代半ば……
| フランスでは、ミラージュIIIという画期的な戦闘攻撃機が完成していました。
| それは決して強力なわけじゃなく、大量の爆弾を運べるわけでもない――でも、色々と便利。
| 対空戦闘と対地攻撃の両方に対応可能で軽量、しかも驚きの低価格。
| 取り残されがちだった中小国の空軍は、大喜びでミラージュIIIを自国に導入します。
| これ以降、この種の航空機はマルチロール機(万能機)として一つのジャンルとなっていくんですよ。
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 ・ミラージュIII
  大型化する戦略爆撃機とは別の方向に進化した戦闘攻撃機で、核の運用も可能。
  核攻撃が弾道ミサイルによって代替されてからは、通常対地攻撃ができるように。
  世界各国に輸出され、中東戦争でも姿を見せる。

  写真
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    | 戦闘爆撃機と戦闘攻撃機って、どう違うの……?
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         | はっきり言って、ほとんど同じ。爆撃任務も行える戦闘機、っていう認識で構わない。
         | この種の航空機は偵察機能も持たされ、マルチロール機(万能機)として発展していくんだ。
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| そして1950年代末……アメリカはベトナム戦争への介入を決定、またも東西の代理戦争が展開されます。
| 今回は、ソ連側の戦闘機から紹介しましょう。
| これらはアメリカのセンチュリーシリーズと同世代であり、第2世代戦闘機に区分されていますね。
| 一般に「アメリカはミサイル万能主義で格闘戦闘能力を軽視し、ソ連は格闘戦能力を重視した」と言われてます。
| それにより、これらの戦闘機はアメリカ戦闘機相手に有利だったと――
| しかしそれは間違い、これらのソ連機もミサイル万能主義の影響が強かったりします。
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 ベトナム戦争時のソ連戦闘機
 ・MiG-17「フレスコ」:朝鮮戦争で活躍したMiG-15の近代化改修機。
 ・MiG-21「フィッシュベッド」:東側の代名詞的な戦闘機であり、世界各国に輸出された大ヒット機。

 同時期のイギリス戦闘機(おまけ)
 ・ライトニング:1957年に初飛行したイギリスの傑作戦闘機で、抜群の加速性能を誇る。
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    | 結局、どこもかしこも核爆撃機にビビりまくった時代だったんだな。
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         | ライトニングがおまけ? 屋上に行こうぜ、久々にキレちまったよ……
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| 一方で、ベトナム戦争に投入されたアメリカ戦闘機を見てみましょう。
| 先述のセンチュリーシリーズに加え、下記の海軍戦闘機が実戦に投入されました。
| このF-8やF-4は、第三世代戦闘機にあたる最新型です。
| しかし実戦において、ミサイルが外れて無防備になってしまう局面が続出。
| ミサイルのみに頼ることの危険性がこの戦争によって明らかになりました。
| ゆえにアメリカは、一時期は軽視していた戦闘機同士の格闘戦能力を重視していきます。
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 ベトナム戦争時のアメリカ艦上戦闘機
 ・F-8「クルセイダー」:「空軍機よりも高性能」と言われた艦上戦闘機で、世界各国に輸出される。
 ・F-4「ファントムII」:海軍と空軍の両方に採用され、1つの時代を築いた優良戦闘機。
             当初は「ミサイル万能思想」により機銃を積んでいなかったが、
             ミサイルの命中率が高くないことが分かり、バルカン砲を搭載。
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    | ここらへんの海軍機は、艦上機なのに空軍機より強力だったんだな。
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         | F-4「ファントムII」は、航空自衛隊でも主力を務めた傑作戦闘機だ。
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| さて……1950年代末には、ミサイル技術の発達により核爆撃機の肩身が狭くなってきた、と先述しました。
| 1960年代に入ると、弾道ミサイル(超長距離ミサイル)の開発が本格化。
| 核を爆撃機で投下するという考え方はいよいよ古くなってきました。
| 核爆撃機の能力はインフレ化し、超高速化、超高性能化する一方だったんですが……
| その極みであるXB-70「ヴァルキリー」の計画中止をもって、その傾向もストップします。
| それは、アメリカ核爆撃機そのものの終焉さえ意味していました。
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 ・XB-70「ヴァルキリー」
  脅威の超高空性能とマッハ3クラスという速度性能を誇る試作超音速爆撃機。
  アラスカ-モスクワ間を無補給で往復可能という航続距離を持ち、その性能は絶大。
  しかし費用の高騰と任務の喪失が原因となり、試作機2機のみで開発は中止される。
  開発費込みで、2機で6兆円。同じ重さの金塊より高いとまで揶揄された。

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    | 核は、ミサイルで発射される時代になってしまったんだな。
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         | XB-70は、オーバーテクノロジーとしか思えないほど凄かったんだがなぁ……
         | 開発費の高騰も凄まじく、同じ重さの金塊より高いとまで言われたぞ。
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| そして同じく1960年代には、F-105の後継となる新型戦闘爆撃機が必要になります。
| ついでに海軍と空軍の攻撃機計画を統合してしまい、完成したのがF-111なんですが……
| これ、開発費用をケチろうとして無理矢理に海軍と空軍の計画を統合したもの。
| その完成品は色々と無理があり、海軍は見向きもせず空軍も持て余す有様。
| 基本性能は高いものの、いろいろといわくを残す機体になってしまいました。
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 ・F-111「アードバーグ」
  紆余曲折を経て誕生した攻撃機で、多くの派生系が存在。
  戦闘攻撃機であるものの、対空能力は非常に低く純粋な攻撃機としてのみ扱われている。
  ベトナム戦争から湾岸戦争まで様々な戦場を駆け巡った。

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    | なんでもまとめてしまえばいい、ってわけでもないんだな。
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         | これは、当時の国防長官であったマクナマラのやらかした大ポカだ。
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| ついでに、この時期のアメリカ艦上攻撃機を紹介しておきましょう。
| この時代はもはや雷撃機は壊滅し、攻撃機の主兵装は爆弾かミサイルになっています。
| 中には核攻撃専門の物騒な機体もありますが、60年代になると例によって次々に退役。
| A-4やA-6、A-7などはアメリカ空母戦力の中核として、幾多の戦いに赴きました。
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 アメリカ海軍の艦上攻撃機
 ・A-3「スカイウォーリア」:1952年に完成した大型艦上攻撃機で、核攻撃専門。
                後継のA-5登場後は、デカい図体を生かして電子戦機や給油機に改造されている。
 ・A-4「スカイホーク」:通常攻撃用の高速艦上攻撃機で、1954年に初飛行。
              信頼性に優れた傑作機で、20年以上も現役。他国では現在も使用している国もある。
 ・A-5「ヴィジランティ」:1958年に初飛行したA-3の後継である核攻撃機。
               しかし1960年代には、航空機による核攻撃という考え方自体が旧式化して退役。
 ・A-6「イントルーダー」:その名の通り、敵地に超低空で侵入することを目的とした艦上攻撃機。
                ベトナム戦争や湾岸戦争に投入され、電子戦機にも改造転用された。
 ・A-7「コルセアII」:非常に優れた性能を持った艦上攻撃機。湾岸戦争を最後に退役している。

 イギリス海軍の艦上攻撃機(おまけ)
 ・バッカニア:1958年に完成した低空侵攻機で、長らく現役にあった後に湾岸戦争で初実戦。
         30年以上も現役を務め続けた、歴戦の名機。
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    | 空母に乗って、世界のあちこちに姿を現したんだな。
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         | バッカニアの戦闘力は53万です。
         | おまけ扱いすると、ゆるさんぞー!!
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| また1966年、イギリスでは画期的な航空機が登場します。それが、垂直離着陸が可能な攻撃機ですね。
| 当初は、陸上滑走路が破壊されても戦える便利な機体、という意図だったんですが……
| その垂直離着陸性能が着目され、軽空母での運用が試みられます。
| 利を認めたアメリカもハリアー開発計画に絡み、様々な改良が施されて現在に至っていますね。
| これは十分な滑走路を備えていない小型空母でも、ハリアーは運用可能だということ。
| そして現在では、軽空母で運用できる機体はハリアー一択に近い状況にあります。
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 ハリアーの系譜
 ・ハリアー:世界最初の実用垂直離着陸機で、初飛行は1960年。
        ホバリング(空中静止)も可能だが、機体性能は高いとは言えない。
 ・シーハリアー:ハリアーの改良型で、垂直離着陸機能を活かして軽空母艦載機に。
           空戦性能も備え、艦上戦闘攻撃機として運用できる。
 ・AV-8B「ハリアーII」:シーハリアーを米海兵隊が導入、アメリカ向けに改良した第二世代のハリアー。
 ・ハリアーGR.5:アメリカのハリアーIIを、イギリスがさらに逆輸入した機体。

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    | 垂直離着陸って凄いのか?
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         | 滑走する必要がなく、ヘリみたいにフワ〜リと浮き上がるんだ。
         | 世間一般で思われてるようなオイシイ技術じゃなく、難点もいっぱいあるがな。
         | このハリアーの後継機として、F-35が開発されているが……詳しくは後述。
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| ではここで視点を変え、1960年代のソ連を見てみましょう。
| 前述したXB-70や、後の講義で解説するSR-71など……アメリカの超音速機が続々出現する昨今。
| ソ連は危機感を覚え、対抗手段として超音速迎撃機の開発をスタートさせます。
| そして完成したのがMiG-25「フォックスバット」、マッハ3クラスの戦闘機です。
| しかしこれは、戦闘機同士の戦いなど考慮していない純粋な迎撃機。
| アメリカの超音速機を叩き落とすだけの用途に特化した、そういう戦闘機なんですよ。
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 ・MiG-25「フォックスバット」
  XB-70などの超音速機にに対抗して生まれた超高速戦闘機。
  マッハ2.8というとてつもない速度性能と高度性能を備え、西側に深い脅威を与えた。
  しかし爆撃機の迎撃に特化しているため、戦闘機同士の格闘性能は低い。
  偵察機型も存在し、戦闘機型と合わせて各国に輸出されている。
  また、ベレンコ中尉亡命事件において日本国内に持ち込まれたことでも有名。

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    | 旧日本海軍の局地戦闘機みたいなもんだな。
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         | 何度も言った通り、用途によって求められる性能は異なる。
         | MiG-25は敵戦闘機と戦って制空権を争う機体じゃなく、ひたすらに迎撃機。
         | 高速で飛来する爆撃機や偵察機を叩き落とすことしか考えられていないんだ。
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| そしてMiG-25は、モスクワ航空ショーで展示されたんですが……
| マッハ3クラスという性能に、アメリカ空軍は仰天。ベトナム戦争での不覚もあって、危機感は頂点に。
| こうしてアメリカ空軍は、新戦闘機の開発に乗り出します。
| 一時期は度外視していた格闘戦能力も重視した、対空戦闘のエキスパート。
| ある種の原点回帰ともいえる、非常に優れた戦闘機――それが、F-15「イーグル」
| 登場から数十年は世界最優秀戦闘機の座に居座り続けた、とんでもない戦闘機です。
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 ・F-15「イーグル」
  制空、迎撃、あらゆる任務に対応した高性能の大型戦闘機。
  アメリカの主力戦闘機として30年の間無敵を誇り、後継機F-22が登場した現在も現役。
  1979年のデビュー戦以来、115機を撃墜して自機の損害はないという脅威の成績を誇る。
  その空戦性能は同世代の戦闘機を凌駕し、20世紀最高レベルの戦闘機という評価も名高い。
  しかし価格が非常に高く、購入できる国も限られてしまう。

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    | でも、対抗したはずのMiG-25は迎撃専門だったんじゃあ……
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         | アメリカはMiG-25を万能の戦闘機だと誤認し、過剰に焦ったフシがある。
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| そんなF-15というとんでもないアメリカ戦闘機の登場に、今度はソ連が慌てました。
| これに対抗し、ソ連はSu-27「フランカー」という極めて強力な戦闘機を出してきます。
| F-15Su-27のどちらが強いかという議論は、恐らく世界中でなされたでしょう。
| この二機は、20世紀最強の戦闘機の座を奪い合う関係ですね。
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 ・Su-27「フランカー」
  ソ連を代表する高性能の戦闘機で、脅威の機動性を誇る。
  航続距離もミサイル搭載量も高いが、電子機器の性能は西側に及ばない。
  艦載型や戦闘攻撃機型など様々な派生を持ち、現在のロシアでも主力を張る戦闘機。

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    | F-15のライバルだな。
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         | 特に機動性は凄まじく、格闘性能は非常に高い。
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| さて、こんな風にF-15Su-27という両国を代表する究極戦闘機が並び立ちました。
| しかしどちらも、値段は極めて効果。数が揃えなければ意味はありません。
| そこでアメリカでは、ちょっと性能を落としてその分安い戦闘機の開発計画が持ち上がります。
| こうして完成した軽戦闘機が、F-16「ファイティングファルコン」。
| 当初は、「性能を落としたような戦闘機で戦場に行けるか!」という批判が持ち上がったんですが……
| F-16の高性能振りが明らかになるにつれて、そのような声も消えていきます。
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 ・F-16「ファイティングファルコン」
  対地攻撃も可能な高性能マルチロール機。
  アメリカ空軍はF-15と当機との2枚看板となり、海外にも多く輸出されている。

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    | 対空戦闘も地上攻撃も、なんでもござれの便利機だな。
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         | まさに万能、それでいて性能も高く、値段もリーズナブル。
         | どこの国も欲しがる優良機だ。
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| そして、このF-16のソ連版と言えるのがMiG-29「ファルクラム」です。
| Su-27よりも小型で航続距離も控え目ですが、リーズナブルなお値段が魅力。
| 別にF-16に対向したってわけじゃないんですが、役回りは似てしまいました。
| 性能に関しても諸説ありますが、決して悪いものではないです。
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 ・MiG-29「ファルクラム」
  ソ連の開発した中型の戦闘機。
  そこそこの値段に満足な性能を持ち、ソ連ばかりか多くの国で用いられた。

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    | なんか、米ソ共に競ってるように同種の航空機を開発するなぁ。
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         | 同じ状況下だと、似たような航空機を産み出すってことさ。
         | まあ、意図的に対向してきた例だって多いけど。
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| また爆撃機に関しても、アメリカとソ連は競い合っているかのように開発を進めます。
| これは1970〜80年代の爆撃機なんですが、その外見は非常に酷似していますね。
| この時期は核戦略はミサイルで実行し、爆撃機は通常爆撃専門になっています。
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 アメリカの重爆撃機
 ・B-1「ランサー」:可変翼が特徴的な大型超音速爆撃機で、1985年に配備が開始。
            開発計画が右往左往し、結果的にステルス性を重視した低空侵攻機となった。

 ソ連の重爆撃機
 ・Tu-160「ブラックジャック」:ソ連の開発した大型超音速爆撃機で、B-1と酷似した外見を持つ。
                  飛行性能はB-1より上だが、搭載機器の性能は格段に劣る。
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    | 外見まで似てるって……パクったの?
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         | 実際、アメリカは「B-1のパクリだ!」とTu-160を批難してる。
         | ソ連側の回答は、「似たようなスタンスなら、完成品も似て当たり前」。
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| さらに、対地攻撃機の開発でも同じような事例が。
| これらは戦車等を破壊する為の特殊な地上攻撃機で、Il-2の現代版とも言えますね。
| 対地ミサイルや強力な機関砲で地上支援に徹する、頑丈な攻撃機です。
| 現代の航空機において、機体に装甲が施されているのはこの二機だけではないでしょうか。
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 アメリカの攻撃機
 ・A-10「サンダーボルトII」:30mm機関砲を搭載し、凄まじい攻撃力と頑丈な装甲を併せ持った近接航空支援機。
                 低速性能に優れ、比類なき攻撃力と生存性を誇る傑作機。
                 湾岸戦争で大活躍し、一時期は疑問視されていた有効性を証明した。

 ソ連の攻撃機
 ・Su-25「フロッグフット」:A-10と比較されるソ連攻撃機で、数々の地上攻撃兵器が搭載可能。
                アフガニスタンや各種内戦などで姿を見せ、その力を見せ付けた。
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    | まさに、模倣と対抗の繰り返しなんだな。
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         | こんな風にソ連は、アメリカと正面切って軍拡競争に爆進し……
         | 最終的には、財政破綻してしまうことになる。
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| さて、ここでアメリカ海軍の方に視線を移しましょう。
| F-14「トムキャット」は、1970年に初飛行した艦載戦闘機。
| F/A-18「ホーネット」は70年代末に登場し、F-14の補佐を担当する戦闘攻撃機ですね。
| 「F/A」という戦闘機と攻撃機を統合した特殊なナンバーを持ち、攻撃機としても優れた便利機。
| 問題の多いF-14は2000年代初頭に退役しましたが、F/A-18は現在でも現役ですね。
| A-6やA-7の艦上攻撃機も退役し、現在のアメリカ空母は対空・対艦・対地の全てがF/A-18一本槍です。
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 アメリカの第4世代ジェット戦闘機
 ・F-14「トムキャット」:可変翼と長射程ミサイル「フェニックス」が特徴的な大型戦闘機。
              高い対空戦闘能力を誇るが、整備性やコストに大きな問題を抱える。

 ・F/A-18「ホーネット」:アメリカ空母艦隊の主力で、戦闘機と攻撃機の両方の運用が可能。
               信頼性・整備製が高く、現代のアメリカ空母の格納庫をほぼ独占している。
               F/A-18E/F「スーパーホーネット」という発展改良型が存在し、現在も調達中。
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    | 専門の艦上攻撃機も、いまや絶滅してしまったんだな……
    | スペースの限られる空母では、何でも出来る便利機をいっぱい載せるのが合理的か。
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         | なおF-15やF-16、Su-27やMiG-29も第4世代ジェット戦闘機に分類される。
         | この連中のほとんどは、現在でも現役で頑張ってるな。
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| あと、ソ連艦上機ですが……空母運用がかなり限定されている以上、あまり良いものはありません。
| Yak-38なんかは、ソ連版ハリアーという前評判が盛り上がりました。
| さらに強力な対空戦闘能力と対地攻撃能力を持つ万能機として、西側に恐れられたものでしたが……
| フタを開けてみると、その飛行性能はハリアーに及ぶべくもなし。
| 対空戦闘能力は絶望的で、爆弾やミサイルも満足に持ち運べず、事故が多発する貧弱メカでした。
| 西側に壮絶な肩すかしを食らわせた航空機として、実に印象深いです。
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 ソ連の艦上機
 ・Yak-38「フォージャー」:垂直離着陸が可能なソ連戦闘攻撃機。
                前評判は凄まじかったものの、その性能は貧弱なものだった。
 ・Yak-141「フリースタイル」:Yak-38の後継として開発され、前作の貧弱振りを克服した優良機。
                  垂直離着陸性能は格段に優れ、運動性能も極めて高い。
                  しかし完成を目前にしてソ連崩壊、計画は注意されてしまう。
 ・Su-33「フランカーD」:Su-27の艦上機バージョンで、Su-27Kとも。現在のロシア海軍が使用している。
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    | なんか……悲しい話だな。
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         | なお金に困ったロシアは、Yak-141の垂直離着陸技術をアメリカに売っている。
         | つまりF-35の中に、ソ連の技術は生きているんだ! 生きているんだよ!!
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| 二人で手に手を取って地平線の彼方まで走って行ったアメリカとソ連は置いといて、他国の動向に移りましょう。
| ベトナム戦争も末期的な状況の60年代初め、イギリスとフランスが共同で軍用機の開発を始めました。
| この時期にもなると航空機開発の費用は高騰し、一国が賄える額としては厳しくなってきたんです。
| イギリスが欲しかったのは高性能の練習機、フランスが欲しかったのは軽量な攻撃機。
| 両者の需要は「だいたい」一致し、「よっしゃ、一緒に造ろうぜ」ということになったんです。
| こうして完成したのが攻撃/練習機のジャギュア、なかなか優れた攻撃機ですね。
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 ・ジャギュア
  イギリス・フランスの二国が共同開発した攻撃/練習機で、1965年に初飛行。
  イギリス空軍は高等練習機と攻撃機の兼用として使い、フランス空軍は軽爆撃を担当させた。
  低空侵攻が主任務であり、敵飛行場の破壊を得意とする。

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    | 「だいたい」一致した、ってのがまたミソだな。
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         | これ以降、幾つかの国が協力して一つの航空機を開発するというシステムが盛んになる。
         | 逆に言えば、一国で独自開発するにはコスト・技術面で厳しくなってきたんだ。
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| さらに1960年代末には、イギリス、ドイツ、イタリア、他三国が新型攻撃機の共同開発を開始。
| 他三国が途中で脱退したものの、1974年にはとうとう初飛行を達成します。
| イギリスは「戦闘機としての性能も持たせたい」と言い出して、ドイツ・イタリアと対立しましたが……
| まず攻撃機として完成させた後、戦闘機型に改良していくということで話がまとまりました。
| こうして完成した新鋭攻撃機がトーネードIDS、改良型の戦闘機タイプがトーネードADV。
| イギリス、ドイツ、イタリアの剣として存在力を発揮し続けた名機です。
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 ・トーネードIDS:イギリス・ドイツ・イタリアが共同開発した攻撃機。
            STOL(短距離離着陸)性や超低空侵入性能、長距離性能が重視されている。
          数々の派生型が存在し、湾岸戦争でも活躍。
 ・トーネードADV:トーネードIDSをイギリス空軍が改修し、本土防空用の戦闘機に。
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    | フランスがハブられてない……?
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         | フランスは、兵器開発全般において独自路線を取る傾向があった。
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| そういうわけで、フランスは一国で頑張って独自の軍用機を開発しています。
| 戦闘機や攻撃機の性能をオールマイティに備えた、ミラージュIIIを覚えているでしょうか?
| その後継のミラージュF1やミラージュ2000は、シリーズの特性を受け継いています。
| 戦闘機や攻撃機、偵察機などの能力を併せ持ち、値段もそこそこの便利な機体。
| アメリカのF-16という同じスタンスの強敵が存在しながら、販売実績もなかなか。
| これらのフランス機も、時代を代表する軍用機でしょう。
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 ・ミラージュF1:1970年代に登場した戦闘機だが、爆撃も可能な事実上の戦闘爆撃機。
          ミラージュIIIの後継であり、多くの国で用いられた優良機。
 ・ミラージュ2000:1980年代に登場したマルチロール機で、F-16と並ぶ優良機。
            フランス空軍の主力となるのはもちろん、様々な国に輸出された。
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    | フランス機は、輸出実績も並外れてるんだよな。
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         | フランスは、相手を選ばずに売りまくったフシがあってな……
         | そういうわけで、アメリカに睨まれてしまった。
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| そんなフランスも空母を所持している以上、艦上機も国産で頑張っています。
| アメリカの艦上戦闘機や艦上攻撃機と比べ、能力の中途半端さ感は否めませんが……
| まあ、比べる対象が凄すぎるというのもありますがね。
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 ・エタンダールIV:フランスが60年代初期から運用を始めた艦上機。
            戦闘機、攻撃機、偵察機の任務を兼ねているが、実戦で用いられたのは偵察任務のみ。
 ・シュペルエタンダール:1978年から配備が始まった艦上機で、エタンダールIVの発展改良型。
                2008年現在も現役で、2010年からラファールMと交代していく予定。
                アルゼンチンにも輸出され、フォークランド紛争で活躍している。
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    | ううむ、いまいちぱっとしないな……
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         | まあ、軍用機を国産できるだけでも凄い。
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| そして我らが航空自衛隊も、1977年に念願の国産戦闘機を完成させました。
| このF-1は「支援戦闘機」というカテゴリーに入れられていますが、これは「戦闘攻撃機」とほぼ同じ。
| また日本という島国を守る関係上、対鑑攻撃能力を重視されています。
| そして2006年には全機が退役、知っての通り実戦参加はありませんでした。
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 ・F-1
  三菱の開発した航空自衛隊の支援戦闘機(戦闘攻撃機)。
  しかし運動戦には難があり、仮想敵であったMiG-21ならばまだしも、それ以上の相手となると苦しい。
  ただし対艦攻撃能力は、登場当初において世界でもトップクラス。

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    | おお、日本の国産機か!
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         | ジャギュアに似ている、と揶揄されたこともあるな。
         | 自衛隊の装備は、似ているだけでも叩かれる宿命にあるらしい。
         | それはともかく、日本製だけあって信頼性の高さには定評があったようだ。
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| さて、ここらで航空技術最前線のアメリカに視点を戻しましょう。
| 80年代には航空機の価格も高騰し、第二次大戦時のような「大量消費型戦闘」は出来なくなってしまいました。
| この新しい時代に、米空軍はいかにして自軍の損害を減らすかについて考えます。
| その答えが、「レーダーに映らずに接近し、ミサイルや爆弾を叩き込めば無敵じゃん!」というステルス機。
| 実験的な意図も兼ねて、最初に造られたステルス機がF-117「ナイトホーク」。
| 日本のマスコミは現在に至るまで「ステルス戦闘機」と報じていますが、これは純粋な攻撃機です。
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 ・F-117「ナイトホーク」
  世界初の本格ステルス実用機であり、その存在は長らく隠されていた。
  1982年より配備が始まり、湾岸戦争ではステルス機の名に恥じない活躍を見せる。
  Fナンバーが付けられているものの、実質的には対地攻撃機で対空戦闘能力はない。
  1999年におけるコソボ空襲の際に一機だけが撃墜されているが、その詳細は現在も不明。

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    | まさに次世代機!なのか……?
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         | この独特の形状には、拒否反応を示した人も多かったようだ。
         | なお、2008年4月に全機が退役予定。
         | 最初のステルス機であるということもあり、現代の目から見れば未成熟の点も多いようだ。
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| ともかくF-117は成功し、より優れたステルス性と爆弾搭載量の実現にひた走ります。
| こうして1997年から配備が始まった新型ステルス爆撃機が、B-2「スピリット」。
| 極めて高いステルス能力を持つ高性能機ですが、その価格や維持費もバケモノ級。
| 持っているだけで金が消えていく恐ろしい機体であり、135機揃えるはずが21機で精一杯。
| 現在においても機密の塊で、その詳細は良く分かりません。
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 ・B-2「スピリット」
  史上初の本格ステルス爆撃機で、ステルス性はF-117より格段に向上している。
  機体価格も20億ドルという天文学的値段であり、21機で調達はストップしてしまった。
  切り札的な扱いであり、B-1やB-52はいつまで経っても引退できない。

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    | F-117に輪を掛けて、変なカタチだな。これで本当に飛べるのか?
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         | このクラスになると、航空力学的に「飛ぶ」という動作に適していない。
         | コンピューターで機体を安定させて飛んでいるという、まさに最先端の技術だ。
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| しかしこれは、ぶっちぎりで最先端のアメリカの話。それ以外の国は無縁の領域です。
| そんな、ソ連の崩壊した1990年代――この頃になると、マルチロール機が全盛になってきました。
| これまでマルチロール機は、何でもできるけど中途半端だという印象がありました。
| しかしながら、技術の発展と共にマルチロール機の性能も上昇したんです。
| 中途半端に何でも出来たマルチロール機は、とても上手に何でも出来るようになりました。
| そんな90年代に、各国で第4.5世代ジェット戦闘機とも言われる最新鋭軍用機が次々と出現します。
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 現代(2008年現在)の最新鋭軍用機
 ・JAS39「グリペン」(スウェーデン)
 ・ユーロファイター タイフーン(イギリス・ドイツ・イタリア・スペイン)
 ・ラファール(フランス)
 ・F-2(日本)
 ・F-22「ラプター」(アメリカ)
 ・F-35「ライトニングII」(アメリカ)
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    | この辺が、バリバリの現用機だな。
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         | なお、ステルス性が確保されている機体が第5世代ジェット戦闘機とされている。
         | 後で紹介するF-22「ラプター」などはこれに当たるな。
         | ちょっとだけステルス性が考慮されてる機体だから、第4.5世代ってとこか。
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| そんな中で、スウェーデンの開発したマルチロール機のグリペンが世界の注目を集めました。
| このグリペンは中立国であるスウェーデンの国防にマッチし、独特の開発スタンスが貫かれています。
| 飛行場が先制攻撃を受けて壊滅しても大丈夫なように、高速道路を用いての短距離離着陸が可能。
| 戦闘、攻撃、偵察はなんでもこなす便利機。また整備性も高く、劣悪な環境でも大丈夫。
| 航続距離という点では妥協したんですが、国防に専念するという点において大した問題とはなりません。
| 重視する点と重視しない点を絞ったことにより、非常に優れた機体に仕上がったんです。
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 ・JAS39「グリペン」
  1996年に配備されたスウェーデンの軽量多目的戦闘機。低価格で整備製も良い。
  STOL(短距離離着陸)性も考慮されており、スウェーデン国防に極めてマッチ。

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    | 見た目も格好いいな。これはファンが多いのも頷ける。
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         | ただしこの機体は、スウェーデン防衛専用機とも言える。
         | 異なった地理条件や政情の国が用いても、その真価は発揮できないだろう。
         | それでも似たような条件の中小国での人気は高く、輸出も進んでいるがな。
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| 80年代のヨーロッパでは、大規模な共同開発計画が持ち上がります。
| イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・スペインという欧州主要大国が手を組んだんですが……
| 意見調整で揉めて計画はズルズルと遅延し、スタンスの不一致もあってフランスが脱退。
| 2000年の完成を目指してユーロファイター2000とも名付けられたんですが、それでも遅延。
| ようやく配備が開始されたのは2003年、この機体はあらためてタイフーンと名付けられました。
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 ・ユーロファイター タイフーン
  イギリス・ドイツ・イタリア・スペインが共同開発したマルチロール機。
  ユーロファイターの名を冠し、当初はEUの未来を背負って立つと目されていた。
  しかし計画は遅延し、2003年に至ってようやく配備が開始される。
  スーパークルーズ能力を備え、ステルス機能もそこそこ高いとされているが……
  その能力は、実際のところまだまだ未知数。

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    | やっぱ、フランスは独自路線を貫いたのか。
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         | このタイフーン、信頼性が極めて低いという説もあるが……
         | まだまだ最新鋭機、正確な実像が伝わってくるまで間があるだろうな。
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| ユーロファイター計画から脱退したフランスはというと、独力でマルチロール機を完成させました。
| 他国と意見が合わなかったもっとも大きな主因は、サイズの問題だったんです。
| フランスは新戦闘機を空母にも載せたかったため、サイズを小さくすることにこだわったんですね。
| 結果的にその方針は他国と紛糾し、フランスは独力で新鋭機を開発することに。
| とっとと抜けたのが逆に幸いし、配備は2002年とタイフーンより早いです。
| ミラージュ2000の後継でもあるんですが、「ミラージュ」という名を廃しラファールと名付けられました。
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 ・ラファール
  フランスが独自開発したマルチロール機で、ミラージュシリーズの最新モデル。
  評価は高くステルス性能もそこそこ高いと言われているが、まだまだ未知数。
  値段は当初よりも高騰し、輸出で苦戦するどころか自国軍も尻込み。
  配備数が当初の予定より減らされた上で、フランス空軍に配備されることとなった。
  また、艦上機タイプのラファールMがフランス海軍に配備され始めている。

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    | 輸出はふるわないのか……
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         | それでも、最近は検討する国がちらほら見え始めたけどな。
         | 性能に関してはやはり未知数、実像が伝わるまで時間が掛かるだろう。
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| そして日本でも、1980年代にはF-1の後継機開発がスタートしました。
| エンジン以外は、全て国産というはずだったんですが……そこに、様々な政治情勢が錯綜。
| 結局のところ、F-16をベースに日本とアメリカが共同改良していくということになります。
| そして完成したのがF-2なんですが、コストの高騰化など多くの問題点を抱えた機体でした。
| 2000年には配備が始まったのですが、当初の予定より受注数は大幅削減。
| 評価も様々の問題児となってしまいます。
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 ・F-2
  航空自衛隊の支援戦闘機(戦闘攻撃機)F-1の後継。
  アメリカと共同開発を行ったものの、様々な紆余曲折を隔てて90年代末にようやく完成する。

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    | 要は、駄目な機体なの?
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         | しかし、そうとも言い切れないんだ。
         | このF-2をめぐるゴタゴタや評価に関しては、専用講義を待て。
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| そして同時期のアメリカは、最新鋭の技術を思う存分に詰め込んだ次世代戦闘機を開発します。
| それがF-22「ラプター」。高いステルス性とスーパークルーズの能力を備えた新鋭戦闘機。
| 今まで紹介してきた航空機が小粒としか思えないほど、デタラメに強力な21世紀の戦闘機です。
| しかしその値段も、今まで紹介してきた航空機が小粒としか思えないほど。
| F-15の後継ではあるんですが、とてもまかないきれないほどに調達予定数は少ないです。
| 現在(2008年)も調達が続いていますが、どうなることやら……
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 ・F-22「ラプター」
  米空軍の次期主力戦闘攻撃機。2005年に配備が開始され、2008年現在も調達中。
  ステルス性は極めて高く、その戦闘能力は比類ないが、価格があまりにも高騰。
  アメリカですら満足に数が揃えられないという事態になっている。

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    | 自国でも買うのがきついほどの機体を造ってしまうって、切ないな。
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         | 21世紀前半において、最強を誇ることは間違いない……
         | が、数が揃わなければどうしようもないな。
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| そして、かつてはアメリカと競っていたロシアですが……
| 財政難が原因で、MiG1.44やSu-47などの次世代戦闘機開発計画がストップ。
| ようやく持ち直してきた現在は、それらのスタンスを受け継いだ最新鋭戦闘機の開発が進んでいるようです。
| その計画がPAK FAであり、Su-50とも俗称されていますね。
| ライバルは当然ながらアメリカのF-22「ラプター」で、2009年に初飛行する予定のようです。
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 ロシアの次世代戦闘機
 ・MiG1.44:ロシア版のF-22だが、予算不足で計画はストップ。
        試作機は完成し、2000年に初飛行している。
 ・Su-47:新技術を導入した画期的な次世代戦闘機だが、例によって計画はストップ。
       試作機は完成し、1997年に初飛行している。
 ・PAK FA:ロシアの第5世代ジェット機開発計画で、ステルス性を重視しているようだ。
        MiG1.44やSu-47の技術を下地に、2008年現在も着々と開発が進んでいる。
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    | 2009年初飛行予定ってことは、ある程度のメドは着いたってことだろうな。
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         | まだまだ謎だらけで、出ている情報もデマと区別が付かない状態だ。
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| そんな現在、艦上機の分野でも大規模な共同開発計画が進んでいます。
| 米空軍、米海軍、米海兵隊、英空軍、英海軍が共同開発しているのが、F-35「ライトニングII」。
| ハリアーのように垂直離着陸が可能で、対空戦闘、対地・対艦攻撃など何でもござれ。
| ステルス機能も高いという万能機――ながら、計画はめちゃくちゃ難航。
| 空母を持たない国々もこのF-35に目を付け、次世代の主力戦闘機として決定しているところが多数。
| そんな世界各国の夢を乗せて、2006年末に初飛行。今年(2008年)、いよいよ配備が始まるとか!
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 ・F-35「ライトニングII」
  垂直離着陸機能を持ち、艦上での任務を全てまかなう万能機。
  極めて高いステルス性を備えた第5世代ジェット戦闘機で、コストも比較的低く抑えられている。

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    | 当然ながら、性能はまだまだ未知数だな。
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         | アメリカではF-16やハリアー、F/A-18の後継機になるとされている。
         | どうでもいい話だが、F-35専用のヘルメットはやけに怖いということでも微妙に有名。
         | 「F-35 ヘルメット 怖い」でググったら、いろいろ出てくるぞ。
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| そういうわけで、戦後の航空機事情をざっと追ってみました。
| 大きな傾向は、マルチロール機の興隆と航空機の高価化。
| また航空機開発は技術的にも最難度の域に達し、超大国を除いては共同開発がスタンダードとなりました。
| もはや中小国が頑張って独力開発できるような次元ではなくなってしまった、ということですね。
| ここでいったん、一連の基礎講義を終わることにしましょう。
| 偵察機、輸送機、ヘリ等の基礎講義はまた後の機会に行うこととします。
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    | これで俺も軍用機博士だ!
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         | なんなんだ、その安っぽい感想は……?
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