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| さて、今回は第二次世界大戦の終わりまでに登場した爆撃機の講義を行いましょうか。
| 前回、元は偵察用に導入された航空機が対空戦闘用に特化していくのを講義しました。
| これはすなわち、戦闘機への進化の過程なんですが――別方面に進化した軍用機も存在します。
| 今回は第一次世界大戦当初に視線を戻し、別の系譜を歩んでいく過程を見ていきましょう。
| なお艦上爆撃機などは後の「艦上・艦載機基礎講義」があるため、ここでは触れていません。
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    | 戦闘機は、航空機キラーとして進化していった機体だったな。
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         | 爆撃機は、一言で言えば地上攻撃用途に進化していった機体だ。
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| さて、まだ戦闘機など存在せず、軍用機=偵察機だった第一次世界大戦初期。
| 偵察任務で航空機から敵陣を見下ろしていたパイロットに、ふと良案が閃きました。
| 「ここからなんか落としてやれば、敵陣にダメージを与えられるんじゃないか?」ってね。
| それはさっそく実行に移され、様々なものが上空から落とされます。
| 投擲物も次第に破壊力を増していき、「フレシェット」と呼ばれる小型の矢が登場。
| そればかりでなく手榴弾も落とされ始め、とうとう爆弾を落とすという事例が見えるように。
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    | 戦闘機の場合も、小石からレンガ、拳銃へとエスカレートしていったんだったな。
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         | なお飛行機からの投下物で死者を出した史上初の物は、なんと「スイカ」だ。
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| とは言え、まだこの時期は専用の爆撃機はありませんでした。
| 余裕があれば爆弾を積み、偵察ついでに落としていこうって感じですね。
| 本格的な専用爆撃機の登場は、もうしばらく待つ事になります。
| 第一次世界大戦期は、「偵察+軽爆撃機」という機種が非常に多いのはこのため。
| 爆撃用の航空機としては特化しておらず、偵察任務も兼ねていた(むしろ逆?)の頃の産物ですね。
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    | 偵察機と爆撃機の境目が、はっきりしてなかったんだな。
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         | まだ、航空機黎明期だからな。
         | 当然ながら爆弾をいっぱい積めば重量が重くなるから、初歩的なエンジンじゃ苦しくなる。
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| しかし……戦争も佳境になると、より多くの爆弾を落とすための工夫がなされていきます。
| 沢山の爆弾を積み込むために機体は大型化、それゆえ鈍重になってしまいました。
| こういう風に爆撃に特化した専門の機体は、爆撃機と呼ばれるようになります。
| ここから先、爆撃機はなるべく沢山の爆弾をバラ撒けるように進化していくんですよ。
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 ・爆撃機
  爆弾をバラ撒く為の航空機で、対地攻撃専門。
  当初は偵察機と兼用だったが、徐々に爆撃専用機として特化していく。
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    | 沢山の爆弾をバラ撒けるように……結局のところ、大型化か。
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         | それのみに限ってはいないが、まあそれに近い。
         | 爆撃専用機体として、洗練されていったわけだ。
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| 第一次世界大戦中期の1916年にもなると、ロンドンをドイツの大型爆撃機が空襲しています。
| この時に使われたゴータG.IVという大型爆撃機は、二つのエンジンを持つ爆撃専用の機体。
| 犠牲者こそ少なかったものの、前線を飛び越えて市街を狙ってきた攻撃にロンドン市民は大パニック。
| イギリスも、報復としてドイツへの都市爆撃を実行するということに。
| ハンドレページO/100がドイツを攻撃するという爆撃の応酬が行われています。
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 第一次世界大戦時のドイツ爆撃機
 ・ゴータG.IV:ロンドンを爆撃し、市民を恐怖のどん底に叩き込んだ双発爆撃機。

 第一次世界大戦時のイギリス爆撃機
 ・ハンドレページO/100:当時としては、かなり大型の双発爆撃機。
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    | やられたら、同等の手段を持ってやり返すってわけか。
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         | そんな風にして、模倣と対抗の繰り返しで兵器は発達してきたんだ。
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| こんな風に爆撃機の登場によって、戦争のカタチが変わってしまいました。
| 前線から遠く離れた都市が、攻撃目標となる可能性が出てきましたからね。
| この頃から「戦争=軍人VS軍人」の構図も崩れ始め、民間人も戦争と無関係ではなくなってしまいます。
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 戦略爆撃:敵の都市を大規模に爆撃。
 ・生産拠点の破壊 → 産業や経済にダメージを与える。
 ・厭戦観の喚起 → 敵国全体の士気低下。
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    | 技術の発展が、戦争のカタチまで変えたんだな。
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         | それも、より悲惨な方向に。
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| ここらで、第一次世界大戦でデビューした「戦闘機」と「爆撃機」を比較してみましょう。
| 新機種が登場したってより、航空機が対空向けや対地攻撃向けにそれぞれ特化したって方が正しいですね。
| また、爆撃機を護衛する戦闘機、敵爆撃機を撃墜に向かう戦闘機といった関係も固定化。
| 第一次世界大戦後半の頃には、戦闘機や爆撃機の役割分担はほとんど固まっていました。
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 ・戦闘機
  対空戦闘に特化した航空機。つまり、敵機を撃墜するための航空機。
  比較的軽量かつ運動能力に優れる。

 ・爆撃機
  地上への攻撃(戦車・建物)や海上(軍艦)への攻撃に特化した航空機。
  多くの爆弾が積めるように大型化したが、デメリットとして鈍重に。
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    | ライト兄弟の初飛行から、15年も経ってないのにな。
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         | 戦闘機や爆撃機のスタンスはこの頃に決定され、現代もほとんど変わっていない。
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| ともかく、1919年には大変革をもたらした第一次世界大戦が終結。
| それ以後も航空機は軍・民間の両方で発展、全金属製の機体も登場します。
| そして1930年代に入ると、「戦闘機不要論」という考え方が登場しました。
| 爆撃機の性能が格段に上がり、戦闘機の護衛など必要としないとまで言われたんです。
| 結局は戦闘機の能力も相応に上がり、「戦闘機不要論」も崩れてしまいましたがね。
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 戦間期の爆撃機
 ・ハート:1928年にイギリスで初飛行した、優れた性能を持つ複葉の軽爆撃機。
       後に戦闘機型にも改良され(フューリー)、数多く量産される。
 ・B-10:1934年に配備が始まったアメリカの全金属製大型爆撃機で、当時の戦闘機よりも高速。
      強力な防御火器と防御力で、「戦闘機の護衛は不要」とまで言われる。
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    | いよいよ、アメリカの航空機が……
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         | B-10は胴体に爆弾倉を設けた、非常に近代的な爆撃機だった。
         | この機体が、爆撃機のスタイルを一新させたと言っても良い。
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| またこの頃には、「急降下爆撃」という新爆撃技法が登場しました。
| 普通は水平に飛行したまま、バラバラと眼下に爆弾を落とすんですが――命中率は控え目。
| しかし地上の目標に向かって急降下しながら爆弾を落とすと、命中率は格段にアップするんです。
| 当然ながら急降下には危険が伴い、敵も対空攻撃がやりやすくなる諸刃の剣。
| つまりは、危険と引き換えに命中率を上昇させる投下技術ですね。
| この技法が、後の第二次世界大戦で猛威を振るうことになります。
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    | でも、こんなアクロバットな爆撃、鈍重な爆撃機じゃ難しいんじゃないか?
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         | まさにその通り。
         | こうして、急降下爆撃専門の機体――急降下爆撃機が登場することになる。
         | 何度も言うが、やらせたい事が変われば求められる能力も変わってくるからな。
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| 1930年代後半になると国際情勢がキナ臭くなり、スペインで起きた内戦にもドイツやソ連が介入。
| そんな中で、各国から危険視されていたドイツの派遣航空団がとんでもないことをやらかします。
| 1937年4月、ドイツのコンドル軍団がゲルニカ地方を爆撃、市街地を破壊し尽くしてしまったんですよ。
| このJu52とHe111の無差別爆撃により、1654人の非戦闘員が死亡。
| 各国はドイツ航空団の爆撃能力に震え上がり、戦略爆撃の恐怖を世界に示しました。
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 「鳥を抹殺したければ、飛んでいる鳥を撃ち落とすだけでは足りない。卵と巣が残っている」
                             「戦略爆撃」理論の創始者、ジュリオ・ドゥーエ
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    | 大規模に行われた無差別の戦略爆撃か……
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         | 「貴国もゲルニカになりたいかね?」というヒトラーの言葉に、各国は震え上がることになった。
         | これに憤慨して、ピカソが「ゲルニカ」を描いたのは有名な話。
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| 1939年には、とうとう第二次世界大戦が勃発。
| ドイツは緒戦において、ポーランドやフランスを鮮やかな電撃戦で葬り去ります。
| この電撃戦は「陸戦兵器の歴史」で解説した通り、ドイツの編み出した強力な戦術。
| それを織り成す要素の一つに、「空地共同」という項目があったのを覚えているでしょうか?
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    | 確か、地上部隊の侵攻を上空からも支援するんだったな。
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         | ここで出てくるのが、敵集団や施設をピンポイントで破壊する急降下爆撃だ。
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| 電撃戦において、ドイツの戦車部隊は航空機からの支援を受けました。
| ポーランド戦やフランス戦において大活躍した急降下爆撃機が、このJu87です。
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 ・ユンカースJu87
  ドイツを代表する急降下爆撃機で、「悪魔のサイレン」と恐れられた。
  電撃戦においては敵戦車を次々に破壊し、その名を世界に轟かせる。
  しかし低速性能がたたり、戦争中期には英米戦闘機の前に次々と撃墜。その地位は失墜した。

  写真
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    | なんか、今までの爆撃機とはイメージが違うな。
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         | Ju87ってのは、戦車などの目標にピンポイントで爆弾を叩き込むタイプの爆撃機だ。
         | 敵の都市や重要施設に大量の爆弾をバラ撒く爆撃機とはタイプが根本的に違う。
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| そもそもドイツ空軍というのは、陸軍の支援の為に存在するっていう性格が濃厚なんです。
| 高速性能などが重視され、陸戦の支援に特化した爆撃機が主流なんですね。
| バトル・オブ・ブリテンでは、イギリスの戦闘機に不覚を食らうという局面も多く見られました。
| 特にJu87やHe111などは、スピットファイアの前にかなりの損害を受けています。
| 以下のドイツ爆撃機はバトル・オブ・ブリテンに参加し、大苦戦を強いられました。
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 大戦初期のドイツ爆撃機
 ・Ju87:ドイツを代表する急降下爆撃機で、大戦初期は縦横無尽の活躍を見せた。
 ・Do17:スペイン内戦の頃から活躍してきた爆撃機だが、大戦初期にはすでに旧式化。
 ・He111:高速爆撃機として開発された、大戦初期の主力爆撃機。
       ポーランド戦やフランス戦で大活躍したが、バトル・オブ・ブリテンでは苦戦。
 ・Ju88:「戦闘機より速い爆撃機」というスローガンの元に開発された高速爆撃機。
      ドイツ空軍の中型爆撃機の中では最も優秀で、大戦後半まで働き続ける。
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    | 陸軍の補助が主目的か……
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         | 大戦半ばにもなると、重爆撃機の開発にも取り組んだんだがな。
         | 結局のところ、パッとしたのは出来なかった。
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| さて、ここでフランスとイタリアの爆撃機も見ておきましょう。
| フランスの主力爆撃機は骨董品同然、まともなのは非常に数が少ないという悲惨さ。
| それに比べ、イタリアは意外に良い爆撃機を造っています。
| 特に、四発爆撃機を完成させていたというのは見逃せませんね。
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 フランスの爆撃機
 ・アミオ143:1930年代前半の旧式爆撃機で、ドイツ空軍にひどい目に遭わされた。
 ・MB210:アミオ143よりマシな程度の旧式爆撃機で、ドイツ空軍にひどい目に遭わされた。
 ・LeO451:フランスが所持する唯一といってよい近代的爆撃機だが、悲しいくらい数が少ない。
       「第二次大戦中、最も美しい爆撃機」とフランス人は誇っているようだ。

 イタリアの爆撃機
 ・BR20:スペイン内戦にも参加した旧式爆撃機。
      日中戦争の際には日本軍が輸入した当機を使っているが、評判の方は……
 ・SM79:イタリア軍の主力となった爆撃機。かなり頑丈で、ボコられても平気な様子はまさにSM。
      他の性能も全般的に高く、スペイン内戦で活躍。
 ・P108:イタリアが完成させた四発爆撃機(エンジンが4つ)。
      生産数は20機程度で、ほとんど実績は残せなかった。
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    | 日本どころか、ドイツさえ実用型の四発爆撃機は造れなかったんじゃ?
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         | P108の設計者はアメリカで勉強していたため、いろいろなノウハウがあったんだ。
         | いわば、イタリア版のB-17といったところか。
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| ここで話を戻して、イギリス侵攻に失敗したドイツは、1941年にソ連へ宣戦布告。
| 東部戦線(対ソ戦)では、バトル・オブ・ブリテンで英戦闘機に食われまくっていたJu87も再び大活躍します。
| 制空権があれば大活躍し、制空権が無ければ容赦なくボコボコにされるのはこの種の爆撃機の特徴ですね。
| ドイツ軍は破竹の勢いで、モスクワに向かって駆け上がります……が、敵首都を目前にして攻撃は頓挫。
| ソ連は失った数以上の航空機を瞬時に生産し、大逆襲を開始するんです。
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 独ソ戦初日の6月22日だけで、ソ連空軍は1200機の航空機を喪失(うち800機は地上で撃破)。
 余りの数の多さに、ドイツ空軍総司令官ゲーリングはこの戦果を信じなかったという。
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    | 以後は、泥沼の戦いになるんだな……
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         | 独ソ戦初期の時点で、ドイツ空軍はバトル・オブ・ブリテンのダメージが深く残る……
         | と言うか、ほとんど回復していなかったりする。
         | そして、満足な重爆撃機はまだ(そして、最後まで)存在しない。
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| さて、この時期のソ連の爆撃機は……
| 36,163機という航空史上トップの生産数を誇るIl-2「シュトルモビク」が目立ちますね。
| これは装甲が施された地上攻撃機であり、ドイツ軍を散々な目に遭わせています。
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 ソ連の爆撃機
 ・TB-3:戦間期に登場し、世界を驚かせた四発重爆撃機。
      しかし独ソ戦開始時には旧式化しており、ドイツ戦闘機に圧倒される。
 ・SB-2:高速爆撃機としてデビューした双発爆撃機だが、独ソ戦開始時にはすでに旧式化。
 ・Pe-2:高速性能が極めて高い双発爆撃機で、大量生産されて独ソ戦初期から終戦まで奮闘した傑作機。
      ドイツの施設に次々と爆撃を加え、最終的にはヒトラーの脱出さえ不可能なほどの状態に追い込む。
 ・Il-2:「空中戦車」というスタンスで開発された爆撃機で、装甲が施されていて凄まじく頑丈な名機。
     低空攻撃性能が極めて高く、「空飛ぶ戦車」、「黒死病」などと呼ばれドイツから恐れられた。
 ・Tu-2:独ソ戦末期に登場した、非常に優れた性能を誇る双発爆撃機。
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    | 攻撃機? 爆撃機とはどう違うの?
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         | この頃になると、爆撃機も二タイプに分かれ始める。
         | 地上目標を攻撃する軽爆撃機や中型爆撃機と、爆弾を派手にばらまく大型爆撃機。
         | 前者は攻撃機、後者は戦略爆撃機と呼ばれるようになっていく――
         | 実際のところ、この両者に細かい定義はないんだがな。
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| 代行ギコ君の言った通り、爆撃機と攻撃機との境目は微妙。
| 正確な定義はなく、その時代や国家によって微妙なニュアンスも異なってきます。
| フィーリング的には、板書のような理解でいいんじゃないでしょうか。
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 ・攻撃機
  戦闘機ほどのサイズで軽量、小型爆弾などを用いて地上目標を破壊する。

 ・爆撃機
  サイズは大きく、爆弾を派手にバラ撒く。長距離性能にも優れ、長距離侵攻も可能。
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    | なんか、けっこう曖昧なんだな。
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         | 正確な定義なんてどこにもないし、時期によって変わってくる。
         | さらに国によってその扱いも異なるので、統一・共通見解はないと言って良い。
         | 特に日本海軍の爆撃機・攻撃機の区別は非常に独特だしな。
         | 結局のところ、板書程度の理解で、ほとんど問題はないだろう。
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| さて、1944年にはアメリカ軍がノルマンジーに上陸、米英連合の逆襲も始まります。
| ドイツは東西から挟み撃ちにされ、各都市には米英爆撃機が殺到することに。
| B-17やB-24といった四発重爆撃機はそれ以前からドイツに襲来し、戦火を交えていましたが。
| これらの機体はアメリカのみならずイギリスにもレンタルされました。
| さらに太平洋戦線でもこいつらは姿を見せ、日本海軍とも対峙しています。
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 アメリカ陸軍の重爆撃機
 ・B-17「フライングフォートレス」:「空中の要塞」という異名を持つ四発大型爆撃機。
                     第二次世界大戦に投入され、ドイツ相手に猛威を振るう。
 ・B-24「リベレーター」:アメリカ最高の生産機数を誇る四発大型爆撃機で、B-17の後継。
               B-17より爆弾搭載量は多いが安定性は低い。
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    | このデカさは、ドイツ爆撃機の比じゃないな……
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         | アメリカ重爆撃機の特徴は、とにかく防御力が高いこと。
         | 単に防弾性能が高いだけじゃなく、機銃などの防御火器も極端に数が多かった。
         | まさに、航空機というより「空飛ぶ要塞」だな。
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| 中型爆撃機になると若干ながらマイナーですが、やはり優れたものばかり。
| B-26などは着陸時に非常に事故が多く、「ウィドー・メーカー(未亡人製造機)」とも呼ばれましたが……
| 改良を加えて欠点を克服し、魚雷をブラ下げて対艦攻撃機としても運用されています。
| A-26はとてつもない高速性能を備えた軽量な攻撃機で、大戦末期に投入されるもほとんど出番なし。
| しかし、凄いのはその後。朝鮮戦争どころか、なんとベトナム戦争にまで投入された傑作機です。
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 アメリカ陸軍の中型爆撃機
 ・B-25「ミッチェル」:地味ながら優良な双発中型爆撃機で、地中海や太平洋において艦船攻撃に暴れ回った。
 ・B-26「マローダー」:B-25と同時期に登場した双発中型爆撃機だが、初期は着陸時の事故が多かった問題機。
              B-25よりも性能自体は高いが、その分だけ高価で生産数は少なめ。
 ・A-26「インベーダー」:大戦末期に投入された双発軽爆撃機で、非常に高い性能を秘めている。
               1972年に退役するまで、数々の戦いを経験した歴戦の機体。
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    | レシプロ機なのに、ベトナム戦争って……
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         | 12.7mm機関銃を18門搭載したタイプまで存在、鬼の機銃掃射で敵はバラバラ。
         | 爆撃性能も高く、ロケット弾まで装備可能。A-26はこの種のレシプロ機の頂点に当たる。
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| そして、言わずと知れた重爆撃機B-29「スーパーフォートレス」。
| これはもはやオーバーテクノロジーに近いほどの機体で、その性能は激烈の一言。
| 凄まじい高空性能に、常識外れの航続性能、異常なまでの爆弾搭載量と、三拍子揃った逸品。
| さらに、近寄る敵をことごとく叩き落とす強烈な防御放火と、穴はない化け物です。
| 登場時にはヨーロッパ方面の勝負は決まっていた為、対日本戦で用いられました。
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 ・B-29「スーパーフォートレス」
  アメリカが大戦後半に開発した四発重爆撃機。
  第二次世界大戦で最優秀の性能を誇る爆撃機であり、日本を焦土に変えた。

  写真
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    | まさに、「空飛ぶ要塞」だな。
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         | いくらなんでも、こいつは強力過ぎだ……
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| さて、次にアメリカからイギリスの方へと目を移しましょう。
| イギリスもアメリカ爆撃機をレンタルしていただけではなく、独自の爆撃機をも開発していしました。
| 中でも重爆撃機のランカスターはドイツの追い込みに大活躍。
| イギリス爆撃機の特徴は、とにかく大量の爆弾が搭載できる事。その分、防御には難がありました。
| だから昼間爆撃はアメリカ爆撃機、夜間爆撃はイギリス爆撃機と使い分けられていましたね。
| またモスキートは戦闘機の際にも紹介しましたが、爆撃機としても用いられる万能機でした。
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 イギリスの爆撃機
 ・ブレニム:大戦初期に活躍した双発爆撃機で、抜群の高速性能を誇る。
        偵察機としても用いられたほか、戦闘機にも改造されている。
 ・モスキート:全木製の高速爆撃機。夜間戦闘機や偵察機など、多用途に転用される。
 ・スターリング:イギリスの三大戦略爆撃機の一つだが、後発のハリファックスやランカスターに後を譲る。
 ・ハリファックス:イギリスの三大戦略爆撃機の一つで、終戦まで活躍。
 ・ランカスター:イギリスの三大戦略爆撃機の一つで、脅威の爆弾搭載量を誇る。
          ドイツのことごとくを都市を廃墟に変え、「勝利の爆撃機」としてイギリス人の誇りとなった。
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    | 変なモンばっかり作ってる、ってワケじゃないんだな。
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         | 変態の巣窟と申したか?
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| また大戦後期、ジェット・エンジンの開発にしたがい、初のジェット爆撃機が登場します。
| これも「初めて」という点に意義があるだけの爆撃機であり、特筆するほどの性能はありませんでしたね。
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 ・Ar234「ブリッツ」
  1944年にドイツによって実戦配備された世界初のジェット爆撃機。
  技術的には画期的であったが、特に大きな活躍はなかった。
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    | 技術で最先端を行き、戦争で負ける国……
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         | まあ、モノになってない技術を実戦投入するってのは、
         | それだけ追い詰められてるって事だけどな。
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| また戦闘機の講義でも軽く触れたように、この時期には戦闘爆撃機も登場します。
| 戦闘機に、少量の爆弾を搭載してみた機体ですね。
| 様々な事情のもと、戦闘機に爆弾を積んでみるという試みは有用であることが証明されました。
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 エンジン技術の向上(出力UP)により、戦闘機に余裕が出来る。
 ・ドイツ:爆撃機では危険な地域を攻撃するため、軽快な戦闘機に爆弾を積んで侵入。
       →大きな効果を挙げ、戦闘爆撃機の祖先となる。
 ・アメリカ:敵戦闘機がいなくなったので、アメリカ側の戦闘機はやる事がなくなった。
       →爆撃でもやらせてみるか。
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    | 戦闘機と爆撃機を合体させたような機種なのか……?
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         | この時代は、あくまで「余裕があったから爆弾積んでみました」的な運用なんだ。
         | 設計段階で戦闘機と爆撃機を統合するのは、まだまだ後の話だな。
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| ここで、太平洋戦争の方に視線を移しましょう……
| と言っても艦上機の類は後の講義でまとめてやりますので、日本陸軍機に限られますが。
| これらは基本的に中国戦線で使われましたが、例によって戦争後半には大苦戦。
| 襲撃機というのは、地上の敵部隊に爆撃や機銃掃射を食らわせるという機体です。
| 実際のところ軽爆撃機とほとんど変わらず、その概念が戦後も生きることはありませんでした。
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 日本陸軍の軽爆撃機
 ・九七式軽爆撃機:1937年に開発した軽爆撃機で、登場当初は非常に優れていた。
             太平洋戦争が始まる頃には旧式化し、前線から姿を消していく。
 ・九八式軽爆撃機:九七式軽爆撃機とほぼ同じスタンスの機体だが、故障が頻発。
             太平洋戦争が始まる頃には旧式化し、前線から姿を消していく。
 ・九九式双発軽爆撃機:非常に軽量な高性能軽爆撃機で、戦闘機並みの身軽さが大いに喜ばれた。
                   当初は大活躍、大戦後期には陳腐化したものの戦争終結まで戦い続ける。
 ・九九式襲撃機:低空での性能に優れた地上攻撃機。苦戦しながらも、戦争終結まで戦い抜いた。
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    | あんまり、ぱっとしないような感じだな。
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         | 九九式双発軽爆撃機や九九式襲撃機なんかは、登場当初は良い機体だった。
         | 戦争も後半になると、例によってヤムチャ化してしまったがな。
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| 次に、日本陸軍の重爆撃機を見てみましょう。
| 四発機はとうとう最後まで開発できず、その性能はアメリカ爆撃機とは比べるべくもありません。
| ここで、日本の最良重爆撃機である飛龍とアメリカ「戦闘機」P-51の爆弾搭載量を比べてみましょう。
| ちょっと涙が溢れますが、それでも飛龍なんかは駄作機と決して言えない一面もあります。
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 日本陸軍の重爆撃機
 ・九七式重爆撃機:大戦全期に渡る陸軍の主力重爆撃機。
             他国の爆撃機に比べて性能は低いものの、評判は悪くはなかった。
 ・百式重爆撃機「呑龍」:九七式重爆の後継だが、そう性能に差はない重爆撃機。
 ・四式重爆撃機「飛龍」:日本陸軍最後の重爆撃機で、運動性能は極めて高い。
                なお海軍の指揮下に編入され、魚雷を装備して戦った事もある。
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    | 飛龍が、最大で800 kg爆弾×1か。
    | P-51Dは……げえっ!! 454kg爆弾×2!! せ、戦闘機に負けている!!
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         | その分、速度性能を重視してはいるんだが……
         | これは技術の問題じゃなく、基本的なスタンスがまずかったとも言える。
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| さて、次に日本海軍の爆撃機を見てみましょう。
| 日本海軍は基本スタンスとして、太平洋上での群島に展開することを前提としていました。
| そして、その基地に駐留する艦船攻撃用の長距離大型攻撃機を開発したんです。
| これは陸上飛行場での離発着しかできず、艦船での運用は不可能。
| この種の陸上攻撃機を持ち合わせていたのは、世界でも日本海軍くらいでした。
| なお艦上爆撃機や艦上攻撃機に関しては、後の講義を参照のこと。
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 日本海軍の陸上攻撃機
 ・九六式陸上攻撃機:長大な航続距離を活かし、日中戦争では渡洋爆撃の任に就いた攻撃機。
              太平洋戦争初期も活躍したが、時の経過と共にヤムチャ化。
 ・一式陸上攻撃機:大型かつ極めて高い運動性を実現した強力な攻撃機だが、恒例のヤムチャ化。
             特に防弾装備の欠如が致命的で、パイロットから「ワンショットライター」と自嘲された。
 ・銀河:急降下爆撃、水平爆撃、魚雷攻撃の全てが可能な究極の万能攻撃機として期待されたが、
      完成したのは故障が多発する問題機。「国滅びて銀河あり」とまで揶揄された。
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    | 普通に考えたら、陸上基地でしか使えない攻撃機なんて海軍には不要だもんな。
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         | 接近してくるアメリカ艦隊に対して、近隣の島の飛行場から陸上攻撃機が一斉に発進。
         | 魚雷をボコボコにブチ込んでアメリカ艦隊を弱らせ、そこに日本戦艦部隊が突っ込む……
         | その為の魚雷攻撃能力であり、その為の長距離航続能力なんだ。
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| こうしてドイツ・日本の両方とも苛烈な戦略爆撃を受け、都市部は壊滅的な被害を受けました。
| さらにB-29によって、広島・長崎に原子爆弾が投下されたことも見逃せません。
| 第二次大戦は「核」によって終わりを告げ、そして「核」の時代が訪れたんですよ。
| 次世代の戦争は、この「核」の使用が前提になると予想されました。
| こうして以後に開発される戦略爆撃機も、「核」の投下を前提に開発されていくということに。
| またアメリカとソ連の対立が徐々に顕在化し始め、いよいよ世界はキナ臭くなってきました。
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    | 恐ろしい世の中になったものだ。
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         | 本当にヤバい、ギリギリの時代だったんだよ。
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| そんな状況下で、アメリカは核の投下を前提とした爆撃機の開発を進めていきます。
| そして1946年に完成し、1948年に配備されたのがB-36「ピースメーカー」。
| これは戦中から開発が進んでいた機体で、元々は別目的だったんですが――
| 持ち前の強大なスペックを生かし、核戦略機として用いられるということになります。
| 結局のところレシプロ機の限界でもあり、実戦投入はありませんでしたがね。
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 ・B-36「ピースメーカー」
  第二次世界大戦参戦前に、アメリカが開発を始めた当時の常識を超える超大型爆撃機。
  完成は戦後になってからで、その航続力と搭載力を生かして核爆撃機として用いられた。
  レシプロエンジン六つを搭載し、さらに四つのエンジンが追加された十発機。
  それでも鈍重で、結局のところ実戦投入はなかった。

  写真
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    | じ、十発機!? もう、何が何だか……
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         | アメリカの産んだ極めつきの異形機。
         | そして、レシプロ爆撃機の最後の世代に当たる機体だな。
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| そしてソ連も核実験に成功、以後の爆撃機は核抜きで語れなくなるということに。
| それに絡んで戦闘機も発展していき、核を軸に全ては動き出します――
| というわけで、ここで爆撃機の講義を終わりにしましょうか。
| 次回はまた第一次世界大戦期に戻って、「艦載機・艦上機」について講義します。
| その後に、現代に至るまでの発展を追った「戦後の軍用機」という講義を行いましょう。
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    | 戦後の航空機は、まとめて講義するんだな。
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         | 第二次世界大戦より後は、戦闘機と爆撃機を切り離して講義するのは難しい。
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軍用機基礎講義3「艦上機・艦載機」


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