/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| さて、今回は第一次世界大戦時のイギリス戦車について講義しましょう。
| それはすなわち、戦車誕生の講義と同義ですね。
| 前ギコ君、以前にやった「陸戦兵器の歴史」講義の該当部分を今すぐ思い出して下さい。
| 思い出せないようなら、復習の意味を込めてもう一度同じ目に遭わせますよ。
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  iii■∧   /                  (・) |ヽ
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   |   つ ∇      (゚Д゚;)      /_ V/レ'
   |  |┌─┐   /⊂   ヽ    /⊂  ヽ
 〜|  ||□|  √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
   ∪∪ |   |  ||   ━┳┛  ||   ━┳┛
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    | えっ……!?
    \____              ∧
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         | 第一次世界大戦は、塹壕にこもっての戦いだった。
         | それは硬直状態を導き、塹壕で両軍が向かい合うという事態を招いたんだ。
         | ……覚えてたかな?
         \_______________________________


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     (゚Д゚;)   (この回想シーンは、再収録にあたって改装が施されています)
  /⊂   ヽ
 √ ̄ (___ノ〜
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| さて、ここで実習といきましょう。今回の課題は、塹壕にこもる私を倒す事。
| さあ来い、学生どもッ!!
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                                  ━fi=∩iiiii⊆マ|  ━fi=∩iiiii⊆マ|
 "~`  ,       ,.,      "~`               ~"'~ |〃ロ       |〃ロ
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   | (,, ゚Д゚),___,.  |            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |  | っ'''n''''''' ̄    |             | どこだ、ここ!?
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   |〜|  |  |                      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄
   |  ∪∪   |                        | いきなり実習か……
   ⌒⌒⌒⌒⌒                         \_________________




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                            /__ヽ                   /___ヽ
                         (゚Д゚,||)                 (゚Д゚,||)
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 "~`  ,       ,.,      "~`     Y 人,          ~"'~      |〃ロ
    ,__    ,.,      "~`    ~`.  し J ))) ソローリ    ~"'~     し`J "~
~"\;;B■∧       ;;;/   ,.,      "~` ∧       ,.,   "~`  ,  "~`  ,
   | (,, ゚Д゚),___,.  |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |  | っ'''n''''''' ̄    |     | ……ちょろいもんだぜ。
   |  |  |  |⌒⌒⌒..   | そのキレイ(?)な顔をふっ飛ばしてやる!!
   |〜|  |  |          \____________________
   |  ∪∪   |
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                                        __         _
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 "~`   ,  ,.,    (,, ゚Д゚),___,  _  _  _     /・ _⊃・∵"        ~"'~ |〃ロ
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   |          ∪∪ |     | ぎょえ――!!
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   |         |              | ま、前ギコ――ッ!!
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| そう。結局は、こうなっちゃうんですよ。
| 敵も対抗して塹壕を掘り、ひたすら睨み合いになっちゃいました。
| この「塹壕戦」が、第一次世界大戦における大きな特色なんです。
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                    | 機関銃の猛威によって、情勢は「防御優勢」に傾きすぎたんだよ。
                    | 攻めた方がボロボロにやられる以上、互いに守りを固めるしかなかった。
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| 実際の塹壕はこのAAほど単純ではなく、穴が幾重にも掘り巡らされていました。
| それも、こちらからは接近者を一方的に攻撃できるような工夫をこらしてね。角度とか。
| 少しでも接近すれば、四方から十字砲火を喰らう鉄壁の陣……
| この塹壕を両者が築き、戦場で延々と睨み合うという光景が続きました。
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       |これを打破しようと両軍はちょくちょく突撃を掛けたんだが、塹壕の堅固さに手も足も出なかった。
       |死者の数だけが、無駄に膨れ上がっていったんだ。互いにな。
       |第一次世界大戦は、こんな風にして各所で戦線が膠着する事になる。
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| そんな状況で、イギリス陸軍アーネスト・スウィントン大佐は前線にてとあるものを目撃しました。
| それはアメリカ製のホルト・トラクター、各国軍で大砲の牽引用として用いられていた車両です。
| その車両はキャタピラを搭載し、舗装されていない荒れ地を力強く進んでいました。
| 「あの車両に重装甲と武装を施して突っ込めば、塹壕を破れるんじゃないか……?」と彼は発案。
| しかし伝統あるイギリス陸軍上層部は、彼の画期的なアィデアを一笑に伏します。
| アーネスト中佐の発案に注目したのは、何と陸戦とは畑違いであるはずのイギリス海軍でした。
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       | 海軍大臣ウィンストン・チャーチルは、スウィントン大佐の発案に大きな興味を示したんだよ。
       | それまでも、海軍航空隊の所有する飛行基地に警備隊として装甲車両を配備していた――
       | そんな運用経験があったので、この発案に秘められた可能性を直感したんだ。
       | さすがイギリス海軍、目の付け所が違うぜ!! /`ァ /ヽァ /ゝァ / \ァ、ロイヤルネイビー!!!!!
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| そして、イギリス海軍にて陸上軍艦(後の戦車)開発構想が本格的にスタートします。
| 秘匿名称「タンク(水入れ)」と呼称された対塹壕兵器の開発は着々と進んでいき……
| そして1916年、イギリス軍において史上初の戦車Mk.Iが採用されたのですよ!!
| その外見は現在の戦車からはかけ離れていて、形状から「菱形戦車」と呼ばれました!!
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                           | うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
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| 無限軌道(キャタピラ)で塹壕もへっちゃら! 重装甲で敵の銃弾も怖くない!
| 搭載機銃で群れ寄る歩兵も皆殺し!!
| まさに、味方歩兵を支援して敵塹壕を破るイギリスの切り札!!
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                          | 助けて!! ロイヤルネイビー、助けて!!
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| なお当初の菱形戦車は、武装によって2タイプに分かれていました。
| 大砲が主兵装の「雄型」と、機関銃が主兵装の「雌型」です。
| 実習の内容を変更します! 目の前の戦車を破壊してみなさい!! 出来るものならばなァ!!
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iiii==================== ∨============
iiiii
iiiii ・Mk.I戦車
iiiii  イギリス海軍が開発し、1916年に実践投入された世界で始めての戦車。
iiiii  塹壕を越えるための、移動トーチカとして開発されている。
iiiii  そのために武装は軽微で、歩兵を薙ぎ倒す程度の威力しかない。
;iii:
iiiii  写真 写真 写真
iiiii.
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iiiiii:..             ゴゴゴゴゴゴ…_ __________
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       | 大佐、ブリーフィングと違う!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
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| 無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!
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| ――以上、前ギコ君の回想シーンでした。ここで、Mk.I戦車開発の詳細な過程を見てみましょう。
| イギリス海軍主導で組織された「陸上軍艦委員会」は、とりあえず既存のトラクターを研究。
| ブルロックという車両が改造に適しているとみなし、さっそく軍事改良を開始します。
| そんな計画の中心となったのが、工業会社社長トリットンと自動車技師の軍人であるウィルソン。
| 彼らは1915年9月、ブルロックの車体を延長したリンカーン・マシーンと呼ばれる試作型を完成させます。
| これは世界初の戦車であり、既存の市販部品を用いて組み上げられたものでした。
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 ・リンカーン・マシーン
  陸上軍艦計画によって製作された最初の車両であり、世界初の戦車。
  市販のトラクターの車体をいじった程度という域を出ず、戦闘車両の概念そのものから手探りである。
  キャタピラに故障が頻発し、とても使い物にならなかった。
  制作者の名を取って、トリットン・マシーンとも呼ばれる。

 
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    | まあ、第一号だからヘボくても仕方ないわな。
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         | 事実上の研究用だ、この車両は。
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| 次にトリットンとウィルソンが製作したのが、リトル・ウィリーと呼ばれる車両。
| これは既製品を中心に組み立てられたリンカーン・マシーンと違い、多くの箇所に専門の部品を用いられたもの。
| キャタピラ部分の上に、箱形の車体が載っているという構造だったんですが――非常にバランスが悪く不安定。
| さらにキャタピラの大きさは、塹壕を越えるには小さすぎることも判明しました。
| トリットンとウィルソンは、もっと根本的に発想を変えなければ塹壕は越えられないことを痛感します。
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 ・リトル・ウィリー
  1915年に完成した試作戦車で、専門の部品が多く用いられている。
  リンカーン・マシーンより大きな塹壕を乗り越えることができるものの、まだまだ性能は不足。

 
写真
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    | まさに試行錯誤だな。
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         | 一歩一歩、完成型に近付いてるのさ。
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| そして二人は、菱形の車体全体をぐるりとキャタピラが覆うという方式を発案します。
| そんな設計を取り入れながら完成した試作戦車が、マザーと呼ばれる車両。
| 車体後部に補助として大型の車輪を搭載していたことから、ビッグ・ホイール・マシーンとも呼ばれますね。
| 1916年初めの試験において、この車両はなかなかの性能を発揮。
| こうして、この試作車両マザーを40両(後に100両に増量)生産することが決定しました。
| そうして量産された車両をイギリス陸軍が配備、Mk.I戦車と呼ばれることになります。
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 ・マザー
  これまでの試作型作製の経験を踏まえて製作された車両。
  菱形の車体と大型の補助輪を搭載しており、ビッグ・ホイール・マシーンとも呼ばれる。
  40両の量産が決定し、後に100両に増加。以降はMk.I戦車と呼ばれ、初めて制式採用された戦車となった。

 
写真
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    | マザーの量産型が、Mk.I戦車ってわけか。
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         | そもそもの発案者たるスウィントン大佐やその賛同者達は、戦車部隊を作ろうとしていた。
         | 大部隊が結成できるくらいに数が揃うまで待ち、それから戦場に投入しようとな。
         | しかしイギリス陸軍は、少数の戦車を試験的に投入するという愚を犯した――
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| 史上初の戦車が最初に投入されたのは、ソンムの戦いにおける1916年の9月15日。
| しかし用意されたMk.I戦車は49両、そのうち28両は故障してしまうという無様さを示した、ということですね。
| その戦果もコストに見合ったものかというと、正直なところ微妙――なんとも多難な一歩に終わりました。
| 余談ですが、このMk.I戦車には武装を取り外した無線搭載型も存在します。
| 写真を見ての通り、アンテナがとにかく凄いことになってますね。
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 Mk.I戦車(雄型)
 ・全長:9.906m  ・全幅:4.191m  ・全高:2.438m  ・重量:28.0t  ・乗員:8名
 ・最大出力:105hp  ・最大速度:5.95km/h  ・行動距離:38.6km  ・装甲厚:6〜12mm
 ・エンジン:ダイムラー・フォスター(液冷ガソリン)
 ・武装:(雄型)40口径6ポンド戦車砲×2、8mm機関銃×4
      (雌型)8mm機関銃×5

 写真(無線搭載型)
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    | アンテナ、凄っ!!
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         | なおMk.I戦車は、1年後の1917年に行われたアラスにおける戦いにも投入されている。
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| この時期の戦車評価は、資料によってバラバラです。
| 「イギリスは戦車の有効性に疑問を持った」とか、「戦車の有効性を確信してさらなる開発を進めた」とか――
| この不統一の原因は、イギリス陸軍も一枚岩じゃなかったからです。
| 上層部の多くの人間は「こんなもん開発するだけ時間の無駄」と考え、それは戦果を見れば妥当な意見。
| 一部の理解ある人間は「もう少しやらせてみたら?」と発展性を期待していました。
| 戦車開発に関わった人達は当然ながら、「運用が間違ってる! あんな使い方するな!」と思ったでしょうし。
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    | そんな多くの人の思惑が混じり合い、評価もバラバラになるんだな。
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         | つまりは、賛否両論だったってことだ。
         | そして結果的に、戦車はさらなる改良を施されていくことになる。
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| これは戦車を敵に回したドイツも同様で、資料によって彼らの心情に温度差があります。
| 「戦車をさしたる脅威と思わなかった」とあれば、「ただちにこちらも戦車開発に取り組んだ」とあり……
| これもそれぞれのドイツ人の立場で、戦車を見る目が全く違ったからですね。
| 前線のドイツ兵は「とんでもないバケモノだ!」、偉い人は「戦略的に見れば大した兵器ではない」という見解。
| 当然ながらドイツの偉い人の全員が全く同じ意見を持っていたわけでもなく、統一見解はなし。
| こうしてドイツでは有効性に疑問を抱きながらも、前線の兵の声は無視できず戦車開発をスタートさせます。
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    | 資料によって温度差があるのは、そういうことか。
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         | 当然ながらドイツで戦車開発を進めた連中は、その秘めたる可能性を信じていただろうしな。
         | 結局のところ、この時期はどの国でも賛否両論だったってことだ。
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| さて、イギリス戦車に視点を戻しましょう。
| Mk.I戦車を実戦にて運用することで、色々な問題点が明らかになってきました。
| それを踏まえて、キャタピラとハッチをほんの少しだけいじったのかMk.II戦車
| それに加え、さらに装甲をほんのちょっとだけ厚くしたのがMk.III戦車
| この二種類の車両はMk.I戦車の小改良車であり、1917年1月からそれぞれ50両が生産されました。
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 ・Mk.II戦車
  Mk.I戦車の履帯を太くし、ハッチを増設した小改良型。
  性能はMk.I戦車とほぼ同等で、ウイリアム・フォスター社によって50両が生産された。

 ・Mk.III戦車
  Mk.II戦車の装甲を一部強化した小改良型。
  性能はMk.I戦車とほぼ同等で、メトロポリタン・キャリッジ&ワゴン社によって50両が生産された。
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    | おお、新型か。
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         | 新型というよりか、追加量産車に少しだけ改良を加えたって言った方が正しいかもな。
         | この2タイプは実戦にも参加したとか、訓練のみだったとか、諸説あって謎が多い。
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| 続く1917年3月から生産が始まったのが、Mk.I〜III戦車の発展型であるMk.IV戦車
| 実際に今まで戦車を運用した経験を生かし、「だったらいいな」を形にした車両です。
| 特にMk.I〜III戦車の装甲は、ドイツの要するK弾という小銃弾で貫通されることが判明。
| この銃弾で殺られる車両が増加したという事情に乗っ取り、装甲を厚くしてK弾が効かないように。
| 結果的に、第一次世界大戦の期間にイギリスが最も多く生産した車両なんですよ。
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 ・Mk.IV戦車
  これまでの戦車運用経験を踏まえ、燃料タンクや足回り、脱出口などを改良した車両。
  武装も最新式に変更し、装甲も厚みを増している。
  また簡易改造が施され、輸送型や超壕性能増強型などの亜種も存在。

 
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    | かなり開発も順調じゃないか。
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         | 菱形戦車は、塹壕越えという目的だけを考えるならほぼ完成された形状だからな。
         | その他の運用も合わせて考えるといろいろ難点も出てくるわけだが。
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| そんなMk.IV戦車は完成以来、メッシーヌや第三次イプール戦など様々な戦場に投入。
| そして1917年11月に行われたカンブレー会戦は、戦車が集中的に投入された世界初の戦いでした。
| Mk.IV戦車を中心に合計324台ものイギリス戦車が投入され、ドイツ軍を奇襲。
| 一挙に後退に追い込み、戦車という兵器の有用性を証明するに十分な活躍を見せ付けたんです。
| それ以後のMk.IV戦車は、さらに進化したMk.V戦車へと世代交代していくことに。
| ……といっても完全に更新はされず戦後まで活躍、時代を築いた戦車とも言えるでしょう。
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 Mk.IV戦車(雄型)
 ・全長:8.047m  ・全幅:4.115m  ・全高:2.49m  ・重量:28.0t  ・乗員:8名
 ・最大出力:105hp  ・最大速度:5.95km/h  ・行動距離:56.3km  ・装甲厚:6〜12mm
 ・エンジン:ダイムラー・フォスター(液冷ガソリン)
 ・武装:(雄型)23口径6ポンド戦車砲×2、8mm機関銃×4
      (雌型)8mm機関銃×5
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    | さすがにこれで、戦車不要論はなくなったろうな。
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         | 連合軍はともかく、ドイツではそうはいかなかった。
         | この戦闘でそれなりの数の戦車をドイツ軍は破壊することに成功。
         | 戦車対策はかなり万全に近付いてきた――ドイツ上層部はそう考えていたんだ。
         | それもあながち過信ではなく、ドイツにおける対戦車戦闘は洗練されたものになっていく。
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| どの分野でも、黎明期の発展は驚くほど早いもの。
| このMk.IV戦車にも幾多の改良が加えられ、Mk.V戦車が完成。1918年1月には生産が始まりました。
| 主に足回りが改良され、機動性がアップ。また乗員の視界が広がっています。
| 装甲も厚くなり、車体後部の大型車輪を取り外したことによって余裕が生まれました。
| また新型変速機や新型エンジンが採用され、一人で操縦が可能になるという抜本的進化を遂げます。
| Mk.V戦車は、そんな様々な新機軸が取り入れられた優良戦車でした。
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 ・Mk.V戦車
  機動性を増強し、乗員の視界を確保した新型戦車。
  車体後部の大型車輪を外したことにより、武装や搭乗口を増設している。
  1人で操縦できるようになった事が、最も大きな改良点であった。
  Mk.V*戦車やMk.V**戦車といった直系の改良型も存在する優良戦車。

 
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    | 見た目はあんまり変わってないんだな……
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         | 結局のところ後のシリーズは開発が遅れ、Mk.V戦車は量産された最後のイギリス戦車となった。
         | まあ優れた戦車だったから、十分に戦局を乗り切れたが。
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| このMk.V戦車には、いくつか改良型が存在します。
| 車体を延長し、車内に余裕を持たせ輸送性能が増したのはMk.V*戦車。
| さらに多くの改良を施し、車長用キューポラを設置したのがMk.V**戦車なんですが――
| 試作型が完成したのは1918年12月と、ドイツ降伏後。それでも、少数が生産されていますね。
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 Mk.V戦車
 ・全長:8.047m  ・全幅:4.115m  ・全高:2.645m  ・重量:29t  ・乗員:8名
 ・最大出力:150hp  ・最大速度:7.4km/h  ・航続距離:72.4km  ・装甲厚:6〜12mm
 ・エンジン:リカード 液冷ガソリン
 ・武装:(雄型)23口径6ポンド戦車砲×2、8mm機関銃×4
      (雌型)8mm機関銃×6
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    | 「*」の部分は何て読むの?
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         | 「スター」。Mk.V*は「マーク・ファイブ・スター」だな。
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| 極めて優良なMk.V戦車に続くMk.VI戦車Mk.VII戦車は、両方とも計画・試作段階でボツる事になります。
| まず、Mk.V戦車をさらに小型軽量化したのがMk.VI戦車
| これはイギリス軍向けではなく、戦車という存在に興味を持ったアメリカ軍のために開発したものでした。
| 600両がアメリカに譲られる予定だったんですが、モックアップ(木製実物大模型)が完成した時点で開発中止。
| 一方のMk.VII戦車は、Mk.V戦車の車体を延長することによって超壕性能をアップさせようとした車両。
| さらに操縦性能を向上させた車両でもあったのですが、試作型1両のみで開発は打ち切られます。
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 ・Mk.VI戦車
  Mk.V戦車をベースに、小型軽量化した戦車。
  アメリカ軍向けに開発が進んでいたが、モックアップが完成した後に開発が中止された。

 ・Mk.VII戦車
  Mk.V戦車の改良型だが、試作段階で開発が打ち切られた。
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    | Mk.VI戦車の開発を打ち切って、アメリカ軍は怒らなかったのか?
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         | 次で解説するMk.VIII戦車の開発計画が持ち上がったからな。
         | Mk.VI戦車はお払い箱となり、注文もキャンセルされたんだ。
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| そんな、戦争もいよいよ佳境となった1918年。英仏米の三大連合大国は、共同プロジェクトを発動させました。
| イギリスが技術の粋を集めて新鋭戦車を設計し、フランスにある工場で1500両を大量生産。
| その大量生産は、マスプロダクション技術に優れたアメリカ主導で行うというもの――
| それをイギリス・フランス・アメリカ三国の陸軍が主力戦車として配備するという、国際的プロジェクトです。
| そんな計画の元、今までのノウハウを集大成して完成したのがMk.VIII戦車
| エンジンを大幅に強化したのを始め、改良された点は多岐に渡るという菱形戦車の最終形でした。
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 ・Mk.VIII戦車
  イギリス、フランス、アメリカの連合三国に配備する計画だった新型戦車。
  菱形戦車の決定版とも言える車両だが、開発途中にドイツが降伏し第一次世界大戦は集結。
  その時に存在した100両分の部品はアメリカが引き取り、独自に組み上げることとなる。

 
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    | 菱形戦車の最終形って……この戦車で、菱形戦車の系譜は完成するのか?
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         | この辺からイギリスは菱形戦車という形式に疑問を持ち始めたとも言えるが……
         | 後で述べるMk.Aホイペット中戦車を運用した経験から、この形状を見限り始めるんだ。
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| そしてMk.VIII戦車はさっそく生産が始まったんですが――100両分の部品が揃った時点で、ドイツが降伏。
| つまり、第一次世界大戦に間に合わなかった悲運の戦車とも言えます。
| この時点で揃っていた100両分の部品なんですが、イギリスはもう菱型戦車を見限っていました。
| フランスも計画から抜けたため、結局はアメリカ軍が引き取ることに。
| 戦車開発経験の未熟なアメリカは組み立てに苦労しますが、なんとか独自のエンジンを組み込んで完成。
| こうして100両のMk.VIII戦車は、1930年までアメリカ陸軍の重戦車として制式採用されていました。
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 Mk.VIII戦車
 ・全長:10.412m  ・全幅:3.758m  ・全高:3.124m  ・重量:37t  ・乗員:12名
 ・最大出力:338hp  ・最大速度:10.4km/h  ・航続距離:88.5km  ・装甲厚:6〜16mm
 ・エンジン:リバティ(V型12気筒液冷ガソリン)
 ・武装:23口径6ポンド戦車砲×2、8mm機関銃×7
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    | なんか、数奇な運命の戦車だな。
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         | 菱形戦車では最高峰なんだが、時代に取り残された感がある。
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| Mk.IX戦車はこれまで解説した戦車とは系統が全く違い、輸送専用に開発された車両です。
| 計画が始まったのは1917年9月なんですが……
| それ以前から従来の戦車を簡易改造して、輸送車両にしてしまうというケースが多く見られました。
| そういう事情もあってこの車両は優先度が低く、第一次世界大戦終結時に完成していたのはわずか3両。
| その車両は極めて鈍重で実用性に問題があり、戦後に生産されたのはわずか20両にとどまっています。
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 ・Mk.IX戦車
  歩兵50名もしくは10トンの荷物を運搬可能な大型輸送車両。
  その鈍重さから敬遠されがちで、生産数も非常に少ない。
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    | 輸送型なのに、戦車……?
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         | なんか色々事情があったんだろう。
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| さて、第一次世界大戦で登場もしくは計画されたイギリス重戦車はここまでです。
| これらはいずれも、歩兵と共に敵陣へ突っ込むための突撃砲台でした。
| あくまで塹壕対策の車両であり、その速度は極めて鈍重。逃げる敵を追い掛けるには不向きです。
| ここで話を遡って1916年、従来の戦車よりも軽く小さく、とにかく軽量な戦車の開発がスタート。
| こうして1917年10月に完成したのが、Mk.Aホイペット中戦車です。
| 中戦車という名前は、菱形戦車に比べて中型と言うこと。これは後の軽戦車へと発展していきました。
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 ・Mk.Aホイペット中戦車
  1916年、撤退する敵への追撃の為に開発された軽量な戦車。
  後に「軽戦車」や「騎兵戦車」と呼ばれるカテゴリーを築いた。
  なお、戦後に日本は本車を購入。それをベースに戦車開発がスタートしている。

 
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    | 騎兵戦車…?
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         | これまでの戦争では、敵の追撃は騎兵(馬に乗った兵)の仕事だった。
         | そんな騎兵と同じ役割をこなす戦車だから、騎兵戦車。
         | なお「ホイペット」とは猟犬の一種で、その運用思想がよく分かる。
         | Mk.Aは「中戦車」と名前が付いているが、後の世の軽戦車の基礎となった車両だ。
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| このMk.Aホイペット中戦車は、菱形戦車と比べて抜本的な速度性能を実現。
| 追撃や偵察など速度性能が問われる任務で重宝され、色々と使いやすい車両でした。
| この車両の登場により、イギリスの戦車運用思想はほぼ固定されます。
| 軽量なボディを生かした軽戦車と、重装甲を生かして敵陣に突撃する重戦車。
| この二本立てからなる運用思想は第一次世界大戦でその有効性を示しました。
| そして20年の戦間期を経て、第二次世界大戦にまでそれを持ち込むことになります――
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 Mk.Aホイペット中戦車
 ・全長:6.09m  ・全幅:2.61m  ・全高:2.74m  ・重量:14.22t  ・乗員:3名
 ・最大出力:90hp  ・最大速度:12.8km/h  ・航続距離:64km  ・装甲厚:5〜14mm
 ・エンジン: 直列4気筒液冷ガソリン  ・武装:14mm重機関銃×4
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    | 対戦車戦闘は?
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         | 戦車同士が戦うなんてありえない――そう思っていた時代がありました。
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| Mk.Aホイペット中戦車は非常に役立ったため、この軽戦車シリーズの後継を開発することになりました。
| 1918年9月に試作車が完成したのが、Mk.Bホイペット中戦車
| 多くの改良点が施された車両なんですが、もう第一次世界大戦は終了間際。
| 45両が生産された時点でドイツが降伏、以後は生産中止となりました。
| この戦車は17両がロシアに譲られ、かの国の戦車開発に大きな影響を与えています。
| イギリスにおいてはごく少数が訓練用に用いられたのみで、ほとんど貢献はありませんでしたが。
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 ・Mk.Bホイペット中戦車
  Mk.Aホイペット中戦車の後継で、菱形戦車のような車体形状を採用している。
  終戦時までに生産できたのはごくわずかであり、戦局には一切貢献できなかった。
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    | 例によって、間に合わなかった兵器か。
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         | むしろ、ロシアの戦車開発史において重要な車両だな。
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| さらに、今までの集大成的な最新式の戦車開発も企画されていました。
| Mk.B中戦車にさらに多くの改良を施し、重戦車的な要素までを取り入れた優良車両。
| それがMk.C中戦車なんですが――やはり時期が遅く、48両が生産された時点で戦争は終わってしまいました。
| 「第一次大戦におけるイギリス最良の戦車」とまで言われた車両なんですが、やはり間に合わなかったんです。
| こうして生産は中止され、完成した48両はイギリス陸軍に引き渡されました。
| ヴィッカースMk.I中戦車が登場する1922年まで現役で、イギリス戦車部隊の主力を務めることになります。
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 ・Mk.C中戦車
  Mk.B中戦車に抜本的な改良を施した優良戦車。
  「第一次大戦におけるイギリス最良の戦車」と表されているが、実戦投入前に終戦。
  以後のイギリス戦車開発に大きな影響を与え、菱形戦車は完全に見限られた。
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    | 菱形戦車が見限られたって事は……もう重戦車は造られなくなったのか?
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         | 菱形戦車みたいな、馬鹿でかい図体の戦車はな。
         | 当然ながら、歩兵支援用の重戦車は以後も開発が続けられるぞ。
         | ただ、菱形じゃなくなっただけ。
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| Mk.D中戦車は、第一次世界大戦時に開発された最後のイギリス戦車。
| 戦争に決着を付けるための大規模攻勢に投入するために開発が進められたんですが――
| しかしモックアップが完成した時点で終戦、試作車が完成したのは1920年の半ば。
| 一応は主力戦車に用いようとしていたのですが、機械的欠陥が見付かるなどして開発が難航。
| 1922年にヴィッカースMk.I中戦車が登場した時点で、役立たずとなってしまいました。
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 ・Mk.D中戦車
  ホイペットの系譜に連なる戦車だが、完成前に終戦。
  機械的トラブルもたたり、試作車のみで開発は打ち切られてしまう。
  水に浮くことが可能という特徴を持っていた。
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    | 水に浮くって事は……水陸両用!?
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         | そういう点も考慮されたってことだな。
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| ここで個々の戦車から離れ、第一次世界大戦末期のイギリス戦車運用事情を見てみましょう。
| 1918年、いよいよ追い詰められたドイツは、半ば破れかぶれの大反撃をやらかします。
| そんな中、消極的ながら創設されたドイツ戦車部隊も出撃。
| そして4月24日、ビルツ少尉の登場する一台の
A7Vがイギリス側の戦車隊と遭遇してしまいます。
| 完璧な遭遇戦に近い形で、史上初の戦車同士の戦いが勃発しようとしていました。
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 ・ドイツ軍第3突撃戦車大隊(ヴィルヘルム・ビルツ少尉)
   A7V:3両(うち2両は位置が離れていたので、戦闘に参加できず)

 ・イギリス戦車軍団第1大隊A中隊第1分隊(フランク・ミッチェル少尉)
   Mk.IV雄型:1両
   Mk.IV雌型:2両
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    | ウホッ!! 戦車対戦車!!
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         | Mk.IV雌型は主兵装が機関銃だし、Mk.IV雄型が扱っていたのは徹甲弾じゃなく榴弾。
         | つまりイギリス側は、対戦車戦闘をまったく想定していなかったんだ。
         | しかし後追いの強みか、ドイツ戦車は違った――
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| 互いに敵を認めたのは、ほぼ同時でした。
| 57mm砲搭載のビルツ少尉のA7Vが、機関銃しか装備していないMk.IV雌型を2両とも撃破します。
| 残ったミッチェル少尉のMk.IV雄型がすかさず反撃。この攻撃は、ビルツ少尉の乗るA7Vに直撃。
| しかし、装甲に防がれて貫通しませんでした。とは言え、その衝撃で乗員が何人か死んでますが。
| ビルツ少尉は誘爆を恐れて車両脱出を指示、一旦はその場から離れます。
| もう一度その場に帰ってみると、イギリス側戦車の姿はありませんでした。
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 ・ドイツ側の損害:A7Vが1両中破
 ・イギリス側の損害:Mk.IV雌型が2両撃破
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    | 損害を比較すると、ドイツ側がかなり優勢だったってことか。
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         | これが、世界最初の戦車同士の戦闘となったんだが――
         | それでも、この時代の戦車ってのは歩兵支援兵器。
         | 戦車の敵は戦車、って考え方が出来たのは遙かに先の事だ。
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| そして1918年8月に行われたアミアンの戦いでは、600台以上もの戦車がドイツ軍を叩きのめします。
| ドイツはこの大敗北をきっかけに、継戦能力を完全に失ってしまうということになりました。
| もはや余力はなく、ドイツ国内でも革命が起きる有様。もはや、降伏に向けて一直線――
| そんな大打撃を受けた1918年8月8日は、「ドイツ陸軍暗黒の日」とも呼ばれています。
| 時ここに至り、戦車の有用性に疑問を抱く人間は一気に少数派に追い込まれてしまいました。
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    | これで、第一次大戦も終わりなんだな。
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         | 戦車の威力を味わった側のドイツは、実際に使った連合軍よりもその破壊力を思い知った。
         | ドイツは破滅寸前で、時すでに遅かったがな……まあ、次の戦争があるさ。
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| こんな風に、第一次世界大戦においてイギリスは菱形戦車と軽戦車の二種類を使いこなすことに成功。
| この時点では、非常に合理的な運用方針であったわけですが――
| 戦争終結後、重戦車(菱形戦車)→歩兵戦車、軽戦車→巡航戦車という二本立てに発展していきます。
| それは第一次世界大戦時の運用思想を引きずったもので、実質上の進歩は皆無に近い状態でした。
| そして20年後の第二次世界大戦において、イギリスがどのような目に遭ったか……
| ……ってことで、この講義を終わるとしましょう。
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    | 対戦車戦闘については、どう考えてたんだ?
    | さすがに、相手も戦車を使ってくることぐらいは予想できただろ?
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         | それも、軽快な巡航戦車が担当することになっていた。
         | その認識は余りにも甘過ぎたことを、イギリスは後に痛感するわけだが。
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