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| 気合の三日連続講義！ 今回は、NSDAP… いわゆるナチスについて講義します。
| 時間を遡り、アドルフ・ヒトラーの出生から見ていきましょう。
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第42回兵器史・第二次大戦への歩み5（ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史5）
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｜ ヒトラー… ある意味タブーになっている人間だな。
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| ヨーロッパでは特にな。
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| アドルフ・ヒトラーは、1889年4月20日にオーストリアで生まれました。
| 彼は劣等生としての学生時代を送り、落第を繰り返します。
| そして画家を志しますが、美術学校に二回も落とされ、画家の道は頓挫しました。
| 14歳の時に父を、18歳の時に母を亡くしたヒトラーは、自作の絵画を売って過ごします。
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｜ ドイツ出身じゃなかったんだな…
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| まあ、オーストリアもドイツも同じドイツ語圏なんだけど。
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| そんな中、いよいよ第一次世界大戦が勃発しました。
| ヒトラーはなぜかオーストリアの兵役からは逃げ、ドイツに移住してドイツの志願兵に。
| そして一兵卒として戦場を駆け回り、一級鉄十字章を獲得。
| しかし協調性の不足という理由でほとんど昇進できず、最終軍歴は伍長にとどまりました。
| 毒ガスを受けて入院している最中に終戦、彼は軍の調査関係の下調べを任されます。
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｜ 軍の下っ端として走り回ったんだな。歩兵経験のある独裁者か…
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| そういう訳で、ヒトラーは権力を握った後も「伍長閣下」と陰口を叩かれる事になる。
| なおこの毒ガス入院経験によっぽど懲りたのか、彼は生涯決して毒ガスを使おうとはしなかった。
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| そして彼は職務でドイツ国内の治安の乱れを調査し、1920年にとある政治集会に参加。
| そのドイツ労働者党の集会にて、ヒトラーは演説者を論破してしまいます。
| しかしドイツ労働者党の精神に共感したヒトラーは入党を決意。
| ドイツ労働者党側も、演説者を論破してしまうほどの才能の持ち主を喜んで迎え入れます。
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・ドイツ労働者党
1920年当時は、まだまだ登場したての右翼政党。
これが後に、NSDAP（国家社会主義ドイツ労働者党）に発展する。
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｜ 運命の出会いか…
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| ヒトラーは、この頃から愛国精神を発揮するようになっていた。
| 困窮するドイツ人をどうすればいいか考えるようになっていたんだ。
| それは後に、悪魔的な形で発現するんだがな。
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| ドイツ労働者党に入党したヒトラーは、持ち前の演説力でバリバリ出世。
| 1921年7月29日には、とうとう党首に就任してしまいます。
| この際に党の名称を国家社会主義ドイツ労働者党、略してNSDAPと改めました。
| こうして、ナチスが正式に登場することとなります。
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｜ ほほう。
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| まだこの頃は、乱立する過激派政党の一つに過ぎなかったんだがな。
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| 同年の8月、エルンスト・レームというナチ党員は「体育スポーツ局」というのを結成します。
| 「体育スポーツ局」というのは爽やかな名ですが、実際はナチスが有する武力組織であり、私兵的存在でした。
| この「体育スポーツ局」は、10月には「突撃隊（SA）」と改称します。
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・エルンスト・レーム
ヒトラーの支持者でもあり、軍人崩れでバリバリの武闘派であるナチ党員。
ナチス内で、ヒトラーにタメ口が叩ける唯一の存在であった。
「突撃隊」というナチスの私兵を指揮するが、後に党首のヒトラーと意向が合わなくなっていき…
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｜ 私兵的存在… ナチス親衛隊（SS）とは別物なのか？
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| ああ、突撃隊と後に出てくるSSは別の組織だ。
| この時代の政治結社は過激な活動を繰り返してたから、突撃隊の出番はいくらでもあった。
| ナチスの集会に殴り込んできたヤツを叩きのめしたり、他党の集会に殴り込んだりな。
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| ナチス率いるヒトラーの主張は以下で板書した通りですね。
| １は、ほとんどのドイツ人の悲願。２で、ドイツ人のプライドが巧みにくすぐられます。
| ３は… いろいろ複雑な背景があったんですが、ユダヤ人はヨーロッパ全体で歓迎されていませんでした。
| 特に２と３は、ダーウィンの進化論によって裏付けられているとヒトラーは主張したんですよね。
| 今となっては明らかにムチャな解釈ですが、科学的裏付けがあると言う事でドイツ民衆はコロッとやられます。
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ヒトラー（ナチス）の主張
１．現在、ドイツを締め付けるヴェルサイユ体制の打破するべき。
２．ドイツ民族は優良民族である。こんな目に合うのはおかしい。
３．ユダヤ人は劣等民族である。彼等がのさぼっているのはおかしい。
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｜ デタラメな科学的裏付けか…
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| これらの主張は、政権獲得後はそのまま政策となっていく。
| 特に３の主張が何を導いたのかは、言うまでもないだろう。
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| そして1923年、前回の講義で述べた通り、フランスがルール工業地帯を武力制圧しました。
| その影響によりインフレが発生し、ドイツ国内の経済はズタボロ、不満を叫ぶ民衆が街に溢れます。
| ヒトラーは今なら天下が取れると確信、突撃隊を引き連れて行動を開始しました。
| ナチスはクーデターを目論むも、ドイツ軍を掌握しきれずに失敗。
| 武装デモを強行したものの警察に取り押さえられ、ヒトラーはそのまま逮捕されてしまいます。
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・ミュンヘン一揆（1923年11月8〜9日）
アドルフ・ヒトラーが率いるナチスが起こした暴動。
クーデターを実行しようとするも失敗、ヒトラーやレームなどのナチ幹部は逮捕されてしまう。
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｜ クーデターに失敗しちゃったのか。
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| この軍事クーデターの失敗で、ヒトラーは合法的に政権を奪取すべきと方向転換するんだ。
| 表舞台を制するには、暴力ではダメだと悟ったんだな。当然、裏舞台はその限りではないが…
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| しかし裁判において、ヒトラーの演説が炸裂。
| ドイツの現在の境遇に満足していなかった人々は、大いにヒトラーに共感します。
| この事件は大勢のドイツ国民にとって、祖国を正そうとした愛国者の英雄的行動に映りました。
| 結局ヒトラーは投獄されるも、牢内での待遇は非常に良くなります。
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｜ 逆に、民衆に支持される結果になったのか…
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| ナチスにとって、良い宣伝になった訳だな。
| この事件で、今まで知る人ぞ知る存在であったナチスが本格的に大衆デビューするんだ。
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| 1924年には、ヒトラーは僅か数ヶ月の牢獄生活の後に釈放されます。
| 彼は凄まじい勢いで支持者を増やし、苦境に立たされたドイツを救う存在として脚光を浴びました。
| 依然として不安定であるドイツの失業者や軍人崩れ達は、ナチス党員や突撃隊への志願者として殺到します。
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｜ ナチス大フィーバーか…
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| だが… どんなコミュニティも、数が増えれば統制がとれなくなるもんなんだ。
| 特にこの時に増大したのは、あんまりガラのいい連中じゃなかった。
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| さて、ヒトラーは合法的な路線に変更したというのは代行君が言いましたね。
| しかし突撃隊を設立したエルンスト・レームは、従来の武力路線を主張しました。
| また突撃隊内部の強硬派は、合法路線を主張するヒトラーを公然と批判するように…
| 突撃隊幹部は、党首のヒトラーではなくレームに忠誠を誓っていたんですよ。
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｜ ヒトラーと、レーム率いる突撃隊の対立が深まっていったんだな。
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| と言ってもレームは、あくまでヒトラーの支持者だった。
| あくまで意見の相違で、別にヒトラーを打ち倒して地位を奪おうと思ってた訳じゃない。
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| こうなると、もはや突撃隊は完全にヒトラーの手を離れてしまいました。
| そこで1925年にヒトラーは、自身の警護を担当する親衛隊を結成。こうしてナチス親衛隊（SS）が出現します。
| SSというのは、当初はヒトラー個人への忠誠心に厚い数名のガードマンに過ぎませんでした。
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｜ ここで、悪名高いナチス親衛隊が出てくるのか。
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| 各地の収容所を管理したり、捕虜を虐殺したり…
| 現在、世界で最もダークサイドな兵隊組織の名をほしいままにしてる連中だ。
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| そして… ナチ党に流入してきた者の中には、高学歴者も多く含まれていました。
| 彼等の多くは、突撃隊の粗野で血生臭いやり方に対して良い顔をしなかったんです。
| そういう連中をナチス親衛隊に編入していけば、突撃隊に匹敵する強力な武力組織が出来るのではないか…？
| そう考えた男がいました。彼の名は、古株のナチ党員であるハインリヒ・ヒムラー。
| 彼はSSをナチス内部の警察的存在として組織し、ナチ内で大きな実権を握るレームに対抗しようとしたんですよ。
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・ハインリヒ・ヒムラー
ナチス内で最も血塗られた組織、ナチス親衛隊（SS）を指揮した人物。
1000万人を越えるユダヤ人や他民族の虐殺を直接指揮し、ナチスの暗黒面を担当した中心人物とされる。
その風貌は「田舎の学校教師」と呼ばれるほどにぱっとせず、律儀で真面目な人物であった。
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｜ 律儀で真面目な人物… 怖い話だな。
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| まさに、クソ真面目な仕事人間。そして、「強さ」というものに執着した小市民。
| どこにでも普通にいるタイプなんだよ、こいつは。
| そういう普通の人間が絶大な武力を手にした結果、恐ろしい事が起きたんだ。
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| そんな内部での不穏な動きとは裏腹に、1929年に起きた世界恐慌の影響もあってナチスは支持層を拡大。
| こうしてヒトラーはドイツ議会に食い込み、その勢力は無視できないまでになりました。
| 1933年1月30日、ヒンデンブルグ大統領はとうとうヒトラーを首相に指名します。
| このヒトラー率いるナチ政権、基本的にはドイツ国民に歓迎されていました。
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｜ いよいよ、本格的に権力を握ったわけか。
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| 同様に大衆の支持を集めていたライバルとしては、共産党の存在があった。
| ナチスにしてみりゃ、目の上のコブだな。
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| そして翌月の2月27日、ドイツの国会議事堂が何者かによって放火されます。
| ヒトラーは、これを共産党の仕業と断定。共産党幹部を次々に逮捕し、議員までも牢屋送り。
| さらに共産党員達は突撃隊によって議場への出入りを阻まれ、議会に参加できないように。
| そんな状況で、ヒトラーは全権委任法を強引に制定します。
| これは、ヒトラーの独裁を合法的に認めてしまう法律であり、普通ならこんなもん通りはしません。
| しかし共産党員は議会に参加できず、他の党にも賛成を強要。強引に通してしまうんですよ。
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｜ その国会議事堂放火って、本当に共産党員の仕業だったのか…？
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| まあ、ナチスの陰謀って事で間違いないだろうな。
| 現在でも謎が多い事件なんだが…
| とにかく、これでヒトラーの独裁体制は確立された。
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| そして1929年の世界恐慌以後、突撃隊は増強を続け、その数は400万人にも達していました。
| それも職を失ったならず者とか、余り好ましくない連中が激増。ヒトラーですらコントロールが不可能となります。
| さらにヒトラーは、レーム達の悲願であった突撃隊ドイツ国軍化という構想を完全に見送りました。
| 当然ながら突撃隊を国軍化すれば、従来のドイツ軍（ドイツ国防軍）はブチ切れるのは必然。
| そんな事をすれば軍からの支持を失うどころか、ドイツ軍主導でクーデターが勃発する恐れすらありました。
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｜ ドイツ国防軍って、ヴェルサイユ条約で制限されてる新生ドイツ軍だな。
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| 突撃隊は「自分達を正式な国防軍にしろ」、国防軍は「突撃隊を国防軍の下部組織にしろ」、
| そう相反する論旨で、それぞれヒトラーに詰め寄ってきたんだ。
| ヒトラーは国防軍の言い分を認め、突撃隊はヒトラーや国防軍に対する反発を露にする。
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17/26
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| とうとうヒトラーは突撃隊… そして突撃隊を率いるエルンスト・レームを葬り去る事を決意しました。
| SSがいる以上、突撃隊は不要… というか、いつ反乱するか分からない危険分子だったんです。
| ヒムラー率いるSSは突撃隊幹部の粛清リストを作成、さらに対突撃隊戦における訓練を施されました。
| 以前にも言った通り、SSを統率するヒムラーにとって、突撃隊を率いるレームは政敵でした。
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｜ ヒトラーの事情や国防軍のメンツ、レーンとヒムラーの確執が入り乱れてたんだな…
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| まあ、そういう事だな。
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18/26
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| そして1934年6月30日、「長いナイフの夜」事件と呼ばれる大粛清劇が起きます。
| これ、現在においても不明な点は多いんですが… 発端は、突撃隊が反乱蜂起したという情報。
| この報せを聞いたヒトラーは、SSに突撃隊粛清の指示を出しました。
| さらにヒトラーはレームに電話し、「話がしたいので突撃隊幹部を集めてバート・ヴィースゼーに来い」と告げます。
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｜ いよいよ、ナチの内部抗争も佳境か。
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| この「突撃隊が反乱蜂起した」という情報、どうもSSの陰謀である可能性が高いんだ。
| もう、お得意のデッチアゲだな。
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19/26
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| SSはただちに兵員を集め、ドイツ国防軍から強力な武器を受け取ります。
| 彼等はそのままバート・ヴィースゼーの突撃隊幹部が宿泊しているホテルに殴りこみ、次々に逮捕・殺害。
| ベルリンでもSSは一斉に活動を開始し、突撃隊のみならずナチス反対派を次々に亡き者にしていきました。
| この大粛清劇で殺された重要人物は、数百人に達するとも言われています。
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エルンスト・レームは、SS特別攻撃隊を指揮していたテオドール・アイケによって殺害。
ヒトラーからは「軍人らしく、名誉の自決を許せ」という指示があったにも関わらず、射殺してしまう。
しかしドイツ大衆は評判の悪い突撃隊を歓迎していなかった為、むしろ喜ばしいニュースと受け取った。
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｜ ドイツ国防軍も、SSに協力したんだな…
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| レームの最期の言葉は、「我が総統よ…」。
| 彼はヒトラーを裏切る気など全く無く、あくまで突撃隊をナチスに役立つ形で増強させていたんだ。
| 自分がヒトラーと意向を違えていた事自体、理解してなかったような状態だった。
| SSがなだれ込んできて初めて、自分達が邪魔者と思われてた事に気付いたんだろう。
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20/26
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| こうしてSSはナチスにおける最大の武力組織となり、ドイツの警察権も掌握。
| 軍隊に匹敵する装備を持ち、厳しい訓練を施されたSS戦闘部隊も出現します。
| 彼等は、1940年には国防軍と同等の軍事組織である武装親衛隊に発展しました。
| 第二次大戦では、陸軍・空軍・海軍に並ぶ第四の軍事組織の座に着いていましたね。
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一般親衛隊（Allgemeine-SS）：一般のSS隊員。警察や大学、企業等に進出して国民を監視する。
武装親衛隊（Waffen-SS）：武装が施された一部のSS戦闘部隊が発展したもの。
本格的な戦闘も可能なほどに訓練が施され、組織の性質としては軍隊と同等。
また、強制収容所の管理も任された。
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｜ つまり、ナチスという政党の有する軍隊だったんだな。
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| こうしてSSは、黒色の制服を身に纏ったナチスのエリート部隊となっていった。
| 入隊基準も非常に厳しく、健康な純粋アーリア人以外はダメ。
| まあ戦争が始まると、徐々に入隊基準はユルくなっていったがな。
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21/26
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| 1934年8月にヒンデンブルグ大統領が死去すると、ヒトラーは首相と大統領を統合した「総統」の座に就任。
| ちなみにこの総統就任、国民投票の結果です。
| ヒトラーは独裁者ではありましたが、その独裁を認めたのはやはりドイツ国民だったんですよ。
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｜ そういうもんなんだな。
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| さらに総統に就任したヒトラーは、ドイツ経済の復興政策を開始。
| 公共事業の導入などで失業者を大幅に減らす事に成功したんだ。
| この経済政策はその場しのぎに過ぎず、長く続けていれば破綻するって見方もあるが。
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22/26
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| 戦後になると、ドイツはこう主張しました。「ドイツはヒトラーの独裁化にあって、ドイツ人はむしろ被害者だ」と…
| そんなもん戦前、戦中前期〜中期はみんなノリノリで「ハイル・ヒトラー！」って叫んでたんですがね。
| まあこれは対外的な発表で、実際のところ自分達がヒトラーを選んでしまったという非は自覚しているようです。
| 現在のドイツでは、周囲の雰囲気に流されず、マスコミの報道も安易に信じ込まないよう教育されていますね。
| 全ての責任をナチにおっ被せつつ、反省と対策はきっちりやってるというしたたかさは見習いたいところ。
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・メディア･リテラシー
国家による情報統制や、マスコミの報道、一般企業の宣伝など、メディアが発する情報の扱い方に関する教育。
個々の目で情報の真贋や本質を見極め、安易に情報に踊らされないようにする事が重要。
日本人には最も欠けている能力と言われている。
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｜ 日本の場合は、単に「軍部の独走」で反省終わりだからな…
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| 今の日本じゃ、いつ同じ事が起きてもおかしくないぞマジで。
| 特に、メディア･リテラシーの教育はしっかりやっとくべきなんだが。
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23/26
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| ちなみに、戦後のドイツ戦犯の追及も凄まじいものでした。
| 一方、いわゆる「オデッサ」に代表されるような元SSの逃亡支援組織も結成。
| これにより、幾多の虐殺行為に加担したナチ戦犯が南米等に逃亡する事に。
| このナチ戦犯の逃亡に手を貸したのは、南米マフィアやＣＩＡ、なんとローマ・カトリック教会まで…
| …おや？ 廊下がやけに騒がしいですね？
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＜ ｸｰﾙﾗﾝﾃ剣の友修道騎士会 総勢340名参陣！
＜ ｶﾗﾄﾗﾊﾞ・ﾗ・ﾇｴﾊﾞ騎士団 総勢118名参陣！
＜ 聖ｽﾃﾊﾟﾉ騎士団トスカナ軍団 総勢257名参陣！
＜ ﾏﾙﾀ騎士団 総勢2457名参陣！
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'i(w)==i' /
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｜ なんだ、あのトンガリコーン軍団は…？
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| おい、やばくないか…！？
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| ちょ、なんだおま…うわやめろｷﾞｬｰ
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/ If anyone does not love the Lord Jesus Christ, ヽ
ヽ let him be accursed. O Lord, come! ）
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（ Amen ）
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｜ ああっ！ 後ろギコーッ！！
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| さて次回の講義は、大英帝国の偉大さを踏まえつつヒトラー政権奪取後の世界情勢をやっていきます。
| では皆さん、女王陛下に万歳！！
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第42回兵器史・第二次大戦への歩み5（ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史5）
完
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| つ ∇ Σ (ﾟДﾟ；) ）（
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｜ おい！ いいのかよそれで！！
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