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| 前回の講義では、第一次大戦最初の一年をやっていきました。
| 今回は、1915年から第一次大戦の終結までを講義します。
| 長い間休んでいたので、ちょっと講義も長めでいきますよ。
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  第40回兵器史・第二次大戦への歩み3(ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史3)
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    | 1914年… どんな展開だったっけ?
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         | 西部戦線(VSイギリス&フランス)ではドイツが圧勝していたものの、
         | マルヌ会戦の敗北で猛進撃はストップ。以後、西部戦線は膠着状態に陥る。
         | 東部戦線(VSロシア)は最初は押されていたものの、
         | 参謀ルーデンドルフの活躍により徐々にロシア軍を押し始める。
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| 西部戦線はすっかり膠着してしまったので、イギリスは新たな侵攻ルートを模索します。
| そこで、トルコ方面を通って北上し、ドイツの背後を突くという進軍ルートが考え出されました。
| 問題は、トルコは大のロシア嫌い。三国同盟側に立って参戦していたんです。
| このルートを使う場合、まず連合軍はトルコをブチのめす必要がありました。
| そして始まった連合国によるトルコ攻撃、立案者は若くてカッコいい頃の海軍卿ウィンストン・チャーチル。
| 第二次世界大戦時にはイギリス首相になり、ヒトラーと相対する戦争狂です。
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・若き海軍卿、ウィンストン・チャーチル
ttp://www.thesahara.info/recollect_young_winston.jpg

・ヒトラーに打ち勝った偉大なデブ、ウィンストン・チャーチル
ttp://idata.over-blog.com/0/00/35/40/portraits2/winston-churchill.jpg
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    | 戦争狂って… また、アレな発言を。
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         | ナチかぶれがほざきやがる。デブをバカにするな!
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| しかし、連合国海軍の合同艦隊がトルコに乗り込むも、機雷や陸上からの猛砲撃に大苦戦。
| 海上からの制圧は頓挫し、歩兵を上陸させての制圧に方針変更。
| ドイツからの援軍・援助を得たトルコの抵抗も凄まじく、ここでも8ヶ月もの間、戦線が膠着します。
| 戦線が膠着した為に別ルートを選び、その先でも戦線が膠着するというロクでもない話でした。
| 結局、1916年の1月に連合軍の撤退が決定、本当にムダだった戦いが終わります。
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    | なんか、本当に無益だな…
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         | ここでも、戦局に変化はなく両軍の死者数だけが膨れ上がる結果になる。
         | 1年近くもかけて、結局は進展がなかったんだ。
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| ここで、少し時間を戻します。
| 対トルコ戦が盛り上がっていた時期の1915年5月7日、戦争の趨勢を決定付ける程の大事件が起きました。
| イギリスの客船ルシタニア号を、ドイツの潜水艦が沈めてしまったんですよ。
| そして乗客のアメリカ人128人が死亡、中立国であったアメリカは烈火のごとく怒ります。
| これには流石のドイツもビビって、潜水艦による通商破壊を封印させました。
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 ・ルシタニア号事件(1915年5月7日)
   アイルランドの南岸沖で、ドイツの潜水艦U-20が英国客船ルシタニア号を撃沈。
   128人のアメリカ人が命を落とし、中立を維持していたアメリカは対ドイツ参戦に傾いていく。
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    | とうとう、アメリカに動きが!
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         | しばしば誤解されるが、あくまでこの事件はきっかけにすぎない。
         | 潜水艦の活動が沈静化した為、アメリカは第一次大戦介入を見送ったんだ。
         | これ以降、本格的にアメリカ議会で欧州介入が議論され始めた、という話なんだよ。
         | ルシタニア号事件後もしばらく… 1917年まで、アメリカは中立を貫いている。
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| さらに同時期、三国同盟の一員でありながら中立を保っていたイタリアが動き出しました。
| 1915年5月24日、イタリアはなんと三国同盟側のオーストリアに対して宣戦布告。
| ぶっちゃけ、イタリアの動きはほとんど大勢には影響しなかったんですがね。
| イタリアとオーストリアの国境で一進一退を繰り返していただけで。
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    | いろんなところで、いろんな事件が起きてるなぁ…
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         | 一番重要な西部戦線は、相変わらず膠着したままだけどな。
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| 1916年に入ると、第一次世界大戦で最大の海戦が発生します。これ、顛末が非常に微妙な海戦でした。
| 単純に被害艦の数だけを見るとイギリス海軍の方が多いですが、ドイツの目的だったイギリス艦隊の壊滅は失敗。
| 以降はドイツ艦隊の作戦行動は不可能となり、潜水艦による通商破壊に終始する事になります。
| …まあ、この潜水艦による通商破壊が、後にイギリスを恐怖のどん底に叩き込んだんですけど。
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 ・ジュットランド沖海戦(1916年5月31日〜6月1日)
  デンマーク沖で行われた、第一次世界大戦最大規模の海戦。
  ラインハルト・シェアー率いるドイツ艦隊と、ジョン・ジェリコー大将率いるイギリス艦隊がぶつかり合った。
  ドイツ側の撤退によって海戦は終わり、ドイツは戦艦1隻、巡洋戦艦1隻、イギリスは巡洋戦艦3隻を失う。
  戦闘後はドイツ・イギリスの両国ともが勝利を宣言し、どちらが勝ったのか世界中で議論のタネに。
  この海戦のみで見るとドイツの勝利で、戦争全体で見るとイギリスの勝利といったところか。
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    | 勝敗が微妙な海戦だったんだな…
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         | かの東郷平八郎元帥は、「ドイツが逃げたんだから、ドイツの負けに決まっちょる」と言った。
         | ロイヤルネイビーに負けがあるとでも思ったか、ジャガイモ野郎ども!!
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| 東部戦線は相変わらずドイツ有利だったんですが、まれにロシアが押し返した事もありました。
| この時にロシアのブルシロフ将軍という名将が見せた「浸透戦術」、これは非常に重要です。
| 後にドイツがこの戦術を使い、戦線膠着の原因であった塹壕を破る事になりますから。
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 ・ブルシロフ攻勢(1916年6月)
   東部戦線におけるドイツ・オーストリア連合軍とロシア軍の戦い。
   ロシアのブルシロフ将軍が展開した浸透戦術により、ドイツ軍は敗北を喫する。
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    | ロシアもたまには勝ってたのか…
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         | この浸透戦術はドイツが用いたものとして有名だが、そもそもはロシアの戦術だったんだ。
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| ここでブルシロフが用いた浸透戦術というのは、少数部隊での奇襲を軸にした戦術です。
| 敵陣の一番脆いところを見つけ、そこからじんわりと敵陣に浸透していくっていう感じですか。
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 ・浸透戦術
  小規模の部隊に分散し、まずは直接交戦を避けつつ敵の弱点(防御の薄い箇所)に集中的に侵入する。
  そこからさらに後続部隊が入り込み、敵を撹乱させつつ後方へ浸透。
  こうして前線を分断し、各個包囲撃破していく戦術。
  これには、各部隊の連携と各自の適切な判断が必要となる。
  敵陣を破る方法といえばひたすら突撃だった時代において、画期的な戦術である。
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    | なんか、良く分からんな…
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         | あとできっちり解説するさ。
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| 一方、西部戦線ではどうか…
| 相変わらず膠着してたんですが、9月15日にイギリスの新兵器が出現してドイツ兵を驚かせました。
| それは、塹壕を乗り越える為に開発された移動式鉄箱… 後に戦車と呼ばれるようになる陸戦兵器です。
| しかし戦局を変えるほどの影響は与えず、結局はドイツ人がびっくりしただけ。
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「第30回兵器史・陸戦兵器の歴史1」 17/28〜28/28参照
ttp://professorgiko.fc2web.com/kougi43/tank1.html

「第31回兵器史・陸戦兵器の歴史2」 1/34〜9/34参照
ttp://professorgiko.fc2web.com/kougi43/tank2.html
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    | 戦争スタイルを抜本的に変える兵器の登場と思いきや…
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         | 板書した前回の講義のリンクは、今の時点で必ず参照しておいてくれ。
         | 以前の講義と重複する部分は解説しないので、以降の講義の理解に不備が生じる恐れがある。
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| 実際のところね… 戦線が膠着している理由は、単純に塹壕の存在じゃなかったんですよ。
| 一番の元凶は、鉄道などの交通網の発達。
| 攻撃側が必死こいて防御側を壊滅させても、発達した交通網ですぐに兵が補充されます。
| 塹壕によって防御力が増してるから、よけいにひどい事になってました。
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 「我が軍は、これまでのいかなる戦闘におけるよりも激しい機関銃の銃火に向かって前進し、
  攻撃をしかけるたびに千人単位で倒れた。だが繰り返し師団が送り出され、そのたびに大量の死傷者を出した。
  ばかげた命令に従って、兵士たちは勇敢に、いつでも最善を尽くした。
  そしていつくもの師団が潰され、ほとんどの兵士が殺されても、次から次へと補充が繰り返されるだけだった」
                                                  イギリス首相ロイドジョージ
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    | RPGで言えば… 両者の1ターンのHP自動回復量が、互いの攻撃力を上回ってるみたいなものか。
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         | そしてそのHPが、兵士の命な訳だが。
         | これが、第一次世界大戦から殲滅戦となってしまった理由なんだ。
         | 倒しても倒しても、敵兵は次から次からやってくる。互いにな。
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| いよいよヤバくなってきたドイツにおいて、それまで参謀総長だったファルケンハインはクビになりました。
| いまやドイツを任せられるのは、あの二人しかいない!
| こうして、国民の人気も高かった東部戦線大勝の立役者がその後釜に座る事になります。
| 参謀総長にはヒンデンブルクが就き、ルーデンドルフはそれを補佐する参謀次長となったんですよ。
| 実際に、実権を握っていたのはルーデンドルフの方でしたがね。
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    | ロシアを叩きのめした、あのコンビか。
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         | このルーデンドルフが、ドイツ終焉劇の最後を飾る役者になるんだ。
         | 末期のドイツは、ルーデンドルフの独裁状態になり、
         | ヴィルヘルム2世もヒンデンブルグも差し置いて、彼がドイツを動かしていた。
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| 1917年に入ると、ルーデンドルフは潜水艦で周囲の船を無差別に沈めまくるという作戦を実行させます。
| イギリス周辺や地中海海域を「戦闘海域」とし、そこを通る艦船は商船だろうが中立国籍だろうが沈める…
| 1917年2月1日、いわゆる無制限潜水艦作戦の宣言ですね。
| これにより、イギリスの経済は破綻寸前に。地中海は「魔の海」と呼ばれて恐れられました。
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 ・通商破壊
  敵国に属する商船をかたっぱしから沈めてしまう事で、その国を食料・物資不足に陥らせる事。
  商船への攻撃は、隠密行動に適している潜水艦が猛威を振るった。
  食料や資源を自給している国には効果が低く、自給率が低い島国には絶大な威力を発揮する。
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    | これ、ハマればメチャクチャ強力なんだよな…
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         | 戦争をしようにも、食料や物資が全然足りない状態に陥るんだからな。
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| さて… 地中海海域で暴れまわるドイツUボートに対し、連合軍は日本海軍にも出動を要請してきます。
| 日本海軍は、世界でも5本の指に入る海軍組織でしたからね。
| その要請に応じ、日本海軍は地中海に「第二特務艦隊」を派遣。
| さらに駆逐艦18隻をヨーロッパに送り、連合国側から「地中海の守護神」とまで評価されました。
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 ・第二特務艦隊
  旗艦は巡洋艦「明石」、他駆逐艦8隻(のちに18隻を追加派遣)。
  護衛した連合国船舶は終戦までに788隻、護送人員は約75万人。
  この経験によって、日本海軍は輸送船の海上護衛の重要性や潜水艦の恐ろしさを知る…
  …事にはならなかった。
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    | 日本海軍が、戦闘目的でここまで遠出したのは初めてじゃないか?
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         | そんな中、駆逐艦「榊」がオーストリア・ハンガリーの潜水艦の攻撃で大破。59人が戦死した。
         | 他にも欧州での日本人戦死者は相次ぎ、病死も合わせて78人の死者を出した。
         | マルタ島のイギリス海軍墓地には、現在も彼等の墓碑が建ってるんだ。
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| このUボート(ドイツ語で潜水艦)の跳梁で、アメリカ商船の被害も増大しました。
| とうとうブチきれたアメリカは、欧州不介入の方針を撤回してドイツに宣戦布告。
| ヤブヘビな作戦で中立国を敵に回すという失策を、またしてもドイツはやっちゃいます。
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 1917年4月6日、アメリカ大統領ウィルソンはドイツに宣戦布告。
 アメリカは、初めてヨーロッパに軍隊を派遣する事になる。
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    | ああ、またしても…
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         | ベルギー侵攻の際のイギリス参戦と、全く同じ事をやっちまったって訳だ。
         | アメリカ参戦に関しては、チンメルマン・ノートの発覚とか色々他の理由はあるがな。
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| しかし、アメリカ軍第一陣の西部戦線への到着は当分後と見込まれました。
| アメリカは宣戦布告をしたのは良いものの、戦争の準備が間に合っていません。
| 飛行機をイギリスに借り、戦車をフランスに借り、無い無い尽くしながら参戦します。
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    | この頃は、まだまだ軍の技術がヨーロッパに追いついてなかったんだな。
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         | 民間の大量生産技術は群を抜いていたんだがな。
         | 第二次世界大戦時にはその技術を活かし、とんでもない事になる。
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| また… アメリカの参戦で何よりも助かったのが、海上の商船護衛。
| イギリスの窮状を理解したアメリカは駆逐艦を大量増産。
| その多くをイギリスに貸与し、またアメリカ海軍も海上護衛に協力します。
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 ・「フラッシュ・デッカー」級駆逐艦
  ドイツの潜水艦に対抗して大量建造された、4本の煙突が特徴的な駆逐艦。
  自国で使うだけでなく、イギリスにもレンタルされた。
  第二次世界大戦においても、駆逐艦不足で苦しむイギリスにレンタルされている。
  第一次世界大戦中に44隻が完成。その後も建造が続けられ、最終的には273隻が完成。
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    | 273隻… 何考えとんだ、アメリカは…
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         | まあ、この場合は作りすぎなんだが…
         | 通商破壊への護衛方式による対応ってのは、よっぽどの海軍力がないと不可能なんだ。
         | 世界最強のロイヤルネイビーでも、アメリカの協力がないとヤバかった。
         | アメリカの参戦がなかったら、イギリスがギブアップしていた可能性すらあるんだ。
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| さて、ここで西部戦線にようやく動きが見られ始めました。
| ルーデンドルフは戦線後退を許可し、徐々にドイツが退き始めたんですよ。
| その要因の一つに、ルーデンドルフが前線を視察した際、余りに悲惨な消耗戦を目の当たりにしたというのも…
| しかし参謀総長ルーデンドルフ、ただ考えもなしに軍を撤退させる男ではありません。
| ドイツの退いた先には、幾多の塹壕と機関銃、トンネルや鉄道で形成された防御ライン、ヒンデンブルグ線が。
| ドイツ軍を追ってここに侵入したフランス軍でしたが、おもしろいほどボコボコにされます。
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 ・ニベル攻勢(1917年4月9日〜29日)
  ヒンデンブルグ線におけるドイツ軍とフランス軍の激突。
  奇襲を察知されたフランスは大敗を喫し、さらにフランス兵の反乱まで勃発する。
  司令官だったニベルはアフリカに左遷された。
  その後はフランスの名将ペタンが継ぎ、兵士の反乱を穏便に鎮める。
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    | アフリカって… また、えらく分かり易い左遷だな。
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         | まあ、見せしめ同然だからな。
         | ニベルってのは、事前に「絶対勝てる」と大口を叩いたんだ。
         | その挙句が大敗北… 上からも下からも、完全に信頼を失っちまった。
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| そして1917年6月、ドイツはエリート部隊を集めた戦闘航空団を結成します。
| その団長の座に就いたのは、マンフリート・フォン・リフィトフォーヘン…
| 赤く塗装された機体に乗り、連合軍からは「レッドバロン」と呼ばれて恐れられた男でした。
| 彼は、第一次世界大戦で80機という最多撃墜記録を出しています。
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 ・フライング・サーカス
  「レッドバロン」率いる航空団のアダ名。
  「この航空団と遭遇した連合軍パイロットは、生きて基地に戻れるだけでも感謝しなければならない」と囁かれ、
  連合側から大いに恐れられる。
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    | いわゆる撃墜王だな。
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         | なんで「フライング・サーカス」かというと、メンバーが機体をそれぞれカラフルに塗ってたからだ。
         | そんなハデハデにした理由はというと…
         | 上層部からの「機体を様々な色で塗れ(迷彩を施せ)」という指示を、意図的に曲解したんだよ。
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| 1917年11月20日、フランスの同盟国であるイギリスにも動きが見られます。
| カンプレーにおいて476両もの戦車を投入した奇襲を行い、ドイツの塹壕防御線を破ったんですよ。
| これに関しては、「第31回兵器史・陸戦兵器の歴史2」10/34〜12/34を参照のこと。
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「第31回兵器史・陸戦兵器の歴史2」 10/34〜12/34参照
ttp://professorgiko.fc2web.com/kougi43/tank2.html
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    | ほほう。
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         | 戦車がデビューして以来、様々な弱点が明らかになっていった。
         | ドイツ軍は、戦車恐るるに足らずという結論を出すんだ。
         | 確かに、この時点では妥当な判断だったが…
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| さて、少し時間を遡ることになりますが、1917年3月にロシアを揺るがす事件が起きていました。
| ロマノフ王朝が打倒され、ソヴィエトが成立… ロシア革命が起きたんですよ。
| 資本家が労働者をコキ使う事を許さず、全ての人間が平等に… そんな思想の元に皇帝は排されます。
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    | 全ての人間が平等に… 確かに聞こえはいいな。
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         | この当時のロシアは、幾多の矛盾を抱えていたんだ。
         | 急速に工業化してるんだが、制度そのものは旧弊的なまま。
         | 労働者の待遇も凄まじく悪く、皇帝の権力が強いロシアでは文句を言う事も許されなかった。
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| そこで、権力者をなくしてしまえばどうでしょうか? みんなが労働者になってしまえばどうでしょうか?
| 一部の権力者に集中していた富を、全ての労働者に平等に分配してしまうのです。
| 富が社会に平等に行き渡れば、貧困に苦しむ人も、横暴な資本家も出てきません。
| 無階級社会はまさに平等パラダイス!! …まあ、平たく言えばそんな感じの思想です。
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    | ちょっと聞いた限りでは、素晴らしい思想に聞こえるな。
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         | 「ちょっと聞いた限りでは、素晴らしい思想」… それが、もっともタチが悪いんだ。
         | 権力者をなくして富を平等分配するって事は、全ての人間がそれに賛同しないと実現不可能だ。
         | じゃあ、反対する者はどうなるか…
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| そういうわけで、いつしか社会主義革命が暴力的な意味合いを帯びるようになりました。
| ロシア革命を起こしたレーニンなんかは、暴力による共産革命と労働者による独裁を自ら公言しています。
| 結局、社会主義や共産主義は虐殺と独裁に帰結してしまうんですよね…
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    | そういうもんか。
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         | それに社会主義って、結局は統制経済だからな。
         | 平等に富が分配されるという事は、働いても働かなくても報酬は同じ。
         | こんなんじゃ、誰も真面目に働くはずがない。これも社会主義の問題点だ。
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| まあとにかく、ここで新たに誕生したソヴィエトってのは従来の国家と明らかにシステムが違ったんです。
| そんなソヴィエトの主導者となったのは、ロシア革命の立役者であるウラジーミル・レーニン。
| 彼は第一次大戦を「一部の権力者の利益によって労働者達が敵味方に分かれて戦わされている」と主張。
| 革命や内戦で国内がボロボロになった事もあって、ソヴィエトは第一次大戦から身を引きたがります。
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    | ほほう。
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         | だが敵国であるドイツはもちろん、同盟国のイギリスやフランスなどがそれを許してくれるか…
         | 同盟国を差し置いて、単独で敵国と講和するってのは、とんでもない裏切り行為なんだ。
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| とにかく1917年の12月、ソヴィエトはドイツにこっそりと単独講和を打診しました。
| 足元を見たドイツはとんでもなく厳しい講和条件を提示、結局ソヴィエトはその条件を呑みます。
| 降伏条件と等しいと言われるほど厳しい講和条件を課され、ソヴィエトは第一次大戦から抜けました。
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 ・ブレスト・リトフスク条約(1918年3月3日)
  三国同盟側と、ソヴィエト1国の単独講和条約。
  フィンランド、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、ウクライナ等の領地がドイツに渡った。
  しかし第一次大戦のドイツ敗北により、この条約は失効。
  これらの地域はことごとくが独立国家となってしまい、混乱のタネになる。
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    | おあー!
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         | これは、東部戦線が消滅し、ドイツは西部戦線のみに集中できる事を意味する。
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| こういう訳で、勝手に戦争を抜けたソヴィエトに対して、仲間であった連合軍側はカンカン。
| 「あのヤロウ、なめた真似しやがって… やっつけちまえ――!!」って事で、連合軍がソ連に乗り込みます。
| これが、後に起きるシベリア出兵ですね。
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 ・シベリア出兵(1918年8月〜1922年10月)
  単独講和したソ連に対し、イギリス、フランス、アメリカ、日本などが出兵。
  名目はチェコ兵救出で、本当の目的は社会主義政権の打倒。
  さらに白軍(旧ロシア時代の軍人達が集まった武装戦力)の反乱もあり、
  ソヴィエトは外国からの干渉戦争と白軍による反乱戦争を同時に戦わなければならなくなった。
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    | 連合軍の本当の目的は、単独講和の懲罰じゃなく社会主義政権の打倒…?
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         | フランス革命の時もそうだったが… 革命ってのは、権力者にとって最も怖いものだからな。
         | 真似するヤツが出てこないうちに潰しときたかったんだ。
         | 特にソヴィエトは、「社会主義革命を輸出する」と公言してたしな。
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| とにかく、第一次世界大戦の方に視点を戻しましょう。
| 徐々に追い詰められていたドイツでしたが、ロシアの消滅によって西部戦線のみに専念できるように。
| そこで参謀次長のルーデンドルフは、イギリス・フランス軍に対して最後の大攻勢作戦を実行します。
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 ・カイザーシュラハト(1918年3月21日〜7月21日)
  ルーデンドルフは、ロシアの撤退によってヒマになった東部側のドイツ兵を西部戦線に一気に移す。
  これにより、大攻勢が可能に。
  カイザーシュラハトとは「皇帝の戦い」を意味し、このドイツ軍の最後の春季攻勢を指す。
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    | おほー!
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         | 連合側は、この頃から「ベルギーを解放すれば講和してやらんでもない」って言い始めたんだ。
         | しかし、ルーデンドルフはそれを蹴り続ける。
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| この「皇帝の戦い」でドイツが用いたのは、ブルシロフ攻勢においてロシア軍が見せたやり方…
| 浸透戦術に、さらにドイツ的な改良を加えたものです。
| 従来の突撃戦術では、突撃前に何日か… 時に1週間に及ぶ準備砲撃を実行していました。
| 敵陣に対してボコボコに砲撃を浴びせた後で、突撃を掛ける…
| この敵陣への準備砲撃を、ドイツは根本的に見直したんですよ。
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 ・浸透戦術
  小規模の部隊に分散し、まずは直接交戦を避けつつ敵の弱点に集中的に侵入する。
  そこからさらに後続部隊が入り込み、敵を撹乱させつつ後方へ浸透。
  こうして前線を分断し、各個包囲撃破していく戦術。
  これには、各部隊の連携と各自の適切な判断が必要となる。
  敵陣を破る方法といえばひたすら突撃だった時代において、画期的な戦術である。
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    | 準備砲撃では塹壕にこもってる兵はほとんどやられなかったから、あそこまで戦線が膠着したんだな。
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         | 準備砲撃ってのは、敵に対して攻撃開始を知らせてしまうってデメリットもあった。
         | 奇襲という要素を重要視し始めたドイツは、この準備砲撃を根本的に見直すんだ。
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| ドイツは、準備砲撃で敵兵が混乱するのは5分という数字を算出しました。
| これ以上砲撃に時間を掛けると、敵兵が平静を取り戻してしまって逆効果なんです。
| そういう訳で、浸透戦術の際には5分程の砲撃を食らわせ、敵が混乱している隙に「突撃隊」を突っ込ませます。
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    | 突撃隊… おそらく重装の兵士達だな。
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         | いや、まるで逆。非常に軽装で、多くの戦闘経験を積んだ少数精鋭だ。
         | 彼等は直接交戦を避け、敵陣の弱点をすり抜けて奥へ奥へと侵入していく。
         | この突撃隊グループ多数が突っ込んで、水が染みていくように敵陣に浸透していくんだ。
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| 敵陣に浸透した突撃隊は、後方の司令部や連絡機関をズタズタにして指揮系統を混乱させます。
| すると前線の各部隊は孤立し、パニック状態に陥りました。この時点で降伏する部隊も少なくありません。
| あとは、各部隊を包囲して殲滅するだけです。
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    | 単純と言えば、非常に単純だな。
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         | 理屈は簡単だが、実行は非常に難しい。
         | こちらの突撃隊が少数で分散行動する以上、各個撃破される危険性は常に付きまとうからな。
         | だから、各部隊の連携と各自の適切な判断が必要となるんだ。
         | 戦闘経験を積んだ熟練兵士が非常に多いドイツだからこそ出来た事だな。
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| では、ドイツ最後の大攻勢を見ていきましょう。
| 初期は、浸透戦術を駆使したドイツ軍がイギリス・フランス連合軍に圧勝。
| また、ドイツ初の戦車部隊がとうとう戦場デビューしたのもこの時期です。
| 1918年3月21日、5両のA7Vと鹵獲戦車によって構成された第11大隊、第12大隊がイギリス側陣地を攻撃。
| 霧の中で行われた攻撃は… 余りにもささやかすぎて、イギリスは攻撃があった事すら気付きませんでした。
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    | なんて哀しい…
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         | そもそも1917年3月にA7Vが登場して、まるまる1年が経過して初めて本格投入だからな。
         | ドイツ側の、戦車に対するやる気の無さがうかがえる…
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| 4月24日早朝には、ドイツ戦車部隊が2回目の出撃を行いますが…
| この時は、なんとも情けなかった1回目とは打って変わって鮮烈な印象を両軍に与えました。
| ドイツ戦車大隊がヴィレル・ブレトニューを進撃中、イギリス側の戦車隊と遭遇したんです。
| ここに、史上初の戦車同士の戦いが勃発しました。
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 ・ドイツ軍第3突撃戦車大隊(ヴィルヘルム・ビルツ少尉)
   A7V:3両

 ・イギリス戦車軍団第1大隊A中隊第1分隊(フランク・ミッチェル少尉)
   Mk-IV雄型:1両
   Mk-IV雌型:2両
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    | ウホッ!! 戦車対戦車!!
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         | これは、完全な遭遇戦だったんだ。
         | さらに、ドイツ側の戦闘参加戦車数はビルツ少尉の乗る1両だけ。
         | 残る2両は離れた位置にいたため、戦闘に参加できなかった。
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| 互いに敵を認めたのは、ほぼ同時でした。
| 57mm砲搭載のビルツ少尉のA7Vが、機関銃しか装備していないMk-IV雌型を2両とも撃破します。
| 残ったミッチェル少尉のMk-IV雄型がすかさず反撃。この攻撃は、ビルツ少尉の乗るA7Vに直撃。
| しかし、装甲に防がれて貫通しません。とは言え… その衝撃で、乗員が何人か死んでますが。
| ビルツ少尉は誘爆を恐れて車両脱出を指示、一旦はその場を離れます。
| もう一度その場に帰ってみると、イギリス側戦車の姿はありませんでした。
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 ・ドイツ側の損害:A7Vが1両中破
 ・イギリス側の損害:Mk-IV雌型が2両撃破
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    | 損害を比較すると、ドイツ側がかなり優勢だったんだな。
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         | Mk-IV雄型の砲撃がA7Vに防がれた理由…
         | それは、イギリス側の戦車は徹甲弾じゃなく榴弾砲を用いていたからなんだ。
         | つまりイギリス側は、戦車による対戦車戦闘を想定していなかったんだよ。
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| また、1918年4月21日… あの「レッドバロン」リヒトフォーヘンが撃墜されて戦死します。
| 相手は、イギリス空軍のそこそこ名のあるパイロットのロイ・ブラウン。
| しかし、どうも本当は地上からの対空射撃に当たったらしい…
| 色々はっきりしませんが、1人の英雄が死を迎えたことだけは事実でした。
| 最期に乗っていた機体は、赤く塗られたフォッカーDr1。享年は24歳でした。
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    | …若いな。
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         | 彼の撃墜記録は80機でストップしたが、第一次世界大戦でこれを抜く者は現れなかった。
         | 偉大な撃墜王の最期だ。
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| とにかくドイツ軍は圧倒的な勢いでパリまで迫り、フランス軍を追い散らします。
| しかし、パリ陥落まであとちょっぴりのところで… なんと、パーシング将軍率いるアメリカ軍が到着!
| アメリカ軍はパリを守って修羅の如く戦い、それに力づけられたフランス軍も加わります。
| 激しい戦闘は6日間続き… とうとう、ドイツ軍は撤退してしまいました。
| こうして、ドイツによる最後の大攻勢もストップしてしまいます。
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    | さすがアメリカ、アメリカン・ヒーローのような美味しすぎるタイミングで現れるな…
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         | この戦いは、ドイツ軍が最もパリまで近付けた戦いだ。
         | この時期を境に、ドイツ軍の前線は徐々に後退していく。
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| なんとかドイツの攻勢をストップさせた連合軍は、大反抗作戦を発動。
| 8月8日のアラスの戦いで、イギリスは菱形戦車とMk-A戦車… そして、装甲自動車を投入しました。
| 敵陣を突破するのは戦車の役割で、後方を撹乱するのが装甲自動車の役割。
| 路上では戦車以上の機動力を誇る装甲自動車の活躍により、ドイツ軍はパニックに陥りました。
| 戦車と装甲自動車は、互いの欠点を補完し合う事に成功したんですよ。
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    | 互いの欠点を補完…?
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         | 戦車の欠点は路上での低機動性、そして小回りが利かないこと。
         | 装甲自動車はその点では戦車より優位だが、防御力が余りにも貧弱貧弱ゥ!
         | 普通に戦線に投入したら、すぐに撃破されちまう。
         | この2種類の戦闘車の特性を、上手く活かせるように運用したんだよ。
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| 鈍重であったはずの戦車部隊が、俊敏に行動して敵陣を撹乱…
| 当時の常識を超えた出来事に、ルーデンドルフはこの8月8日を「ドイツ陸軍暗黒の日」と表現しました。
| ドイツ上層部の戦車軽視思想は、ここに来て消滅します。ドイツの敗北は目前。余りに遅すぎたんですがね…
| この「戦車ショック」は、戦後のドイツにも色濃く残ります。これ重要。
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    | 今までナメてた戦車にボコられたのが、よっぽどのトラウマになったんだな。
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         | 皇帝ヴィルヘルム2世は、10月27日にルーデンドルフをクビにしてしまう。
         | ヒンデンブルグの方は、今まで通り参謀総長の座にとどまったがな。
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| ドイツのみならず、この頃は三国同盟側はボロボロでした。
| 降伏ラッシュが相次ぎ、ドイツはますます孤立化しています。
| いよいよ国家の破滅を感じ取ったドイツ海軍は、破れかぶれに艦隊を出動させようとしますが…
| 出動命令に対して、キール軍港の水兵達が反抗。それは反乱となって全ドイツ中に広がっていきます。
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 9月:ブルガリアが降伏
 10月:オスマン・トルコが降伏
 11月:オーストリアが降伏
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    | もう、悲惨の一言…
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         | 反乱には民間人も加わり、彼等は皇帝の退位や普通選挙を要求した。
         | もう、こうなってくると革命と変わらない。
         | ドイツは、ロシア革命に非常に近い状態に陥ったんだよ。
         | こうした社会主義革命への敵視は、戦後のドイツ軍人の間に色濃く残る。これ、重要。
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| 国内で起きた反乱、そして労働者達のデモ…
| このとんでもない事態に、皇帝ヴィルヘルム2世はなんとオランダへ逃亡します。
| 逃亡した国王に代わり、参謀総長ヒンデンブルクは連合国の停戦要求を受諾。
| こうして1918年11月11日、5年に渡った第一次世界大戦は終結しました。
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    | やっと… やっと、終わったんだな。
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         | 11月11日、休戦協定により全ての戦闘は中止された。
         | 連合軍とドイツ軍が睨み合っていた前線では、塹壕から飛び出した両軍兵士が抱き合ったという。
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| この第一次世界大戦で、戦争のスタイルは変わりました。
| 機械兵器による大量虐殺、民間への被害、悲惨な消耗戦…
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  「第一次世界大戦以降、戦場から騎士道精神が失われ、戦場は単なる大量殺戮の場と化した」
                       イギリス海軍大臣ウィンストン・チャーチル(のちイギリス首相)
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    | この第一次世界大戦は、今までの牧歌的な戦争とは全然違ったんだな…
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         | 板書でもデブが嘆いてるが、第一次世界大戦開始直後と末期でも戦術が全然違う。
         | 貴族のスポーツであった戦争が、未曾有の大殺戮劇へと変わっていく過程…
         | クリミア戦争や日露戦争でも兆しは見えていたが、決定的にしたのはこの大戦だ。
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| そして、これが第一次世界大戦が引き起こした結果です。
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            死者    負傷者    総人口
 イギリス      91万人   200万人  4千5百万人
 フランス      138万人   426万人   4千万人
 ロシア         170万人    495万人  1億6千万人
 アメリカ         13万人     23万人   9千2百万人
 ドイツ         177万人   421万人  6千5百万人
 オーストリア   120万人   120万人   5千百万人
 総計        855万人   1880万人
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    | ……………………………………………………
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         | イギリスやフランスの死者数は、第二次世界大戦よりも多かったんだ。
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| この数値を見て、「戦争は怖い」とか「戦争はやってはいけない」とかいう幼児みたいな感想に帰結するなら、
| こんなに悲しい話はありません。
| 何がこの悲劇を引き起こしたのか… それは、悪意や憎しみなんかじゃないんです。
| この死者数に比類するスケールを持った悪人なんて、世界のどこにもありはしないんですよ。
| それだけは、絶対に忘れちゃダメなんです。
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    | ………………………………………………
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         | 現場のレベルで見るなら… 戦友の仇とか、いろいろ憎しみは渦巻いてただろう。
         | でも、この戦争を引き起こしたのはそんな事じゃなかったんだ。
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| この戦争に愚者は数あれど、これだけの虐殺を引き起こした元凶の悪人なんていませんでした。
| 世界征服を志した独裁者もいなければ、皇帝を神と崇めた狂信者もいません。
| 分かり易い「悪」なんてこの世にはなく…
| 第一次世界大戦は、結局は官僚的思考で拡大していった戦争だったんですよ。
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    | そういうものなんだな。
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         | だからこそ、「一部の悪人が戦争を引き起こす」という思考は危険なんだ。
         | 一部の悪人さえいなければ、戦争は起きないなどと人々が錯覚してしまえば…
         | そんな自分達が戦争を引き起こす可能性があるという事に、彼等は気付かない。
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| そして、翌年… 1919年1月18日から、パリ講和会議が開かれます。
| ここで結ばれたヴェルサイユ条約が、第二次世界大戦に繋がっていくんですが…
| 今回の講義は、ここで終わりにしましょう。
| 次回は、具体的なヴェルサイユ条約の内容から講義していきます。
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  第40回兵器史・第二次大戦への歩み3(ふゆやすみ特別企画・第二次世界大戦史3)

                          完
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    | 次の戦争の火種か…
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         | 次の戦争の為に。次の次の戦争の為に。ってか、まだ本題にすら入ってないんだよな。
         | あくまでこれ、第二次世界大戦の講義だから。
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