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| 前回は第二次大戦時のヨーロッパでの航空機発展について講義しました。
| 今回は、太平洋戦争における日米+イギリスの航空機を見ていきましょう。
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   第36回兵器史・航空兵器の歴史3 〜貧乏は辛いよ〜
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    | 航空兵器の歴史・戦後編は、次回に持ち越しか。
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         | どうしても、この辺になると機体名を羅列する講義になっちまう。
         | あくまで各国の大体の傾向が重要で、板書の具体的な機体名は参考程度と捉えてくれ。
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| 太平洋側での戦争については、なつやすみ特別企画で講義したので手短に行きましょう。
| まず、日本海軍は… 究極の軽戦闘機的存在、零式艦上戦闘機を開発します。
| しかし戦争中期には軽戦闘機そのものの限界を見せ始め、戦争末期はもうボロボロでした。
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 日本海軍の艦上戦闘機
 ・九六式艦上戦闘機:日本初の全金属製戦闘機。抜群の空戦能力を誇り、日中戦争で活躍。
 ・零式艦上戦闘機:登場当初は絶大な強さを誇ったが、欠点を露呈するにつれてカモ化。
             さらに、インフレ化していく航空技術にもついて行けなかった悲劇の戦闘機。
 ・烈風:零戦の後継機となるはずだった艦上戦闘機だが、試作機8機が完成した時点で終戦。
      結局、終戦まで零戦の後継機は現れなかった。
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    | 軽戦闘機… 特に日本の場合は防御を捨て、身軽さに特化したんだったな。
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         | 零戦の最大の悲劇は、やっぱり後継機が出来なかった事だ。
         | だから、明らかに時代に見合ってない戦闘機を主力として使い続けるハメになる。
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| 次に海軍爆撃機。これは日本海軍特有の機種分類なんですが…
| 急降下爆撃が出来るのを「爆撃機」、急降下爆撃が出来ないのを「攻撃機」としていました。
| 急降下爆撃ってのは以前にちょっと触れましたが、危険と引き換えに命中率を上げる爆撃方法です。
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 日本海軍の艦上爆撃機(急降下爆撃が可能)
 ・九九式艦上爆撃機:連合軍艦船を最も多く沈めた爆撃機。初期は大活躍したが、やはり旧式化。
                時の経過と共にヤムチャ化していき、「九九式棺桶」という有難くないアダ名を頂いた。
 ・彗星:九九式艦爆の後継。機体性能こそ優秀だったが、故障が多発し生産性も悪い問題機。
      何より、当時の日本にはこの機体を運用できる空母自体がほとんど残っていなかった。
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    | ヤムチャ化って…
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         | 当初は強力だったが、周囲がどんどんインフレ化していって、とうとう雑魚化するって事だ。
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| そして機体構造上、急降下爆撃が不可能な「攻撃機」。
| これは、魚雷攻撃を主とした機体でした。いわば他国の雷撃機のようなものです。
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 日本海軍の艦上攻撃機(急降下爆撃できない)
  ・九七式艦上攻撃機:日本海軍が開発した艦上攻撃機で、非常に近代的な傑作機。
                九九式艦爆とコンビを組み、初期は大活躍した。やはり中期以降はヤムチャ化。
  ・天山:九七式艦攻の後継。機体性能も優秀で、稼働率も同時期の航空機と比較して優れている。
       しかしパイロットの技量が低下しきった頃の登場なので、活躍は少ない。
  ・流星:性能は高いが、空母が壊滅した状況で登場しても… やはり整備性にも問題があったようだ。
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    | ヤムチャ化したり、パイロットが素人だったり、そもそも空母が無かったり…
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         | この日本海軍の「攻撃機」は、現代用いられている「攻撃機」って機種とは全くの別物な。
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| そして第二次大戦中、ほとんどの海軍は艦上戦闘機を艦上偵察機に転用していたんですが…
| 日本だけは、転用ではない生まれながらの艦上偵察機を開発しました。
| その高速性能は伝説となるほどに凄まじく… とある彩雲が敵戦闘機に見つかって逃げる際、
| 「我に追い付くグラマンなし」と彩雲パイロットが母艦に打電したのは非常に有名ですね。
| でも、彩雲が空母で運用された事ってありましたっけ…?
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 日本海軍の艦上偵察機
 ・彩雲:航空母艦での運用を目的に開発された、第二次大戦時唯一の艦上偵察機。
      極めて高い高速性能と航続性を誇ったが、登場時にまともな空母は無く、陸上機として活躍。
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    | そんなに早かったのか。
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         | 彩雲の「我に追い付くグラマンなし」の打電は非常に有名だが、
         | 後で上官から「無意味な打電をするな」と怒られたってのは微妙にマイナー。
         | あと、やっぱり戦争末期はけっこう落とされてたようだ。
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| ここまでは、空母での運用を想定した艦載機。
| しかし日本海軍は、陸上の飛行場で扱う航空機も所持していました。
| 通常の海軍では必要としないこの種の機体を用意した理由は、なつやすみ特別企画で講義しましたね。
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 日本海軍の陸上攻撃機
 ・九六式陸上攻撃機:長大な航続距離を活かし、日中戦争では渡洋爆撃の任に就いた攻撃機。
              太平洋戦争初期も活躍したが、時の経過と共にヤムチャ化。
 ・一式陸上攻撃機:大型かつ極めて高い運動性を実現した強力な攻撃機だが、恒例のヤムチャ化。
             特に防弾装備の欠如が致命的で、パイロットから「ワンショットライター」と自嘲された。
 ・銀河:急降下爆撃、水平爆撃、魚雷攻撃の全てが可能な究極の万能攻撃機として期待されたが、
      完成したのは故障が多発する問題機。「国滅びて銀河あり」とまで揶揄された。
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    | 確か、艦隊決戦の際にはこういう機体が近隣の基地から出撃して、魚雷を食らわせまくるんだったな。
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         | こういうイレギュラーな手にすがらなきゃならないほど、アメリカには勝ち目がなかったんだよ。
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| そういう訳で日本海軍は陸上基地を保持していたので、その防空用の戦闘機も必要になりました。
| それが、第二十六回兵器史で講義した局地戦闘機ですね。
| しかし開発は遅れに遅れ、雷電の完成時には守るべき航空基地は激減。
| 結局、「日本本土」という巨大な基地を守る為に奮闘する事になります。
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 日本海軍の局地戦闘機
  ・雷電:でっぷりしたボディが特徴的な局地戦闘機。設計に問題があり、事故損失が非常に多い。
       本土に押し寄せるアメリカの重爆撃機を撃墜するため、駆けずり回る。
  ・紫電:水上戦闘機の強風を陸上飛行場でも扱えるように改良した局地戦闘機。
       性能はそこそこ優れるが、幾多の欠陥を抱える問題機である。
  ・紫電改:「紫電」を改良した機体で、戦争末期の本土防空に投入される。
        局地戦闘機としての性能は高いとは言えず、むしろ強力な格闘戦機として活躍した。
  ・震電:対B-29の切り札であった局地戦闘機だが、完成前に終戦。
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    | 局地戦闘機に重要な能力は、スピードと上昇力だったな。
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         | そして零戦は、それらの能力を備えていなかった… ってか特性が相反していた。
         | だからこそ局地戦闘機への転用が出来ず、新戦闘機の開発に踏み切ったんだ。
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| さらに日本海軍は、水上戦闘機を重視していました。
| 例えば離島を占領して、飛行場を作るまでに間が空く場合… もしくは、そもそも飛行場が作れない場合。
| 水上機は海面にプカプカと浮かせておく事が出来ますので、そういう場合に便利だったんですね。
| しかし戦局が劣勢になるにつれて、占領地そのものを失っていき…
| 本格的にモノになる水上戦闘機が完成した頃には、存在意義が消失していました。
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 日本海軍の水上戦闘機
  ・二式水上戦闘機:零戦にフロート(浮き)を付けてみた機体。世界的に見ても、最高傑作の水上機と言える。
  ・強風:性能が極めて微妙な上、完成時は既に日本の水上基地など存在しなかった悲しい水上戦闘機。
       この機体を陸上用に改良し、紫電が生まれる。
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    | すげぇ。世界最高水準のものを完成させたのか…!
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         | 水上戦闘機開発にマジで取り組んでたのは、日本海軍だけだったとも言えるが…
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| 同様に、日本は水上偵察機にも力を入れています。
| 専用のカタパルトと共に戦艦や巡洋艦にも載せられ、太平洋戦争で大活躍。
| かなり切ない日本軍の航空機事情ですが、水上機の技術は世界でもトップレベルだったと言えるでしょう。
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 日本海軍の水上偵察機
 ・九五式水上偵察機:日中戦争や太平洋戦争初期に活躍した複葉の水上偵察機。
              緒戦の大勝に地味ながら貢献している。
 ・零式水上観察機:軽快で格闘能力も高く、爆撃能力まで持っている複葉機。
             地味にあちこちで暴れていて、偵察機ながら侮れない。
 ・零式水上偵察機:太平洋戦争全期にかけて活躍した名偵察機。
             真珠湾攻撃や珊瑚海海戦の勝利に貢献したが、ミッドウェーでは…
 ・瑞雲:偵察だけでなく急降下爆撃も可能な水上機で、航空戦艦「伊勢」型などに搭載する予定だった。
      しかし開発が非常に遅れ、完成後も絶望的戦局で活躍は出来ずに終わる。
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    | 戦艦や巡洋艦にも搭載できる… そりゃ、便利だな。
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         | トップレベルっていうか、この種の機体を熱心に開発してたのは日本海軍だけだったって気も…
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| そして、日本だけが実現していた技術… これらは、潜水艦に搭載する事を目的とした水上偵察機です。
| その中には、なんと偵察能力だけでなく爆撃機能を持ったのまでありました。
| 晴嵐は水上偵察機のカテゴリーには入ってませんが、潜水艦での運用という点を重視しここに並べておきます。
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 日本海軍の(潜水艦搭載型)水上偵察機
 ・九六式小型水上偵察機:潜水艦内に収納するため、12パーツに分解できる小型偵察機。
 ・零式小型水上偵察機:九六式小型水上偵察機の後継で、偵察のみならず爆撃能力を持つ。
                米本土奇襲攻撃を成し遂げた、世界唯一の航空機として一部で有名。
 ・晴嵐:潜水空母「伊-400」に搭載するべく開発された水上攻撃機。折りたたみ機能を持ち、非常にコンパクト。
      「伊-400」のウルシー奇襲は終戦により中止された為、実戦を経験しなかった。
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    | すげぇ! こんな技術を持ってたのは日本だけか!!
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         | ってか、潜水艦搭載型航空機なんて、マジで実用化を目論んだのが日本だけだったって気も…
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| 他国が水上偵察機を重要視していなかったって事は、他国海軍はどうやって海上偵察をやってたのか?
| そう思われる方も多いと思いますが… アメリカやイギリスは、飛行艇を多用していたんですね。
| ここでは講義の展開上、日本海軍の飛行艇をまず紹介しますが。
| 飛行艇というのは速度こそ遅いものの、デカさを生かして海上パトロールや輸送などに活躍しました。
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 日本海軍の飛行艇
  ・九七式飛行艇:日本海軍の優秀な大型飛行艇で、初期には哨戒や爆撃、輸送にも活躍。
  ・二式飛行艇(二式大艇):九七式飛行艇の後継で、軍用飛行艇史上の最高傑作と言われる。
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    | 飛行艇の技術も、日本は凄かったのか。
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         | 水上機と飛行艇は、日本の軍用航空技術で誇るべきところだな。
         | 特に二式飛行艇なんて、戦う芸術品。零戦に並ぶ傑作機だ。
         | アメリカの主力飛行艇カタリナより、全ての性能が上回っていたとアメリカ自身が認めている。
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| そして役回りは飛行艇と多少カブるんですが、日本海軍は戦争後半に対潜水艦専用の航空機も開発しています。
| アメリカ潜水艦による被害がシャレにならなくなってしまい、この種の機体の必要性が急上昇したんですよね。
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 日本海軍の対潜航空機
 ・東海:アメリカの潜水艦に脅威を受け、1944年に登場した対潜哨戒機。
      なかなかに性能が良かったようだが、登場時期が遅すぎた。
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    | 潜水艦対策、戦争後半には取り組んでたのか。
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         | 絶望的に遅すぎる局面になってからだけどな。
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| まあ、これが日本海軍の大体の航空機です。
| 海軍に限った事ではないんですが、ヤムチャ化と整備不良が目立ちますね。
| まあヤムチャを救う為、とにかく最新機体を!ってのは分かるんですが…
| 性能数値だけは高い、未完成の機体を戦場に引っ張ってきた感が強いですね。
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    | 要は、それだけ追い詰められてたって事か…
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         | 苦境に陥った国家が、新兵器を乱発するのは良くある話だ。
         | ドイツなんて、その典型だったしな。
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| それに対し、アメリカやイギリスは別に新兵器を開発しなかった訳じゃありません。
| 優勢で余裕もあったから、未完成の技術を焦って戦場に投入する事は控えたんですよ。
| 「日本のあの航空機が完成していたら… とか、ドイツのあれが量産できたら…」とか、滑稽な話ですよね。
| 優勢な側は未完成兵器の投入を控え、劣勢な側は未完成兵器を投入しようとした… それだけの話なんです。
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    | だから、日本やドイツには当時の水準を上回る未完成兵器がゴロゴロしてたように見える訳か。
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         | 未完成兵器なんぞがもてはやされるのは、窮地に陥った国だけの話だ。
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| さて、次に日本陸軍を見てみましょうか。
| 戦闘機に関しては、第二十二回「日本陸軍戦闘機」の講義で扱っています。
| 結局は「軽戦絶対思想」に染まり、そして軽戦闘機の限界に突き当たっていく訳ですね。
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 日本陸軍の戦闘機 〜軽戦絶対思想編〜
 ・九七式戦闘機:脅威の運動性を誇る軽戦闘機。この機により、日本陸軍に「軽戦絶対思想」が根付いた。
 ・一式戦闘機「隼」:九七式戦闘機と同じ思想で開発された陸軍の初期主力戦闘機。
             軽量さを生かして英軍航空機を叩きのめすが、戦争末期になると劣勢に。
 ・二式単座戦闘機「鍾馗」:「軽戦絶対思想」全盛の中で登場した重戦闘機。
                 上層部でも現場でも非常にウケが悪かったが、本土防空の際に見直される。
 ・二式複座戦闘機「屠龍」:当時、世界で流行していた双発(エンジン2つ)戦闘機。
                 高速だが鈍重で、やはり現場で非常に嫌われた。本土防空の際に見直される。
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    | 米国や欧州では、俊敏さは欠けるが高速性能も防御性能も高い重戦闘機がスタンダードなんだよな。
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         | 日本陸軍の上層部や現場のパイロットは、俊敏さに欠ける戦闘機にどうしても馴染めなかった。
         | エンジンに問題があって、満足な性能の重戦闘機をなかなか造れなかったって背景もあったがな。
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| しかし時代の流れには抗えず、陸軍は軽戦闘機と重戦闘機を統合した戦闘機開発に取り組みます。
| それからは、エンジン不具合との戦いでしたね。
| さらにこの時期になると、日本側の劣勢はもはや決定的でした。
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 日本陸軍の戦闘機 〜やっぱ今どき軽戦闘機は無茶か編〜
 ・三式戦闘機「飛燕」:重戦闘機と軽戦闘機を統合した高性能機だったが、液冷エンジンに問題が多発。
              飛びさえすれば強力だが、そもそも空を飛んでくれない問題機。
 ・四式戦闘機「疾風」:「大東亜決戦機」と呼ばれ、強力な米軍機と互角に戦った陸軍の切り札。
              日本軍機で比類なき性能を誇るが、整備性がとにかく悪く故障も頻発。
 ・五式戦闘機:「飛燕」のエンジンを空冷式にしてみたところ、思いがけない性能を発揮したので制式採用。
          最高速度こそ「飛燕」に劣るが、整備製も操作性も良く故障も少ない。
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    | なんか… 性能は高いが故障は頻発って、日本軍の後期軍用機のお家芸だな。
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         | 手放しで褒められるのは五式戦闘機くらいなんだが、登場が遅すぎだし…
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| 次に、日本陸軍の爆撃機。
| これらの日本陸軍爆撃機は、基本的に中国との戦いに投入されました。
| その性能は、イマイチぱっとしないのが実際のとこですね。
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 ・九七式重爆撃機:大戦全期に渡る陸軍の主力重爆撃機だが、性能的に満足できるものではなかった。
             それでも、日中戦争では活躍。
 ・九九式軽爆撃機:非常に軽量な高性能軽爆撃機で、戦闘機並みの身軽さが大いに喜ばれた。
                当初は大活躍したが、スピード、爆弾搭載数の両面でヤムチャ化。
 ・呑龍:九七式重爆の後継で、後の飛龍との橋渡し役。微妙に影が薄く、性能も平凡な機体。
 ・飛龍:日本陸軍最後の重爆撃機。性能はそこそこ良いが、アメリカ爆撃機とは比べるべくも無い。
      なお海軍の指揮下に編入され、魚雷を装備して戦った事もある。
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    | なんか、切ないなぁ…
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         | 日本は、とうとう四発(エンジンが4つ)の爆撃機を開発できなかった。
         | 爆撃機に関しちゃ、見るものがないと言っても過言じゃないな。
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| しかし日本陸軍、偵察機に関しては非常に先進的でした。
| 従来の偵察を踏み越えた概念を編み出したんですよ。それが、「戦略偵察」なんです。
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・戦術偵察:有史以前の戦争から行われてきた偵察行為で、作戦単位で敵情を把握。
        つまりは、戦場における敵部隊の位置や大砲の位置などの情報を収集する事。
・戦略偵察:超高速で敵地上空まで侵入し、様々な情報を集めて帰還。
        その情報収集は、作戦レベルにとどまらない。
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    | 極論すれば、戦場を偵察するか敵地を偵察するか…
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         | 敵地っていっても、敵の本拠地とか司令部とか軍需工場とかな。
         | 作戦レベルで、敵部隊の位置をチェックするのとは全く異なるんだ。
         | 戦後は、アメリカがこの戦略偵察を非常に重視する。
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| そしてこれらが、日本陸軍が開発した戦略偵察機。
| その任務上、強烈な高速性能と航続性能を持っています。
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 日本陸軍の戦略偵察機
 ・九七式司令偵察機:世界初の司令部偵察機(戦略偵察機)で、日中戦争で大活躍。
 ・百式司令偵察機:九七式司偵の後継で、太平洋戦争全期に渡って大活躍。
        米軍の新戦闘機P-51などが出てくると辛いが、それでも頑張った。
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    | でも、日本軍って情報不足で色々ヒドイ目に合ったような…
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         | 結局のところ、日本軍は情報を重視してるか重視してないか断言できない。
         | 的確な情報があっても、何故か上まで届かない事が多かったりするし。
         | 現代の官僚や役人が戦争やってたみたいな感じ… ってか、体質が戦前から変わってないだけ。
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| さて… 次にアメリカ海軍を見てみましょうか。
| アメリカ海軍の戦闘機は日本に比べ、派手な所こそ無いものの非常に堅実です。
| 結局のところ、奇策に頼る必要が無かったって事ですね。
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 アメリカ海軍の艦上戦闘機
 ・F2A「バッファロー」:開戦時のアメリカ主力戦闘機だが、零戦にいいようにやられ太平洋から姿を消す。
              対ソ戦時のフィンランドにも供与され、こちらでは「救国の戦闘機」に。
 ・F4F「ワイルドキャット」:大戦初期のアメリカ海軍主力戦闘機だが、零戦の良いカモに。
                一撃離脱の対零戦戦術登場以後は、零戦と互角以上に戦えるようになる。
 ・F6F「ヘルキャット」:驚くほど堅実な設計の戦闘機で、F4Fの後継。制空権を零戦から奪い返していった。
 ・F4U「コルセア」:特徴的な主翼を持ち、F6Fに比べて冒険的な設計。
            F6FとF4Uは同時期の完成で、堅実なF6Fと冒険のF4Uというコンセプトで開発された。
 ・F8F「ベアキャット」:日本が投入してくるであろう零戦の後継機(烈風)に対抗して開発された格闘戦機キラー。
              しかし烈風は完成せず、F8Fもお役御免に。
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    | 地味な優良機か…
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         | 強いて言うなら、防弾性能が日本よりも圧倒的に高かった。
         | 少々被弾しても平気で戦い続けるアメリカ戦闘機は、日本側パイロットにとって脅威だったようだ。
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| 次に、アメリカ海軍の爆撃機と攻撃機。
| とにかく頑丈っていう性質は、これらの機体も例外じゃありません。
| 決してアメリカとて万能じゃなく、変な機体もいっぱいありますがね…
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 アメリカ海軍の艦上爆撃機
 ・SBD「ドーントレス」:頑丈で扱いやすい急降下爆撃機で、最も多く日本の艦艇を葬った機体。
              ミッドウェイ海戦においては、日本空母4隻を沈めるという活躍を見せる。
 ・SB2C「ヘルダイバー」:ドーントレスの後継機として登場したが、幾多の欠陥がありパイロットに嫌われた。

 アメリカ海軍の艦上攻撃機(雷撃機)
 ・TBD「デバステーター」:開戦時から既に旧式化していた艦上攻撃機。
                対日戦に投入されるもほとんど活躍できず、前線からリストラされる。
 ・TBF「アベンジャー」:アベンジャーの後継で、「大和」や「武蔵」をはじめ、多くの日本軍艦を沈めた優良機。
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    | 攻撃機って、爆撃機と違ってピンポイントで目標を破壊する航空機じゃなかったのか?
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         | 第二次大戦時は、「攻撃機」と言えば「魚雷攻撃機」の事だ。
         | 前ギコが言ったのは、戦後に確立された「攻撃機」の概念。
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| そして、アメリカ海軍の飛行艇。
| 先程、アメリカやイギリスは海上偵察に関しては水上機を多用せずに、飛行艇を使うと言いましたよね。
| その理由は… どうあがいても、水上偵察機だと帰還率が低くなってしまうからなんです。
| アメリカやイギリスは被発見率が高くなってしまうというリスクを犯してでも、
| 非常に頑丈で帰還率の高い飛行艇を偵察機として用いたんですよね…
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 アメリカ海軍の飛行艇
 ・PBY「カタリナ」:長大な航続性能を誇る優良飛行艇で、哨戒や輸送など多用途に使われた。
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    | つまりは、日本軍は兵員の命を軽んじてたのか…
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         | 安易に何でも国民性と結びつけるのは感心しないが…
         | まあ、パイロットの安全を重視するという観点が欠けてたのは事実だな。
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| アメリカ陸軍の航空機に関しては、前回やりましたね。
| ここで、前回は触れなかったイギリス海軍の航空機も見ておきましょう。
| イギリス海軍は、航空母艦に戦闘機をほとんど載せなかったんですよ。
| 1939年の時点で、全空母搭載機数約200機中、たった15機程度なんです。
| イギリス海軍の艦上戦闘機は余り触れられない分野だけに、じっくり講義したいとこですね。
| なんかもう、魑魅魍魎の世界ですし…
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 イギリス海軍の艦上戦闘機
 ・フルマー:爆撃機バトルの戦闘機型で、性能が良いとは口が裂けても言えない。
        数の上では主力だったが、後継機が登場すると早々に退役。
 ・ファイアフライ:フルマーの後継として開発された艦上戦闘機。まあ…普通か。
 ・ロック:後に紹介する艦上爆撃機スキュアの戦闘機型で、前方への武装を持たずコクピット後方に機銃搭載。
      要は、RAFきっての駄作機デファイアントの艦載機バージョン。言うまでもなく失敗作。
 ・シーファイア:戦闘機スピットファイアの艦載機バージョン。
 ・シータイフーン:戦闘機タイフーンの艦載機バージョン。
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         | ロイヤルネイビーを愚弄するな!!
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     | 俺、何も言ってねぇ!!
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| で、イギリス海軍の艦上雷撃機… 斜め上の意味で伝説と化したソードフィッシュの存在は欠かせませんね。
| 40年代に入っても複葉機を使い続ける英国紳士の執念は理解できませんが、操縦席が吹きさらしってのも…
| これが実際に活躍できた欧州戦線は、もはや不気味の一言。
| ドイツ戦艦「ビスマルク」への致命傷、タラント夜襲、他にも武勇伝は盛り沢山。
| まさにロイヤルネイビーの不可解さを体現したような… アオッ!!
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 イギリス海軍の艦上爆撃機
 ・スキュア:コメントに困るほど微妙で地味な艦上爆撃機。

 イギリス海軍の艦上雷撃機
 ・ソードフィッシュ:イギリス3大珍兵器の1つであるが、駄作兵器と言い切れない辺りにイギリスの底知れなさが。
            恐ろしい事に、ロケット弾を装備したタイプまで存在する。無駄に最強な複葉機。
 ・アルバコア:ソードフィッシュの後継機として登場したが、またも複葉機。かつデファイアントと並ぶ駄作機。
         これを与えられたパイロット達が歌ったという「ソードフィッシュ戻ってきて」の歌が微妙に有名。
         結局、ソードフィッシュより先に退役してしまう。これもイギリスの業か。
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    | ああっ! 後ろギコ!!
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         | シャァァァァァァァァァァァッ!!!!!
         | ソードフィッシュは天候に強いし、操作性も素晴らしいのだよ!!
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| 次にイギリス海軍の飛行艇ですね。これは、かなりマトモな部類に入るんですが…
| そもそも、イギリス機のネジのぶっとび具合を少ないコマ数でまとめるなんて無理!!
| 機会があったら、代行ギコ君にイギリス機の講義でもやってもらいましょうかね…
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 イギリス海軍の飛行艇
 ・サンダーランド:偵察のみならず爆撃や輸送が可能な、非常に優秀な多用途飛行艇。
            ドイツのUボートと激戦を繰り広げた。
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   |   つ ∇      (,,゚Д゚) ガツガツ(゚∀゚,,)
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    | この英国狂が講義か…
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         | フィッシュ&チップス、ウマー!!!! 蛇の目!!! 蛇の目!!! ハァーッ!!! ハァーッ!!!
         | /`ァ /ヽァ /ゝァ / \ァ、ロ、ロイヤルネイビー!!!!!
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| そういう訳で、なんか日本が負けた理由が航空機を見てるだけで実感できるような気がしますね。
| さて… 次回は「航空機の歴史」戦後編をやって、このシリーズを終わらせましょう。
| つーか、こんな油っこいモンをよく平気で食えますね…
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   第36回兵器史・航空兵器の歴史3 〜貧乏は辛いよ〜

                    完
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   |   つ(俎)  ガツガツ(゚Д゚,,) ガツガツ(゚∀゚,,)
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    | 全く同感だ。
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         | ハァーッ!!! ハァーッ!!! ロ、ロイヤルネイビー!!!!!
         | デファイアントー!!!!! ヴィクトリアー!!!! パンジャンドラムー!!!!
         | ユ、ユ、ユ、ユニオンジャックー!!!!! /`ァ /ヽァ /ゝァ / \ァ、女王陛下ニ敬礼ー!!!!!
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