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| さて、前回は航空機の歴史をたどりながら第二次大戦の勃発まで来ましたね。
| 今回の講義では、第二次大戦中の航空兵器の発展について講義します。
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   第35回兵器史・航空兵器の歴史2 〜第二次大戦中の航空兵器〜
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    | >>110氏についての解答は?
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         | 次の次の次のあたりに予定している、MD(ミサイル防衛)の講義の際にやるんだろ。
         | なお>>111氏に対する回答は、当然イエス。「仕掛けると損」な事例ってのは、非常に幅広い。
         | ただ、経済的な結びつきが絶対的な戦争抑止にならない事は、過去の歴史が証明している。
         | 60年前に極東で、自国の命運を握るほどの貿易相手にケンカ仕掛けた国があってなぁ…
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| さて、ここで第二次大戦の直前に行われたスペイン内戦の話をしましょう。
| スペイン人が反乱軍と共和国軍に分かれて戦ったんですが、ドイツとソ連がそれぞれに肩入れしたんですよ。
| 各国の最新兵器を提供したり、義勇軍の名目で自国軍隊を派遣したり…
| スペインは、まるでドイツとソ連の兵器実験場の様相をなしていたんですね。
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 ・スペイン内戦(1936年7月〜1939年3月)
  スペイン内部で行われた、共和国軍と反乱軍の内戦。
  ソ連が共和国軍を支援し、ドイツ・イタリアは反乱軍を支援。
  結果的に、反乱軍側が勝利を収める。
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    | まるで、第二次大戦の前哨戦だな。
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         | ドイツが支援した反乱軍が勝利し、スペインは反乱軍のボスであるフランコの独裁政権が樹立。
         | このフランコ政権は中立を唱えながらも、第二次大戦中は親ドイツ的な行動を取った。
         | それが原因で、戦後の国際社会から孤立してしまうんだ。余談だがな。
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| この内戦で、ドイツのBf109やソ連のI-16といった強力な戦闘機が空を舞いました。
| 中でもドイツの最新鋭戦闘機であるBf109は、第二次大戦全期におけるドイツの主力機です。
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 ・メッサーシュミットBf109
  ドイツの主力戦闘機で、大戦全期を通じて幾度もの改良が施された。
  高速性能を生かした一撃離脱戦法が得意だが、後には航続距離不足に悩まされる事となる。
  他にも幾多の難点はあるものの、間違い無くドイツ空軍の主役。
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    | 幾多の難点って、例えば…?
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         | 一番ひどいのが、着陸性能の悪さ。着陸時にろくでもねー主脚がポキンと折れて、クラッシュ。
         | この種の事故で、時期によっては戦闘消耗以上の機数が散ってるんだ。
         | 設計者は、「この程度の事ができんパイロットはどうせ長生きできん」と逆ギレするし…
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| さらに、ドイツからスペインに派遣された航空団であるコンドル部隊が1937年にゲルニカ地方を爆撃。
| Ju52とHe111が無差別爆撃を実行し、1654人の非戦闘員が死亡してしまいます。
| また市街地は破壊尽くされ、「樫の木は残った」と言われるほどの有様に。
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 「鳥を抹殺したければ、飛んでいる鳥を撃ち落とすだけでは足りない。卵と巣が残っている」
                             「戦略爆撃」理論の創始者、ジュリオ・ドゥーエ
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    | 戦略爆撃か…
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         | このドイツによる大暴虐の報は、世界を驚愕させた。
         | ドイツ空軍の凶悪・強力さと、爆撃機の凄まじい破壊力を世界に示したんだよ。
         | これに憤慨して、ピカソが「ゲルニカ」を描いたのは有名な話。
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| こうして、スペイン内戦は反乱軍側の勝利で終結。直後に第二次大戦が勃発します。
| ドイツは電撃戦を駆使してポーランド・フランス・その他の国を次々に撃破。
| 瞬く間に、ヨーロッパのほとんどを手中にしました。
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    | 電撃戦… 以前の講義でやったな。
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         | 第31回兵器史と、第32回兵器史を参照のこと。
         | そして、電撃戦の重要な要素に「空地共同」があった事も思い出してくれ。
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| 電撃戦において、ドイツの戦車部隊は航空機からの支援を受けました。
| ポーランド戦やフランス戦において大活躍した急降下爆撃機が、Ju87。
| なお急降下爆撃とは、その名の通り急降下しながら爆弾を投下する方法です。
| 詳しくは省略しますが、この投下方法により命中率は格段にアップするんですよね。
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 ・ユンカースJu87
  ドイツを代表する急降下爆撃機で、「悪魔のサイレン」と恐れられた。
  電撃戦においては敵戦車を次々に破壊し、その名を世界に轟かせる。
  しかし低速性能がたたり、戦争中期には英米戦闘機の前に次々と撃墜。その地位は失墜した。
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    | なんか、普通の爆撃機とイメージが違うな。
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         | Ju87ってのは、戦車などの目標にピンポイントで爆弾を叩き込むタイプの爆撃機だ。
         | 敵の都市や重要施設に大量の爆弾をバラ撒く爆撃機とはタイプが根本的に違う。
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| ドイツ空軍というのは、ドイツ陸軍の支援の為に存在するっていう性格が濃厚なんです。
| 陸戦の支援に特化した爆撃機が主流なんですね。
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 ・Ju87:ドイツを代表する急降下爆撃機で、大戦初期は縦横無尽の活躍を見せた。
 ・He111:高速爆撃機として開発された、大戦初期の主力爆撃機。
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    | それが、ドイツ空軍の傾向なのか。
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         | 大戦半ばにもなると、重爆撃機の開発に取り組んだんだがな…
         | パッとしたのは出来なかった。
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| 一方、初期にドイツと激突したフランス軍の航空機はというと…
| そもそも、フランスは第一次大戦後に航空機産業を国有化しようとしてゴタゴタ状態。
| 満足な航空機が揃っていない状況で、航空大国の座からは既に滑り落ちていました。
| 結局、精強なドイツ空軍の前には太刀打ちできませんでしたね。
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 戦闘機
  ・MS406:開戦時におけるフランスの主力機だが、既に時代遅れの性能だった。
  ・D520:MS406の後継機で、Bf109と互角に戦えた機体。
       しかし数が少なく、戦局に影響を及ぼす事は出来なかった。
 爆撃機
  ・LeO451:フランスが所持する唯一といってよい近代的爆撃機だが、悲しいくらい数が少ない。
        「第二次大戦中、最も美しい爆撃機」とフランス人は誇っているようだ…
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    | なんか、パッとしないラインナップだな…
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         | 自国の航空機が余りにも頼りないんで、フランスはアメリカから戦闘機を買って戦争に臨んだ。
         | このホーク75はBf109となんとか戦える性能を持ってたんだが、焼け石に水だったな。
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| こうして緒戦における電撃戦でポーランドもフランスもリタイア。
| ヨーロッパ全域をその手中に収めたドイツは、海峡を隔ててイギリスと向かい合うという構図になります。
| こうして、3ヶ月に渡るドイツVSイギリスの大航空戦がスタートする事となりました。
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 ・バトル・オブ・ブリテン(1940年7月10日〜10月31日)
  ヨーロッパを制圧したドイツ軍の航空機が、連日に渡ってイギリス本土に来襲。
  それに対し、イギリスは徹底抗戦を行った。
  結果的に、イギリス空軍の凄まじい抵抗の前にヒトラーは作戦の不特定期間延期を決定。
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    | 結局は、イギリスの粘り勝ちか。
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         | ドイツが戦闘機約1000機、爆撃機約1500機を投入したのに対し、イギリスの戦闘機は700機。
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| 代行ギコ君の言った通り、数の上では明らかにイギリス側が劣勢でした。
| そのイギリスが勝利を収めた理由は、以下のものでしょうか。
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 イギリスが勝った要因
  ・防空レーダーを実用化し、効率的にドイツ機を迎撃。
  ・チャーチルの演説により、全国民の士気高揚。
  ・ドイツ戦闘機の航続距離不足により、爆撃機の護衛が徹底できなかった。
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    | ドイツ戦闘機って、航続距離が不足してたんだな。
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         | そもそも、ドイツ空軍の戦闘機は余り遠くまで行けるもんじゃなかった。
         | 海を越えて侵攻するには、航続距離がかなりキツかったんだ。
         | イギリス本土にちょこっと顔を出し、燃料不足でとっとと帰るという有様…
         | この辺の航続距離不足はイギリス機も同じだが、迎撃側なんで大したデメリットにはならなかった。
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| では、このバトル・オブ・ブリテンに参加した航空機を紹介しましょう。まずは、ドイツ側から。
| Bf110ってのは、エンジンを2つ搭載した「双発機」と呼ばれるタイプの戦闘機です。
| エンジンの数を増やす事のメリットとデメリットについては、第22回講義の12/37を参照のこと。
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 戦闘機
  ・Bf109:ドイツ空軍を代表する機体。一撃離脱戦法が得意で、戦争全期に渡って活躍。
  ・Bf110:双発戦闘機として活躍を期待されたが… バトル・オブ・ブリテンで散々な目に合い、
       「戦闘機の護衛が必要な戦闘機」と揶揄される。以後、飛べるのは夜だけに。
 爆撃機
  ・He111:大戦初期の主力重爆撃機。「高速」爆撃機として開発されたが、この時期にはもはや高速ではない。
       低速で防御力も低く、後には主力爆撃機の座をJu88に譲り、輸送や偵察任務に就く。
  ・Do17:旧式の軽爆撃機で、爆弾搭載量も少ない。
       バトル・オブ・ブリテン直後から退役し始め、後継機であるDo217に入れ替えられていった。
  ・Ju87:ドイツを代表する急降下爆撃機で、大戦初期は縦横無尽の活躍を見せた。
       この頃になると低速という弱点を露呈し、イギリス戦闘機の前に多大な被害をこうむっている。
  ・Ju88:ドイツ空軍における最優秀中型爆撃機で、大戦後半まで働き続ける。
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    | 「戦闘機の護衛が必要な戦闘機」って、悲しいな…
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         | ドイツ空軍の爆撃機は、総じて防御力と航続力が不足しがちだった。
         | だからバトル・オブ・ブリテンみたいな遠出する戦いでは不利だったんだよ。
         | 目的地に到達した頃はヘトヘトだし、向こうの迎撃態勢の前にサクサク落とされた。
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| 一方、イギリス空軍は… 祖国の危機に登場したのは、最新鋭戦闘機であるスピットファイア。
| これはイギリス空軍を代表する機体でもあり、ドイツのBf109に対する宿命のライバルでもありますね。
| ドイツはBf109を、イギリスはスピットファイアを、改良を重ねながら大戦全期に渡って使い続けました。
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 ・スーパーマリン スピットファイア
  イギリスの開発した最新鋭戦闘機であり、バトル・オブ・ブリテンの切り札。
  連日に渡ってBf109との戦いを展開し、最後にはドイツ空軍を追い払う事に成功する。
  以後も改良を重ね、大戦全期に渡って用いられた。
  また、空母での運用を想定した艦載機型の「シー・ファイア」も存在する。
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    | ほう。
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         | ついたアダ名は、「救国の戦闘機」。
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| この最新鋭戦闘機であるスピットファイアと、旧式のハリケーンがバトル・オブ・ブリテンを戦い抜きました。
| 他のイギリス戦闘機は、デファイアントとかも… まあ、アレは存在自体がギャグか。
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 バトル・オブ・ブリテンを戦った戦闘機
  ・ハリケーン:旧式の設計だが、堅実さがウリ。生産性が極めて高く、映画等でのやられっぷりも素敵。
  ・スピットファイア:大戦全期に渡る主力戦闘機。Bf109と互角の戦いを見せた。
  ・ブレニム:爆撃機として開発されたが、戦闘機に転用。
         結果としては、爆撃機としても戦闘機としても中途半端になるというイギリスらしい機体。
  ・デファイアント:英国流のジョーク。ドイツ人は堅物なのでウケず、容赦なく叩き落された。
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    | デファイアントって何? ひどい扱いされてるところを見たら、どうせロクでもない戦闘機なんだろうな…
    | うわッ!! 後ろからフィッシュ&チップス飛んできた!!
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         | デファイアントをバカにするなー!!
         | デファイアント悪くない! アレをマジで戦場に投入したイギリス空軍が悪い!!
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| Bf109対スピットファイアという、世界最新鋭戦闘機が激突するバトル・オブ・ブリテン…
| そんな白熱するロンドン上空に、なんとイタリア空軍が助っ人として登場。
| 「お前らだけに任せておけねぇ。助けに来たぜ、ドイツ人!!」ってとこですね。
| その時のイタリア戦闘機は、時代遅れってより時代錯誤な 複 葉 機 。
| イギリス戦闘機に瞬殺され、たちまち舞台から消えていきます。
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 バトル・オブ・ブリテンに参加したイタリア機
  ・CR42:第二次大戦におけるイタリアの主力戦闘機で、旋回能力を重視した複葉機。
       ドイツの助っ人としてバトル・オブ・ブリテンにも登場したが、何も出来ずに瞬殺される。
  ・BR20:スペイン内戦にも参加した旧式爆撃機。バトル・オブ・ブリテンに来られても反応に困る。
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   |   つ ∇.  ガツガツ(゚Д゚,,)      (゚Д゚,,)
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    | さすがイタリア人。緊迫したロンドン上空で、体を張ったギャグを見せるとは侮れんな。
    | ってか、これ油っこい。
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         | しかも連中、ドイツの要請を受けたとかじゃなくて、呼ばれてもないのに勝手に来たんだよ。
         | ロンドン市民は、唐突に現れたちまち撃墜された複葉機軍団の一件を珍事扱いしたようだ。
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| イタリアの航空機は、まあこんなとこですかね。
| 一応イタリアを擁護しておくと、イタリア機の見た目は非常に優美です。
| ただ鑑賞する分には文句ないですが、戦争向きじゃありませんね。
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 イタリア戦闘機
  ・CR42:第二次大戦におけるイタリアの主力戦闘機。複葉機は美しく、目にする者の心を癒す。
  ・G50:主翼のラインが美しい戦闘機。操作性に難があるが、鑑賞する分には問題ない。
  ・MC202:イタリア戦闘機に総じて言えるが、胴体のラインが非常に優美でたまらない。
  ・Re2000:イタリア機独特の美しさは消え、余り鑑賞的価値は無い。
        輸出機としては好評だったが、やはり美しくない為かイタリア軍からスルーされている。

 イタリア爆撃機
  ・BR20:スペイン内戦にも参加した旧式爆撃機。
       なんと、日中戦争の際には日本軍が輸入した当機を使っているが、評判の方は…
  ・SM79:イタリア軍の主力となった爆撃機。かなり頑丈で、ボコられても平気な様子はまさにSM。
  ・P108:イタリアが完成させた四発爆撃機(エンジンが4つ)。
       日本は最後まで四発爆撃機を造れなかったので、存在するだけでも凄いとしておこう。
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    | さすが、芸術家の国だな。
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         | まあ、言うほど性能も悪くなかったってのが実際のとこなんだが…
         | つーか、日本もイタリアを笑える状況じゃないし。
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| こうしてイギリスの頑強な抵抗の前に、ヒトラーは英国上陸作戦を延期。
| 事実上、イギリスがバトル・オブ・ブリテンに勝ち抜いたんですよ。
| ヒトラーはイギリスをほっぽって東のソ連に目を向け、独ソ戦が始まります。
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    | 今度の敵はソ連か。
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         | 本当はイギリスを放置した訳じゃないんだが、細かい事情は省略する。
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| 東部戦線(対ソ戦)では、バトル・オブ・ブリテンで英戦闘機に食われまくっていたJu87も再び大活躍。
| 制空権があれば大活躍し、制空権が無ければ容赦なくボコボコにされるのはこの種の爆撃機の特徴ですね。
| ドイツ軍は破竹の勢いで、モスクワに向かって駆け上がります。
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 独ソ戦初日の6月22日だけで、ソ連空軍は1200機の航空機を喪失(うち800機は地上で撃破)。
 余りの数の多さに、ドイツ空軍総司令官ゲーリングはこの戦果を信じなかったという。
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    | うおっ、すげぇ…!
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         | とは言え、ドイツ空軍はバトル・オブ・ブリテンのダメージが残る…
         | と言うか、ほとんど回復してない。
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| しかしソ連は、失った数以上の航空機を瞬時に生産。
| ソ連の軍需工場は遥か後方で、ドイツ爆撃機での攻撃は不可能。
| それだけが原因ではないですが、ドイツの攻勢はモスクワ間近でストップします。
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    | ソ連が押し返してきたんだな。
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         | こうして、以後は泥沼の戦いへ。
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| さて、この時期のソ連の軍用機は…
| 36,163機という航空史上トップの生産数を誇るIl-2「シュトルモビク」が目立ちますね。
| これは、ドイツのJu87と同じタイプのピンポイント攻撃用爆撃機です。
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 ・Il-2
  「空飛ぶ戦車」、「黒死病」などと呼ばれ、ドイツから恐れられた爆撃機。
  低空攻撃性能が極めて高く、凄まじく頑丈。
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    | こういうタイプの爆撃機って、現在の攻撃機みたいだな。
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         | むしろ、爆撃機がこっち(軽量でピンポイント攻撃)方面に進化していったのが現代の攻撃機だ。
         | 現代の爆撃機は、この時代の重爆撃機ってとこだな。
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| 1943年になると、次第にソ連空軍が優勢に、ドイツ空軍が劣勢になっていきます。
| その頃にはソ連も優秀な航空機を多数開発。例えばYak-9は、戦後も幾つかの国で用いられた優良機ですね。
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 ソ連の戦闘機
  ・Yak-9:第二次大戦後期の主力戦闘機で、低高度ではドイツ戦闘機と互角以上に戦えた。

 ソ連の爆撃機
  ・Pe-2:ソ連の誇る爆撃機で、高速性能が極めて高い。
         ドイツ各地の軍事施設を徹底的に爆撃し、ヒトラーの脱出すら不可能な状況に追い込む。
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    | ここらへんの機体、全然聞いたことないや。
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         | ソ連機(に限らず第二次大戦時のソ連軍)、余りに過小評価され過ぎな傾向があるな。
         | 連中の最大の武器は物量ではあるが、それしか能が無かった訳では決して無いぞ。
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| さらに1944年には、フランスのノルマンジーにアメリカ・イギリス連合軍が上陸。
| ドイツは、西の英米軍と東のソ連軍から挟まれるカタチになってしまいます。
| では、欧州戦に参加したアメリカ軍の戦闘機を見てみましょうか。
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 ・P-36:登場時は優秀な戦闘機だったが、第二次大戦時は既に旧式化。様々な国にレンタルされる。
 ・P-38:特異な外見で「双胴の悪魔」と呼ばれ、一撃離脱戦法が大の得意。
 ・P-39:19個もの致命的欠陥を抱えた戦闘機だが、ピンチ時のソ連に供給されれありがたがられる。
      攻撃力や防御力は高い為、ロシア人は他の欠陥をあまり気にしなかったようだ…
 ・P-40:P-36の後継機で、強靭で生産性に優れる。地味だが優秀な戦闘機で、他国にもレンタルされた。
 ・P-47:脅威の重武装とタフさが特徴の、まさにアメリカンな重戦闘機。
      アメリカのパイロットにはとにかく受けが良かったようだ。
 ・P-51:第二次大戦中最優秀と言っても過言ではない超優良戦闘機。
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    | こんなのが大挙して押し寄せてきたら、ドイツもいよいよヤバいか…
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         | P-38やP-39などは、イギリスやソ連にレンタルされて早くから欧州戦線に姿を見せていた。
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| さらに、アメリカ陸軍の爆撃機。
| この頃にはドイツ空軍の力も低下しきっていて、これらの爆撃機に太刀打ちできませんでした。
| もうこの時期にもなると、ドイツの敗北は決まったようなものでしたね。
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 ・B-17:戦前に登場した四発大型爆撃機。総合的に優れた性能を持つ。
 ・B-24:アメリカ最高の生産機数を誇る四発大型爆撃機で、B-17の後継。
      B-17より爆弾搭載量は多いが戦闘能力は低く、米軍にはB-17が、英軍にはB-24が好まれた。
 ・B-25:地味ながら優良な双発中型爆撃機で、地中海や太平洋において艦船攻撃に暴れ回った。
 ・B-29:言わずと知れた超優秀爆撃機であり、もはやオーバーテクノロジーに近い。
      登場時にはヨーロッパ方面の勝負は決まっていた為、対日本戦で用いられた。
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    | なんて豪華な陣容…
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         | アメリカ重爆撃機の特徴は、とにかく防御力が高いこと。
         | 単に防弾性能が高いだけじゃなく、機銃などの防御火器も極端に数が多かった。
         | まさに、航空機というより「空飛ぶ要塞」だな。
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| この頃になると戦闘機の出力は大幅にアップして、かなりの余裕が出てきました。
| そこで、アメリカ軍はP-38やP-47などの戦闘機に爆弾をブラ下げてみたんですよね。
| 普段は軽爆撃機として活躍し、敵戦闘機に遭遇した場合は重い爆弾を捨てて対空戦闘…
| こうした「戦闘機+爆撃機」の運用が想定された航空機を「戦闘爆撃機」と言います。
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 ・戦闘爆撃機
  爆弾の運用を可能にした戦闘機。
  主にアメリカやイギリスが使用し、ドイツからは「ヤーボ」と呼ばれて恐れられた。
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    | 新機種… って言うか、余裕が出てきた戦闘機の別任務追加バージョンか。
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         | 戦闘機に爆弾をブラ下げるってのは、この時代が初めてじゃなく前例もある。
         | だが、本格的に戦闘爆撃機が活躍し始めたのはこの時期だな。
         | また、別に英米の専売特許って訳じゃなくドイツも戦闘爆撃機を運用してる。
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| そして、イギリス機にも新たなメンツが。特に目を引くのは木製航空機のモスキートですね。
| 「木製…? 第一次大戦じゃあるまいし…」と採用を渋るイギリス空軍の中の人を尻目に、
| 下手な金属性航空機より強度が高く、かつ修理が楽。速度性能も高く、様々な任務に転用されました。
| 「永遠の万能機」と呼ばれ、イギリス優良兵器の1つとされています。
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 戦闘機
  ・タイフーン:イギリスの導入した戦闘爆撃機で、8発の地上攻撃用ロケットはドイツ軍兵士を恐怖に陥れた。
          パンターやティーガーなどのドイツ戦車を次々と葬り、「アニマルキラー」と呼ばれる。
  ・モスキート:木製の双発戦闘爆撃機で、対空戦闘や爆撃、偵察も可能の万能機。

 爆撃機
  ・ランカスター:イギリスの切り札である重爆撃機で、脅威の爆弾搭載量を誇る。
           ドイツのことごとくを都市を廃墟に変え、「勝利の爆撃機」としてイギリス人の誇りとなった。
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    | ほほう。
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         | イギリス爆撃機の特徴は、とにかく大量の爆弾が搭載できる事。その分、防御には難があった。
         | だから昼間爆撃はアメリカ爆撃機、夜間爆撃はイギリス爆撃機と使い分けられてたな。
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| さらに各国は、「ジェット機」という従来の概念をブチ壊す戦闘機を出してきました。
| プロペラがないくせに、レシプロ機より速くカッ飛ぶ飛行機ですね。
| この当時はジエット・エンジンに問題が多くて、レシプロ機に対して圧倒的優位って訳でもありませんが。
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 ・ドイツのジェット戦闘機
  Me262:世界で初めての実用ジェット戦闘機。ドイツ本土防衛に大活躍したが、数が足りなかった。

 ・イギリスのジェット戦闘機
  ミーティア:1944年に実戦配備され、本国防衛に活躍。
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    | 別に、ジェット技術はドイツの専売特許じゃなかった訳か。
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         | 当然ながらアメリカも、そしてイタリアでさえもジェット技術に手をつけているぞ。
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| まあそういう訳で、ドイツは東西からボコられて敗北します。
| 次回は太平洋戦争における航空機事情と、戦後から現代に至るまでをやりましょうか。
| …もしかしたら1回では済まずに、2回に分けるかもしれませんね。
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   第35回兵器史・航空兵器の歴史2 〜第二次大戦中の航空兵器〜

                        完
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    | そういえば、アメリカ海軍やイギリス海軍関係が出てこなかったな。これらは次回か。
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         | また、Fw190や夜間戦闘機、ドレスデン爆撃には一切触れなかったが…
         | これらは、独立した講義でやるかもしれないな。
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