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| ガダルカナル島を巡る戦いは進行中。
| 日本は緒戦の海戦には勝利したものの、上陸部隊にダメージは与えられませんでした。
| こうして、陸海空で半年に渡る泥沼の戦いが繰り広げられます…
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第十五回兵器史・「金剛」型戦艦(なつやすみ特別企画・太平洋戦争史8)
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| なんか… このスレ、1人で埋めてないか?
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| あくまで期間限定。眉をしかめる人もいるだろうが…
| こんなペースでやるのは「なつやすみ特別企画」の間だけなんで、
| 夏厨が来たとでも思って御勘弁を…
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| さて、今回は「金剛」型戦艦の紹介。
| この「金剛」型戦艦4隻は、太平洋戦争に参加した12戦艦の中で最も古いものです。
| それでいながら、太平洋戦争で最も活躍した日本戦艦でもあるんですよ。
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太平洋戦争において、ほとんどの戦艦が活躍できなかった。
「金剛」型戦艦は、その例外だと言われる。
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| 確かに、今までの講義で戦艦はほとんど出てこないな。
| 顔を出したと思ったら、何もせずに帰るし…
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| 戦艦の攻撃射程は、空母より遥かに劣るからな。
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| 時代は、第一次世界大戦前の1910年代初頭。日本は、イギリスに1隻の巡洋戦艦を発注します。
| この頃は日英同盟も健在で、日本海軍はイギリス海軍の弟子みたいな時代でした。
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・巡洋戦艦
戦艦並みの攻撃力(主砲)を備えた大型巡洋艦。
決して、巡洋艦並みの速度を備えた戦艦ではない事に注意。
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| 板書解説の1行目と2行目、どう違うんだ…?
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| 要は、巡洋戦艦の防御力は巡洋艦並みだったって事だ。
| 第一次大戦最大の海戦、ジュットランド海戦ではそれがネックになる。
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| こうして、イギリスで「金剛」型戦艦1番艦の「金剛」が完成する事になるのですが…
| 日本ではイギリスから建造中の「金剛」の図面を取り寄せ、自国でも同型艦3隻を建造します。
| 日本の戦艦建造技術はまだまだ未成熟であった為、経験を積む必要があったんですよ。
| なお、この時期のイギリスの軍艦建造技術は世界でもトップレベルです。
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「金剛」:イギリスのビッカース社によって建造。
「比叡」:横須賀工廠(国営)で建造。
「榛名」:神戸川崎造船所(民間)で建造。
「霧島」:長崎三菱造船(民間)で建造。
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| 民間の造船会社にも作らせたんだな。
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| 欧米に追いつく為に、とにかく経験値稼ぎだ。
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| そして、「金剛」型は1913〜15年にかけて次々に完成。
| 卓越した高速性能に、35.6cmという世界でも最大級の主砲。
| 「金剛」型4隻は、世界レベルを上回る性能を誇る傑作艦となりました。
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『金剛』型巡洋戦艦(完成直後のデータ)
・全長:214.6m ・全幅:28.0m ・吃水:8.38m ・常備排水量:20,823t ・乗員:1221名
・最大出力:64,000hp ・最大速度:27.5kt ・航続距離:8000浬/14kt
・武装:45口径35.6cm連装砲4基、50口径15cm単装砲16基、40口径7.5cm単装砲12基、
53cm魚雷発射管8門
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| イギリス、よく自分とこのより強力な巡洋戦艦建造を許可してくれたな。
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| イギリスは、最新鋭の技術をまず輸出用の艦で試すんだよ。
| その技術の効果が実証されてから、自国向けの艦に取り入れるんだ。
| /`ァ /ヽァ /ゝァ / \ァ、ロ、ロイヤルネイビー!!!!!
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| この「金剛」型4隻、なんと30年に渡って現役であり続けます。
| 当然ながら、その間に近代化改装が繰り返されましたが…
| ここで、完成当時の写真を見ておいてください。
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・「金剛」型巡洋戦艦(Ver.1915)
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h88000/h88376.jpg
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| なんか、殺気が漂ってないなぁ…
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| 改装を繰り返すにつれて、ナイフみたいに尖っては触る者みな傷つけるぞ。
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| ヨーロッパが第一次世界大戦に巻き込まれたときには、イギリスが「金剛」型を貸してくれとまで言ってきます。
| 日本側が断ったために実現しませんでしたが…
| さて、1922年にはワシントン条約が結ばれ、戦艦及び巡洋戦艦の新造が禁止されます。
| こうして後身が生まれなくなり、「金剛」型は引退できなくなりました。
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ワシントン条約締結までの日本の戦艦開発
「扶桑」型:「扶桑」(1915年11月8日完成)、「山城」(1917年3月31日完成)
「伊勢」型:「伊勢」(1917年12月15日完成)、「日向」(1918年4月30日完成)
「長門」型:「長門」(1920年11月15日完成)、「陸奥」(1921年10月24日完成)
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| 「長門」型戦艦については、今は亡きギコ教授が講義してくれたな。
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| この後は、条約明けに「大和」型戦艦2隻が完成するのみ。
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| 条約によって新戦艦が作れなくなった以上、既存の戦艦を改装する事になりました。
| 「金剛」型4隻に施された改良点は、こんなところですね。
| 1931年には、「金剛」型巡洋戦艦は「金剛」型戦艦に艦種変更されます。
| 防御力を強化した分、速力が落ちちゃったんですよ。
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「金剛」型一次改装(1924〜1931年)
・主砲の仰角アップ(より上が向ける)。これにより、射程距離が増加。
・高角砲(対空兵装)の増強。
・艦橋機能の強化。
・水上偵察機の搭載。
・防御力がアップ → その分、速力は若干ダウン。
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| 1924〜1931年って、やけに時間がかかってるな。
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| 1隻の改装が3〜4年はかかるし、4隻同時に改装する訳にもいかないからな。
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| で、これが一次改装後の雄姿。
| なおこの時期、「比叡」は練習戦艦になってますね。
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・「金剛」型戦艦(Ver.1931)
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h85000/h85900.jpg
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h90000/h90772.jpg
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h44000/h44616.jpg
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h89000/h89175.jpg
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| なんか、艦橋が育ってきたような…
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| 改装を重ねるごとに、日本戦艦の艦橋は違法建築のごとくそびえ立っていくんだ。
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| 1934年には、「金剛」型の第二次改装が始まります。練習戦艦「比叡」も、正規戦艦として復帰。
| さらに「比叡」は、検討段階の戦艦「大和」に用いられる新型装備が試験的に搭載されます。
| だから「比叡」の艦橋は、姉妹艦3艦と違って「大和」型に面影が似てるんですね。
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「金剛」型二次改装(1934〜1940年)
・主砲がさらに仰角アップ。射程距離がさらに増加。
・艦橋機能をさらに強化。
・機関を変更し、速力が格段にアップ。
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| 1934… いよいよ戦争が近付いてきた時期か。
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| 速力が格段に増加したのは大きく、これが太平洋戦争で最も活躍した戦艦の要因となるんだ。
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| そして、この二次改装の状態で「金剛」型は太平洋戦争に突入します。
| その性能は、もはや新造時とは別物でした。
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『金剛』型戦艦(二次改装後のデータ)
・全長:219.34m ・全幅:31.04m ・吃水:9.60m ・常備排水量:36,314t ・乗員:1,437名
・最大出力:136,000hp ・最大速度:30.3kt ・航続距離:9,800浬/18kt
・武装:45口径35.6cm連装砲4基、45口径15.2cm単装砲14基、40口径12.7cm連装高角砲2基、
25mm連装機銃10基、水上偵察機3機
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| ホントに、違う艦みたいだな…
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| それでも、防御力には若干の不安が合ったが。
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| これが、「金剛」型のラストスタイル(正確には、戦争中に僅かに改装)。
| 初期とは違い、近寄ったらひどい目に合いそうな殺気がムンムン出ていますね。
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・「金剛」型戦艦(Ver.開戦時)
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h50000/h50903.jpg
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h73000/h73077.jpg
ttp://www.history.navy.mil/photos/images/h44000/h44614.jpg
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| 日本戦艦の外観って、なんか独特だな…
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| とにかく、殺気が凄まじいんだ。
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| そして、何度も言ったように「金剛」型は太平洋戦争において大活躍。
| といっても従来のように海戦の花形ではなく、空母部隊の護衛や支援。
| それを可能にしたのは日本戦艦最速を誇る速度性能と、そしてかなりの老齢という事実。
| ぶっちゃけ、日本海軍は「金剛」型は沈んでもそんなに惜しくないと考えていたんです。
| だから雑務とかにも惜しみなく投入され、結果的に大いに貢献する事になったんですよ。
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空母からなる機動部隊は全体の速力が高く、これに随伴できる速力を有した戦艦は「金剛」型のみ。
さらに艦齢が古い事もあって、前線への投入も躊躇無し。
来るべき艦隊決戦に使われる「大和」や「長門」は温存。
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| 要は、壊れてもあんまり惜しくないから、働かせまくったって事か。
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| 「大和」や「長門」は日本海軍の象徴。雑務に放り込んで沈みでもしたら、シャレにならない。
| その分、「金剛」型なら惜しくは無いから、躊躇無く最前線に投入された。
| 結果的に「大和」や「長門」は出し惜しみされ、まともに使われなかった一方で、
| 「金剛」型は地味ながら活躍する事になるんだ。
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| そしてアメリカにとっても、極端に強力ではないものの、あちこちに顔を出す「金剛」型は非常にウザく…
| とうとう、対「金剛」型の新型高速戦艦を開発する事になるんですよ。
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「金剛」型への対抗措置:「アイオワ」級戦艦
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| そんなに嫌がられてたのか…
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| 「金剛」型が暴れ出したら、アメリカには対処できる艦が無いからな。
| 無論、空母優勢が明らかになってなかった頃の想定。
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| さて… こうして、時代は前回の講義まで辿り着きます。
| 第一次ソロモン海戦において、連合海軍を叩きのめした日本海軍。
| その勢いに乗って、日本陸海軍はガダルカナル島奪還を目指します。
| 1942年8月16日には、南雲中将率いる第3艦隊が出撃。
| その目的は、ガダルカナル島(以下、ガ島)奪還部隊の上陸支援です。
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第3艦隊(南雲忠一中将)
空母「翔鶴」、「瑞鶴」、「龍驤」、戦艦「比叡」、「霧島」
重巡洋艦「熊野」、「鈴谷」、「利根」、「筑摩」、軽巡洋艦1、駆逐艦11
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| 結局のところ、南雲機動部隊の生き残りだな。
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| 南雲機動部隊ってのは、あくまで臨時編成。第3艦隊は正式な編成だ。
| 今回の講義のメインである「金剛」型戦艦も、2隻が護衛に付いているぞ。
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| そして陸軍一木支隊916人が、6隻の駆逐艦に乗って8月18日にガ島に上陸。
| しかし敵は2000人と推定していたのに、なんと1万2千人。歯が立つはずがありません。
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8月18日:一木清直大佐率いる部隊、ガダルカナル島タイボ岬に上陸。西の飛行場へ向かって移動開始。
8月19日:アメリカ軍、日本が残した飛行場を完成させる。ヘンダーソン飛行場と命名。
8月20日〜21日:一木支隊、真夜中をもって米軍基地に一斉攻撃開始。
数でも装備でも上回るアメリカ海兵隊の反撃は凄まじく、たちまち壊滅。
8月21日:アメリカ戦車6両と航空機による攻撃が一木支隊を襲う。勝負は決し、一木大佐は自決。
一斉攻撃参加者約800人のうち、777人が戦死。なお、アメリカ側の死者は34人。
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| うわぁ…
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| 一木支隊のうち128人は、上陸地点に残って後続部隊を待っている。
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| その一方、ガ島奪回と輸送船団護衛の為に島へ接近する第3艦隊。
| 24日には、空母「龍驤」と重巡洋艦「利根」、駆逐艦2隻を分離、ガ島空襲に向かわせます。
| 無論、周囲の海域にはアメリカ艦隊も展開。こうして、第二次ソロモン海戦が勃発するのです。
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海域には、空母「エンタープライズ」、「サラトガ」、「ワスプ」の3隻が存在。
しかしフレッチャー中将は数日以内にソロモンで海戦は起きないと判断、「ワスプ」を燃料補給に向かわせる。
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| 第3艦隊、そんな簡単に戦力を分散して良いのか?
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| 結果として、大失策だったな。
| 軽空母1隻と僅かな護衛だけで敵警戒圏に突っ込ませた… そのツケは重かった。
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| ガ島空襲に向かう空母「龍驤」、重巡「利根」、駆逐艦2隻。
| そして、その遥か背後から作戦をカバーする空母「翔鶴」、「瑞鶴」、その他艦艇。
| さらに別行動として、一木支隊の増援隊を上陸させる為の輸送船も2隻いました。
| その周囲を、1隻の軽巡洋艦と11隻の駆逐艦が護衛。第8艦隊とは別ルートでガ島へ近づきます。
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増援部隊
軽巡洋艦「神通」、駆逐艦11
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| つまり、日本軍は3手に分かれていたと。
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| もうひとつ同海域で行動してた艦隊があったんだが、余り絡んでこないので省略。
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| そして7時50分、アメリカの索敵機に「龍驤」が発見されてしまいました。
| 一方「龍驤」は、10時ちょうどに攻撃地点へ到達。10時20分にはガ島へ攻撃部隊が飛び立ちました。
| しかし「龍驤」発見の報を受けたアメリカ側も行動を開始。
| 11時45分には、「サラトガ」から「龍驤」攻撃の為の部隊が発進します。
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7時05分:米軍索敵機、ガダルカナル島に接近してくる空母「龍驤」を発見。
10時20分:「龍驤」からガダルカナル島へ攻撃部隊(零戦6機、九七式艦攻6機)が発進。
10時29分:空母「エンタープライズ」より、29機の索敵機が発進。
11時45分:空母「サラトガ」から「龍驤」へ、攻撃部隊(SBD急降下爆撃機30機、TBF艦上攻撃機8機)発進。
12時10分:「エンタープライズ」からの索敵機、「龍驤」を発見。その位置を母艦に報告。
12時30分:「エンタープライズ」からの索敵機、「翔鶴」と「瑞鶴」を発見。
電波状況の悪化による通信混乱で、アメリカ空母から「翔鶴」、「瑞鶴」への攻撃部隊は発進せず。
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| 逃げてー! 「龍驤」、逃げてー!!
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| 板書にもある通り、「龍驤」の発見直後に「翔鶴」と「瑞鶴」も見つかった。
| しかし電波状況の悪化が原因で、攻撃部隊は「翔鶴」と「瑞鶴」を無視する形になった。
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| 12時25分には、ようやく日本側の索敵機がアメリカ艦隊を発見。
| 「龍驤」と別行動を取って背後に控えていた空母「翔鶴」から、即座に第一次攻撃隊が飛び立ちます。
| 一方13時50分、「龍驤」に「サラトガ」からの攻撃部隊が襲来。
| 魚雷1発と爆弾4発を食らい、4時間後の18時ちょうどに「龍驤」は沈没してしまいます。
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12時25分:重巡「筑摩」からの索敵機がアメリカ艦隊を発見。
12時30分:「龍驤」からガダルカナル島へ飛び立った攻撃部隊、ヘンダーソン飛行場を爆撃。
零戦2機、九七式艦攻3機が撃墜。
12時55分:「瑞鶴」からアメリカ艦隊へ第一次攻撃隊(零戦10機、九九式艦爆27機)が発進。
13時50分:「龍驤」に「サラトガ」からの攻撃部隊が襲来。魚雷1発と爆弾4発を受ける。
14時08分:「龍驤」、航行不能。
14時10分:ガダルカナルを空襲した攻撃部隊が帰還。「龍驤」への収容は不可能で、海上に不時着。
18時00分:「龍驤」沈没。
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| 日本の空母が、また1隻…
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| 軽空母を単独行動させた失策で、これは流石に擁護できない…
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| さて「龍驤」が回復不能なダメージを受けていた頃…
| 「翔鶴」から飛び立った第一次攻撃隊がアメリカ艦隊を攻撃、「エンタープライズ」に3発の爆弾を食らわせます。
| しかし「エンタープライズ」はしぶとく、沈没はしませんでした。
| 1時間も経たずに飛行甲板を修理、そのまま海域を去ってしまいます。
| こうして、第二次ソロモン海戦は終わりました。
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14時00分:空母「瑞鶴」からアメリカ艦隊へ第二次攻撃隊(零戦9機、九九式艦爆18機)発進。
14時02分:空母「エンタープライズ」のレーダーが、接近してくる日本軍第一次攻撃隊をキャッチ。
迎撃の為、F4F戦闘機53機が発進。
14時20分:第一次攻撃隊、アメリカ艦隊を発見。
14時38分:第一次攻撃隊、アメリカ艦隊に対し攻撃開始。空母「エンタープライズ」に爆弾3発が命中。
しかし「エンタープライズ」は早急に機能回復、そのまま戦闘海域を離脱。
この際の対空戦闘により、零戦3機、九九式艦爆17機が撃墜。
16時12分:「瑞鶴」から発進した第二次攻撃隊、アメリカ艦隊を発見できず母艦へ帰還。
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| こっちは、沈められなかったのか…
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| アメリカの軍艦のダメージコントロール(損傷からの復旧、以下ダメコン)は卓越していた。
| ダメコンの意識は、日本とアメリカで天と地ほどの差があったんだ。
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| さて、一木支隊の増援部隊、及びその輸送船の護衛艦はどうなったかというと…
| ガダルカナルから発進したSBD急降下爆撃機とB-17爆撃機の攻撃を受け、
| 25日には輸送船1隻と駆逐艦1隻が沈んでしまいます。
| この被害により増援部隊は転進、ガ島上陸を諦めます。
| 日本側の戦略目的は果たせず、完璧な戦略的敗北と言えますね。
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日本側の損失
沈没:空母「龍驤」
空母機59機喪失(半分以上は、「龍驤」と共に沈んだもの)
アメリカ側の損失
中波:空母「エンタープライズ」
空母機20機喪失
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| なんか、完全に負けたなぁ…
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| 「エンタープライズ」は修理に回され、太平洋で活動可能なアメリカ空母は
| 「ホーネット」、「サラトガ」、「ワスプ」の3隻になってしまった。
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| こうして日本は大規模な輸送作戦を諦め、高速の駆逐艦でコソコソとガ島に人員や物資を送る事になります。
| 日本側は自嘲を込めて「ネズミ輸送」、アメリカ側は「トーキョー・エクスプレス」と呼びました。
| そんな8月31日、日本側に思わぬ戦果が。
| 珊瑚海をパトロールしていた空母「サラトガ」が、日本軍の潜水艦「伊-26」によって大ダメージを受けました。
| 「サラトガ」は全治3ヶ月の重症で、アメリカにとっても忙しい時期に入院してしまいます。
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「サラトガ」は入退院を繰り返し、「肝心なときにいない空母」と言われる。
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| 潜水艦、怖いなぁ…
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| 以前に少しだけ触れたが、「サラトガ」は1月11日に潜水艦「伊-6」に襲われ入院。
| そして、6月に復帰したばかりなんだ。それを退院早々通り魔に襲われて再入院…
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| さらに9月15日、空母「ワスプ」も潜水艦「伊-19」に葬られてしまいます。
| こうして、太平洋で動ける空母は「ホーネット」のみに。
| アメリカ海軍にとって、非常に辛い局面が訪れました。
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「伊-19」は「ワスプ」に6本の魚雷を発射、3本が命中。
外れた魚雷は1kmもの距離を進み、なんと戦艦「ノースカロライナ」と駆逐艦「オブライエン」に偶然命中。
「ノースカロライナ」は中破し、「オブライエン」は沈没。
アメリカは、その時に2艦の近くにいた「伊-15」の攻撃だと判断。
この驚くべき事実が明らかになったのは、戦後から20年も経っての事である。
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| 潜水艦、怖いなぁ…
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| この時期の日本の正規空母は、「翔鶴」と「瑞鶴」の2隻。
| しかし日本は、改造型空母をいっぱい所持していた。
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| さて… 第二次ソロモン海戦で散々な目に合った日本軍は、大規模輸送を諦め、
| 闇夜にまぎれてガ島にコソコソと駆逐艦で人員を送ります。
| のべ20隻以上の駆逐艦を用い、5回に分けられて陸軍川口支隊3000人がガ島に上陸。
| 日本側はガ島のアメリカ軍を5000人と見積もってましたが、実際は以前より増えてて1万8千人。
| 9月13日に川口支隊はヘンダーソン飛行場に一斉攻撃を掛けますが…
| 装備に勝る6倍の兵力に勝てるはずがありません。川口支隊は壊滅し、ジャングルの中で散り散りに。
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川口支隊はバラバラに攻撃をかけた為、ジャングルで迷って敵にすら会えないという部隊が続出。
結果的に一木支隊の時とは異なり、、戦死者は3000人中の700人と損耗率は低かった。
しかし以後は補給が追いつかず、兵達を悲惨なまでの飢餓が襲う。
ガダルカナル島はその頭文字を取って、「餓島」と呼ばれた。
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| なんか、小部隊を送り込んでは全滅、ってのを繰り返してるなぁ…
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| なお、米軍の死者は31人… あと、川口少将は生きてるぞ。
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| そして陸・海だけではなく、空での戦いも繰り広げられていました。
| ガ島から最も近いラバウルから、日本の航空隊が連日のように出撃。
| ヘンダーソン飛行場から迎撃に上がるアメリカ戦闘機と激戦を繰り広げていました。
| まだまだ零戦神話は健在。アメリカ側の主力P-39やP-40は充分に食える相手だったんですが…
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一番近いといっても、ラバウルとガダルカナルは約1000km離れていた。
零戦の長大な航続力をもってしても、往復時間を引けば15分の交戦がギリギリ。
ラバウルから3時間かけてガダルカナルに到着、15分ほど戦って、また3時間掛けて帰投するという厳しさ。
さらにアメリカ側の補給力は凄まじく、敵戦闘機を落としても落としても数が減らない。
零戦パイロットは心身共に疲労し、徐々に落とされていった。
ガダルカナルを含むソロモン海域は、「パイロットの墓場」もしくは「零戦の墓場」と呼ばれる。
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| 空の戦いも、徐々に旗色が悪くなっていったんだな。
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| このラバウル航空隊には、撃墜王として名高い坂井三郎氏も所属していたぞ。
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| 一木支隊、川口支隊の相次ぐ全滅… ここで陸軍は、ようやく簡単な戦いで無い事を認識します。
| そこで、陸軍第2師団(約2万人)を始め、戦車・装甲車75両や大量の火砲をガ島に上陸させる事になりました。
| 以前2回を遥かに上回る兵力と装備で総攻撃を掛け、一気に潰してしまおうという計画です。
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| 簡単な戦いで無い事を認識… って事は、今まで簡単な戦いだと思ってたのか。
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| 米軍の意図が読みきれてなくて、アメリカ本気の反抗作戦だとは思ってなかった。
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| 10月3日から9日にかけて、例のネズミ輸送で第2師団先遣隊が上陸。
| しかしネズミ輸送でドでかい火砲を上陸させるのは不可能なので、火砲上陸作戦がスタートします。
| 10月11日、火砲を載せた輸送船と水上機母艦2隻、駆逐艦6隻で編成された輸送部隊がガ島に向かいます。
| それを支援するのは、第一次ソロモン海戦で「加古」が抜けた第6戦隊。
| 夜中に第6戦隊がヘンダーソン飛行場に艦砲をブチ込み、その隙に火砲を上陸させてしまおうという計画ですね。
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第6戦隊(五藤存知少将)
重巡洋艦「青葉」、「衣笠」、「古鷹」、駆逐艦2
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| 「古鷹」型・「青葉」型重巡4隻で編成されてたやつか…
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| 第一次ソロモン海戦で縦横無尽に大活躍、帰りに「加古」が敵潜水艦に殺られた部隊だ。
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| しかし、アメリカは日本艦隊の出現を予想。きっちり網を張っていました。
| 10月11日11時45分、周囲をパトロールしていたB-17が日本の輸送部隊を発見します。
| こうして、サボ沖海戦がスタートしました。
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巡洋艦部隊(ノーマン・スコット少将)
重巡洋艦「サンフランシスコ」、「ソルトレイクシティ」
軽巡洋艦「ヘレナ」、「ボイス」、駆逐艦5
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| ああ… また待ち伏せ…
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| まあ、激戦区だからな。
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| そして日が落ち… 21時25分、アメリカ側はレーダーで第6戦隊を捉えます。
| 一方第6戦隊の方は、21時33分にサボ島付近を通りました。
| 10分後の21時43分、先頭艦の「青葉」は前方に3隻の艦影を確認。
| 当然ながら敵艦だったんですが、「青葉」は味方の輸送部隊だと誤認してしまいます。
| 21時46分、「青葉」は3隻の艦影に向かって発光信号を送りました。
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21時25分:軽巡「ヘレナ」のレーダーが、第6戦隊を捕捉。
21時33分:第6戦隊がサボ島を確認。
21時43分:旗艦「青葉」、前方に3隻の艦影を確認。友軍と誤認。
21時46分:「青葉」より「ワレアオバ」という内容の発光信号を送る。
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| それ、敵――!! 逃げて――!!
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| しかも、向こうはレーダーによってこっちの存在を把握してた。
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| 敵艦から、唐突に「ワレアオバ」と自己紹介されたアメリカ艦隊。
| すかさず一斉砲撃を「青葉」に食らわせます。
| 艦橋や射撃指揮所、第2主砲、第3主砲と次々に被弾し、たちまち「青葉」は戦闘力喪失。
| 21時50分、「青葉」は撤退の為に反転します。
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かなりの乱戦状態となったため、アメリカ側の駆逐艦3隻は場所取りに失敗。
アメリカ艦隊と第6戦隊のちょうど真ん中に位置してしまう。
両軍からの砲弾を受け、駆逐艦「ダンカン」は炎上。駆逐艦「ファーレンホルト」にもアメリカ側の砲弾が直撃。
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| でも、「青葉」の沈没は免れたんだな。
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| 「青葉」艦橋にいた第6戦隊司令である五藤少将は、この時の傷が元で翌日に戦死。
| 最期まで同士討ちだと思い込み、「あの馬鹿者が…」と言っていたそうだ。
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| そして「青葉」をかばうように、重巡「古鷹」が先頭へ出ました。
| 「古鷹」はすかさず重巡「ソルトレイクシティ」に命中弾を食らわせます。
| しかしカウンターで砲弾を食らってしまい、自艦の魚雷に引火。凄まじい火災が発生しました。
| 状況不利と見た重巡「衣笠」は、回避運動を取りつつ軽巡「ボイス」に攻撃。
| さらに、たまたま近くにいた駆逐艦「ダンカン」に魚雷をブチ込んで葬ります。
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| まさに、乱戦状態だな…
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| 向こうのレーダー射撃も正確だ。
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| 砲火を散らせながら、撤退運動に移行する第5戦隊。
| しかし、追いすがるアメリカ艦隊は炎上する重巡「古鷹」に砲撃を集中。凄まじいダメージを受けます。
| 一方「衣笠」は、撤退しながらも軽巡「ボイス」に命中弾を与え、
| それをかばうように前へ出てきた重巡「ソルトレイクシティ」にも砲弾を命中させます。
| しかし重巡「ソルトレイクシティ」の働きによって、軽巡「ボイス」は戦闘海域からの撤退に成功しました。
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駆逐艦「吹雪」にもアメリカ艦隊の攻撃が集中、22時13分に沈没。
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| 「衣笠」、超かっこいい。
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| 撤退しながらの激しい戦闘、そして次々に落伍者が…
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| 戦闘は乱れに乱れ、同士討ちを恐れたスコット少将は22時20分に追撃中止。
| こうして第5戦隊は、何とか撤退に成功します。
| しかし戦闘海域を離れたものの、集中攻撃を浴びた「古鷹」のダメージは大きく…
| 翌日の0時28分、沈没してしまいました。
| 一方、最初に集中攻撃を浴びた「青葉」は、ボロボロになりつつも帰還を果たしています。
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| 「古鷹」、傷ついた「青葉」をかばうように集中攻撃を受けたんだよな…
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| これで、第5戦隊に残された重巡は「青葉」と「衣笠」。半分になっちまった。
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| こうして、サボ沖海戦は終わりを告げます。
| 第一次ソロモン海戦とは打って変わり、夜戦が得意なはずの日本側がレーダーの前に破れる結果となりました。
| この海戦は、アメリカが初めてレーダー射撃を用いた戦闘でもあったんです。
| なお第5戦隊がアメリカ艦隊を引き付けたおかげで、輸送部隊は無事にガ島に到達。
| 火砲の上陸には成功しています。まあ、これで必要な火砲が全部って訳じゃありませんがね…
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日本側の損害
沈没:重巡洋艦「古鷹」、駆逐艦「吹雪」
大破:重巡洋艦「青葉」
小破:重巡洋艦「衣笠」
アメリカ側の損害
沈没:駆逐艦「ダンカン」
大破:軽巡洋艦「ボイス」、駆逐艦「ファーレンホルト」
小破:重巡洋艦「ソルトレイクシティ」
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| 派手にやられたなぁ。
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| 戦略目標は達成したが、戦術的には敗北… 珊瑚海海戦と逆のパターンだな。
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| そしてサボ沖海戦が行われたのと同日の10月11日、日本海軍の前線基地であるトラック島から、
| 戦艦を中心とした艦隊が出港します。目的地は、当然ガ島。
| 挺身攻撃隊と名付けられたこの艦隊の任務は、戦艦の艦砲によるヘンダーソン基地の砲撃でした。
| 「金剛」型が選ばれたのは、優れた速度性能、そして沈んでもあまり惜しくないからです。
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挺身攻撃隊(栗田健男中将)
戦艦「金剛」、「榛名」、軽巡洋艦1、駆逐艦9
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| 空母優勢のこの時期に、戦艦だけを投入するのって危険じゃないか…?
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| 危険だからこそ、山本五十六長官のこの発案に栗田健男中将は反対した。
| しかし山本長官は戦艦「大和」に乗って、自らこの計画を強引に実行しようとする。
| 栗田中将は慌てて山本長官を押しとどめ、自分が戦艦を率いて行くと進言したんだ。
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| 余談ですが… ミッドウェイ作戦の大敗以降、山本五十六長官は危険な作戦に身を置きたがります。
| その時期の彼の手紙にも、「早くあっちに行きたい」といった文がちょくちょく見られるようになったとか。
| ミッドウェイ以後、彼はまるで死に場所を探していたような感じさえしますね…
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| 責任感、か…
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| そして、あの1943年4月18日も…
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| 挺身攻撃隊は、唯一の空母「サラトガ」やアメリカ艦隊の目を盗み、10月13日には奇跡的にガ島に接近。
| 23時36分、攻撃位置に到達した戦艦「金剛」が艦砲射撃を開始。2分後、戦艦「榛名」も砲撃を実行。
| いかに空母に花形を奪われたとはいえ、戦艦主砲の攻撃力は絶大。
| ヘンダーソン飛行場は炎上し、アメリカ兵は突然の出来事にパニック。
| 飛行場に並んでいた航空機も次々に吹っ飛び、作戦は大成功。
| 1時間30分、砲弾1000発に及ぶ砲撃を終えた挺身攻撃隊は、即効でその場を後にします。
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この攻撃で、アメリカは54機の航空機を喪失。
飛行場設備もボロボロで、燃料や爆弾もほとんどが消失。
アメリカは被害を即座に把握し、上陸作戦における戦艦砲撃の有効性を痛感。
自軍の戦術に組み込み、後に日本軍を苦しめる事になる。
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| 自軍が編み出した戦術に苦しめられる… これも日本軍のサガか。
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| アメリカはしばらくの間、飛行場の復旧や飛行機の補充に追われる。
| 日本はすかさず、ガ島への輸送を活発化させた。
| まあ空母「ホーネット」からの攻撃を食らい、上陸地点で物資が燃えちまったがな。
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| これは、太平洋戦争における数少ない日本戦艦の活躍例となりました。
| 思いっきり独断と偏見ですが、私的には日本戦艦が戦艦らしく活躍したのは4回だと思いますね。
| しかも、うち1回は戦後…
| あくまでも独断と偏見なので、「ガンビアベイ」沈めたじゃないかとか言わないで下さい。
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1.戦艦「金剛」、「榛名」のヘンダ―ソン飛行場砲撃。
2.第三次ソロモン海戦における、戦艦「霧島」と戦艦「サウスダコタ」の殴り合い。
(太平洋戦争における、唯一の戦艦同士の砲撃戦)
3.レイテ沖海戦において、艦隊の盾となって敵の攻撃を全て受け、力及ばず沈んだ「武蔵」。
4.戦後における「長門」を用いた核実験。
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| 「大和」の沖縄特攻は…?
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| ありゃ意味不明の作戦だ。
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| さて、今回の講義はこの辺で終わりましょうか。
| 次回はアメリカの「サウスダコタ」級戦艦、及びアメリカの戦艦事情を講義します。
| ガダルカナルを巡る激突も、次回で終着する予定ですね。
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第十五回兵器史・「金剛」型戦艦(なつやすみ特別企画・太平洋戦争史8)
完
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| 「サウスダコタ」… アメリカの戦艦か。
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| 「サウスダコタ」は、アメリカ最強の呼び名も高い戦艦だな。
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