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| さて… 前回は、第一次世界大戦の最中にロシア革命が発生したところまで講義しましたね。
| こんな経緯で成立したソヴィエト政府は、これ以上第一次世界大戦に関わりたくありませんでした。
| そこで1917年の12月、ドイツに講和を打診します。
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| 必死で戦っているイギリス・フランスを差し置いて、自分だけ一抜けしようとしたモナね。
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| そもそも戦争継続に反対だったレーニンを、ドイツが極秘裏に支援していたと言われている。
| ロシア革命は、ドイツにとっても美味しい出来事だったんだ。
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| しかし、講和交渉は凄まじく難航。
| 「賠償金も領土割譲もない和平」なんてソ連の主張を、ドイツ側は飲むはずがありません。
| そしてドイツ側が提示した条件も、ソヴィエト外相トロツキーは受け入れませんでした。
| とうとうトロツキーは、一方的に交渉の打ち切りを宣言します。
| これは、何としてもドイツと講和したいというレーニンの方針に反する、トロツキーの独断でした。
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| なんで、トロツキーはそんなムチャな事を?
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| 彼は、ロシア革命に賛同するヨーロッパの労働者達が一斉決起すると思ってたんだ。
| そのあては、思いっきり外れたがな。
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| これにキレた同盟側は、瞬く間にウクライナとバルト海沿岸を占領。
| さらに、ドイツの艦隊がペテルブルグに迫ります。
| 生まれたばかりの赤軍には、これに抵抗するほどの力はありません。
| 仕方なく、レーニンとトロツキーの連名で「以前に提示された条件を受け入れます」という電報を送ります。
| これに対してドイツは、「それじゃ納得できん。もっと厳しい条件で」と回答してきました。
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| 最初の時、素直に要求を受け入れていれば…
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| レーニンはこの状況をみて、
| ドイツの要求を呑む以外にソヴィエトが生き残る道は無いと判断した。
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| ロシアは、ドイツが提示した講和条件を受け入れる他にありませんでした。
| 以前より、さらにロシアに対して厳しくなった講和条件…
| その内容は、もはや降伏と同レベルでした。
| トロツキーの独断は、ソヴィエトにとって滅茶苦茶に痛い結果となったんです。
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・ブレスト・リトフスク条約(1918年3月3日)
三国同盟側と、ソヴィエト1国の単独講和条約。
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| こうして、ソヴィエトは第一次世界大戦から脱落したモナね。
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| この条約で、ソ連が失った領地は膨大だ。
| フィンランド、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、ウクライナ、他にもいっぱい。
| 結果的に同盟国側が敗北したことで、この条約は破棄されるんだが…
| 向こうに渡った領地は、ことごとく国家として独立してしまう。
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| さらに、勝手に戦争を抜けたソヴィエトに対して、仲間であった連合軍側はカンカン。
| 「あのヤロウ、なめた真似しやがって… やっつけちまえ――!!」って事で、連合軍がソ連に乗り込みます。
| これが、シベリア出兵ですね。
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・シベリア出兵(1918年8月〜1922年10月)
単独講和したソ連に対し、イギリス、フランス、アメリカ、日本などが出兵。
名目はチェコ兵救出で、本当の目的は社会主義政権の打倒。
さらに白軍(旧ロシア時代の軍人達が集まった武装戦力)の反乱もあり、
ソヴィエトは外国からの干渉戦争と白軍による反乱戦争を同時に戦わなければならなくなった。
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| 連合軍の本当の目的は、社会主義政権の打倒…?
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| フランス革命の時もそうだったが… 革命ってのは、権力者にとって最も怖いものだからな。
| 真似するヤツが出てこないうちに潰しときたかったんだ。
| …ってか、実際はいろんな大国の思惑が絡んでるんだが。
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| さらに、ソヴィエト内部の権力闘争も熾烈になってきました。
| ソ連崩壊後の内部文章によって明らかになったのですが、レーニンもかなり大規模な粛清を行っています。
| 後にスターリンが実行する大粛清も、レーニンの前例を踏まえたものだったんですよ。
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| 結局繰り広げられるのは、虐殺と粛清モナね…
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| そして白軍は、監禁されていた旧ロシア皇帝ニコライ2世に接触しようとする。
| それに対してレーニンは、ニコライ2世を家族ごと皆殺しにした。
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| そういう状況で、新たにロシア軍を編制しなおし、精強な軍隊に鍛え上げたのはトロツキー。
| 彼の指導により、ソヴィエト政府が有する軍隊『赤軍』は強力な軍隊となります。
| 赤軍は各地で頻発する反革命運動や、後に解説する連合国による干渉軍と戦い、勝利を収めました。
| その創設者であるトロツキーは、レーニンの後継者でもあったのですが…
| 後に権力を握ったスターリンによって殺されてしまいます(間接的に殺害)。
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1918年1月8日、「労働者・農民赤軍の組織に関する布告」により赤軍創設。
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| なんで、赤モナか?
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| 革命によって流された血の色をイメージしていて、いわばシンボルカラーだな。
| 日本での社会主義者への蔑称も、「アカ」って言うだろ?
| ソヴィエトでの反乱軍が白軍って呼ばれてるのも、赤に反抗するからだ。
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| このゴタゴタは第一次世界大戦後も続くわけですが…
| 何とか、ソヴィエトは白軍、連合軍との戦いに勝利しました。
| 『赤軍の父』トロツキーが前線の兵達を鼓舞して回ったって言うのは、伝説的な逸話になってますね。
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| ほう。
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| 前線に頻繁に顔を出す司令官ってのは、兵達の信頼をガッチリ掴むもんなんだ。
| そしてトロツキーは兵達の絶大な信望を集め…
| それを危険視したスターリンに暗殺されたんだがな。
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| しかし日本は他国が兵を引き上げた後も残り、1922年10月まで赤軍と戦い続けました。
| これが、領土的野心を疑われる結果になっちゃいます。
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シベリア出兵で、日本が兵を最後まで引き上げなかった原因
・日本の国家システムである立憲君主制と、社会主義は相反していた。
・ソ連は、地政学的に日本の脅威となる国家である。
・尼港事件により、退くに退けなかった。
・実際に、領土的野心があった…?
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| 最後の項目は、どうモナか…?
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| まあ、事実なんだがな。
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| では、1918年に入ってからの兵器を見ていきましょう。
| …と言っても、このキャメルは1917年から登場してましたがね。
| イギリスの生んだこの超優良戦闘機は、第一次世界大戦期のイギリスを代表する機体でもあります。
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・ソッピーズ・キャメル
脅威の運動性能を誇り、格闘戦に強い複葉戦闘機。
その分機体の安定性に欠け、新人パイロットの事故が相次いだ。
この機に乗って死んだ者のほとんどは戦死ではなく事故死であり、付いたあだ名は殺人飛行機。
しかし、実力者が扱えば無類の強さを発揮した。
・全長:5.72m ・全幅:8.53m ・全高:2.59m ・自重:421kg ・全備重量:659kg
・最大速度:185km/h ・航続時間:2時間30分 ・上昇限度:5,790m ・乗員:1名
・エンジン:クレルジェ 130HP ・武装:7.7mm機関銃×2
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| 航空機の格闘戦って、どんなのモナか…?
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| 格闘戦ってのは、接近しての撃ち合いなんだが…
| 相手の背後とかに移動したり、巧みにバックを取り合ったりと、運動性能が命なんだ。
| だから、単純なスピードよりも旋回性能が非常に重要になる。
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| 次も、イギリスの複葉戦闘機。
| この辺の機体は、第一次世界大戦最強クラスですね。
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・SE5a
頑丈で速度性能に優れた重戦闘機だが、その分小回りが利かず格闘戦には向かない。
飛行が安定している為に操縦性が非常に良く、エースにも好まれた。
・全長:6.37m ・全幅:8.11m ・全高:2.89m ・自重:635kg ・全備重量:886kg
・最大速度:201km/h ・航続時間:2時間30分 ・上昇限度:6,700m ・乗員:1名
・エンジン:イスパノスイザ 200HP ・武装:7.7mm機関銃×2
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| キャメルと相反する性能モナね。
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| 速度が優れ、旋回性能が劣る重戦闘機は、一撃離脱戦法が非常に取りやすい。
| 第二次世界大戦も含むほとんどのエースは、一撃離脱戦法型だな。
| 意外に思われるかも知れないが、格闘戦型のエースってのは非常に少ない。
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| 次に、フランスが第一次世界大戦末期に開発した戦闘機。
| このスパッド13も、非常に優秀な重戦闘機ですね。
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・スパッド13
フランスの生んだ傑作重戦闘機で、一撃離脱に適している。
第一次大戦最終期のイギリス軽戦闘機がキャメル、重戦闘機がSE5aとなっているように、
フランスでは軽戦闘機がニューポール28、重戦闘機が本機。
なお、日本陸軍が最初に本格導入した戦闘機も本機である。
・全長:6.20m ・全幅:8.25m ・全高:2.4m ・自重:不明 ・全備重量:856kg
・最大速度:218km/h ・航続時間:2時間 ・上昇限度:不明 ・乗員:1名
・エンジン:イスパノスイザ 200HP ・武装:7.7mm機関銃×2
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| この頃のフランス航空機ってのは、輝いてたモナね。
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| 後には、脚光が当たらなくなったみたいな言い方だな…
| まあ、間違ってはいないんだが。
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| 同時期に登場したフランス軽戦闘機が、ニューポール28。
| 同じ時期に主力機が2種類あったせいで、活躍も半々になっちゃってますが。
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・ニューポール28
珍しい一半葉方式を採用した、ニューポールシリーズの最終型。
非常に軽快で、格闘戦に優れている。
・全長:6.30m ・全幅:8.16m ・全高:不明 ・自重:不明 ・全備重量:689kg
・最大速度:205km/h ・航続時間:2時間 ・上昇限度:不明 ・乗員:1名
・エンジン:ノーム 160HP ・武装:7.7mm機関銃×2
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| 一半葉方式ってのは確か、下葉が上葉の半分しかないタイプモナね。
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| そう。
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| さて、連合軍の戦闘機はこの辺にしておいて… 次はドイツを見てみましょう。
| イギリスのキャメルのライバルとされているのが、フォッカーDr.1です。
| 3枚羽根という珍しいスタイルを持つ優雅な機体で、あのリヒトフォーヘンの愛機でもありますね。
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・フォッカーDr.1
ドイツでは珍しい3葉機で、脅威の運動性と上昇力を誇る。
リヒトフォーヘンの愛機であり、最後の乗機としても有名。
・全長:5.77m ・全幅:7.19m ・全高:2.95m ・自重:406kg ・全備重量:586kg
・最大速度:185km/h ・航続距離:300km ・上昇限度:6,100m ・乗員:1名
・エンジン:Oberursel UR2 110HP ・武装:7.9mm機関銃×2
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| ドイツが生んだ、バリバリの格闘戦専用機モナね。
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| 美しい外観だな。
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| そしてドイツ戦闘機の切り札が、フォッカーD7です。
| ドイツ最良機との誉れも高いですね。
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・フォッカーD7
ドイツが第一次世界大戦中に生産した最良の戦闘機。
性能的に他国より群を抜いていたわけではないが、非常に安定した飛行性能を誇る。
・全長:5.72m ・全幅:8.53m ・全高:2.59m ・自重:421kg ・全備重量:659kg
・最大速度:185km/h ・航続時間:2時間30分 ・上昇限度:5,790m ・乗員:1名
・エンジン:BMW.3 185HP ・武装:7.9mm機関銃×2
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| まさに、ドイツ戦闘機最後の煌き…
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| だったはずが…
| その優秀さが認められて、アメリカやヨーロッパ各国で生産されてる。
| よっぽどの優良機じゃないと、こんな扱いは受けんわな。
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| さて… 航空機はこの辺にして、陸戦兵器の話をしましょうか。
| ドイツが戦車そのものの開発に四苦八苦していた頃、イギリスでの戦車運用法は1歩進んでいました。
| 戦車を軽戦車と重戦車の二種類に分け、それぞれ違う役割を果たせようというものです。
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・重戦車:読んで字の如く、重装甲・重武装の戦車。その分、機動性を犠牲にしている。
従来のように塹壕を突破する役割が主。
・軽戦車:重戦車に対し、軽装甲・軽武装だが機動性が高い。
重戦車が敵陣を切り開き、軽戦車が高速を活かして追撃戦を行うという戦術を想定。
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| 攻防に優れるがスピードは遅い重戦車と、速度は速いが攻防はやや頼りない軽戦車モナね。
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| 平たく言えば、そういうことだな。
| 一般に兵器ってのは、平均的な性能を持たせるより目的特化型の方が効果的だ。
| だが柔軟な対処が出来なくなったりと、それはそれでマズい一面もあるが。
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| 重戦車としては、従来の菱形戦車シリーズの流れを汲むMk.V戦車。
| 相変わらず菱形ですが、性能は以前より向上しています。
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・Mk.V戦車
菱形戦車シリーズの最新版。
1人で操縦できるようになった事が、最も大きな改良点であった。
・全長:8.047m ・全幅:4.115m ・全高:2.645m ・重量:29t ・乗員:8名
・最大出力:150hp ・最大速度:7.4km/h ・航続距離:72.4km ・装甲厚:6〜12mm
・エンジン:リカード 液冷ガソリン
・武装:(雄型)23口径6ポンド戦車砲×2、8mm機関銃×4
(雌型)8mm機関銃×6
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| まさに、イギリス軍菱形戦車の決定版。
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| そして、菱形戦車は姿を消していく。
| もはや、鈍重なだけの戦車が活躍できる時代じゃなくなった…
| 技術と戦術ってのは、本当に日進月歩だな。
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| そして、軽戦車であるMk.A。
| これは、撤退していく敵軍を追撃する為に開発されました。
| 菱形戦車とコンビを組み、第1次世界大戦後半のイギリス軍のスタンダードとなります。
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・Mk.Aホイペット中戦車
撤退する敵への追撃の為に開発された軽量な戦車。
後に『軽戦車』や『騎兵戦車』と呼ばれるカテゴリーを築いた。
・全長:6.09m ・全幅:2.61m ・全高:2.74m ・重量:14.22t ・乗員:3名
・最大出力:90hp ・最大速度:12.8km/h ・航続距離:64km ・装甲厚:5〜14mm
・エンジン: 直列4気筒液冷ガソリン ・武装:14mm重機関銃×4
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| 騎兵戦車…?
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| 馬に乗った兵… 騎兵が、かつては追撃戦を担当してたんだ。
| 騎兵と同じ役割をこなす戦車だから、騎兵戦車。
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| その頃のフランス軍は… 故障が相次いでいたシュナイダー突撃戦車の後釜として、
| サン・シャモン突撃戦車が使われていました。
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・サン・シャモン突撃戦車
フランスが開発に成功した2番目の戦車。
電気式の変速・操向装置を搭載しており、非常に画期的…
だったはずが、この新システムに故障が相次ぎ、停止したところをドイツ軍に狙い撃ちにされた。
・全長:8.827m ・全幅:2.667m ・全高:2.362m ・重量:24t ・乗員:8名
・最大出力:90hp ・最大速度:8.52km/h ・航続距離:60km ・装甲厚:5.5〜17mm
・エンジン:パナール 直列4気筒液冷ガソリン
・武装:36口径75mm加農砲M1897×1、8mm重機関銃M1914×4
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| フランス戦車、なんか故障ばっかり。
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| 新しい技術にチャレンジしようとすれば、こんなもんさ。
| それに、戦車の故障が相次いでたのはどこの国でも同じ。
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| しかし、ふがいないフランス戦車に救世主が!!
| フランスの一流自動車メーカーであるルノー社が、非常に優秀な軽戦車を開発します。
| 「イギリスで流行ってるみたいだけど、軽戦車なんて興味ネーヨ」と言っていたフランス陸軍上層部も、
| その高性能を目にした途端メロメロに。
| また、無限軌道に全周旋回式砲塔を搭載… つまり、現在の戦車の形状の基礎となった戦車です。
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・ルノーFT17軽戦車
フランスのルノー社が開発した優良な軽戦車。
最初は機関銃を搭載していたが、後に戦車砲搭載型がメインとなった。
この戦車を量産する為、今までのフランス戦車は全て量産が中止されている。
第1次世界大戦後は15カ国以上の国に輸出され、各国の戦車開発の礎となった。
・全長:4.84m ・全幅:1.74m ・全高:2.12m ・重量:6.7t ・乗員:2名
・最大出力:35hp ・最大速度:7.72km/h ・航続距離:35km ・装甲厚:8〜22mm
・エンジン:ルノー 直列4気筒液冷ガソリン
・武装:8mm重機関銃M1914×1、のちに21口径37mm戦車砲SA18×1
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| どこの国も、みんなこの戦車の形状をマネするようになったモナね。
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| まあ、この戦車がでた途端にこぞって模倣したって訳じゃないんだがな。
| 試行錯誤しているうちに、どこの国の戦車もこの形状に落ち着いたといった感じだ。
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| さて… ドイツはすかさずイギリスの戦車思想をパクり、軽戦車や重戦車の開発を開始しました。
| まず、ドイツが開発した軽戦車LK-1。
| LK-1はあくまで軽戦車の試作であり、本格的な改良型のLK-2を主戦力に予定していたのですが…
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・LK-1
イギリスの戦車思想を真似て作ったドイツ製の軽戦車で、軽量な分大量生産に向く。
1918年に試作車が完成。基本的な構造は、イギリスのMk-Aに似ている。
・全長:5.486m ・全幅:2.006m ・全高:2.493m ・重量:6.89t ・乗員:3名
・最大出力:60hp ・最大速度:12km/h ・航続距離:不明 ・装甲厚:8mm
・エンジン:ダイムラー液冷ガソリン
・武装:7.92mm機関銃MG08×1
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| イヤな予感が…
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| 戦車開発に乗り気でないドイツ上層部も、これにはかなり期待してたようだ。
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| LK-1の完成を受け、改良型であるLK-2の開発が開始されたのですが…
| 試作車が完成しただけで、量産は間に合いませんでした。
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・LK-2
LK-1の改良版で、砲塔型と機銃搭載型の2タイプが存在。
傾斜した装甲を多用しているため、LK-1より耐弾性が上がっている。
終戦後に10両が完成し、スウェーデンにドナドナされた。
・全長:5.105m ・全幅:1.975m ・全高:2.493m ・重量:8.75t ・乗員:3名
・最大出力:55hp ・最大速度:18km/h ・航続距離:65km ・装甲厚:8〜14mm
・エンジン:ダイムラー液冷ガソリン
・武装:26口径5.7cmゾコル加農砲×1、または7.92mm機関銃MG08×1
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|やっぱり、間に合わなかったモナか…
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| まあ、そんなモンだな。
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| そして重戦車としては先程紹介したA7V、さらに大型のKワーゲンを開発に取り組みましたが…
| 結局、完成は間に合いませんでした。
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・Kワーゲン
ドイツの開発した、陣地突破用の超重量戦車。その外見は、まるで巨大なローラーである。
2両が製作中だったが、そのまま終戦。
・全長:12.978m ・全幅:6.096m ・全高:2.871m ・重量:148.t ・乗員:22名
・最大出力:1300hp ・最大速度:7.5km/h ・航続距離:不明 ・装甲厚:10〜30mm
・エンジン:ダイムラー直列6気筒液冷ガソリン×2
・武装:7.7cm加農砲×4、7.92mm機関銃MG08×7
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| …むしろ、完成が間に合ったドイツ戦車って?
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| A7Vだけ。その代わりにイギリスのMk-IVやMk-Aを鹵獲し、自軍のものとして使用している。
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| そしてこの頃から、ようやくドイツでも戦車部隊が編制され始めました。
| と言ってもドイツ製戦車A7Vはほとんど数が無いので、鹵獲兵器(敵から奪い取った兵器)を多用します。
| こうして1918年2月から、ドイツ戦車部隊の編制が本格化しました。
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・ドイツで鹵獲兵器を扱う際の、主な改修
Mk-IV:6ポンド砲 → 57mm砲
8mm機関銃 → 08/15機銃
Mk-A:8mm機関銃 → 08/15機銃
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| 借り物の戦車を運用したモナか…
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| ドイツ人、使えるモノは何でも使う。
| 国産のA7Vより、鹵獲されたイギリス戦車の方が配備数は多かったんだ。
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| さて、第一次世界大戦の方に視点を戻しましょう。
| ドイツ参謀総長ルーデンドルフは、この時期には連合側の講和を蹴り続けています。
| 連合側は、ベルギーを解放すれば講和してやらんでもないって言ってたんですがね…
| ルーデンドルフはベルギーに執着していたかと思えば、後の作戦の都合であっさり捨てる事になるんです。
| 政治的に奪われるのは承諾できないが、作戦的な投棄なら問題ない…
| 本当に、ルーデンドルフの頭の中はどうなってたんでしょうか?
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| 作戦の事しか頭にないモナね…
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| 作戦で捨てるくらいなら、講和の条件として政治的に使うのが遥かに有効な策…
| ってか、本末転倒以外の何でもない。
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| そんな中、ブレスト・リトフスク条約の締結によって、1918年の3月にロシアが身を引きます。
| そうなると、東部戦線で戦っていた兵力を西部戦線に回せるようになりますね。
| そこで参謀次長のルーデンドルフは、イギリス・フランス軍に対して最後の大攻勢作戦を実行します。
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・カイザーシュラハト(1918年3月21日〜7月21日)
ルーデンドルフは、ロシアの撤退によってヒマになった東部側のドイツ兵を西部戦線に一気に移す。
これにより、大攻勢が可能に。
カイザーシュラハトとは『皇帝の戦い』を意味し、このドイツ軍の最後の春季攻勢を指す。
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| まさに、最後の大攻勢モナね。
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| アメリカ遠征軍の到着が目前に迫っていた。
| 攻勢を掛けるなら、今しかないとルーデンドルフは思ったんだ。
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| この『皇帝の戦い』でドイツが用いたのは、ブルシロフ攻勢においてロシア軍が見せたやり方…
| 浸透戦術に、さらにドイツ的な改良を加えたものです。
| これを自軍に取り入れ、ブルシロフ以上に使いこなしたルーデンドルフはまぎれもない天才でした。
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・浸透戦術
小規模の部隊に分散し、まずは直接交戦を避けつつ敵の弱点に集中的に侵入する。
そこからさらに後続部隊が入り込み、敵を撹乱させつつ後方へ浸透。
こうして前線を分断し、各個包囲撃破していく戦術。
これには、各部隊の連携と各自の適切な判断が必要となる。
敵陣を破る方法といえばひたすら突撃だった時代において、画期的な戦術である。
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| まぎれもない戦術の天才、そして戦略・政治は素人以下…
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| この浸透戦術、メイド・イン・ドイツだと勘違いしてる人が非常に多いな。
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| まずは、ドイツは敵陣への準備砲撃の有効性を見直したんです。
| これまでの突撃戦術では、突撃前に何日か… 時に1週間に及ぶ準備砲撃を実行していました。
| 敵陣に対してボコボコに砲撃を浴びせた後で、突撃を掛ける…
| この準備砲撃を、根本的に見直したんですよ。
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| 準備砲撃では塹壕にこもってる兵はほとんどやられなかったから、あそこまで戦線が膠着したモナね。
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| 準備砲撃ってのは、敵に対して攻撃開始を知らせてしまうって一面もあったんだ。
| 奇襲という要素を重要視し始めたドイツは、この準備砲撃を根本的に見直すんだ。
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| ドイツは、準備砲撃で敵兵が混乱するのは5分という数字を算出しました。
| これ以上砲撃に時間を掛けると、敵兵が平静を取り戻してしまって逆効果なんです。
| そういう訳で、浸透戦術の際には5分程の砲撃を食らわせ、敵が混乱している隙に『突撃隊』を突っ込ませます。
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| 突撃隊… 重装の兵士達モナね。
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| いや、まるで逆。非常に軽装で、多くの戦闘経験を積んだ少数精鋭だ。
| 彼等は直接交戦を避け、敵陣の弱点をすり抜けて奥へ奥へと侵入していく。
| この突撃隊グループ多数が突っ込んで、水が染みていくように敵陣に浸透していくんだ。
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| 敵陣に浸透した突撃隊は、後方の司令部や連絡機関をズタズタにして指揮系統を混乱させます。
| すると前線の各部隊は孤立し、パニック状態に陥りました。この時点で降伏する部隊も少なくありません。
| あとは、各部隊を包囲して殲滅するだけです。
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| 単純と言えば、非常に単純モナね。
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| 理屈は簡単だが、実行は非常に難しい。
| こちらの突撃隊が少数で分散行動する以上、各個撃破される危険性は常に付きまとうからな。
| だから、各部隊の連携と各自の判断が必要となるんだ。
| 戦闘経験を積んだ兵士が非常に多いドイツだからこそ出来た事だな。
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| では、この浸透戦術を用いた『皇帝の戦い』を見ていきましょう。
| まずは、『ミヒャエル』という作戦名が付けられた第1次攻勢。
| ドイツ軍の勢いは凄まじく、イギリス軍の前線を叩きのめしてしまいました。
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・第1次攻勢『ミヒャエル』(1918年3月21日〜3月28日)
ドイツ軍の勢いは凄まじかったが、独断専行がたたって目的を達成できなかった。
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| ドイツ軍って、威勢の良いのは最初だけ…
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| それは言うな。
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| そして同日、ドイツ初の戦車部隊がとうとう戦場デビュー!
| 1918年3月21日、5両のA7Vと鹵獲戦車によって構成された第11大隊、第12大隊がイギリス側陣地を攻撃。
| 霧の中で行われた攻撃は… 余りにもささやかすぎて、イギリスは攻撃があった事すら気付きませんでした。
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| なんて哀しい…
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| そもそも1917年3月にA7Vが登場して、まるまる1年が経過して初めて本格投入だからな。
| ドイツ側の、戦車に対するやる気の無さがうかがえる…
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| 一方、イギリス軍を叩きのめしたドイツ軍は凄まじい勢いで進軍するんですが…
| ここで、ドイツ名物の現場における独断専行が顔を出します。
| イギリス軍の包囲殲滅が目的だったのに、ドイツ軍はパリへ向かってしまったんです。
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| 敵の首都が目と鼻の先だったから、思わずそっちに行っちゃったモナね。
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| そしてパリに砲撃を加えるんだが、効果は少なかった。
| こうして第1次攻勢は終わり、本来の目的を完全に達成する事は出来なかった。
| それでも、イギリス軍に多大なダメージを与えたがな。
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| さらにドイツ軍は、イギリス軍を攻撃しますが…
| リス川沿いで猛反撃を受け、イギリス軍を破る事は出来ませんでした。
| かなりの深度まで侵攻できたんですが、本来の目標が達成できなかったのでドイツの負けとなります。
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・第2次攻勢『ゲオルゲット』(1918年4月9日〜4月24日)
ドイツ軍による2度目の攻勢だが、イギリス軍とフランス軍の救援に阻まれ失敗。
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| イギリス軍も、異常に粘り強いモナね。
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| イギリスは、土壇場の粘り強さが尋常じゃないからな。
| 第二次世界大戦時も、それは発揮されたし。
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| 第2次攻勢の最終日、ドイツ戦車部隊が2回目の出撃を行いますが…
| この時は、なんとも情けなかった1回目とは打って変わって鮮烈な印象を両軍に与えました。
| 4月24日早朝、戦車大隊がヴィレル・ブレトニューを進撃。その際、イギリス側の戦車隊と遭遇したのです。
| ここに、史上初の戦車同士の戦いが勃発しました。
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・ドイツ軍第3突撃戦車大隊(ヴィルヘルム・ビルツ少尉)
A7V:3両
・イギリス戦車軍団第1大隊A中隊第1分隊(フランク・ミッチェル少尉)
Mk-IV雄型:1両
Mk-IV雌型:2両
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| ウホッ!! 戦車対戦車!!
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| これは、完全な遭遇戦だったんだ。
| さらに、ドイツ側の戦闘参加戦車数はビルツ少尉の乗る1両だけ。
| 残る2両は離れた位置にいたため、戦闘に参加できなかった。
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| 互いに敵を認めたのは、ほぼ同時でした。
| 57mm砲搭載のビルツ少尉のA7Vが、機関銃しか装備していないMk-IV雌型を2両とも撃破します。
| 残ったミッチェル少尉のMk-IV雄型がすかさず反撃。この攻撃は、ビルツ少尉の乗るA7Vに直撃。
| しかし、装甲に防がれて貫通しません。とは言え… その衝撃で、乗員が何人か死んでますが。
| ビルツ少尉は誘爆を恐れて車両脱出を指示、一旦はその場を離れます。
| もう一度その場に帰ってみると、イギリス側戦車の姿はありませんでした。
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・ドイツ側の損害:A7Vが1両中破
・イギリス側の損害:Mk-IV雌型が2両撃破
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| 損害を比較すると、ドイツ側がかなり優勢だったモナね。
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| Mk-IV雄型の砲撃がA7Vに防がれた理由…
| それは、イギリス側の戦車は徹甲弾じゃなく榴弾砲を用いていたからなんだ。
| つまりイギリス側は、戦車による対戦車戦闘を想定していなかったんだよ。
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| さらに同日の夕方にも、ドイツのA7VとイギリスのMk.IVとMk.Aが交戦。
| イギリスのMk-AがドイツのA7Vを破ったものの、ドイツ砲兵によってMk.Aも撃破されてしまいました。
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| いよいよ、戦車同士が戦う世の中になってきたモナね。
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| それでも、この時代の戦車ってのは歩兵支援兵器なんだ。歩兵の支援を戦車がするんだよ。
| その主客が転倒し、戦車の支援を歩兵がするようになるのは、第二次世界大戦勃発後なんだ。
| これ、物凄く重要な。
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| また、1918年4月21日… あの『レッドバロン』リヒトフォーヘンが撃墜されて戦死します。
| 相手は、イギリス空軍のそこそこ名のあるパイロットのロイ・ブラウン。
| しかし、どうも本当は地上からの対空射撃に当たったらしい…
| 色々はっきりしませんが、1人の英雄が死を迎えたことだけは事実でした。
| 最期に乗っていた機体は、赤く塗られたフォッカーDr1。享年は24歳でした。
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| …若いモナね。
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| 彼の撃墜記録は80機でストップしたが、第一次世界大戦でこれを抜く者は現れなかった。
| 偉大な撃墜王の最期だ。
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| さて、『皇帝の戦い』第3次攻勢はパリ陥落を目的に行われました。
| 当然阻止しようとするフランス軍を、ドイツ軍は圧倒的な力で追い散らします。
| いよいよパリは目前… というところで、何とパーシング率いるアメリカ軍が到着。
| アメリカ軍はパリを守って修羅の如く戦い、それに力づけられたフランス軍も加わります。
| 戦闘は6日間続き… とうとう、ドイツ軍は撤退してしまいました。
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・第3次攻勢『ブルーヒャー』(1918年5月27日〜6月2日)
3度目の攻勢によりドイツ軍はパリに迫ったが、援軍として到着したアメリカ軍に阻まれる。
以後はドイツ軍とアメリカ・フランス連合軍の激戦が繰り広げられたが、疲労しきったドイツ軍が撤退。
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| 奴等も、アメリカン・ヒーローのような美味しいタイミングで現れるモナね。
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| この戦いは、ドイツ軍が最もパリまで近付けた戦いだ。
| この第3次攻勢を境に、ドイツ軍の前線は徐々に後退していく。
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| フランス大統領クレマンソーは、ここで鋼のような継戦姿勢を示します。
| 猛虎とあだ名された彼は、フランスを勝利の栄光まで引っ張っていきました。
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「パリの前で、パリの中で、パリを後にしても戦うぞ」
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| ステキ大統領モナね。
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| 「戦争は将軍に任せておくには重大すぎる」って言ったら、
| 「戦争は政治家に任せておくには重大すぎる」って言い返されたり…
| パリ講和会議では、賠償金の取立てを強硬に主張したり…
| 色々と逸話のある政治家だな。
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| ちなみにアメリカ兵は、塹壕対策としてショットガンを多用していました。
| 塹壕内みたいな狭い場所での戦いでは、ショットガンが圧倒的に有利だったんですね。
| まあ、これで殺られた死体は、とんでもなく悲惨なんですが…
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・ウィンチェスター M1897
第一次世界大戦中、アメリカ兵が用いたショットガン。
閉所での威力は猛威を振るい、『トレンチ(塹壕)・ガン』と呼ばれて恐れられた。
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| トリエラたんハァハァ。
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| ショットガンを持ってるアメリカ兵は、捕虜にしてもらえずその場で殺された。
| こういう慣習的に『卑怯』とみなされる武器を持った奴らは、
| 「逃亡を図ったのでやむを得ず射殺」とかいう建前で処刑されてたんだ。
| 狙撃兵も、同様に捕虜にしてもらえずに殺されたな。
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| 4回目ともなると、ルーデンドルフの作戦も稚拙なものになっていました。
| ここまで来ると、もう意地ですね。
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・第4次攻勢『グナイゼナウ』(1918年6月8日〜6月12日)
これまでの攻勢で獲得した地域を繋げる形で進軍したが、連合側に察知され大失敗。
ルーデンドルフは早々に作戦の中止を命じた。
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| とっくの昔から意地だった気も…
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| フランス軍は、ここでFT-17軽戦車を大量投入した。
| その活躍は目覚しかったぞ。やっぱり、呼称は多発したがな。
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| インフルエンザの大流行で、両軍はしばらく麻痺状態になりますが…
| 7月に行われた最後の大攻勢も失敗。もはや、どっちが攻勢を掛けているのかも分からない有様でした。
| 後のドイツを待ち受けているのは、屈辱的な撤退戦のみです。
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・第5次攻勢『マルネ』(1918年7月14日〜7月21日)
『皇帝の戦い』における最後の攻勢。
ドイツ軍はもはやボロボロで、ルーデンドルフの企図した大攻勢はこれをもって潰えた。
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| とうとう、ドイツももうダメモナか…
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| 状況を立て直す力は、もはやドイツには残っていなかった。
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| この5度に渡る大攻勢の進撃は凄まじいものでしたが、
| イギリスの粘り強さ、フランス軍参謀総長ペタンの巧みな戦術、アメリカの参入…
| これに打ち勝つ事は、無理に無理を重ねてきたドイツ軍には不可能でした。
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| 同盟国は不甲斐ないし、ドイツは一国で頑張りすぎたモナね。
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| 以後は、連合側の逆襲が始まるんだ。
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| なんとかドイツの攻勢をストップさせた連合軍は、大反抗作戦を発動。
| 8月8日のアラスの戦いで、イギリスは菱形戦車とMk-A戦車… そして、装甲自動車を投入しました。
| 敵陣を突破するのは戦車の役割で、後方を撹乱するのが装甲自動車の役割。
| 路上では戦車以上の機動力を誇る装甲自動車の活躍により、ドイツ軍はパニックに陥りました。
| 戦車と装甲自動車は、互いの欠点を補完し合う事に成功したんですよ。
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| 互いの欠点を補完…?
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| 戦車の欠点は路上での低機動性、そして小回りが利かないこと。
| 装甲自動車はその点では戦車より優位だが、防御力が余りにも貧弱貧弱ゥ!
| 普通に戦線に投入したら、すぐに撃破されちまう。
| この2種類の戦闘車の特性を、上手く活かせるように運用したんだよ。
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| 鈍重であったはずの機械化部隊が、俊敏に行動して敵陣を撹乱…
| 当時の常識を超えた出来事に、ルーデンドルフはこの8月8日を『ドイツ陸軍暗黒の日』と表現しました。
| ドイツ上層部の戦車軽視思想は、ここに来て消滅します。
| ドイツの敗北は目前。余りに遅すぎたんですがね…
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| 機械化部隊! 夢が広がりんぐなネーミング!
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| 戦車や装甲車によって編制された部隊の事な。
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| 激しい攻勢により、『皇帝の戦い』で失った地域を全て取り戻す連合軍。
| ドイツ軍は再びヒンデンブルグ線にまで下がり、さらにその後方の防御を固めます。
| この頃になると、ドイツ軍では降伏する兵が続出していました。
| そして9月26日には、連合軍の第2期攻勢が始まります。
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| もう、末期的モナね…
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| この時の攻勢のアメリカ軍には、第二次世界大戦で活躍するパットンやマッカーサーもいた。
| マッカーサーは、日本人にとっては敗戦後の方が馴染みが深いな。
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| 9月26日には、連合軍の第2期攻勢が始まります。
| こうなると、さすがのルーデンドルフも本格的に休戦を考え出しました。
| アメリカ大統領ウィルソンの『14ヶ条の提案』を受諾するべきだと、周囲に説得を始めます。
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・14ヶ条の提案(1918年1月8日)
アメリカ大統領ウッドロー・ウィルソンが提案した、14ヶ条の平和原則。
軍備縮小や国際平和機構の設立、植民地問題の解決などを謳っている。
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| これが、講和条件モナか…?
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| いや… 14ヶ条の提案自体は、世界平和を実現する為にはこうしたらいいっていうプログラム。
| この提案を受諾する事によって、休戦に応じる構えがあるっていうポーズを示したかったんだな。
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| ルーデンドルフの説得に対し、いい加減戦争にうんざりしていたヒンデンブルグは承諾。
| しかしルーデンドルフの狙いは、休戦中に戦力を立て直す事にありました。
| 彼は政治的な条約など一切信用せず、ひたすら作戦面での事しか頭になかったんです。
| 外交手段を用いてだまし討ちなどを行うと、どれだけ反感を買うかが分かってなかったんですよ。
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ルーデンドルフがゲルマン精神によって変身した完全参謀とはッ!
ひとつ、無敵なり!
ふたつ、決して妥協したりせず、
みっつ、決して降伏しない。
よっつ、あらゆる作戦遂行能力を兼ね備え、しかもその能力を上回る!
そして、その形は純粋アーリア人のように美しさを基本形とする。
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| これが、完全参謀なのか…!
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| ・参謀としての目的
| 他の参謀は『戦争』に勝つこと。
| だが彼の場合は、自分の思うがままの戦争を創造してゆくことにある。
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| そして休戦交渉が進む中、思わぬ出来事が起こりました。
| 攻勢を掛けていたアメリカ軍が、アルゴンヌで負けたんです。
| ルーデンドルフは態度を一変、休戦を破棄しようとしました。さすがのドイツ首脳部もこれには唖然。
| 皇帝ヴィルヘルム2世は、10月27日にルーデンドルフをクビにしてしまいます。
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| お飾りの参謀総長、ヒンデンブルグは…?
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| ヒンデンブルグは、今まで通り参謀総長の座にとどまった。
| ルーデンドルフの後に参謀次長の席に座ったのは、ヴィルヘルム・グレーナーだ。
| まあ、こいつはあんまり重要人物じゃない… というか、今更どうこうできるような状態じゃない。
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| ドイツのみならず、この頃は同盟側はボロボロでした。
| 降伏ラッシュが相次ぎ、ドイツはますます孤立化しています。
| いよいよドイツ破滅を感じ取った海軍は、破れかぶれに艦隊を出動させようとしますが…
| 出動命令に対して、キール軍港の水兵達が反抗。それは反乱となって全ドイツ中に広がっていきます。
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9月:ブルガリアが降伏
10月:オスマン・トルコが降伏
11月:オーストリアが降伏
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| もう、悲惨の一言…
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| 反乱には民間人も加わり、彼等は皇帝の退位や普通選挙を要求した。
| もう、こうなってくると革命と変わらない。
| ドイツは、ロシア革命に非常に近い状態に陥ったんだよ。
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| 国内で起きた反乱、そして労働者達のデモ…
| このとんでもない事態に、皇帝ヴィルヘルム2世はなんとオランダへ逃亡します。
| 逃亡した国王に代わり、参謀総長ヒンデンブルクが連合国の停戦要求を受諾。
| こうして1918年11月11日、5年に渡った第一次世界大戦は終結しました。
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| やっと… やっと、終わったモナね。
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| 11月11日、休戦協定により全ての戦闘は中止された。
| 連合軍とドイツ軍が睨み合っていた前線では、塹壕から飛び出した両軍兵士が抱き合ったという。
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| この第一次世界大戦で、戦争のスタイルは変わりました。
| 機械兵器による大量虐殺、民間への被害、悲惨な消耗戦…
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「第一次世界大戦以降、戦場から騎士道精神が失われ、戦場は単なる大量殺戮の場と化した」
イギリス海軍大臣ウィンストン・チャーチル(のちイギリス首相)
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| この第一次世界大戦は、今までの戦争とは全然違ったモナね…
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| 板書でもデブが嘆いてるが、第一次世界大戦開始直後と末期でも戦術が全然違う。
| 貴族のスポーツであった戦争が、未曾有の大殺戮劇へと変わっていく過程…
| クリミア戦争や日露戦争でも兆しは見えていたが、決定的にしたのはこの大戦だ。
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| そして、これが第一次世界大戦が引き起こした結果です。
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死者 負傷者 総人口
イギリス 91万人 200万人 4千5百万人
フランス 138万人 426万人 4千万人
ロシア 170万人 495万人 1億6千万人
アメリカ 13万人 23万人 9千2百万人
ドイツ 177万人 421万人 6千5百万人
オーストリア 120万人 120万人 5千百万人
総計 855万人 1880万人
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| イギリスやフランスの死者数は、第二次世界大戦よりも多かった。
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| この数値を見て、『戦争は怖い』とか『戦争はやってはいけない』とかいう感想に帰結するなら、
| こんなに悲しい話はありません。
| 何がこの悲劇を引き起こしたのか… それは、悪意や憎しみなんかじゃないんです。
| この死者数に比類するスケールを持った悪人なんて、世界のどこにもありはしないんですよ。
| それだけは、絶対に忘れちゃダメなんです。
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| ………………………………………………
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| 現場のレベルで見るなら… 戦友の仇とか、いろいろ憎しみは渦巻いてただろう。
| でも、この戦争を引き起こしたのはそんな事じゃなかったんだ。
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| この戦争に愚者は数あれど、これだけの虐殺を引き起こした元凶の悪人なんていませんでした。
| 世界征服を志した独裁者もいなければ、皇帝を神と崇めた狂信者もいません。
| 分かり易い『悪』なんてこの世にはなく…
| 第一次世界大戦は、結局は官僚的思考で拡大していった戦争だったんですよ。
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| そういうものモナね。
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| だからこそ、「一部の悪人が戦争を引き起こす」という思考は危険なんだ。
| 一部の悪人さえいなければ、戦争は起きないと人々が錯覚してしまえば…
| そんな自分達が戦争を引き起こす可能性があるという事に、彼等は気付かない。
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| そして、翌年… 1919年1月18日から、パリ講和会議が開かれます。
| ドイツの講和条件を決めるにもかかわらず、ドイツ代表の姿はありませんでした。
| 戦勝国と敗戦国が講和条件を話し合う従来のスタイルは失われ…
| これ以来、勝者による一方的な断罪が通るようになってしまったんです。
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パリ講和会議(1919年1月18日〜6月)
連合国による、ドイツの処遇を決める会議。
アメリカ大統領ウィルソン、イギリス大統領ロイドジョージ、フランス大統領クレマンソーが中心となった。
ウィルソンの理想主義とクレマンソーの現実主義がぶつかり合い、
その結果として、講和条約草案(ヴェルサイユ条約)が作成された。
なお、日本からは西園寺公望が代表として出席している。
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| いわゆる、勝者による一方的なリンチモナね…
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| ドイツは、ヒンデンブルグが停戦要求を受け入れた時に軍が解体されたも同然だった。
| つまり、連合国側がどれだけ過酷な条件を出してきても、ドイツは呑まざるを得ないんだ。
| 当時の日本は、ドイツ不在の講和会議に疑問を持っていたがな。
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| こうして誕生したヴェルサイユ条約をドイツが調印したのは、1919年6月28日。
| 調印場所は、その名の通りフランスのヴェルサイユ宮殿。
| ドイツ帝国が成立を宣言した場所で、ドイツは無残な敗北を受け入れる…
| これは、連合国による嫌がらせ以外の何でもありませんね。
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・ヴェルサイユ条約(1919年6月28日)
ドイツと連合国との講和条約。
ドイツは巨額の賠償金を課せられ、植民地の全放棄、政体の変革を迫られた。
この講和条約は、賠償というよりも懲罰の意味合いが強い。
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| 6月28日ってのも、サラエボ事件が起きた日と同じ…
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| これも意図的なもので、連合側の嫌がらせ。
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| ヴェルサイユ条約でドイツに課せられた賠償金は、1320億金マルク。
| いくらなんでも無茶苦茶な金額で、連合側からも非人道的とまで言われてますね。
| おまけに、金額の根拠もかなり滅茶苦茶。これをドイツが払い終わるのは、予定では1980年代…
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| 非人道的な賠償額って…
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| こうしてドイツ国民が民族の誇りを傷付けられる中、あの男が救世主のように登場したんだ。
| 世界史上最悪の呼び名高い独裁者、アドルフ・ヒトラーが…
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| またドイツの所有していた植民地は全て蜂起され、その一部は日本委任となります。
| これは、日本参戦の際のイギリスとの約束事でした。
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| 日本がドイツ相手に戦った地域モナね。
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| この事に関して、アメリカは新たに危機感を持ったがな。
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| また、ロシアが第一次世界大戦から抜けた時にドイツと結んだブレスト・リトフスク条約も無効となりました。
| その際の領地… ポーランドやフィンランド、バルト三国は独立してしまいます。
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| ほう。
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| 厄介事の種だな…
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| さらにドイツは、政治体制の転換を迫られました。
| ワイマール憲法を掲げる、いわゆるワイマール体制ですね。
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・ワイマール憲法
ドイツ帝国が崩壊した後に掲げられた憲法。
国民主権を唱え、世界で最も民主的な憲法と言われた。
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| いわゆるワイマール共和国モナね。
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| ドイツ語ではヴァイマルだな。
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| ワイマール体制下で、ドイツは軍備の保有についても厳しい制限を受けます。
| 第一次世界大戦で猛威を振るった新兵器は、ことごとく開発や保有を禁じられました。
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・ドイツが受けた軍備制限
毒ガス、空軍、戦車、潜水艦の保有・開発の禁止。
陸軍の兵力は10万人以下。将校の定員数と服務年限の設定。
歩兵師団は7個、騎兵師団は3個まで。保有する大砲は77mmと105mmのみで、総数や貯蔵弾数も制限。
徴兵制の禁止。参謀本部、陸軍大学の廃止。要塞施設の破壊。
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| もう、ズタボロにされたモナね。
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| ここまでやられると、もはや軍としての活動は不可能だな。
| これは、派手に国土を蹂躙されたフランスの意向だった。
| これでもなおフランスは油断せず、マジノ線というドイツ対策の大防衛線を築いている。
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| 一番の問題点は… ドイツ政府のみならずほとんどのドイツ人が、
| ベルサイユ条約を強制的に結ばされたものだと認識していた事です。
| …ってか、事実としてその通りなんですが。
| ドイツは政策として一時的にこれを受け入れ、来るべき時が来れば破棄する… そんな感覚だったんですよ。
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| 来るべき時が来れば…
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| 実際にワイマール体制が崩れたとされているのは、ヒトラーが再軍備宣言を行った1933年。
| しかし、それ以前にこっそりと再軍備の準備は出来ていた。
| ワイマール体制が始まった直後から、既にドイツは軍を立て直す気だったんだ。
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| 第一次世界大戦の反省を踏まえて、アメリカ大統領ウィルソンは『国際連盟』という組織を提唱します。
| 各国が共同で、平和の為に紛争を解決する… そんな機構が成立し、28カ国が加盟しました。
| 自国議会の反対によるアメリカの不参加、ソ連の除外などの問題も多いんですがね…
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※手を取り合って世界平和に邁進する大国の図
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| 大国が、2つも加盟しなかったモナね。
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| それでも、今の国際連合より遥かに有効に機能してるんだがな。
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| 第28代アメリカ合衆国大統領ウッドロウ・ウィルソン… 彼は、理想に生きた人でした。
| 世界平和や民族自決の理念を世界に訴え、その実現の途中で病に蝕まれ、命を落とします。
| そんな彼の評価も、現代では大きく2分されてますがね。
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| 悪い評価もあるモナか…?
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| 日本の牧野伸顕が出した人種差別撤廃条項を、ウィルソンは反対してるんだよ。
| それどころか、議長権限で否決にしたんだ。自身の選挙の都合でな。
| この1件が、彼の評価に大きく影響する結果となった。
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| こうして世界から戦争がなくなり、真の平和が訪れました――
| これが物語なら、そんな締めで終わるんですけどね。
| 戦争に疲弊した各国を待ち受けていたのは、史上最悪の大戦争だった訳ですが。
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| 第二次世界大戦が起きてしまうモナね。
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| しかも、第一次世界大戦の戦後処理のマズさが原因で。
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| そしてこの時代、そろそろ大国は気付き始めました。植民地なんて、大して儲かりはしない事を…
| むしろ抱え込むだけ赤字になるところも多かったんです。
| 植民地時代は、20世紀に入ってようやく終わりを迎えようとしていました。
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| その植民地が原因で戦争になるなんて、馬鹿らしいと思い始めたモナね…
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| ところが… 周回遅れで、植民地獲得に躍起になる国があったんだよな…
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| もう2度と、あんな悲惨な戦争は起こすまい…
| 第一次世界大戦以後、ある種の戦争アレルギーのようなものが世界を支配していたんです。
| これは、イギリスとフランスに特に顕著でした。
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| そりゃあそこまで酷い大戦争に巻き込まれたら、平和も願いたくなるモナね。
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| ヨーロッパ各国は、2度と戦争に巻き込まれたくない…
| この思いが後にヒトラーに対して譲歩に譲歩を重ねる原因となり、
| その結果起きたのが空前の大戦争… 第二次世界大戦なんだよ。
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| さて… こうして、第一次世界大戦は終結します。
| 次は、第一次世界大戦〜第二次世界大戦の戦間期をやっていきましょう。
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/)/)/)/) スルスルスル…
| 一次大戦終結の1919年から、二次大戦勃発の1939年モナね。
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| この期間にも、軍縮条約やらいいろいろあったからな…
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スルスル… ってか、第一次世界大戦だけでこんなに長いモナか…
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| 第二次世界大戦は、どんな容量になるのか。
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