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| 前回の講義で、第一次世界大戦最初の1年あたりのヨーロッパをやりましたね。
| 西部戦線では、快進撃を続けていたドイツもフランスに抑えられ、膠着状態。
| 東部戦線でのドイツは、ロシアに対してかなり有利な展開です。
| さて… ここで時間を戻して、第一次大戦勃発直後の日本を見てみましょう。
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    | 日露戦争からちょうど10年後モナね。
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         | 元々は、対ロシア同盟だった日英同盟だが…
         | ロシア・イギリス・日本が仲良くなった後も続いていた。
         | 円満な関係である以上、同盟を無理やり解消する理由も無いからな。
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| 欧州での争乱が激化しようとしている8月7日、日本にイギリスからの書状が届きます。
| 日英同盟のよしみで、日本にも中国にあるドイツ植民地を攻めてほしいという事ですね。
| ただちに当時の首相大隈重信の元で緊急閣議が開かれ、対独参戦を決定しました。
| それからしばらくの外交戦ののち、8月23日に日本はドイツに宣戦布告します。
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    同盟による義戦+三国干渉の意趣返し(ドイツに渡った膠州湾の奪回)
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    | 三国干渉… そう言えば、ドイツも一員だったモナね。
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         | イギリスの要請で極東におけるドイツの植民地…
         | 中国山東省や南洋諸島に攻め込んだ戦いを、日独戦争と言うんだ。
         | あんまり聞いた事ないだろうけど。
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| ドイツの植民地は、青島という港町がある膠州湾地域と南洋諸島でした。
| 青島にはドイツ東洋艦隊がいて、例によって要塞化していましたね。
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 ・ドイツ東洋艦隊
   装甲巡洋艦『シャルンホルスト』、『グナイゼナウ』
   軽巡洋艦『エムデン』、『ライプチヒ』、『ニュルンベルヒ』、『カイゼリン・エリザベット』
         (『カイゼリン・エリザベット』は、オーストリア国籍)
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    | 場所は中国モナね。
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         | ヨーロッパが第一次大戦で夢中になっている間に、
         | 日本がどさくさにまぎれてドイツ植民地を奪い取ったなんてよく言われてるが…
         | そもそも青島を攻めたのは連合国の依頼があっての事だし、イギリスとの共同作戦も行ってる。
         | ドイツ植民地の日本による委任統治は、イギリスときっちり話がついてたんだ。
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| 9月2日、帝国陸軍主力部隊が山東省の龍口に上陸。青島要塞に向けて南進を開始します。
| ドイツ兵と激戦を繰り広げつつ、1ヶ月かけて青島の包囲に成功しました。
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 海軍の行動
  第1艦隊:近隣の敵艦隊の捜索。
  第2艦隊:膠州湾の封鎖。
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    | 帝国陸軍はダテじゃない!!
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         | 『カイゼリン・エリザベット』が沖合から砲撃してきて大変だったんだが、
         | 海軍の第2艦隊が膠州湾を封鎖したおかげで、作戦は成功した。
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| それに対し、海上ではドイツ東洋艦隊がとっとと湾を脱出します。
| 海軍は、現在青島にどの艦が残っているのかという情報を早急に集めなければなりません。
| そこで白羽の矢が立ったのが、世界初の水上機母艦『若宮』でした。
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 9月4日、『若宮』が航空作戦を開始。
 その結果、オーストリア巡洋艦『カイゼリン・エリザベット』とドイツ駆逐艦『タークー』、『S90』の存在が明らかに。
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    | おお、役に立ちまくりモナね。
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         | 情報ってのは、最大の武器だからな。
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| また『若宮』から飛び立ったモーリス・ファルマンは、ちょくちょく青島要塞に爆弾を投下しています。
| その際、ドイツ側のタウベと空中戦を繰り広げた事もありました。
| 『若宮』はまるで、青島要塞のそばに設置された仮設基地のようでしたね。
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    | 空中戦を繰り広げたモナか? この頃に戦闘機は無かったんじゃ…
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         | 機銃なんてないから、互いに操縦席から拳銃で撃ち合ったんだ。
         | これはこれで、死ぬほど萌ゑるがな。
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| 一方、膠州湾を脱出したドイツ東洋艦隊は、南太平洋で商船を相手に暴れ回っていました。
| そこで、日本とイギリスは共同作戦でドイツ艦隊の本拠地の1つ、ヤルート島を占領します。
| そして10月29日には、南洋諸島を完全占領する事に成功しました。
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    | 海軍も頑張ってるモナね。
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         | この際、ドイツ東洋艦隊は巡洋艦『エムデン』に別行動を命じている。
         | そして、インド洋をたった1艦で混乱に陥れるんだ。
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| それと同日の10月29日、陸軍は青島要塞を総攻撃します。
| 相変わらず湾上から邪魔してくる『カイゼリン・エリザベット』を、海軍重砲隊が撃沈(正確には自沈)。
| 11月5日、見事に青島を陥落させました。
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    | サックリとやっちゃったモナね。
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         | これをもって、極東地域からドイツ軍を叩き出すのに成功した。
         | 遊撃状態になっている一部の艦を除いてはな。
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| こうして、極東での本拠地をことごとく失った、シュペー中将率いるドイツの東洋艦隊。
| 日本海軍との戦いを避け、本国へ戻る事になったのですが、その途中に2度の海戦が勃発します。
| …って事で、ここから先の話は後でやりましょうか。
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    | 一応、時系列をなるべく優先モナね。
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         | その2度の海戦の結果、シュペー艦隊は全滅してしまうんだが。
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| では、膠着しきった西部戦線に視点を戻しましょう。
| 睨み合うドイツ軍とフランス軍は互いの側面を突こうと両翼に進出し、その先でも睨み合います。
| 回りこみ合戦は横に横にと続いていき、ついに両者は海にまで達してしまいました。
| そこで参謀総長ファルケンハインはイプール付近を強引に突破し、フランス・イギリス両軍の包囲を企みます。
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 ・第1次イプールの戦い(1914年9月26日〜11月13日)
  ベルギーのイプールを巡る、ドイツ軍とフランス・イギリス軍の激突。
  両者とも膨大な死者を出すが、結局ここでも戦線は膠着する。
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    | やっぱり、膠着するモナね…
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         | 『第1次』とある通り、イプールを巡る戦いは何度も繰り返されるんだ。
         | 結局は戦局に変化は無く、死者の数が膨れ上がるだけなんだがな。
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| この第1次イプールの戦いで、とある一兵卒がささやかな活躍をします。
| 彼は重傷を負った上官を背負い、狙撃兵がいる野原を単独で抜けて病院へ駆け込んだんですね。
| 結局上官は亡くなりましたが、ドイツ軍上層部は彼の勇気を称えて功2級鉄十字章を送ります。
| 彼の名は、アドルフ・ヒトラーと言いました。
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    | 後に、総統となる男…モナね。
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         | 彼は一般的な独裁者と違い、兵隊として戦場を駆けずり回った経験があった。
         | だから、負けがこんで壊れる前のヒトラーは軍に対して大きな理解を示していたんだ。
         | 兵卒から見た戦場というのを知っていた、非常に珍しい独裁者だった。
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| そうしてるうちに、楽しい楽しいクリスマスが到来します。
| イギリス軍とドイツ軍は共同でクリスマスツリーを飾り、タバコや食料を交換したり、
| 一緒に歌を歌ったり、チームに分かれてサッカーしたりと楽しみました。
| いわゆるクリスマス休戦ですね。
| これを知ったイギリス・ドイツ両軍上層部は、烈火のごとく怒りますが。
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    | イギリス軍とドイツ軍って、モロに敵軍同士じゃあ…
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         | だから、両軍の上層部がブチ切れたんだよ。
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| では、陸戦は置いておいて海戦の方に視点を移しましょう。
| シュペー中将率いるドイツの東洋艦隊を覚えていますか?
| 日本海軍との戦いを避け、本国へ戻る途中でしたよね。
| 旅路の途中でシュペー艦隊は、イギリス海軍のドイツ海軍捜索部隊に発見されてしまいした。
| 場所はチリのコロネル沖、ここで両国の艦隊がぶつかり合います。
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 ・コロネル沖海戦(1914年11月1日)
   コロネル沖で、ドイツ海軍とイギリス海軍との間に起きた海戦。
   ドイツ海軍が終始優位な展開で、イギリス側の装甲巡洋艦『グッドホープ』、戦艦『モンマス』が沈没。
   その際、イギリス側の指揮官クラドック少将も戦死する。
   軽巡洋艦『グラスゴー』だけが何とか逃げ延び、シュペー艦隊は圧倒的な勝利を飾った。
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    | 戦いの舞台が、世界中に広がってるモナね…
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         | だから、世界大戦って言うんだよ。
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| 両陣営を以下のように板書しましたが、戦艦『カノーパス』と仮装巡洋艦『オトラント』は海戦に参加してません。
| こういう時に暴れ回るのが、戦艦の役割だと言うのにねぇ…
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 ・ドイツ東洋艦隊(マクシミリアン・フォン・シュペー中将)
   装甲巡洋艦『シャルンホルスト』、『グナイゼナウ』
   軽巡洋艦『ニュルンベルク』、『ライプピチ』、『ドレスデン』

 ・イギリス(クリストファー・クラドック少将)
   戦艦『カノーパス』
   装甲巡洋艦『グットホープ』、『モンマス』
   軽巡洋艦『グラスゴー』
   仮装巡洋艦『オトラント』
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    | 『カノーパス』、何してたモナか?
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         | 別行動。慌てて駆けつけた時には、すでに海戦は終わってた。
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| さて、その頃… 巡洋艦『エムデン』はドイツ東洋艦隊と別行動を取り、インド洋で暴れ回っていました。
| 何と言うか、本当に暴れ回っていたんです。
| この1艦の存在により、インド洋の通商はストップ寸前まで追い込まれました。
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  21隻の商船を拿捕、もしくは撃沈。
  インドのマドラスを砲撃し、5万トンの石油タンクを破壊。
  ペナン港を急襲、ロシアの軽巡洋艦『ゼムチュック』、フランスの駆逐艦『ムスケ』を撃沈。
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    | なんて派手な暴れっぷり…
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         | まあ、ドイツ人だからな。
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| これに対し、日本とイギリスは共同で対『エムデン』作戦を発動させました。
| そして11月9日、ココス島の無線所を襲おうとしていたところを発見されます。
| 即効で駆けつけてきたオーストラリア巡洋艦『シドニー』が『エムデン』を攻撃、そのまま撃破しました。
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    | こうして、インド洋は平和になったモナね。
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         | 『エムデン』は非常に紳士的で、沈めた商船に乗っていた中立国の人間を陸地に届けていた。
         | 「ドイツの誰もがミュラー艦長(『エムデン』の艦長)のようだったら、憎まれる事はなかっただろう」
         | 彼の騎士道精神を称え、敵国であるイギリスからもそう囁かれた。
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| さて… コロネル沖海戦で敗れたイギリス海軍、スタディ中将を指揮官とする部隊を送ります。
| その目的は、シュペー艦隊の殲滅。
| フォークランド沖でシュペー艦隊を捕捉したスタディ艦隊は、すかさず攻撃を仕掛けます。
| 1914年12月8日、フォークランド沖海戦が勃発しました。
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 ・ドイツ東洋艦隊(マクシミリアン・フォン・シュペー中将)
   装甲巡洋艦『シャルンホルスト』、『グナイゼナウ』
   軽巡洋艦『ニュルンベルク』、『ライプピチ』、『ドレスデン』

 ・イギリス(ダブトン・スタディ中将)
   戦艦『カノーパス』
   巡洋戦艦『インヴィンシブル』、『インフレキシブル』
   装甲巡洋艦『カーナヴォン』、『コーンウォール』、『ケント』
   軽巡洋艦『ブリストル』、『グラスゴー』
   仮装巡洋艦『マセドニア』
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    | イギリスも、かなり本気モナね…
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         | 巡洋戦艦は、装甲巡洋艦よりも遥かに格上… ってか、直接の発展型だ。
         | 多勢に無勢、中の人の性能だけでなんとかなる格差じゃなかった…
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| 明らかに多勢に無勢と見たシュペー中将、艦隊を二手に分けて逃亡を図ります。
| それに対し、スタディ艦隊もすかさず分散。
| ドイツ装甲巡洋艦2隻VSイギリス巡洋戦艦2隻、ドイツ軽巡洋艦3隻VSイギリス巡洋艦隊という構図になりました。
| 結果的に、両方ともイギリス側が圧勝。シュペー中将も戦死します。
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 ・フォークランド沖海戦(1914年12月8日)
   軽巡洋艦3隻を分離させたシュペー艦隊に対し、巡洋艦5隻を追撃に向かわせたスタディ艦隊。
   残るドイツ装甲巡洋艦『シャルンホルスト』、『グナイゼナウ』に対し、スタディ艦隊は巡洋戦艦2隻で対抗。
   『インヴィンシブル』、『インフレキシブル』の砲撃により、16時17分に『シャルンホルスト』が沈没。
   17時40分には『グナイゼナウ』が沈没し、『シャルンホルスト』に乗っていたシュペー中将も戦死した。
   その場を離れた軽巡洋艦『ニュルンベルク』と『ライプピチ』も、追撃してきたイギリス巡洋艦により沈没。
   何とか逃げ延びた軽巡洋艦『ドレスデン』だったが、3ヵ月後にはイギリス艦隊に見付かり撃沈されている。
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    | イギリス側は損害無し、ドイツ側は全滅…
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         | 射程距離は、装甲巡洋艦よりも巡洋戦艦の方が上だ。
         | シュペーは何とか自艦の射程距離内まで近付こうとしたんだがな…
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| さて… この頃のイギリス海軍にとって、ドイツの飛行船は厄介な相手でした。
| 空からこちらの行動を見張ってくるので、作戦が筒抜けなんです。
| そこでイギリス海軍は、3隻の水上機母艦でドイツのクックスファーヘン飛行船基地を総攻撃しようという事に。
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 水上機母艦『エンガディン』、『リヴィエラ』、『エムプレス』を投入。
 連絡船の改造タイプであったこれらの水上機母艦は、ショート水上機を3機搭載可能だった。
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    | 前の講義で出てきた、水上機母艦『アーク・ロイヤル』は?
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         | まだ完成してない。
         | だから、イギリスは早急に上記の水上機母艦3隻を揃えたんだ。
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| しかし、12月25日に行われたその作戦の結果はボロボロ。
| 敵飛行船基地まで辿り着いたのは1機だけで、他は全て脱落。何とか母艦まで帰ってこれたのは3機。
| まあ、失敗したパイロット達はたまたま味方潜水艦の付近に着水。無事に救助されてますが。
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    | 日本の水上機母艦『若宮』は大活躍だったのに…
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         | 目標の距離が、余りに遠すぎたんだよ。
         | 飛行船基地爆撃作戦は以後も何度か行われたが、全て失敗だった。
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| さて… ドイツはイギリスの士気を挫くため、イギリス本土に艦砲射撃を試みる事にしました。
| そして、ヒッパー少将率いるドイツ艦隊が出撃したんですが…
| イギリスはドイツの暗号文章を解読、作戦をあらかじめ知っていたのです。
| 大艦隊で待ち伏せしていたイギリス側に対し、形勢不利と見たヒッパー艦隊は撤退を図りました。
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 ・ドッガー・バンク海戦(1915年1月24日)
   ドッガー・バンクにおける、イギリス艦隊とドイツ艦隊の戦い。
   戦火を交えながらも、ドイツ側が何とか撤退に成功。
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    | 1914年の秋から翌年1月にかけて、海戦が集中してるモナね。
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         | この時期の陸戦は、ほとんど膠着ってのもあるんだが。
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| 撤退するヒッパー艦隊を、イギリスが追撃。
| ヒッパー艦隊の最後尾『ブリュッヒャー』に、『ライオン』を始めとしたイギリス巡洋戦艦が砲撃を浴びせます。
| ダメージを受けて速力が落ちていく『ブリュッヒャー』を見て、ドイツ巡洋戦艦3隻は『ライオン』に攻撃を集中。
| 巡洋戦艦『ライオン』に多大なダメージを与えつつ、ヒッパー艦隊は撤退に成功しましたが…
| 取り残された『ブリュッヒャー』は、イギリス艦隊によって撃沈されてしまいました。
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 ・ドイツ艦隊(フランツ・フォン・ヒッパー少将)
   巡洋戦艦『ザイドリッツ』、『デアフリンガー』、『モルトケ』
   装甲巡洋艦『ブリュッヒャー』
   軽巡洋艦『コルベルク』

 ・イギリス艦隊(デイヴィッド・ビーティー中将)
   巡洋戦艦『ライオン』、『プリンセス・ロイヤル』、『タイガー』、『インドミダブル』、『ニュージーランド』
   軽巡洋艦『オーロラ』
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    | 尊い犠牲があったものの、撤退には成功したモナね。
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         | この際、ドイツ巡洋戦艦『ザイドリッツ』が火薬庫付近に被弾、爆沈寸前の事態になった。
         | この反省を踏まえて、ドイツ艦は火薬庫周辺の防御を強化する。
         | それが、第一次大戦最大規模の海戦であるユトランド海戦で生きてくるんだ。
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| さて… そんな中、オスマン・トルコ帝国が同盟側に参戦します。
| それに対し、10月31日にロシアはトルコに対して宣戦布告。
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    | なんで、トルコはドイツ・オーストリア側に付いたモナか?
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         | いろいろややこしい事情はあったんだが…
         | そもそもあそこの国はロシアが嫌いで、親ドイツだからな。
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| 西部戦線が完全に膠着してしまったので、イギリスは新たな侵攻ルートを模索します。
| そんな中、ダーダネルス海峡を通過してベルリンの背後を突くという侵攻経路が発案されました。
| このダーダネルス海峡はトルコ領なので、黙って通してくれるはずがありません。
| こうして、イギリスを始めとした連合国によるオスマン・トルコ攻撃が開始されました。
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 ・ガリポリの戦い(1915年2月19日〜1916年1月9日)
  イギリスを中心とした連合軍地中海遠征軍と、オスマン・トルコとの戦い。
  連合軍の猛烈な攻撃を跳ね除け、オスマン・トルコが結果的に勝利を収めた。
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    | あちこちで戦いが起きてるモナね。
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         | この計画を立案したのは、海軍卿ウィンストン・チャーチル。
         | 第二次世界大戦時にはイギリスの首相となり、妙な存在感をかもし出す男だ。
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| そして2月19日、イギリスの戦艦14隻とフランスの戦艦4隻を中心とした艦隊が地中海に現れます。
| 合同艦隊によるダーダネルス海峡の猛砲撃、そしてトルコの陸上砲台からの凄まじい反撃。
| そんな中、フランス戦艦『ブーベ』が機雷により沈没。
| イギリス戦艦『インフレキシブル』も沈没は免れたものの、大ダメージを受けます。
| さらにイギリス艦2隻が沈没と機雷の被害が相次ぎ、作戦は中止されました。
| 一方、トルコも弾薬を撃ち尽くしてしまいます。
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    | トルコ、奮戦したモナね。
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         | だが、弾薬切れでこれ以上戦えない… はずだった。
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| こうして連合軍では、海上からダーダネルス海峡をブチのめすのは無理という事になりました。
| そこで、陸戦部隊を上陸させてダーダネルス海峡を制圧しようという事になります。
| チャーチルは、これに猛反対したんですがね。
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    | トルコは陸上砲台の弾薬を撃ち尽くしたから、もう1回海上攻撃すれば余裕だったのに…
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         | 連合側は、その事実を知らなかった。
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| そして連合側が陸上兵力を整えているうちに、4月になってしまいました。
| 一方のオスマン・トルコもドイツから援軍を受け、真っ向から迎え撃つ態勢を整えています。
| これが、ガリポリ上陸戦における両軍のラインナップですね。
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 連合軍側                        同盟側
  ・イギリス第29師団                   ・オスマン・トルコ軍
  ・イギリス海軍陸戦師団                ・ドイツ第5軍団
  ・フランス軍
  ・オーストラリア・ニュージーランド軍(ANZAC)
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    | オーストアリア? ニュージーランド?
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         | 当時は、イギリスの植民地(みたいなもの)。そこから募った義勇兵だ。
         | この2国は、今回の参戦をきっかけに近代国家の道を歩み始めたといっても良いな。
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| またイギリスは、この部隊を『コンスタンチノープル遠征軍』と名付けてしまいます。
| 名前だけで、どこに上陸するかバレバレ。
| この大失態が、さらに多くの犠牲を失う事になります。
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    | なんてマヌケな…
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         | その結果、ガリポリ半島で上陸戦が行われる事を敵味方の誰もが戦闘前から知ってしまった。
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| そして4月25日、いよいよガリポリ半島において上陸戦が行われます。
| 上陸には成功したものの、トルコ側の反撃も凄まじく連合軍は進軍不能。
| 結果的にここでも戦線は膠着し、死者の数だけが膨れ上がります。
| 戦死者だけではなく、赤痢などによる病死者の数も凄まじいものでした。
| この状態は、あと8ヶ月以上も続く事になります。
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    | ベルギー方面で睨み合うドイツとフランスといい、あちこちで戦線膠着してるモナね。
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         | それには、この頃に一般化した戦術が関係してるんだが…
         | まあ、後に述べよう。
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| この上陸戦で、イギリス海軍は水上機母艦『ベン・マイ・クリー』を投入。
| 搭載した水上機に魚雷を載せ、トルコ貨物船にブチ込むという荒技をかまします。
| トルコ貨物船は見事沈没。これ以後、イギリス海軍は航空魚雷に狂ってしまいました。
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    | 世界初の航空雷撃モナか…
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         | こうして、魚雷攻撃専門の航空機である『雷撃機』が登場した。
         | 第二次大戦でドイツ戦艦『ビスマルク』を追い詰めたソードフィッシュも、雷撃機だな。
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| 10月に入ると、イギリスの閣議で撤退が検討され始めます。
| 徹底攻戦を主張するハミルトン将軍をクビにし、とうとうイギリスは撤退を決断しました。
| そして翌年の1916年1月9日、連合軍の撤退が終了します。
| 11ヶ月に及ぶ戦いは終わり… この戦いの犠牲者は、連合軍だけで25万人以上。
| チャーチルは責任を取らされ、海相をクビになりました。
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    | トルコは、イギリス・フランスの2大国に打ち勝ったモナね。
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         | でも、これがトルコの絶頂期。
         | 以降は徐々に連合軍に追い詰められていき、1918年10月に降伏。
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| ここらで、トルコ地方の戦いについては終わりにしましょう。
| さて、同時期の1915年5月7日、アイルランドの南岸沖で戦争の趨勢を決定付ける程の大事件が起きました。
| イギリスの客船ルシタニア号を、ドイツの潜水艦が沈めてしまったんですよ。
| そして乗客のアメリカ人128人が死亡、アメリカは烈火のごとく怒ります。
| これにはドイツも及び腰、Uボートによる通商破壊を封印させました。
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 ・ルシタニア号事件(1915年5月7日)
   アイルランドの南岸沖で、ドイツの潜水艦U-20が英国客船ルシタニア号を撃沈。
   128人のアメリカ人が命を落とし、中立を維持していたアメリカは対ドイツ参戦に傾いていく。
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    | とうとう、アメリカに動きが。
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         | しばしば誤解されるが、あくまでこの事件はきっかけにすぎない。
         | Uボートの活動が沈静化した為、アメリカは介入を見送ったんだ。
         | これ以降、本格的にアメリカ議会で欧州介入が議論され始めた、という話なんだよ。
         | ルシタニア号事件後もしばらく… 1917年まで、アメリカは中立を貫いている。
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| さらに同時期、三国同盟の一員でありながら中立を保っていたイタリアが動き出しました。
| 1915年5月24日、イタリアはオーストリアに対して宣戦布告。
| ぶっちゃけ、イタリアの動きはほとんど大勢には影響しなかったんですがね。
| イタリアとオーストリアの国境で一進一退を繰り返していただけで。
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    | イタリア…
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         | まあ… 第二次世界大戦でもそうだが、安易なイタリア叩きは考えものだな。
         | イタリアは味方にした方が怖い、なんてのはあくまでジョークであって、
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| さて… ドイツのヒッパー提督を覚えていますかね?
| 彼が率いる艦隊は、1916年4月25日にイギリス本土の砲撃に成功しました。
| さらに、イギリスのローサイスというところに砲撃を喰らわせようとするヒッパー艦隊。
| それを察知し、イギリスの大艦隊が出撃します。しかしドイツの本当の狙いはイギリス艦隊の壊滅にありました。
| ここに、第一次世界大戦最大… 参加した艦船の数ならば、近代史上最大の海戦が勃発しました。
| 場所はデンマーク沖合。これをジュットランド沖海戦と言います。
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 ・ジュットランド沖海戦(1916年5月31日〜6月1日)
   デンマーク沖で行われた、第一次世界大戦最大規模の海戦。
   ラインハルト・シェアー率いるドイツ艦隊と、ジョン・ジェリコー大将率いるイギリス艦隊がぶつかり合った。
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    | いよいよ、艦隊決戦モナね。
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         | ルシタニア号事件以来、ドイツは潜水艦による通商破壊に及び腰になっていた。
         | 水上艦のみを用いて、イギリス艦隊を何とかしたかったんだ。
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| ドイツ海軍もイギリス海軍も、そろそろケリをつけたいと考えていたんです。
| つまり、両者とも決戦を切望していました。
| そして5月31日15時48分、ドイツのヒッパー艦隊とイギリスのビーティー艦隊が砲戦を開始します。
| つまり、互いの主力艦隊が先行させた巡洋艦隊同士が遭遇したんですよ。
| この2人は、ドッガー・バンク海戦でのライバルでしたね。
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 15時48分:ヒッパー艦隊とビーティー艦隊、砲戦開始
        ビーティー艦隊、巡洋戦艦3隻が大破、『インディファティカブル』轟沈。
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    | おお、ドイツが圧倒的に勝ってる。
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         | 砲の命中率は、ドイツの方が上だったんだ。
         | あと、海戦参加艦の紹介は余りに膨大になるんで省略。
         | イギリス艦が195隻、ドイツ艦が128隻なんて、いちいち板書してられんからな。
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| ビーティー艦隊の危機を救うべく、トーマス少将率いる戦艦部隊が駆けつけてきます。
| 新鋭戦艦4隻の加勢に、ヒッパー艦隊は背を向け撤退を図りました。
| すかさず追撃するイギリス艦隊でしたが、巡洋戦艦『クィーン・メアリー』が沈没してしまいます。
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 16時06分:トーマス少将率いる戦艦4隻が到来。
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    | 巡洋戦艦がボコボコモナね。
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         | 巡洋戦艦は、戦艦並みの主砲を搭載した巡洋艦だ。
         | 戦艦の攻撃力+巡洋艦の防御力同士で殴り合えば、こうなるのは仕方ないんだよ。
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| そんな中、司令長官シェアー率いるドイツ主力艦隊が戦場に到着。
| それを目にしたビーティー艦隊は、まるで誘い込むような撤退を見せます。
| 明らかに、何かある…! そう確信しつつも、ドイツ主力艦隊はビーティー艦隊を追跡しました。
| そしてビーティー艦隊が誘引した先には、イギリス主力艦隊の姿が…!
| 18時30分、ついにドイツ主力艦隊とイギリス主力艦隊が会敵しました。
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 18時30分:ドイツ主力艦隊とイギリス主力艦隊が遭遇
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    | シェアーは、わざとイギリス側の誘いに乗ったモナか?
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         | ああ。両者とも、全面対決を意図していたんだ。
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| そこから後は、ひたすらにドツキ合い。
| 数の上ではイギリスが優勢だったんですが、ドイツ艦は命中弾を喰らいつつも致命傷を受けない…
| そう。ドッガー・バンク海戦の反省により、ドイツの軍艦は火薬庫周辺の防御性能が大きくアップしていたんです。
| 逆に、ドイツ艦隊はイギリスの巡洋戦艦『インヴィンシブル』を葬ってしまいました。
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    | またしても、巡洋戦艦…
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         | ドイツ側は、いくら防御性能が改善されていたといっても…
         | やはり、数の差はどうしょうもない。
         | 沈没こそないものの、戦闘不能に陥るドイツ艦が続出した。
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| 日が沈むと… 微妙に劣勢なドイツ主力艦隊は、戦域からの撤退を図ります。
| ヒッパー艦隊やドイツ駆逐艦部隊がイギリス艦隊に猛烈な攻撃を仕掛け、主力艦隊の撤退を支援。
| 夜戦による損害を嫌ったジェリコーは、積極的な追撃を仕掛けませんでした。
| そして、その場の戦いを巡洋艦や駆逐艦に任せます。
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    | あれ… 逃げちゃうモナか?
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         | 主力同士のドツキ合いは、駆逐艦や巡洋艦同士の激突にシフトした訳だな。
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| 闇夜に乗じて行われる、ドイツとイギリスの駆逐艦部隊の熾烈な戦い。
| 乱戦の中で犠牲を出しつつも、ドイツ艦隊は撤退に成功しました。
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  ドイツ戦艦『ポンメルン』沈没、巡洋戦艦『リュッツォウ』自沈
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    | なんとか、ドイツ側は撤退に成功… って、これで終わり?
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         | 決戦を狙った割には、微妙に中途半端で終わっちまったんだ。
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| 結局… 単純に被害艦の数だけを見ると、イギリス海軍の方が多いです。
| しかし、ドイツの艦の多数も行動不能。完全に葬りたかったイギリス海軍はいまだ健在。
| 実際に痛かったのは、ドイツ海軍の方でした。
| 以降、第一次大戦においてドイツは水上艦隊による作戦を諦めてしまいます。
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  ドイツの被害:戦艦『ポンメルン』、巡洋戦艦『リュッツォウ』
  イギリスの被害:巡洋戦艦『インディファティカブル』、『クィーン・メアリー』、『インヴィンシブル』
    →戦闘後、ドイツ・イギリスの両国ともが勝利を宣言。
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    | 結局、本当はどっちが勝ったモナか…?
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         | この海戦のみで見るとドイツの勝利で、戦争全体で見るとイギリスの勝利。
         | かの東郷元帥は、「ドイツが逃げたんだから、ドイツの負けに決まっちょる」と言ったな。
         | 以降はドイツ艦隊の作戦行動は不可能となり、潜水艦による通商破壊に終始する。
         | …まあ、この潜水艦による通商破壊が、イギリスを恐怖のどん底に叩き込んだんだけどな。
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| この、ジュットランド沖海戦における戦訓はいっぱいあるのですが…
| 主なものは、以下の3つですかね。
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 ・巡洋戦艦は派手に戦ったという意味では素晴らしかったが、防御力に問題があった。
       →巡洋戦艦の重防御化。
 ・低速艦(主に戦艦)は速度が致命的に低く、戦場にたどり着く前に海戦が終わっていた。
       →戦艦の高速化。
 ・上方向からの被弾が多かった。
       →水平防御の重視(講義では、後に詳細解説)
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    | 戦艦… 全然出てこないと思ったら、戦場にもたどり着かなかったモナか…
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         | 重防御化した巡洋戦艦に、高速化した戦艦… 両者の目指すべき点は、結果的に同じだった。
         | こうして、両者の発展系である高速戦艦が誕生するんだ。
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| まあ、簡単に言えばこんな感じですかね。
| 行き着く先は同じだったって事で… 後は、第一次世界大戦後にやりましょう。
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  ……(過去からの主力艦の流れ)…→ 戦艦
                             >→ 高速戦艦
   …→ 巡洋艦 → 装甲巡洋艦 → 巡洋戦艦
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    | 到達点は同じ、って訳モナね。
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         | 注意したい点は、発展形の前の段階…
         | 例えば巡洋戦艦が登場しても、巡洋艦は必ずしも消滅しなかったって事だ。
         | まあ、完全に巡洋戦艦に代替されて滅びた、装甲巡洋艦の例もあるけどな。
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| さて、西部戦線はどうなったかというと… 例によって、全く進展がありません。
| そこで参謀総長ファルケンハインは、再びイプールを突破する作戦を立てました。
| 結局、死者の数が増えただけで膠着状態に陥るんですが…
| もう、この講義で『膠着』って言ったのも何度目ですかね?
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 ・第2次イプールの戦い(1915年)
  イプールを巡る、ドイツ軍とイギリス軍の戦い第2弾。
  やっぱり膠着状態へ。
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    | どこもかしこも膠着モナね。
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         | この第2次イプールの戦いでは、派手に毒ガスが使われた。
         | この当時の毒ガスの致死率はそう高くはないが、深刻な後遺症が残るんだ。
         | なお、ドイツよりもイギリス・フランスの方が毒ガス使用量は多い。
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| ファルケンハインはとうとう、ドイツの完全勝利は不可能だと判断しました。
| そこで、いよいよ講和の道を本格的に意識し始めるんですが…
| 有利な講和条件を勝ち取るには、「これ以上戦争したくねー」と相手に思わせなければなりません。
| その為には、1回で良いんで大勝利を手にする必要がありました。
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    | 講和って、そういうものモナか。
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         | そういうもんさ。厄介な相手なら多少条件面で不利でも講和したいし、
         | ヘボい相手なら講和なんかせずに叩きのめしてやった方が、後から色々ふんだくれる。
         | 太平洋戦争末期なんて、アメリカが「無条件降伏以外は認めない」って連呼してただろ?
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| そういう訳で、ファルケンハインいわく『敵に出血を強要する』作戦がスタートしました。
| 目標はフランス軍の要地、ヴェルダン要塞。
| ドイツ軍の猛攻により、まずドーモン保塁を容易に奪い取ってしまいます。
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 ・ヴェルダンの戦い(1916年2月21日〜12月)
   フランス最重要陣地ヴェルダンにて繰り広げられた、ドイツ軍とフランス軍の攻防戦。
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    | フランス軍、大ピンチモナね。
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         | フランス軍は保塁を重要視してなかったんだが、あまりの呆気無さにビックリ。
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| この事態に対し、フィリップ・ペタンが総指揮を任されます。
| 彼は「敵は通さない」と言い切り、徹底抗戦を表明しました。
| そしてフランス軍はドーモン保塁奪還部隊を送り込むのですが、返り討ちに合ってしまいます。
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    | フランス軍、ますますピンチ。
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         | この時、ドーモン保塁奪還部隊に参加したシャルル・ド・ゴールも捕虜になっている。
         | 彼は第二次世界大戦では陸軍の要職に就き、後にフランス大統領となった絶大な大物だ。
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| そして、両軍の凄まじい戦いが展開されました。
| 5月22日にはドーモン保塁にフランス兵が詰め掛け、ドイツ兵がそれを火炎放射器で焼き殺します。
| フランスが誇る兵器である野砲75も猛威を振るい、多数のドイツ兵がヴァルハラ送り。
| こうして、両軍の犠牲者は増える一方となりました。
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    | ヴァルハラ…?
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         | 戦士だけが行ける天国みたいなもん。
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| ドイツ軍は、野砲75が備え付けられていないボー保塁に集中攻撃を敢行します。
| ボー保塁の守備部隊であるフランス兵はそこから出られなくなり、連絡も付かずに飢餓状態となりました。
| フランス守備兵は伝書鳩に「救援を頼む」という手紙を託して本営に向かわせます。
| 本営にそのメッセージを届け、そのまま伝書鳩は力尽きて死亡。
| この鳩にはレジョンドヌール勲章が贈られました。
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    | ハトが勲章を…
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         | 結局、救援は間に合わずにボー保塁は墜ちたんだがな。
         | 中は、死体と糞便で凄まじい状況だった。
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| しかし、ドイツの攻勢にも限界が来ます。
| フランス軍が逆襲を開始し、ヴェルダンにおける攻勢は失敗に終わりました。
| その後に残ったのは42万人にも及ぶ死者と、何ら変化の無い戦局…
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    | ほんと、虚しくなるモナね。
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         | この膨大な死者の数と、それに全く吊り合わない戦線の硬直。
         | これが、第一次世界大戦の特徴なんだ。
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| ヴェルダンの戦いにおいて卓越した戦いを展開した、フィリップ・ペタン。
| 彼は間違いなく、第一次世界大戦時のフランスにおけるトップクラスの将軍です。
| ペタンは後に参謀総長となり、そして第二次大戦時にはスペイン大使、さらにヴィシー政権の首相となり…
| 最後に、戦後最大の対敵協力者となってしまいました。
| ペタンは、ナチスに協力した罪で死刑… 後に減刑されて無期禁固となります。
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    | ナチスに協力…? フランス人なのに?
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         | ペタンと、ドーモン保塁奪還部隊に参加して捕虜になったシャルル・ド・ゴール…
         | その運命は、まさに光と影だな。
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| さて… 空のバトルでは、ドイツのフォッカーE3が猛威を振るっていたというのは覚えていますか?
| 1916年4月の雲の多い日、マヌケな事件が起こります。おそらで道に迷ったドイツのフォッカーE3の操縦士。
| 何とか飛行場を見つけたので着陸してみれば、そこはなんと連合軍の飛行場でした。
| 彼は捕まり、『フォッカーの懲罰』と恐れられたフォッカーE3が敵の手に渡ってしまいます。
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    | なんてマヌケな…
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         | ドイツ戦闘機の秘中の秘であったプロペラ同調機構の秘密がバレ、
         | さらにフォッカーE3自体の性能は連合軍機と互角かそれより下である事が分かった。
         | あれだけ恐れた『フォッカーの懲罰』の正体が明らかになり、連合側は戦意が高揚するんだ。
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| そして、連合軍の逆襲が始まります。
| 『フォッカーの懲罰』は過去のものと化し、ドイツ軍のエースは次々に地に落ちました。
| このFE2はフォッカーE3と同時期の生まれで、同等の性能を持ってたんですが…
| 連合側が、ビビってまともに戦わなかっただけなんですね。
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 ・FE2
  イギリスが1915年に開発した副座戦闘機。
  空中戦だけではなく、偵察や爆撃などの任務もこなした優良機。

   ・全長:9.83m  ・全幅:14.56m  ・全高:3.84m  ・自重:935kg  ・全備重量:1,378kg
   ・最大速度:129km/h  ・航続時間:2時間30分  ・上昇限度:3,300m  ・乗員:2名
   ・エンジン:Beardmore 160HP
   ・武装:7.7mm機関銃×2〜3
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    | 『フォッカーの懲罰』に踊らされてたモナね。
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         | しかし恐怖を乗り越えた連合軍は、『フォッカーの懲罰』を打ち破った。
         | フォン・ゲルストフ男爵が、インメルマンが…
         | 敵味方共にその名が響き渡っていたドイツ軍のエースが、次々に落とされたんだ。
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| このDH2は、FE2より少しだけ新しい戦闘機ですね。
| 実際はフォッカーE3と互角以上の性能である事が分かり、大活躍しました。
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 ・DH2
  フォッカーE3に対抗して造られたイギリス戦闘機。
  ドイツ戦闘機から制空権を奪い返す事に成功した。

   ・全長:7.68m  ・全幅:8.61m  ・全高:2.91m  ・自重:428kg  ・全備重量:654kg
   ・最大速度:150km/h  ・航続時間:2時間45分  ・上昇限度:4,420m  ・乗員:1名
   ・エンジン:Gnome 100HP
   ・武装:7.7mm機関銃×1
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    | 次から次へと、新しい戦闘機が…
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         | 戦争中ってのは、たった1年で兵器の性能が段違いになるからな。
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| そして、『フォッカーの懲罰』終焉を決定付けたのは、フランスのニューポール11。
| フォッカーE3よりも新しい世代で、その優良な性能はドイツの航空機を圧倒しました。
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 ・ニューポール11
  連合軍側で初めてプロペラ同調機構を備えた小型複葉戦闘機。
  その翼は特殊で、下葉が上葉の半分しかない一半葉方式である。
  小型軽量のため非常に格闘戦に優れ、エースを次々と生み出した。

   ・全長:5.80m  ・全幅:8.16m  ・全高:2.40m  ・自重:375kg  ・全備重量:560kg
   ・最大速度:170km/h  ・航続時間:2時間  ・上昇限度:5,300m  ・乗員:1名
   ・エンジン:ル・ローン 80HP
   ・武装:7.7mm機関銃×1
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    | フォッカーE3、短い栄華だったモナね…
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         | このニューポール11も、すぐにドイツの最新機に食われてしまう。
         | 第一次世界大戦では、従来の機体を上回る優秀な航空機が次々に出現するんだ。
         | まさに、兵器のシーソーゲームだな。
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| また1916年に入ると、ロンドンが空襲にさらされる事になりました。
| 死人そのものは少ないものの、前線を飛び越えて市街を狙ってきた攻撃に市民は大パニック。
| 専用の爆撃機の開発が、本格化してきたんですよ。
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 ・ゴータG.IV
  ロンドンを攻撃、市民を恐怖のどん底に叩き込んだドイツの双発爆撃機。

   ・全長:11.86m  ・全幅:23.7m  ・全高:4.3m  ・自重:2,740kg  ・全備重量:3,975kg
   ・最大速度:140km/h  ・航続時間:840km  ・上昇限度:6,500m  ・乗員:3名
   ・エンジン:Mercedes D.IVa 260hp×2
   ・武装:7.7mm機関銃×1
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    | 今までの戦争の歴史を見れば… 敵の都市への攻撃って、物凄く異例の事モナね。
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         | 戦争が貴族のスポーツだった時代からは考えられないな。
         | だが、これからはこういうやり方がスタンダードになっていくんだ。
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| それに対し、イギリスはハンドレページO/100を使って報復爆撃を実行します。
| それ以後も、両国は何度も敵国の都市に爆弾をバラ撒きました。
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 ・O/100
  イギリスが開発した、当時としてはかなり大型の双発爆撃機。

   ・全長:19.16m  ・全幅:30.48m  ・全高:6.71m  ・自重:3,722kg  ・全備重量:6,359kg
   ・最大速度:137km/h  ・航続時間:8時間  ・上昇限度:2,135m  ・乗員:4名
   ・エンジン:Rolls-Royce EagleII 250hp×2
   ・武装:7.7mm機関銃×1
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    | やられたら、同等の手段を持ってやり返す、モナね…
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         | そんな風にして、模倣と対抗の繰り返しで兵器は発達してきたんだ。
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| あと、エンジンについても捕捉。
| 爆撃機はその任務上、単発よりも双発や四発が適していたんです。○発ってのは、エンジンの数の事ですね。
| レシプロ機の場合はエンジンの数=プロペラの数なんで、見ればすぐに何発機か分かります。
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  エンジンの数が増えるにつれて…
       長所:機体が大型化→爆弾搭載量の増大。防御力がUP。
              出力がアップ → 航続力の増加。
       短所:機体が大型化→鈍重になり、小回りが利かなくなる。
  ,__       開発に、高い技術力が必要。
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    | 機体の大型化ってのは、長所であり短所でもあるモナね…
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         | 板書した理由で、爆撃機に双発や四発は相性がいいんだ。
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| こんな風に爆撃機の登場によって、戦争のカタチが変わってしまいます。
| 戦場から遠く離れた都市が、攻撃目標となる可能性が出てきましたからね…
| この頃から、『戦争=軍人VS軍人』の構図も崩れ始めます。
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  敵の都市を大規模に爆撃=『戦略爆撃』
     目的1:生産拠点の破壊→産業や経済にダメージを与える。
     目的2:厭戦観の喚起→敵国全体の士気低下。
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    | 民間人も、戦争と無関係ではなくなったモナね…
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         | 『戦略爆撃』は、核兵器の登場によって意味合いが変わってくるからな。
         | あくまで、第一次〜第二次世界大戦の頃の話だぞ。
         \_____________________________

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| 今までは、航空機の種別なんて曖昧だったんですが…
| この時期になると、それぞれの役割に特化してきますね。
| また、爆撃機を護衛する戦闘機、敵爆撃機を撃墜に向かう戦闘機といった、
| 両者の基本的な関係も、この時期に定着してきます。
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 ・戦闘機
  対空戦闘に特化した航空機。つまり、敵機を撃墜するための航空機。
  比較的軽量かつ運動能力に優れる。

 ・爆撃機
  地上への攻撃(戦車・建物)や海上(軍艦)への攻撃に特化した航空機。
  比較的鈍重な分、多くの爆弾が積めるようになっている。
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    | 両者の役割分担は、かなり最初の時期から成立してたモナね…
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         | 無論、爆撃機にも防衛用の機銃は搭載されてたが、戦闘機と戦うのは無茶だ。
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| さらに、地上から飛行機を狙い撃ちする砲台… 高射砲も生まれました。
| 飛行機のスピードを捉えきれず、全然当たりませんでしたがね。
| この時代の高射砲は、非常に頼りないものでした。
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 ・高射砲
  対空攻撃用の砲台。高い仰角が取れるように設計してある。
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    | 仰角…?
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         | 砲口を、どれだけ真上に向けられるかの角度。
         | 水平方向の射撃を仰角0度で、真上が仰角90度。
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| さて… 次は、東部戦線に視点を移しましょう。
| こちらも、ドイツ・オーストリア連合軍が有利とはいえ微妙に戦線が膠着していました。
| そんな中、アレクセイ・ブルシロフという名将がドイツ軍をブチのめしてしまいます。
| これが、ブルシロフ攻勢と呼ばれる戦いでした。
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 ・ブルシロフ攻勢(1916年6月)
   東部戦線におけるドイツ・オーストリア連合軍とロシア軍の戦い。
   ロシアのブルシロフ将軍が展開した浸透戦術により、ドイツ軍は敗北を喫する。
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    | ロシア、東部戦線で勝ったのは初めてじゃないモナか…?
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         | 余談だが、ブルシロフの軍は38式歩兵銃などの日本製兵器を使って戦ったんだ。
         | 日本は、ロシアに兵器を輸出しまくってたからな。
         | しかしロシア革命が起きると、「前の政権との約束なんてシラネ」と言われて、
         | 兵器の代金を踏み倒されたんだよ…
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| ここでブルシロフが用いた浸透戦術というのは、少数部隊での奇襲を軸にした戦術です。
| 敵陣の一番脆いところを見つけ、そこからじんわりと敵陣に浸透していくっていう戦術です。
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 ・浸透戦術
  小規模の部隊に分散し、まずは直接交戦を避けつつ敵の弱点に集中的に侵入する。
  そこからさらに後続部隊が入り込み、敵を撹乱させつつ後方へ浸透。
  こうして前線を分断し、各個包囲撃破していく戦術。
  これには、各部隊の連携と各自の適切な判断が必要となる。
  敵陣を破る方法といえばひたすら突撃だった時代において、画期的な戦術である。
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    | うーむ、良く分からないモナね。
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         | これについては、後で詳しくやるさ。
         | 具体的に言うと… 後にドイツ軍がこの戦術を真似て、連合軍相手に猛威を振るうんだ。
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| この新戦術は凄まじい力を発揮し、オーストリア軍をボコボコにしました。
| しかし8月に入ると、ドイツ・オーストリア連合軍も猛反撃。
| なんとかロシアの進撃をストップさせる事に成功します。
| そんな中、ドイツにとって衝撃的な出来事が起きました。
| なんと、ルーマニアが連合側に参戦…!
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  1916年8月31日、ルーマニアがオーストリアに対して宣戦布告。
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    | ルーマニアの参戦って、そんなに驚く事モナか…?
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         | 結果論だけで見れば、あんまり戦局に影響を与えるもんじゃなかった。
         | ただ、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世がビビっちまったんだ。
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| もう1人の講師であるギコ君の言った通り、ヴィルヘルム2世がショックを受けます。
| そして皇帝は、参謀総長であるファルケンハインを首にしてしまいました。
| その後釜に座ったのは、タンネンブルグの英雄…
| パウル・フォン・ヒンデンブルクとエーリッヒ・ルーデンドルフのコンビでした。
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  肝心のルーマニアは、ドイツ軍の前にあえなく敗退。
  この時のドイツ軍の指揮官は参謀総長から降格されたファルケンハインで、
  作戦を扱わせれば超一流である事を見せ付けた。
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    | オマエ、いつの間にかサブ・レクチャーになったのか…
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         | しぃ助教授と俺のサンドィッチ講義。
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| 参謀総長にはヒンデンブルクが就き、ルーデンドルフはそれを補佐する参謀次長となります。
| 実際に、実権を握っていたのはルーデンドルフの方でしたがね。
| 彼等2人は、ドイツ国民からも絶大な人気がある軍人でした。
| こうして、ドイツ第二帝国終焉劇最期の役者であるルーデンドルフが表舞台に現れます。
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    | ルーデンドルフが、段々とドイツを牛耳っちゃうモナね。
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         | これから後の東部戦線は、ロシア革命によって様変わりするんだ。
         | ロシアが抜け、それによってドイツも兵を西部戦線に向かわせる…
         | まあ、しばらく後の事だがな。
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| さて… ここで、第一次世界大戦で多くの戦場が戦線膠着に陥っていた理由を解説しましょう。
| その原因は塹壕という、銃弾や砲弾よけの穴にありました。
| その塹壕に篭る事が、かってない戦線膠着をもたらしたんです。
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    | 塹壕…?
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         | 単なる穴って言うか、もはや前線の簡易地下施設だな。
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| その恐怖、己の身で知れィ! さあ、塹壕にこもる私を倒してみなさい!!
| ハリー! ハリーハリー!! ハリーハリーハリー!!!
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| そう。結局は、こうなっちゃうんですよ。
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| 実際の塹壕はこんな単純ではなく、穴が幾重にも掘り巡らされていました。
| 少しでも接近すれば四方から十字砲火を喰らう鉄壁の陣…
| これを両者が築き、戦場で睨み合うという光景が続きました。
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       |これを打破しようと両軍はちょくちょく突撃を掛けたんだが、塹壕の堅固さに手も足も出なかった。
       |死者の数だけが、無駄に膨れ上がっていったんだ。互いにな。
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| そんな状況で、戦場を視察していたイギリス陸軍アーネスト中佐の脳裏にとあるアィデアが閃きます。
| 機関銃をものともしない防御力を持った重装甲の大型車両を突っ込ませば、塹壕を破れるんじゃないか…?
| しかし伝統あるイギリス陸軍上層部は、彼のアィデアを一笑に伏します。
| アーネスト中佐の発案に注目したのは、何と畑違いであるはずのイギリス海軍でした。
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       | 海軍大臣ウィンストン・チャーチルは、アーネスト中佐の発案に大きな興味を示した。
       | …後にイギリス首相になり、第二次世界大戦で主役級の活躍をするこのオッサン、
       | それ以前にも色々なところで顔を出してくるな。
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| そして、陸上軍艦(後の戦車)開発構想が本格的にスタートします。
| 秘匿名称『タンク(水入れ)』と呼称された対塹壕兵器の開発は着々と進んでいき…
| そして史上初の戦車、Mk-1が完成したのですよ!!
| その外見は現在の戦車からはかけ離れていて、形状から『菱形戦車』と呼ばれました!!
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  ゴゴゴゴゴゴ…_ __________
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                           | うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
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| 無限軌道(キャタピラ)で塹壕もへっちゃら! 重装甲で敵の銃弾も怖くない!
| 搭載機銃で群れ寄る歩兵も皆殺し!!
| …おっと、Mk-Iには、砲搭載タイプと機関銃搭載タイプの2種類が存在していました。
| 砲搭載タイプはメイル(雄)、機関銃搭載タイプはフィーメイル(雌)と呼ばれていますね。
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               ゴゴゴゴゴゴ…_ __________
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                          | アパーム! アパ――ム!!
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| 戦闘のォォォォォォ本能が沸き上がってくるゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
| 学生共ォォォォォォォォォォォォ私は講師をやめるぞォォォォォォォォッ!!
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iiiii
iiiii ・Mk-I戦車
iiiii   アーネスト中佐の発案によって作られた史上初の戦車。
;iii:   時速6Kmとかなり鈍足だが、歩兵の支援にはこれで問題無しとされた。
iiiii.
iiiii   ・全長:9.906m  ・全幅:4.191m  ・全高:2.438m  ・重量:28t  ・乗員:8名
iiiii   ・最大出力:105hp  ・最大速度:5.95km/h  ・航続距離:38.6km  ・装甲厚:6〜12mm
iiiii   ・エンジン:ダイムラー・フォスター 液冷ガソリン
;iii:   ・武装:(雄型)40口径6ポンド戦車砲×2、8mm機関銃×4
;iii:          (雌型)8mm機関銃×5
iiiii.
ii;ii:========================================
iiiiii:..             ゴゴゴゴゴゴ…_ __________
i;iii;ii;;.                 > ―∠/' ̄ ̄ ̄| | ̄:|  :|._:| ̄ ̄ー-、   タタタタタ…
 "~`                ∠/∠/ :|:   :|:   :| :|  :|  :|  (ニニニl  ) − − −− −
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       | そういう訳で、今回の講義はここまで!!
       | この新兵器・戦車は、果たして第一次大戦でどのような役割を果たすのか!!
       | 次の講義に続くぞッ!!
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| ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!
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